先ごろ本紙にワシントン発で「岸田首相、尹大統領はノーベル平和賞に値」(4月26日付東京版)という記事が出ていた。知日派で知られるキャンベル米国務副長官が「ハドソン研究所」の行事の際に日米韓の関係強化に触れ、岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は「困難な歴史問題やそれぞれの国内での抵抗を乗り越えて強い決意を示している」とし、「ノーベル平和賞の共同受賞に値する」と語ったというのだ。
かねて日韓関係の改善と安定を強く望んできた米国は尹政権誕生による日韓関係の劇的(?)改善を大いに歓迎している。昨年9月には、「J・F・ケネディ財団」も昨年度の「勇気ある人々」賞の国際特別賞に両首脳を選んだと発表している。
このニュースが伝えられたとき、筆者は2000年に金大中(キムデジュン)大統領(当時)がノーベル平和賞を受賞したことを思い出した。その受賞理由は、史上初めて実現した韓国と北朝鮮の首脳会談と南北関係改善だったが、実は理由には別途、金大中政権下の日韓関係改善も入っていたからだ。