新しん晃あきらグループ電気でんき機械きかい器具きぐ製造せいぞう業ぎょうMRP版ばん
（新晃工業しんこうこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ、新あたらし晃あきら空調くうちょう工業こうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ、旧きゅう･岡山おかやま新晃工業しんこうこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ）様さま

システム戦略せんりゃくに基もとづきグループ3社しゃのシステムを統合とうごう

新晃工業しんこうこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃは、業務ぎょうむ用よう空調くうちょう機器ききの開発かいはつ・設計せっけい・販売はんばいを手掛てがける総合そうごうメーカー。「豊ゆたかな創造そうぞう力りょくと誇ほこれる品質ひんしつ」の経営けいえい理念りねんのもと、技術ぎじゅつ力りょくの向上こうじょう、高こう効率こうりつ・省しょうエネルギー機器ききの開発かいはつにより業界ぎょうかいをリードし、信頼しんらい性せいの高たかい、画期的かっきてきな製品せいひんを提供ていきょうし続つづけています。今回こんかいのシステム再さい構築こうちくの対象たいしょうは、新晃工業しんこうこうぎょうと、子会社こがいしゃでその製造せいぞうを担になう岡山おかやま新晃工業しんこうこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ（現げん：新あたらし晃あきら空調くうちょう工業こうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ 岡山おかやま工場こうじょう）、新あたらし晃あきら空調くうちょう工業こうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ（現げん：新あたらし晃あきら空調くうちょう工業こうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ 神奈川かながわ工場こうじょう）の3社しゃ。会社かいしゃの文化ぶんかやしくみ、さらにシステムに対たいする考かんがえ方かたが異ことなる3社しゃの基幹きかんシステムを統合とうごう刷新さっしんし、グループ間あいだでのシームレスなデータのやりとりにより、大幅おおはばな効率こうりつ化かと内部ないぶ統制とうせいを実現じつげんされました。

　新晃工業しんこうこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ
　　 管理かんり本部ほんぶ　情報じょうほうシステム部ぶ　執行しっこう役員やくいん　部長ぶちょう　川中かわなか 一はじめ 様さま
　　 営業えいぎょう本部ほんぶ　情報じょうほうシステム部ぶ　原価げんかグループ　係長かかりちょう　奥本おくもと 純弘よしひろ 様さま

新しんシステム導入どうにゅうの経緯けいい

2006年ねんに中期ちゅうき経営けいえい計画けいかくが発表はっぴょうされ、成長せいちょう計画けいかく方針ほうしんのもと、システム戦略せんりゃくとして次つぎの主要しゅようなテーマが与あたえられました。
　（1）当時とうじグループ内ないには3つの会社かいしゃ、新晃工業しんこうこうぎょう、岡山おかやま新晃工業しんこうこうぎょう（以下いか、本社ほんしゃ・岡山おかやま工場こうじょう）、新あたらし晃あきら空調くうちょう工業こうぎょう（以下いか、神奈川かながわ工場こうじょう）があり、それぞれの会社かいしゃに存在そんざいする老朽ろうきゅう化かした基幹きかんシステムの再さい構築こうちくとグループ全体ぜんたいとしてのシステム統合とうごうの実施じっし
　（2）効率こうりつ化かだけではなく、内部ないぶ統制とうせいに対応たいおうできるしくみの構築こうちく

同おなじグループ企業きぎょうとはいえ、考かんがえ方かたが違ちがう3社しゃのシステムを統合とうごうしなければならず、そのためにも企業きぎょうの垣根かきねを越こえたグループ間あいだでの相互そうご理解りかいが必要ひつようと考かんがえ、1年ねん以上いじょうの歳月さいげつをかけて関係かんけい者しゃへのヒアリングと説明せつめいを行おこないました。ヒアリングではシステムに対たいする要望ようぼうや不安ふあんの解消かいしょうはもちろんのこと、システムに対たいする各社かくしゃ経営けいえい層そうと実際じっさいにシステムを使つかう方々かたがたの理解りかいを得えることに注力ちゅうりょくしました。

ヒアリングの結果けっか、新しんシステム再さい構築こうちくプロジェクトとしてシステム戦略せんりゃく企画きかく案あんがまとまり、神奈川かながわ工場こうじょう→本社ほんしゃ・岡山おかやま工場こうじょう→新晃工業しんこうこうぎょうの順じゅんに再さい構築こうちくすることが決きまりました。

Factory-ONE 電脳でんのう工場こうじょうMF選定せんていのポイント（神奈川かながわ工場こうじょう、本社ほんしゃ・岡山おかやま工場こうじょう）

　（1）個別こべつ生産せいさんと繰く返かえし生産せいさんの2つの生産せいさん形態けいたいが存在そんざいするため、ハイブリッド生産せいさんに対応たいおうしていたこと
　（2）Factory-ONE 電脳でんのう工場こうじょうMFは開発かいはつ言語げんごがVisual Basic、データベースがORACLEで、更さらにプログラムソースが公開こうかいされていた点てん。社内しゃないにVisual BasicやORACLEのスキルをもつリソースがあり、不測ふそくの事態じたいが生しょうじても自社じしゃで対応たいおうできると判断はんだんしたため

　（A）神奈川かながわ工場こうじょう
　●システム再さい構築こうちくで苦労くろうした点てん

生産せいさん管理かんりパッケージはそのままでは使つかえず、他たシステムとの連携れんけい、また新晃工業しんこうこうぎょうとのシステム連携れんけいを考慮こうりょしながらシステムの適用てきよう設計せっけいを進すすめなければなりませんでした。導入どうにゅう～運用うんようフェーズではシステムに慣なれていなかったため、入力にゅうりょく作業さぎょうなど現場げんばに対たいし毎日まいにち深夜しんやに及およぶ残業ざんぎょう作業さぎょうをお願ねがいしなければならなかったのが苦労くろうした点てんです。適用てきよう設計せっけいについては、まずはお互たがいを知しることから始はじまるのがものづくりですが、システム構築こうちくも例外れいがいではなく、ユーザー側がわの立場たちばになればパッケージそのものを知しるのに大変たいへんな労力ろうりょくと忍耐にんたいが必要ひつようであり、逆ぎゃくにベンダー側がわの立場たちばになれば、お客様きゃくさまを知しるのに大変たいへんな労力ろうりょくと忍耐にんたいが必要ひつようでした。システム化かされていないところをシステム化かしなければならないところが一番いちばん苦労くろうした点てんであり、キツかったと言いえます。

　●導入どうにゅう効果こうか

新しんシステムの導入どうにゅうにより生産せいさん管理かんり業務ぎょうむの効率こうりつ化かが図はかれた結果けっか、当初とうしょの工数こうすう削減さくげん目標もくひょうを達成たっせいし、残業ざんぎょうも明あきらかに減へって大幅おおはばなコスト削減さくげんに繋つながりました。

　（B）本社ほんしゃ・岡山おかやま工場こうじょう

　●システム再さい構築こうちくで苦労くろうした点てん

本社ほんしゃ・岡山おかやま工場こうじょうのシステムは、神奈川かながわ工場こうじょうのシステムをスライドさせましたが、やはり現場げんばが入力にゅうりょく作業さぎょうなどに慣なれるまでは神奈川かながわ工場こうじょうと同様どうよう、毎日まいにち深夜しんやに及およぶ残業ざんぎょう作業さぎょうを現場げんばにお願ねがいしなければなりませんでした。また稼働かどうしはじめてから1年ねん経過けいかした時点じてんでもシステム機能きのうが充分じゅうぶんに発揮はっきされていなかったこと、そして、その時点じてんでは導入どうにゅう効果こうかが見みえてなかったことなどにより、新しんシステムに対たいし疑問ぎもんの声こえがでてくる中なかで作業さぎょうをお願ねがいしなければならなかったことに苦労くろうしました。

　●導入どうにゅう効果こうか

どんな状況じょうきょうにあっても「システムは2年ねんたったら評価ひょうかされるんですよ」と話はなしてくれたエクスSEの言葉ことばどおり、2年ねん目め以降いこう、現場げんばではようやく新しんシステムにも慣なれ、システムの機能きのうが判わかるようになってきたことで徐々じょじょに評価ひょうかが上あがってきました。評価ひょうかとしては、

（a）内部ないぶ統制とうせいに準拠じゅんきょするシステムの成果せいかが表あらわれた

（b）最初さいしょに狙ねらっていた導入どうにゅうによる目標もくひょう削減さくげん工数こうすうに近ちかい形かたちで、削減さくげんが図はかれるようになった。特とくにハンディターミナルの導入どうにゅうは、受入うけいれラベルの自動じどう発行はっこうなど受入うけいれ業務ぎょうむの効率こうりつ化かに貢献こうけんし、現場げんばからは端末たんまつ追加ついか要望ようぼうまで出でてきた。また、その相乗そうじょう効果こうかとしてロケーション管理かんりの精度せいどが上あがり、材料ざいりょうがまとまった

Factory-ONE 電脳でんのう工場こうじょうEX選定せんていのポイント（新晃工業しんこうこうぎょう）

システム再さい構築こうちくの最後さいごとなったのはグループ内ないで設計せっけい・販売はんばいを担になう新晃工業しんこうこうぎょうで、基幹きかんシステムは販売はんばい管理かんりを利用りようしていました。新晃工業しんこうこうぎょうでは各かく工場こうじょうの再さい構築こうちくプロジェクトと並行へいこうして要件ようけん定義ていぎ書しょが作成さくせいされており、そこには、以下いかの2つの絶対ぜったい要件ようけんが書かかれていました。
　 （1）お客様きゃくさまとの取引とりひきでは仕様しよう変更へんこうが頻発ひんぱつするという商しょう慣習かんしゅうを考慮こうりょし、新しんシステムにその対策たいさくを反映はんえいさせる
　 （2）営業えいぎょうが入力にゅうりょくしやすいシステムの実現じつげん

上記じょうき2つの絶対ぜったい要件ようけんを満みたすべく、パッケージメーカー4社しゃによりコンペが実施じっしされ、のべ4日間にちかんにわたってプレゼンと選考せんこう作業さぎょうが続つづきました。プレゼンでは各社かくしゃの提示ていじされた価格かかくが各社かくしゃ各様かくようで、まったく違ちがっていたことに驚おどろきました。選定せんてい基準きじゅんとしては、安やすかろう悪あくかろうは駄目だめ、高たかかろう良りょうかろうも駄目だめ、総合そうごう的てきなコストパフォーマンスとバランス、各かく工場こうじょうで導入どうにゅう中ちゅうのFactory-ONE 電脳でんのう工場こうじょうMFとの連携れんけいにおける親和しんわ性せいを考慮こうりょし、要件ようけん定義ていぎ書しょに基もとづいてポイントを付つけながら、システム選定せんていを行おこないました。その結果けっか、最終さいしゅう決定けっていしたのがFactory-ONE 電脳でんのう工場こうじょうEXでした。

　●システム再さい構築こうちくで苦労くろうした点てん

プロジェクトを進すすめていく上うえで注意ちゅういしなければならなかったのは、旧きゅうシステムは同どう一いちシステムを使つかっていながら東京とうきょう・大阪おおさか・名古屋なごやの3事業じぎょう所しょにおいて運用うんよう方法ほうほうがそれぞれ違ちがっていた点てんです。運用うんよう方法ほうほうを統一とういつし、1つのパッケージとして機能きのうさせることが導入どうにゅうを成功せいこうさせるための必須ひっす条件じょうけんでした。そこで3事業じぎょう所しょの運用うんようの統一とういつを図はかるため、設計せっけいフェーズでは以下いかの効果こうかを狙ねらってプロトタイピング手法しゅほうを採用さいようしました。

　 （1）絶対ぜったい要件ようけんの1つである商しょう慣習かんしゅうの認識にんしきについて、エクスと新晃工業しんこうこうぎょう間あいだでのズレを防止ぼうし

　 （2）完成かんせい品ひんイメージを見みせながらヒアリングを行おこなうことで、早はやい段階だんかいから現場げんばに統一とういつさせたシステム運用うんようの教育きょういくと意識いしき付づけを図はかる（特とくに営業えいぎょうがデータ入力にゅうりょくを最初さいしょに行おこなわなければならないことの意識いしき付づけ）

しかし、下記かきの理由りゆうにより導入どうにゅうスケジュールに遅おくれが生しょうじ、そのリカバリーに最もっとも苦労くろうしました。

　 （1）各かく事業じぎょう所しょにおける意見いけん窓口まどぐちの一本いっぽん化かが出来できていなかった

　 （2）現場げんばにおける旧きゅうシステムと新しんシステムとの運用うんようの違ちがいを埋うめることに時間じかんを要ようした

その対策たいさくとして、

　 （1）各かく事業じぎょう所しょの意見いけんを吸すい上あげるための窓口まどぐちを一本いっぽん化か

　 （2）プロジェクトメンバーに営業えいぎょう・業務ぎょうむ・工場こうじょうの経験けいけんがあり、PCに精通せいつうしているメンバーを選出せんしゅつ

　 （3）スケジュールを遅おくらせるとそのままズルズルと全体ぜんたいスケジュールがずれるため、未み完成かんせいであっても仮かり運用うんようにてリリースし、
　 本番ほんばん運用うんようまで操作そうさの練習れんしゅうができるようにした

上記じょうき（3）についてはプロジェクト責任せきにん者しゃの判断はんだんでしたが、当初とうしょプロジェクトメンバー内ないには未完成みかんせいな状態じょうたいでシステムを仮かり運用うんようすることに懸念けねんの声こえもありました。しかし、この未完成みかんせいな状態じょうたいでの仮かり運用うんようが、結果けっかとして成功せいこうへのアドバンテージとなり、以下いかの効果こうかをもたらすことができました。

　 （1）営業えいぎょうに対たいし、最初さいしょのデータは営業えいぎょうが入力にゅうりょくしなければならないという認識にんしきを持もたせることができた

　 （2）営業えいぎょうがデータ入力にゅうりょくすることにより、次つぎのステップが簡略かんりゃく・効率こうりつ化かできるという認識にんしきを持もたせることができた

　 （3）管理かんり部門ぶもん側がわで、経営けいえい上じょう見みたいデータが見みることができるとわかった

　●導入どうにゅう効果こうか

こうして仮かり運用うんようの時間じかんが経過けいかするにつれ、現場げんば担当たんとう者しゃのシステム運用うんように対たいする理解りかいが深ふかまり、システムそのものに対たいする評価ひょうかも上のぼっていきました。また、システム統合とうごうによる効率こうりつ化かはもちろんのこと、見みえる化かが図はかれたことで、決算けっさん期きにおいても着地ちゃくち点てんでの締しめの数字すうじが見みえ、追おい込こみがきっちりできたことなどが効果こうかとして挙あげられます。

3社しゃのシステム統合とうごう成功せいこうの要因よういん

今回こんかいのプロジェクト成功せいこうの要因よういんはまず、プロジェクト推進すいしんメンバーがそれぞれ根気こんきと粘ねばりをもって自身じしんの責務せきむを果はたしたことと挙あげられます。次つぎに、各かく会社かいしゃの経営けいえい層そうや現場げんば担当たんとう者しゃとプロジェクトメンバー間あいだに形成けいせいされた円滑えんかつなコミュニケーションに因よります。この円滑えんかつなコミュニケーションが形成けいせいされた背景はいけいには、システム統合とうごうにあたり、1年ねん以上いじょうの年月としつきをかけて行おこなわれたヒアリングがあり、まさにそのヒアリングがもたらした成果せいかと言いえると思おもいます。

もちろんプロジェクト推進すいしんメンバーとベンダー側がわSEとの間あいだで密みつなコミュニケーションにより築きずかれた信頼しんらい関係かんけいも重要じゅうような要因よういんでした。両者りょうしゃ間あいだで相互そうごに信頼しんらい関係かんけいがなければ、プロジェクトは当然とうぜん上手うまくいかなかったと思おもわれます。システム構築こうちくプロジェクトの成否せいひは、やはり人ひとと人ひととのコミュニケーションの強つよさが鍵かぎになるということを改あらためて認識にんしきしました。

これからは、今回こんかいのシステム再さい構築こうちくにより蓄積ちくせきされたデータをどう分析ぶんせきし、経営けいえいに如何いかに活用かつようするかが命題めいだいと考かんがえています。例たとえば、経営けいえい者しゃがリアルタイムに意思いし決定けっていを下くだす場合ばあい、判断はんだんに必要ひつような情報じょうほうをデータから即座そくざに提示ていじすることで、情報じょうほうシステムの側面そくめんから経営けいえいを強力きょうりょくにサポートしていきたいと考かんがえています。

お問とい合あわせ

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