自然しぜん吸気きゅうきV10からV8ハイブリッドへ　「ランボルギーニ・テメラリオ」は何なにがすごい？

ランボルギーニの新型しんがたPHEV

ランボルギーニが、地球ちきゅう環境かんきょうに対たいする持続じぞく可能かのう性せいへの道程どうていを示しめした中期ちゅうき計画けいかく・方針ほうしん「コル・タウリ」を発表はっぴょうしたのは、2021年ねんのことだった。コル・タウリとは、ラテン語らてんごで「雄お牛うしの心臓しんぞう」を意味いみする言葉ことばで、将来しょうらい発表はっぴょうされるランボルギーニの新型しんがた車しゃにおいて、段階だんかい的てきに脱だつ炭素たんそ化かを目指めざす内容ないようを示しめした。見方みかたを変かえれば、これはランボルギーニブランドの心臓しんぞう部ぶともいえるパワーユニットに、歴史れきし的てきな変革へんかくの時代じだいが訪おとずれることを宣言せんげんした画期的かっきてきなものだった。

そのコル・タウリには3つの段階だんかいが設定せっていされている。第だい1段階だんかいにおいては現代げんだいのランボルギーニブランドを象徴しょうちょうするモデルに搭載とうさいされる内燃ないねん機関きかんエンジンをさらに高性能こうせいのうに、そして魅力みりょく的てきな存在そんざいとするためのもので、これは2021年ねんから2022年ねんにかけてのタスクであった。

続つづいて2023年ねんに初はつのハイブリッドモデルを発表はっぴょうし、2024年ねん末まつまでにはラインナップの全車ぜんしゃを電動でんどう化かする計画けいかくを打うち出だした。スーパーSUVの「ウルスSE」に始はじまり、V12モデルの「レヴエルト」、そして今回こんかい夏なつのモントレーで発表はっぴょうされたV8モデルの「テメラリオ」と、PHEVのフルラインナップが完成かんせい。CO2排出はいしゅつ量りょうの目標もくひょう値ちはコル・タウリが発表はっぴょうされた時点じてんと比較ひかくして50％減げんという数字すうじで、さらに2026年ねんから2030年ねんにかけてはフル電動でんどうとなる第だい4のモデルが誕生たんじょうする計画けいかくも明あきらかにされている。

テメラリオはこのランボルギーニ最大さいだいの投資とうしともなる新しん方針ほうしんのなかで、その中期ちゅうき的てきなビジョンに何なにひとつ変更へんこうを加くわえることなく誕生たんじょうした、まさに現あらわれるべくして現あらわれたニューモデルである。

2024年ねん8月がつ17日にち（現地げんち時間じかん）、米べいカリフォルニア州しゅうモントレーにおいて初はつ公開こうかいされたランボルギーニの新型しんがたミドシップスポーツ「Temerario（テメラリオ）」。「レヴエルト」に次つぐランボルギーニのプラグインハイブリッドスポーツカーで、V10モデル「ウラカン」の後継こうけいモデルと位置いちづけられる。

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2024年ねんの「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」で行おこなわれた「ランボルギーニ・テメラリオ」の発表はっぴょうイベントは、全ぜん世界せかいから集あつまった多おおくの報道ほうどう関係かんけい者しゃでにぎわった。同どうイベントはカリフォルニア州しゅうカーメルのクエイルロッジ＆ゴルフクラブを舞台ぶたいに毎年まいとし開催かいさいされている。

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ランボルギーニが2023年ねんに発表はっぴょうした「ランザドール」は、2026年ねんから2030年ねんにかけて登場とうじょうが予定よていされる第だい4のフル電動でんどうモデルを示唆しさするコンセプトカー。同年どうねんの「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」で初はつ公開こうかいされた後のちに、「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」の会場かいじょうにも展示てんじされた。

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システム全体ぜんたいで最高さいこう出力しゅつりょく920PSを発生はっせい

5.2リッターのV10自然しぜん吸気きゅうきエンジン搭載とうさいしていた前作ぜんさくの「ウラカン」と、このテメラリオがメカニズム上じょう最もっとも大おおきな違ちがいとしているのは、やはりパワーユニットの構成こうせいだろう。

その核かくとなっているのは、4リッターにまで排気はいき量りょうがダウンサイジングされたV8ツインターボ。参考さんこうまでにランボルギーニのプロダクションモデルでV8エンジンが搭載とうさいされるのは、1981年ねんに登場とうじょうし1988年ねんまで生産せいさんが継続けいぞくされた「ジャルパ」以来いらいのこととなる。

ツインターボシステムはV8としては理想りそう的てきとされる120度どに開ひらかれたバンク内ないに配置はいちされ、フラットプレーン型がたのクランクシャフトやチタン製せいコンロッドなど、エンジン内部ないぶの構成こうせい部品ぶひんはレーシングカーに近ちかいスペックが採用さいようされている。軽量けいりょう設計せっけいにこだわったというエンジンブロックもまた同様どうようだ。

そしてランボルギーニは、このエンジンに3基きのエレクトリックモーターを組くみ合あわせることで、テメラリオをHPEV（ハイ・パフォーマンス・エレクトリファイド・ヴィークル）と呼よぶミドシップスーパースポーツとして成立せいりつさせている。モーターの1基きは従来じゅうらいのウラカン用よう7段だんDCTよりも軽量けいりょうコンパクトであるという8段だんDCTとV8エンジンの間あいだに配置はいちされ、エンジンの出力しゅつりょくを補おぎなうほかギアチェンジの際さいにレスポンスを一貫いっかんさせるトルク・ギャップ・フィラーとしての機能きのうも持もち合あわせる。

残のこりの2基きはフロントの左右さゆうアクスルにおのおの組くみ合あわされる仕組しくみだ。V8エンジンの単体たんたい出力しゅつりょくは800PSとされるが、エレクトリックモーターによるエクストラを得えて、テメラリオはシステム全体ぜんたいで最高さいこう出力しゅつりょく920PSをスペックシート上じょうに掲かかげる。0-100km/h加速かそくは2.7秒びょう、最高さいこう速そくは343km/hを誇ほこる。総そう容量ようりょう3.8kWhというコンパクトなリチウムイオンバッテリーは、ゼロから満まん充電じゅうでんまでをわずか30分ふんで完了かんりょうする。

ランボルギーニによればテメラリオのCO2排出はいしゅつ量りょうはウラカンの50％以下いかという数字すうじにまで低減ていげんされているということだ。これこそが新しん世代せだいミドシップモデルの大おおきな特徴とくちょうといえる。

パイロット感かんを際立きわだたせたという「テメラリオ」の内装ないそう。ユニークなエンジンスタートボタンやシフトセレクター、レーシングカーをイメージしたというステアリングホイール、助手じょしゅ席せき用ようのインフォメーションディスプレイなどが目めを引ひく。

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最高さいこう出力しゅつりょく800PS、最大さいだいトルク730N・mの4リッターV8ツインターボエンジンに、フロント2基き、リア1基きの計けい3基きのモーターを組くみ合あわせる「テメラリオ」のハイブリッドユニット。システム最高さいこう出力しゅつりょくは920PSと発表はっぴょうされている。ランボルギーニは、このパワーユニット搭載とうさい車しゃをHPEV（ハイ・パフォーマンス・エレクトリファイド・ヴィークル）と呼よぶ。

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2013年ねんに発表はっぴょうされたV10エンジン搭載とうさいのミドシップスポーツ「ウラカン」。20年ねんにわたり歴史れきしを重かさねてきたV10ランボの最さい終章しゅうしょうを飾かざるモデルが、後こう輪わ駆動くどうの「ウラカン テクニカ」だ。

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自然しぜん吸気きゅうきのV8エンジンが搭載とうさいされた「ランボルギーニ・ジャルパ」は1988年ねんまで生産せいさんが継続けいぞくされた。「テメラリオ」で復活ふっかつしたV8は、このジャルパ以来いらいの採用さいようとなる。

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アウディ版ばんテメラリオは存在そんざいする？

テメラリオの基本きほん構造こうぞう体たいは軽量けいりょうなアルミニウム製せいのスペースフレームで、これはウラカンから変化へんかはないが、そのデザインはよりシンプルで生産せいさん効率こうりつも高たかく、結果けっか的てきに重量じゅうりょうの低減ていげんにも成功せいこうした。フロントの左右さゆうに置おかれたエレクトリックモーターの駆動くどうも含ふくめ、常つねに最適さいてきなドライビングダイナミクスをうたう。これらのメカニズムは、開発かいはつ部門ぶもんのトップであるルーヴェン・モール氏しの下したで磨みがき込こまれた。

一方いっぽう1960年代ねんだい以降いこうランボルギーニが好このんで使用しようする六角形ろっかっけいのモチーフを、メインボディーやサイドエアインテーク、テールランプ、エキゾーストパイプ、さらにはインテリアのフィニッシュにも積極せっきょく的てきに用もちいたのは、こちらも現在げんざいのランボルギーニを支ささえるチーフスタイリストのミティア・ボルケルト氏しだ。

実際じっさいの走はしりがいかなるものなのかは、これからステアリングを握にぎる日ひを待まちたいが、気きになるのは果はたしてこのテメラリオのアウディ版ばん、すなわちこれまでウラカン、あるいは「ガヤルド」との姉妹しまい車しゃである「R8」のようなモデルが誕生たんじょうするかどうかといった点てんだ。それに関かんしては、現在げんざいの段階だんかいで確実視かくじつしされる情報じょうほうはない。

最新さいしん世代せだいのヒューマン・マシン・インターフェイスや、よりサーキット走行そうこうにフォーカスした車くるま重じゅうが最大さいだいで25kg以上いじょう削減さくげんされる「アレジェリータパッケージ」など、魅力みりょく的てきなメニューが用意よういされたテメラリオ。その刺激しげきはわれわれユーザーにとっても、そして同どうクラスのスーパースポーツを生うみ出だすライバルにとっても、極きわめて大おおきなものであることは確たしかだろう。

（文ぶん＝山崎やまざき元もと裕ひろし／写真しゃしん＝アウトモビリ・ランボルギーニ／編集へんしゅう＝櫻井さくらい健一けんいち）

「テメラリオ」のサイドビュー。シャシーには「ウラカン」と同おなじく軽量けいりょうなアルミニウム製せいのスペースフレームが用もちいられている。ボディーサイズは全長ぜんちょう×全幅ぜんぷく×全高ぜんこう＝4706×1996×1201mmで、ホイールベースは2658mm。

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18Wayの電動でんどう調節ちょうせつ機構きこうやヒーター、ベンチレーションを備そなえるコンフォートシートのほか、サーキット走行そうこうに適てきしたカーボンファイバー製せいダブルシェルスポーツシート（写真しゃしん）も選えらべる。

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2016年ねんに発表はっぴょうされたアウディの2代目だいめ「R8」は、「ウラカン」の姉妹しまい車しゃ。果はたして「テメラリオ」のアウディ版ばんも登場とうじょうするのか。現在げんざいまで、確実視かくじつしされる情報じょうほうはない。

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シャープなラインや六角形ろっかっけいのライトシグネチャーなどが特徴とくちょう的てきな「テメラリオ」のエクステリア。デザインはミティア・ボルケルト氏しが率ひきいるランボルギーニのデザイン部門ぶもん、チェントロ・スティーレが担当たんとうした。

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