【リオデジャネイロ=淵上隆悠】ブラジル政府は24日、新型コロナウイルスの感染による累計死者数が30万685人になったと発表した。30万人を超えたのは、米国に続き2か国目となる。新規感染者は連日8万人を超え、累計は1222万人に達した。
世界保健機関(WHO)の23日付の報告書によると、新たな感染者の約半数は、「ブラジル型」と呼ばれる変異ウイルスに感染しているとみられる。
国立の研究機関によると、ほぼすべての州都で病院の集中治療室(ICU)の占有率が8割を超えた。入院待ちの間に死亡する事例もあり、23日には初めて1日あたりの死者数が3000人を超え、医療崩壊が現実味を帯びている。
各州で経済活動が制限されているが、ウイルスを軽視するジャイル・ボルソナロ大統領はこれに批判的だ。テレビ演説が流れた23日夜には、各地で市民が自宅の窓際に立ち、「人殺し」などと叫びながら鍋をたたいて抗議した。