気候きこう変動へんどう対策たいさくへの取とり組くみ

パリ協定きょうていで掲かかげた「世界せかいの平均へいきん気温きおん上昇じょうしょうを2℃未満みまんに抑おさえる」という目標もくひょうを達成たっせいするために、企業きぎょうが科学かがくと整合せいごうした温室おんしつ効果こうかガスの削減さくげん目標もくひょうを設定せっていし、公的こうてきに宣言せんげん・実行じっこうしていく取とり組くみです。これは国連こくれんグローバル・コンパクトが、CDP（カーボン･ディスクロージャー･プロジェクト）、WRI（世界せかい資源しげん研究所けんきゅうじょ）、WWF（世界せかい自然しぜん保護ほご基金ききん）と共同きょうどうで主催しゅさいする国際こくさい的てきイニシアチブです。

世界せかいで影響えいきょう力りょくのある企業きぎょうが、事業じぎょうで使用しようする電力でんりょくの再生さいせい可能かのうエネルギー100％化かにコミットする協きょう働はたらけイニシアチブです。CDP(Carbon Disclosure Project)と連携れんけいして国際こくさい的てきな非ひ営利えいり団体だんたいClimate Groupが主導しゅどうしながら、情報じょうほう技術ぎじゅつから自動車じどうしゃ製造せいぞうまでフォーチュン・グローバル500 企業きぎょうを含ふくむ多様たような分野ぶんやから企業きぎょうが参加さんかしています。2021年ねん時点じてんでその売上うりあげ合計ごうけいは6 兆ちょう6000 億おく米あめりかドルを超こえています。企業きぎょうが結集けっしゅうすることで、政策せいさく立案りつあん者しゃおよび投資とうし家かに対たいしてエネルギー移行いこうを加速かそくさせるためのシグナルを送おくることを意図いとしています。

気候きこう変動へんどうが金融きんゆう市場いちばに重大じゅうだいな影響えいきょうをもたらすとの認識にんしきが主要しゅよう国こくの間あいだで広ひろがったため、気候きこう関連かんれん財務ざいむ情報じょうほう開示かいじタスクフォース（Task Force on Climate-related Financial Disclosures）が設立せつりつされました。TCFDの最終さいしゅう報告ほうこく書しょでは、投資とうし家かなどに投融資とうゆうしの対象たいしょう企業きぎょうの財務ざいむが気候きこう変動へんどうから受うける影響えいきょうの考慮こうりょを求もとめ、企業きぎょうには気候きこう変動へんどう関連かんれんリスク、及および機会きかいに関かんするリスクについての開示かいじを推奨すいしょうしています。

大気たいき中ちゅうの温室おんしつ効果こうかガスの濃度のうどの安定あんてい化かを目的もくてきとし、地球ちきゅう温暖おんだん化かがもたらすさまざまな悪影響あくえいきょうを防止ぼうしするための国際こくさい的てきな枠組わくぐみを定さだめた条約じょうやくです。これを実行じっこうするために、締約ていやく国こく会議かいぎ（COP）が毎年まいとし開催かいさいされています。締約ていやく国こくの具体ぐたい的てきな義務ぎむはCOPで締結ていけつされる条約じょうやくで定さだめることになっており、1997年ねんのCOP3で採択さいたくされた京都きょうと議定ぎてい書しょや、2015年ねんのCOP21で採択さいたくされたパリ協定きょうていはその一ひとつです。COPは気候きこう変動へんどう対策たいさくの国際こくさい潮流ちょうりゅうを生うみ出だし、企業きぎょうの経営けいえいにも大おおきな影響えいきょうを及およぼします。しかし、企業きぎょうがその潮流ちょうりゅうに事業じぎょう構造こうぞうをアジャストするには時間じかんも費用ひようも膨大ぼうだいにかかるため、企業きぎょうは国際こくさい潮流ちょうりゅうに常つねに敏感びんかんになる必要ひつようがあり、さらにそれは新あらたなビジネスチャンスにもつながります。GCNJでは、環境かんきょう経営けいえい分科ぶんか会かいなどで最新さいしん潮流ちょうりゅうへの対応たいおうに取とり組くんでいます。

パリ協定きょうていは、2020年ねん以降いこうの地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさくの国際こくさい的てきな枠組わくぐみです。世界せかいの平均へいきん気温きおん上昇じょうしょうを産業さんぎょう革命かくめい前まえと較くらべて2℃より充分じゅうぶん低ひくく抑おさえ、1.5℃に抑おさえる努力どりょくをすることを目的もくてきとしています。また、気温きおん上昇じょうしょうによる気候きこう変動へんどうの影響えいきょうに対応たいおうするための適応てきおう策さくの強化きょうかも初はじめて規定きていし、実施じっしを含ふくめた包括ほうかつ的てきな国際こくさい協定きょうていとなっています。政府せいふ間あいだパネル（IPCC）が2018年ねんに提出ていしゅつした「1.5℃特別とくべつ報告ほうこく書しょ」では、悪影響あくえいきょうを対応たいおう可能かのうな範囲はんいに抑おさえるためには、気温きおん上昇じょうしょうを1.5°Cに抑おさえる必要ひつようがあると発表はっぴょうしました。これを実現じつげんするためには、2050年ねんまでに地球ちきゅう規模きぼでカーボンニュートラルを達成たっせいする必要ひつようがあるため、国連こくれんは世界せかい各国かっこく、企業きぎょう、人々ひとびとらに努力どりょくするように呼よび掛かけました。その結果けっか、2019年ねん頃ごろから急激きゅうげきにグローバル全体ぜんたいで気候きこう変動へんどう対策たいさくの取とり組くみが活発かっぱつ化かしてきました。それを受うけて日本にっぽん政府せいふも2020年ねん10月がつに「2050年ねんカーボンニュートラル宣言せんげん」を発表はっぴょうしました。企業きぎょうや団体だんたいも、これに向むけて走はしり出だしています。

気候きこう変動へんどうの影響えいきょうにより、世界中せかいじゅうで自然しぜん災害さいがいが増加ぞうかしており、また新型しんがたコロナウィルスなどの新あらたな感染かんせん症しょう災害さいがいも増ふえています。事業じぎょう活動かつどうにおける災害さいがいリスクは今後こんごさらに増加ぞうかするでしょう。企業きぎょうが災害さいがいに対たいする事業じぎょう継続けいぞく力りょくを強化きょうかすることは、企業きぎょうの自己じこ防衛ぼうえいのためだけではなく、企業きぎょうがビジネスを通つうじて担になっている社会しゃかい的てき責任せきにんを果はたすために必要ひつようです。これら企業きぎょうの防災ぼうさい・減げん災わざわいでの責任せきにん、役割やくわりは、第だい3回かい国連こくれん防災ぼうさい世界せかい会議かいぎで承認しょうにんされた世界せかいの2030年ねんまでの防災ぼうさいに関かんする包括ほうかつ的てきな行動こうどう枠わく組ぐみ「仙台せんだい防災ぼうさい枠わく組ぐみ」の中なかに33か所しょで記載きさいされており、また企業きぎょうの実施じっしを推進すいしんする役割やくわりはUN Global Compactであると記載きさいされています。GCNJの防災ぼうさい・減げん災わざわい分科ぶんか会かいには会員かいいんの危機きき管理かんり担当たんとう者しゃが集つどい、事業じぎょう継続けいぞく力りょくの強化きょうかに協きょう働はたらけで取とり組くんでいます。