(2025年4月以降)
育児・介護休業法改正のポイント<2>
― Sustainable Career & Business Consultancy 佐島代表 寄稿記事
前回に引き続き、「介護休業法」の改正についてお伝えします。来年(令和7年)4月1日から改正施行されます。
介護に関する改正のポイント【令和7年4月1日施行予定】
介護のため、仕事を辞められること・辞めることは企業・従業員双方にとってダメージです。現在、事業主は、介護に関して以下のような措置を取ることが義務となっています。
<1>介護休業(対象家族1人につき93日までを、3回上限として介護休業が取得できる)
<2>所定労働時間の短縮の措置
<3>介護休暇(対象家族1人につき1年で5日)
そして、来年4月、事業主に介護離職を防止するための措置が追加で義務化されます。
介護休業や介護両立支援制度等の申し出ができやすいように、事業主は措置を講じなければなりません。
つまり、介護休業や介護両立支援制度に関する(1)研修の実施(2)相談窓口の設置(3)自社の事例収集とその情報提供(4)自社の方針の周知 のいずれかを行うこととなっています。要件を満たせば、雇用保険による介護休業給付金の受給が可能なることなどの情報提供や研修をすることによって、介護離職を防ごうというものです。
満40歳になると介護保険料が徴収開始になりますが、その時期* に事業者は「介護休業に関する制度、介護両立支援制度」や「その申出先」、「介護休業給付金」に関する情報提供が事業主に義務化されます。併せて介護保険制度について周知することが望まれています。事前に知ることができるのは助かりますね。
* 労働者が40歳を迎える誕生日前日の属する年度(1年間)、もしくは40歳の誕生日から1年間
入社直ぐに、以下の申請することが可能になりました。
<1>所定外労働の免除(残業免除)
<2>時間外労働の制限
<3>深夜労働の制限
ただし、「子の看護等休暇」と同じで、週の所定労働日数が2日以下の労働者は労使協定により除外可能です。また、労働者がテレワークを選択できるようにすることも、事業主に努力義務として課されます。
最後に少し豆知識ですが、お子さんが介護状態の場合、対象家族として、両親が「介護休業」を取得できます。
今までは制度の周知等が義務化対象でしたが、個別の意見聴収や配慮までもが義務化されることによって、会社は離職を防ぎ、従業員は両立しながら働いていけるのではないでしょうか。来年のさまざまな改正は、人材不足の現代にメリットが多いと思います。東京労働局に特設ページが設けられていますので、動画などもチェックしてみてください。
「東京労働局ホームページ」https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/ikukai0611_00008.html
国家資格キャリアコンサルタント、社会保険労務士、外国人実習雇用士
現在は、主に大学にてバイリンガルキャリアコンサルタントとして、外国人留学生を含めた学生のキャリア支援。また、労務相談活動も実施。
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