グローバル展開てんかいは ”意識いしきしていない”！？『外見がいけん至上しじょう主義しゅぎ』『喧嘩けんか独学どくがく』のT.Jun先生せんせいが追求ついきゅうするとにかく面白おもしろいWEBTOON

オープン可能かのうな範囲はんいのデータですと、『外見がいけん至上しじょう主義しゅぎ』と『喧嘩けんか独学どくがく』は両りょう作品さくひんとも10か国こく以上いじょうで配信はいしんされており、特とくに『外見がいけん至上しじょう主義しゅぎ』は累積るいせき90億おく程度ていどのPVを達成たっせいしています。

縦たて読よみ型がたマンガ自体じたいは昔むかしから存在そんざいしましたが、スマホの普及ふきゅうが流行りゅうこうの決定けってい打だになりました。誰だれもがいつでも簡単かんたんにインターネットにアクセスできる環境かんきょうになった結果けっか、WEBTOONも含ふくめ、短みじかい時間じかんで気軽きがるに楽たのしめるスマホ向むけコンテンツが急きゅう成長せいちょうしました。そういう意味いみでは、WEBTOON業界ぎょうかいは非常ひじょうに運うんが良よかったのかもしれません。

スマホとの親和しんわ性せいが高たかい分ぶん、WEBTOONの競争きょうそう相手あいてはスマホでつい見みてしまうFacebookやInstagram、動画どうがコンテンツだという認識にんしきも持もっています。SNSや動画どうがを見みている人ひとたちにどうやってウェブトゥーンを読よんでもらうかが、私わたしの課題かだいでもありますね。

作品さくひんによって異ことなりますね。『外見がいけん至上しじょう主義しゅぎ』ではストーリーと作画さくがを担当たんとうしていますが、『喧嘩けんか独学どくがく』では原作げんさく者しゃとして絵えコンテ（ネーム）を制作せいさくしています。ほかにも自社じしゃ（T.Jun先生せんせいが運営うんえいする制作せいさく会社かいしゃPTJ cartoon company）で手てがけるマンガでは、作品さくひんへのフィードバックを中心ちゅうしんに総括そうかつプロデューサーの役割やくわりを務つとめています。さまざまな形かたちでWEBTOONに関かかわっているので、結果けっか的てきに全すべての過程かていを担当たんとうしていると言いえますね。

WEBTOONを配信はいしんするプラットフォームのなかには、ユーザーが自由じゆうに作品さくひんを投稿とうこうできる機能きのうを持もったものもあります。そうしたところでアマチュア作家さっかとして連載れんさいするうちにプラットフォーム側がわのスタッフやエージェンシーなどの目めに留とまる……というのが、デビューの一般いっぱん的てきな流ながれのひとつです。また、大型おおがたの制作せいさく会社かいしゃやエージェンシーが運営うんえいする専門せんもん学校がっこうを修了しゅうりょうしてデビューに至いたるケースもあります。さらに現在げんざいのWEBTOON業界ぎょうかいは分業ぶんぎょう化かが進すすんでいるので、絵えコンテや線画せんが、着き彩いろどり、背景はいけいなど、担当たんとうごとに募集ぼしゅうがかけられることもあります。出版しゅっぱん社しゃや編集へんしゅう者しゃとの繋つながりが重要じゅうような日本にっぽんのマンガ業界ぎょうかいと比くらべて、多様たようなルートがあると思おもいます。

私わたしは子こどもの頃ころからマンガ家かになるのが夢ゆめでした。しかし、いざ自分じぶんが大人おとなになったとき、韓国かんこくの出版しゅっぱんマンガ業界ぎょうかいは厳きびしい状況じょうきょうにあり（※マンガの違法いほうアップロードが深刻しんこく化かし、出版しゅっぱん社しゃや作家さっかが大だい打撃だげきを受うけていた）、たとえマンガ家かになったところで金銭きんせん的てきに苦くるしいことが予想よそうされました。私わたしは貧まずしい家庭かていに育そだったので、お金かねを稼かせぐことも大事だいじにしたかった。「まずはお金持かねもちになってからマンガ家かを目指めざそう」と考かんがえて、いったん別べつの仕事しごとを始はじめたんです。

しかしWEBTOON市場いちばが発展はってんしたことで、マンガ家かになるためのルートも増ふえました。私わたしはアマチュア作家さっか向むけのWEBTOONプラットフォームに作品さくひんを投稿とうこうした結果けっか、運うん良よくお声こえがけいただけてデビューに至いたりました。もともと「60歳さいくらいでデビューできたらいいな」と考かんがえていたのですが、とても早はやく目標もくひょうを達成たっせいすることができました。

はい。WEBTOON制作せいさくにおいても編集へんしゅう者しゃは存在そんざいしますし、日本にっぽんのマンガの編集へんしゅう者しゃとそれほど役割やくわりは変かわりません。作家さっかにアドバイスを送おくったり、スケジュール管理かんりをするほか、マーケット分析ぶんせきやIP企画きかくも担当たんとうします。プラットフォーム、作家さっか、読者どくしゃ、それぞれの立場たちばが上手うまく噛かみ合あうようにブリッジの役割やくわりを果はたすのが編集へんしゅう者しゃの仕事しごとだと捉とらえています。

プラットフォーム側がわにも編集へんしゅう者しゃはいますが、PTJ cartoon companyも含ふくめ、編集へんしゅう者しゃを置おいている制作せいさく会社かいしゃも多おおいです。無数むすうに作品さくひんが生うみ出だされるWEBTOON業界ぎょうかいの中なか、ヒット作さくを作つくるためには、プラットフォームの編集へんしゅう者しゃとやり取とりするだけでは足たりません。もっと密みつに議論ぎろんを交かわせる編集へんしゅう者しゃも必要ひつようなんです。

編集へんしゅう者しゃとは少すこし違ちがいますが、デビュー当初とうしょから一緒いっしょに仕事しごとをしているアシスタントたちがいるので、そのチームで議論ぎろんしながら制作せいさくしています。

そういった判断はんだんは全まったくしていません。もしも私わたしがグローバル展開てんかいを最さい優先ゆうせんで考かんがえていたら、韓国かんこくのカルチャーをベースとした『外見がいけん至上しじょう主義しゅぎ』や『喧嘩けんか独学どくがく』のような作品さくひんは描えがいていなかったと思おもいます。私わたしが最もっとも想像そうぞうしやすいのは、「韓国かんこくの読者どくしゃは、どのようなものを面白おもしろいと感かんじるか？」です。自国じこくの読者どくしゃを楽たのしませることを徹底的てっていてきに目指めざしたら、結果けっか的てきに海外かいがいの読者どくしゃにも面白おもしろく感かんじていただける作品さくひんが出来上できあがったのだと思おもいます。ただ、私わたしはアクションマンガを得意とくいとしているので、その点てんはグローバル展開てんかいに有利ゆうりに働はたらいたかもしれません。アクションというのは、多おおくの国くにで人気にんきのあるジャンルですからね。

いいえ、私わたしは日本にっぽんのマンガから格闘技かくとうぎを学まなびました（笑）。とはいえ、最低限さいていげんの考証こうしょうは必要ひつようです。あまりにリアリティのない描写びょうしゃにならないように、総合そうごう格闘技かくとうぎの選手せんしゅの方ほうからアドバイスをいただいています。

私わたしは貧まずしい家庭かていの出身しゅっしんから成功せいこうして、外見がいけんも努力どりょくして磨みがきました。作品さくひんを通つうじて社会しゃかいに問題もんだい提起ていきすることを強つよく意識いしきしているわけではありませんが、自分じぶんの体験たいけんを作品さくひんに活いかしてはいます。そんな本物ほんものの体験たいけんが根底こんていにあるからこそ、読者どくしゃに共感きょうかんしていただけるのかもしれません。もし私わたしが20歳さいでデビューしていたら、海外かいがいのメディアから取材しゅざいされるような作家さっかにはなっていなかったと思おもいます（笑）。

自分じぶんのチーム内ないでの会議かいぎを経へて、私わたしのほうでしっかり練ねった企画きかくをプラットフォーム側がわに提案ていあんしています。

根幹こんかんとなるアイデアが、最初さいしょから最後さいごまでを貫つらぬく魅力みりょくを持もっているかどうかですね。例たとえば、「体からだが別人べつじんに変かわる」話はなしは珍めずらしくないですが、『外見がいけん至上しじょう主義しゅぎ』の、「冴さえない元々もともとの体からだと、イケメンでスタイル抜群ばつぐんの体からだ、このふたつが睡眠すいみんを媒介ばいかいに切きり替かわる」というアイデアは「面白おもしろい！」と思おもいます。よくあるような使つかい捨すてのアイデアではなく、作品さくひんに根ねをはって、話はなしをずっと面白おもしろくできるアイデアかどうか、それが大事だいじなんです。

『人生じんせい崩壊ほうかい』も「いじめ被害ひがい者しゃと加害かがい者しゃの体からだが入いれ替かわる」まではありそうな話はなしです。でも、「格闘技かくとうぎの知識ちしきがある加害かがい者しゃの魂たましいが、貧弱ひんじゃくな肉体にくたいに入はいったら？」という部分ぶぶんが「面白おもしろい！」と感かんじました。核かくとなるアイデアに長期ちょうき連載れんさいができるだけの手応てごたえを感かんじたら、企画きかくを練ねりはじめます。

あと私わたしは少年しょうねんマンガが大好だいすきなんですが、「なんでわざわざ戦たたかって、痛いたい思おもいをするの？」とツッコミを入いれたくなることが結構けっこうあるんですよね（笑）。「動画どうがでお金かねを稼かせぐ」という理由りゆうづけをすることで、読者どくしゃにとって主人公しゅじんこうの戦たたかいが納得なっとくしやすいものになっているんじゃないでしょうか。

うーん……。特とくに「これ！」というノウハウはありませんが、連載れんさいが長ながくなるというのは人気にんきがある、つまり収益しゅうえきが上あがるということなので、チーム一丸いちがんとなって必死ひっしでなんとか話はなしをふくらませています（笑）。

作家さっか性せいと商業しょうぎょう性せいというのは、非常ひじょうに難むずかしい問題もんだいですね……。ビジネスである以上いじょう、既存きそんのヒット作さくを踏ふまえた作品さくひんづくりになるのは、ある程度ていどは仕方しかたのないことだと感かんじます。そして、商業しょうぎょう的てきに成功せいこうしている作品さくひんには作家さっか性せいというものが全まったくないわけでもありません。私わたし自身じしん、自分じぶんの作品さくひんに個性こせいがないとは思おもっていません。多おおくの人々ひとびとがそれぞれの立場たちばから意見いけんを交かわしていくべき話題わだいだと感かんじますが、作家さっか性せいと商業しょうぎょう性せいをあまり極端きょくたんに分わけて考かんがえるのも、ちょっと違ちがうのではないでしょうか。

主おもに4つのスタイルがあります。まずは、PTJ cartoon company所属しょぞくの作家さっかであるT.Junが外部がいぶの作家さっかと協業きょうぎょうする形かたち。次つぎが、T.JunとPTJ cartoon company所属しょぞくの別べつの作家さっかが一緒いっしょに作つくる形かたち。3つめが、T.Jun なしでPTJ cartoon company所属しょぞくのメンバー同士どうしで作つくる形かたち。4番目ばんめは、既存きそんの作品さくひんの流通りゅうつうをPTJ cartoon companyがエージェンシーとして請うけ負おう形かたちです。現役げんえきの作家さっかが代表だいひょうを務つとめているからこそ、ほかのどんな会社かいしゃよりも、作品さくひんづくりのノウハウや作家さっかの悩なやみに理解りかいがある会社かいしゃだと自負じふしています。

かつては私わたしが全すべてのプロデュースを担当たんとうしていたので、どうしてもリソースに限界げんかいがありました。しかし実力じつりょくのある作家さっかにチーフプロデューサー役やくを任まかせることで、PTJ cartoon companyとしてハンドリングできる作品さくひん数すうが増ふえました。

それほど紙かみのマンガと変かわらないのではないかと思おもいます。作家さっかの興味きょうみ関心かんしんやこだわりを活いかした上うえで、それがビジネスとして成立せいりつするように調整ちょうせいする能力のうりょくが重要じゅうようなのではないでしょうか。PTJ cartoon companyはそういったスキルにも長たけているので（笑）、ぜひ日本にっぽんのWEBTOON業界ぎょうかいとも何なにかご縁えんがあればうれしいです。

はい。とても絵えが上手うまいクリエイターがたくさんいらっしゃるので、以前いぜんから利用りようしていました。なので、本日ほんじつはインタビューしていただけて光栄こうえいです。今後こんごもいろいろ良よい機会きかいがあったらうれしいですね。

私わたしは子こどもの頃ころから日本にっぽんのマンガが大好だいすきです。日本にっぽんのマンガは非常ひじょうにクオリティが高たかいものばかりですが、WEBTOONという慣なれない形式けいしきにまだ適応てきおうできていないクリエイターが多おおいのではないかと感かんじます。そういう方々かたがたにPTJ companyのノウハウを伝つたえ、お互たがいの長所ちょうしょを吸収きゅうしゅうしあうことで、グローバル規模きぼのヒット作さくを生うみ出だせたらと考かんがえています。