（Image by The New York Public Library Digital Collections）

　地球ちきゅうの自転じてん速度そくどは少すこしずつ遅おそくなっています。しかもその速度そくど変化へんかは一定いっていではなく、詳細しょうさいは分わかっていません。過去かこの地球ちきゅう自転じてん速度そくどは、古ふるい時代じだいの皆既かいき日食にっしょくなどの記録きろくを使つかって求もとめることができます。地球ちきゅうの自転じてん速度そくどに応おうじて日食にっしょくが見みえる場所ばしょは変化へんかするため、正確せいかくな観測かんそく地ち、時間じかん、見みえ方かたを伝つたえる記録きろくがあれば、過去かこのある時点じてんでの地球ちきゅうの自転じてん速度そくどを求もとめることができるわけです。しかし、すべての時代じだいにおいて、これらの情報じょうほうに関かんする信頼しんらいできる記録きろくがあるわけではありません。特とくに、西暦せいれき4世紀せいきから7世紀せいきについては、検討けんとう対象たいしょうとなり得える皆既かいき日食にっしょくの記録きろくが極きわめて少すくなく、当時とうじの地球ちきゅうの自転じてん速度そくどについては不明ふめいな点てんが少すくなくありません。

　本ほん研究けんきゅうでは、存在そんざいは知しられていたものの、これまであまり分析ぶんせきが進すすんでいなかった、東ひがし地中海ちちゅうかい沿岸えんがんのビザンツ（東ひがしローマ）帝国ていこくの皆既かいき日食にっしょく記録きろくを探索たんさく、検討けんとうし、4〜7世紀せいきにおける、地球ちきゅうの自転じてん速度そくどの変動へんどうの様子ようすを明あきらかにしました。これにより、地球ちきゅうの自転じてん速度そくどの減速げんそくが、これまで考かんがえられていた以上いじょうに不規則ふきそくであった可能かのう性せいが示唆しさされました。過去かこの皆既かいき日食にっしょくの記録きろくの調査ちょうさを進すすめることで、さらに長期ちょうきにわたる地球ちきゅうの自転じてん速度そくどを、より正確せいかくに復元ふくげんできると考かんがえられます。このような情報じょうほうは、過去かこの歴史れきし的てき天文てんもん記録きろくの信憑しんぴょう性せい評価ひょうかに用もちいることができるだけでなく、長期ちょうき的てきスパンでの地球ちきゅう上じょうの海水かいすい準じゅん変化へんか、地球ちきゅうの内部ないぶ構造こうぞうの変化へんか、極地きょくちの氷こおりの増減ぞうげんなど、地球ちきゅうの自転じてん速度そくど変化へんかが関与かんよするような地球ちきゅう環境かんきょう変動へんどうの理解りかいにも役立やくだつと期待きたいされます。

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プレスリリース

研究けんきゅう代表だいひょう者しゃ

筑波大学つくばだいがく図書館としょかん情報じょうほうメディア系けい
村田むらた 光司こうじ　助じょ教きょう

名古屋大学なごやだいがく高等こうとう研究けんきゅう院いん
早川はやかわ 尚志ひさし　特とく任にん助じょ教きょう

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