提ひさげ婆ばば達たち多た派は

提ひさげ婆ばば達たち多た派は，是ぜ早はや在ざい釋迦牟尼しゃかむに住じゅう世よ時じ就從佛教ぶっきょう分裂ぶんれつ出で的てき一いち個こ沙門しゃもん教派きょうは，起源きげん於佛陀ぶっだ的てき堂どう弟おとうと提ひさげ婆ばば達たち多た所ところ另立的てき僧團そうだん。特徵とくちょう是ぜ崇たかし尚なお苦行くぎょう，嚴格げんかく地ち實踐じっせん頭陀ずだ行ぎょう，並なみ且終身しゅうしん不ふ吃ども各種かくしゅ肉類にくるい，乃至ないし於乳、酪等世人せじん所しょ認みとめ為ため的てき美食びしょく^[1]^[2]，與あずか佛教ぶっきょう僧團そうだん關係かんけい密みつ切きり。

歷史れきし

直ちょく到いた西元にしもと七なな世紀せいき，這個教派きょうは仍然存在そんざい，晋すすむ朝あさ的てき法ほう顯あらわ在ざい印度いんど拘かかわ萨罗国こく舍しゃ卫城看み到いた过，唐から朝あさ的てき玄げん奘和わ义净也見过^[3]別べつ有ゆう三さん伽藍がらん，遵守じゅんしゅ提ひさげ婆ばば達たち多た遺訓いくん，不ふ食しょく乳ちち、酪。 ^[4]

法ほう顯あらわ所見しょけん，提つつみ婆ばば達たち多た派は供養くよう提ひさげ婆ばば達たち多た及過去かこ三さん佛ふつ，但ただし不ふ供養くよう釋迦牟尼しゃかむに佛ほとけ^[5]。玄げん奘所見しょけん，他た們不食しょく乳ちち、酪，遵提ひさげ婆ばば达多遗训。

提ひさげ婆ばば達たち多た僧團そうだん制度せいど

提ひさげ婆ばば達たち多た提ひさげ倡「五ご法ほう」，主張しゅちょう「盡つき形がた壽ことぶき乞食こじき，盡つき形がた壽ひさし著ちょ糞くそ掃衣，盡つき形がた壽ことぶき露坐ろざ（露天ろてん坐禪ざぜん），盡つき形がた壽ことぶき不ふ食しょく酥、鹽しお，盡つき形がた壽ことぶき不ふ食しょく魚ぎょ及肉」，畢生ひっせい嚴守げんしゅ苦行くぎょう，以其頭陀ずだ行くだり「少欲しょうよく知足ちそく、樂らく出離しゅつり者しゃ」，與あずか印度いんど當時とうじ的てき苦行くぎょう風氣かざけ相應そうおう。

提ひさげ婆ばば達たち多た以頭陀ずだ苦行くぎょう為ため依よ歸き，要求ようきゅう盡つき形がた壽ことぶき奉行ぶぎょう，認みとめ為ため「瞿曇沙門しゃもん亦また有ゆう此五法ほう，但ただし不盡ふじん形がた壽ことぶき，我わが今いま盡つき形がた壽ことぶき受持うけもち此法」^[6]，其特點てん為ため著ちょ重おも在ざい事相じそう物欲ぶつよく的てき壓制あっせい，嚴格げんかく實踐じっせん頭陀ずだ苦く行為こうい解脫げだつ之の道みち^[7]。根據こんきょ佛教ぶっきょう《律藏りつぞう》的てき註釋ちゅうしゃく，佛陀ぶっだ自己じこ就常常つね讚歎さんたん提ひさげ婆ばば達たち多た五法所提到的那些行為、那な些行為こうい不ふ違たがえ佛說ぶっせつ。之これ所以ゆえん稱しょう作さく非ひ法ほう，是ぜ由よし於：佛陀ぶっだ是ぜ讚歎さんたん四聖しせい種しゅ（糞くそ掃衣，常つね乞食こじき，樹下じゅか坐すわ，腐爛ふらん藥やく）能のう得とく八はち聖ひじり道どう，趣向しゅこう涅槃ねはん，提つつみ婆ばば達たち多た卻說八聖道比提婆達多五法更慢通向涅槃，因いん為ため將しょう法ほう倒たおせ說せつ，所以ゆえん提ひさげ婆ばば達たち多た五ご法ほう是非ぜひ法ほう。^[8]

提ひさげ婆ばば達たち多た教派きょうは與あずか佛教ぶっきょう僧團そうだん相しょう同どう，都と供奉ぐぶ過去かこ佛ふつ，但ただし是ぜ他た們不供奉ぐぶ釋迦牟尼しゃかむに佛ほとけ^[5]。他た們的儀ぎ軌與佛教ぶっきょう僧團そうだん大だい致相同どう；他た們有自己じこ的てき三藏さんぞう，但ただし是ぜ其中許多きょた經典きょうてん與あずか佛教ぶっきょう僧團そうだん相しょう同どう；住處すみか也多與あずか佛教ぶっきょう僧團そうだん混こん居きょ；但ただし是ぜ他た們的戒律かいりつ不同ふどう^[9]。

註釋ちゅうしゃく

^ 《彌わたる沙すな塞ふさが部ぶ和わ醯五ご分ふん律りつ》：「佛ふつ在ざい王おう舍しゃ城じょう。爾なんじ時じ有ゆう諸しょ白衣はくい來らい詣まい僧坊そうぼう，問もん諸しょ比丘びく：「僧そう有ゆう幾いく人にん？」諸しょ比丘びく言ごと：「僧そう有ゆう若干じゃっかん人じん。」諸しょ白衣はくい言ごと：「我わが等ひとし明日あした盡つき請眾僧そう，顧臨薄うす食しょく。」六ろく群ぐん比丘びく語ご言げん：「汝なんじ若わか與あずか我わが乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく者しゃ，當とう受汝請。」諸人もろびと答こたえ言ごと：「當とう須假貸かし、市し買かい辦之。」語ご已やめ，各かく還かえ其家，或ある假かり貸かし不ふ果はて，或ある市し買かい不ふ得え，明日あした食しょく具ぐ已やめ辦，唱言時じ到いた。眾僧著ちょ衣ころも持じ鉢ばち，往詣其家就坐而坐，行水ぎょうずい下か食しょく。六ろく群ぐん比丘びく言ごと：「何なに以無有ゆう乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく？」答こたえ言ごと：「假かり貸かし不ふ果はて，市し買かい不ふ得とく。」六群比丘便倒鉢而去。諸しょ白衣はくい咸作是ぜ言ごと：「此等不ふ得とく美食びしょく，倒たおせ鉢はち而去！為ため是ぜ國王こくおう？為ため是ぜ大臣だいじん？夫おっと出家しゅっけ者しゃ，為ため求もとめ解脫げだつ，乞食こじき趣おもむき足あし；而今云うん何なん反たん著ちょ美味びみ？無む沙門しゃもん行ぎょう，破やぶ沙門しゃもん法ほう！」諸しょ長老ちょうろう比丘びく聞，種種しゅじゅ呵責かしゃく，以是白しろ佛ぼとけ。佛ふつ以是事ごと集しゅう比丘びく僧そう，問もん六ろく群ぐん比丘びく：「汝なんじ實じつ爾なんじ不ふ？」答こたえ言ごと：「實じつ爾なんじ。世尊せそん！」佛ふつ種種しゅじゅ呵責かしゃく已やめ，告つげ諸しょ比丘びく：「今こん為ため諸しょ比丘びく結ゆい戒，從したがえ今こん是ぜ戒應如是にょぜ說せつ：「若わか比丘びく，到いた白衣はくい家か求もとめ乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく者しゃ，波なみ逸いっ提ひさげ。」後ご諸しょ比丘びく得とく諸しょ美食びしょく，不ふ敢噉；或ある噉已，出で罪ざい悔過。以是白しろ佛ぼとけ。佛ふつ以是事ごと集しゅう比丘びく僧そう，告つげ諸しょ比丘びく：「若わか不ふ索さく美食びしょく，自得じとく而噉，犯はん波は逸いっ提ひさげ者しゃ，無む有ゆう是ぜ處しょ。從したがえ今こん是ぜ戒應如是にょぜ說せつ：「若わか比丘びく，到いた諸しょ白衣はくい家か，求もとめ如是にょぜ美食びしょく：乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく。若わか得とく噉，波なみ逸いっ提ひさげ。」有ゆう諸しょ病やまい比丘びく，醫い教きょう食しょく美食びしょく，諸しょ比丘びく言ごと：「佛ふつ不ふ聽我索さく，云うん何なん可か得とく？」作さく是ぜ念ねん：「佛ふつ聽我索さく此食者しゃ，病やまい乃得差さ。」以是白しろ佛ぼとけ。佛ふつ以是事ごと集しゅう比丘びく僧そう，告つげ諸しょ比丘びく：「今こん聽病比丘びく索さく美食びしょく。從したがえ今こん是ぜ戒應如是にょぜ說せつ：「若わか諸家しょか中有ちゅうう如是にょぜ美食びしょく：乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく。若わか比丘びく，無病むびょう為ため己おのれ索さく，得とく食しょく者しゃ，波なみ逸いっ提ひさげ。」若わか為ため病びょう比丘びく索さく，若わか從したがえ親しん里さと家か、若わか知識ちしき家か索さく，皆みな不犯ふぼん。」
^ 《薩婆多た毘尼毘婆沙すな》：「所以ゆえん名めい美食びしょく者しゃ，以價貴とうと故ゆえ、以難得う故ゆえ、以愈（癒）病びょう故ゆえ。」
《大だい毘婆沙すな論ろん》：「如說：『我わが弟子でし中ちゅう，大だい迦葉波は，少欲しょうよく喜き足あし，具ぐ杜もり多おお行ゆき；薄うす矩のり羅ら，少しょう病やまい節儉せっけん，具ぐ淨きよし戒行。』……問とい：何故なぜ尊者そんじゃ薄うす矩のり羅ら，簡去妙みょう食しょく，而食麁者？答こたえ：意い樂らく力りょく故こ，有ゆう情意じょうい樂たのし不同ふどう，隨所ずいしょ意い樂らく而食，不可ふか責せめ其所以ゆえん。……有ゆう說せつ：美食びしょく，必因害がい多た生命せいめい，斷だん百ひゃく千せん頭とう，在ざい於地上じょう，以多身分みぶん，血肉けつにく所しょ成なり，愍彼有情うじょう，是ぜ故こ不ふ食しょく。……問とい：如所說せつ，薄うす矩のり羅ら簡去妙みょう者しゃ，為ため初はつ即そく不ふ受？為ため受已棄之？設しつらえ爾なんじ何なん失しつ？若わか初はつ即そく不ふ受，云うん何なん名めい受行次第しだい乞食こじき杜もり多た行者ぎょうじゃ？若わか受已棄之，云うん何なん不ふ損壞そんかい施主せしゅ施物せもつ？答こたえ：應おう言げん初はつ即そく不ふ受。問とい：若わか爾なんじ，云うん何なん名めい受行次第しだい乞食こじき杜もり多た行者ぎょうじゃ？答こたえ：彼かれ尊者そんじゃ，得とく天眼てんがん願ねがい智さとし，將はた乞食こじき時じ，先さき觀かん何方どなた何なん村むら邑、里さと巷ちまた，唯ただ有ゆう麁食，知ち已やめ便びん往，次第しだい行ぎょう乞。」
《巴ともえ利とし律藏りつぞう》：「如是にょぜ者しゃ，美味びみ之の食しょく」者しゃ，「酥」者しゃ，牛うし酥或山羊やぎ酥或水牛すいぎゅう酥等……「生なま酥」者しゃ，此等物ぶつ之の生なま酥也。……「油あぶら」者しゃ，胡麻油ごまあぶら、芥子からし油ゆ、末すえ杜もり迦（英えい语：Madhuca longifolia）油あぶら、蓖麻ひま油ゆ、獸しし油ゆ也。「蜜みつ」者しゃ，蜂蜜はちみつ也。「砂糖さとう」者しゃ，由ゆかり甘蔗かんしゃ製作せいさく。「魚さかな」者しゃ，行ぎょう於水中すいちゅう者しゃ也。「肉にく」者しゃ，謂いい其為淨きよし肉にく之の肉にく。「乳ちち」者しゃ，牛乳ぎゅうにゅう，或ある山羊やぎ乳ちち，或ある水牛すいぎゅう乳ちち等とう……「酪」者しゃ，此等之の酪也。」
《善ぜん見み律りつ毘婆沙すな》：「乞九種しゅ美食びしょく：一いち乳ちち（巴ともえ khīra，梵 kṣīra），二に酪（巴ともえ/梵 dadhi），三さん生なま酥（巴ともえ navanīta，梵 nāvanīta），四よん熟じゅく酥（巴ともえ sappi，梵 sarpis），五ご油あぶら（巴ともえ tela，梵 taila），六ろく蜜みつ（巴ともえ/梵 madhu），七なな石せき蜜みつ（巴ともえ/梵 phāṇita），八はち肉にく（巴ともえ maṃsa，梵 māṃsa），九きゅう魚ぎょ（巴ともえ/梵 maccha），是ぜ名めい九きゅう種しゅ。」
《大だい般涅槃經》：「迦葉菩薩ぼさつ復ふく白しろ佛ふつ言ごと：「云うん何なん如來にょらい稱讚しょうさん魚ぎょ、肉にく為ため美食びしょく耶？」「善男ぜんなん子こ！我わが亦また不ふ說せつ魚ぎょ、肉にく之の屬ぞく為ため美食びしょく也，我わが說せつ甘蔗かんしゃ、粳米うるちまい、石いし蜜みつ、一切穀麥及黑石蜜、乳ちち、酪、蘇そ、油あぶら，以為美食びしょく。」」
^ 《大だい唐から西域せいいき記き》：天てん祠ほこら五ご十じゅう餘所よそ，異い道みち寔まこと多た。別べつ有ゆう三さん伽藍がらん，不ふ食しょく乳ちち、酪，遵提婆ばば達たち多た遺訓いくん也。
^ 《南海なんかい寄よせ归内法ほう传》
^ ^5.0 ^5.1 《高僧こうそう法ほう显传》：「調達ちょうたつ亦また有ゆう眾在，常つね供養くよう過去かこ三さん佛ふつ，唯ただ不ふ供養くよう釋迦しゃか文ぶん佛ぼとけ。」
^ 《善ぜん見み律りつ毘婆沙すな》：「「歡喜かんき踊おどり躍おど者しゃ，調達ちょうたつ乞五法ほう，世尊せそん不ふ與あずか，調達ちょうたつ歡喜かんき自じ念ねん言ごと：『我わが今いま定じょう得え破やぶ和合わごう僧そう。』拘かかわ迦利聞語已やめ，心こころ大だい懊惱おうのう，如服毒藥どくやく無む異こと。調達ちょうたつ教化きょうか同伴どうはん，作さく如是にょぜ言ごと：『汝なんじ何なん以懊惱おうのう？出家しゅっけ求道きゅうどう宜むべ應おう精進しょうじん，瞿曇沙門しゃもん亦また有ゆう此法，不盡ふじん形がた壽ことぶき，我わが今いま盡つき形がた壽ことぶき受持うけもち此法，何なに以懊惱おうのう？』同伴どうはん聞已歡喜かんき隨從ずいじゅう。」
^ 印しるし順じゅん. 『華はな雨う集しゅう第だい三さん冊さつ』論ろん提つつみ婆ばば達たち多た之の「破やぶ僧そう」.
^ 《薩婆多た毘尼毘婆沙すな》：「問とい曰：「此五法ほう，佛ふつ常つね自じ讚歎さんたん，何故なぜ名めい為ため非ひ法ほう？」答こたえ曰：「佛ふつ所以ゆえん讚歎さんたん者しゃ，云うん四聖種能得八聖道成沙門四果。今こん調達ちょうたつ倒たおせ說せつ，云うん八聖道趣向泥洹反更遲難，修行しゅぎょう五法以求解脫其道甚速。是ぜ故こ說せつ為ため非ひ法ほう。」」
《毘尼母はは經けい》：「上うえ提ひさげ婆ばば達たち多た五ご法ほう，不ふ違たがえ佛說ぶっせつ，但ただし欲ほし依よ此法壞佛法ほう也。」
^ 《根本こんぽん說せつ一切いっさい有ゆう部ぶ百ひゃく一いち羯摩》卷まき九きゅう註：「此言隨ずい黨とう者しゃ，謂いい是ぜ隨順ずいじゅん提ひさげ婆ばば達たち多た所有しょゆう伴とも屬ぞく。謂いい非ひ隨ずい黨とう者しゃ，即そく是ぜ佛弟子ぶつでし。此乃由よし其住處しょ，則のり令れい物ぶつ隨處ずいしょ判ばん。處しょ中ちゅう既すんで非ひ兩りょう處しょ，故こ遣や兩りょう眾均分ぶん。現今げんこん西方せいほう在處ありか，皆みな有ゆう天授てんじゅ種族しゅぞく出家しゅっけ之の流ながれ，所有しょゆう軌儀，多た同どう佛法ぶっぽう。至いたり如五道どう輪わ迴，生なま天てん解脫げだつ，所しょ習三藏さんぞう，亦また有ゆう大同だいどう。無む大寺おおてら舍しゃ，居村いむら塢間，乞食こじき自じ居い，多た修おさむ淨きよし行ぎょう。葫にんにく蘆あし為ため鉢ばち，衣ころも但ただし二に巾はば，色いろ類るい桑くわ皴しわ，不ふ飡乳酪にゅうらく。」

[美食-1] 《彌わたる沙すな塞ふさが部ぶ和わ醯五ご分ふん律りつ》：「佛ふつ在ざい王おう舍しゃ城じょう。爾なんじ時じ有ゆう諸しょ白衣はくい來らい詣まい僧坊そうぼう，問もん諸しょ比丘びく：「僧そう有ゆう幾いく人にん？」諸しょ比丘びく言ごと：「僧そう有ゆう若干じゃっかん人じん。」諸しょ白衣はくい言ごと：「我わが等ひとし明日あした盡つき請眾僧そう，顧臨薄うす食しょく。」六ろく群ぐん比丘びく語ご言げん：「汝なんじ若わか與あずか我わが乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく者しゃ，當とう受汝請。」諸人もろびと答こたえ言ごと：「當とう須假貸かし、市し買かい辦之。」語ご已やめ，各かく還かえ其家，或ある假かり貸かし不ふ果はて，或ある市し買かい不ふ得え，明日あした食しょく具ぐ已やめ辦，唱言時じ到いた。眾僧著ちょ衣ころも持じ鉢ばち，往詣其家就坐而坐，行水ぎょうずい下か食しょく。六ろく群ぐん比丘びく言ごと：「何なに以無有ゆう乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく？」答こたえ言ごと：「假かり貸かし不ふ果はて，市し買かい不ふ得とく。」六群比丘便倒鉢而去。諸しょ白衣はくい咸作是ぜ言ごと：「此等不ふ得とく美食びしょく，倒たおせ鉢はち而去！為ため是ぜ國王こくおう？為ため是ぜ大臣だいじん？夫おっと出家しゅっけ者しゃ，為ため求もとめ解脫げだつ，乞食こじき趣おもむき足あし；而今云うん何なん反たん著ちょ美味びみ？無む沙門しゃもん行ぎょう，破やぶ沙門しゃもん法ほう！」諸しょ長老ちょうろう比丘びく聞，種種しゅじゅ呵責かしゃく，以是白しろ佛ぼとけ。佛ふつ以是事ごと集しゅう比丘びく僧そう，問もん六ろく群ぐん比丘びく：「汝なんじ實じつ爾なんじ不ふ？」答こたえ言ごと：「實じつ爾なんじ。世尊せそん！」佛ふつ種種しゅじゅ呵責かしゃく已やめ，告つげ諸しょ比丘びく：「今こん為ため諸しょ比丘びく結ゆい戒，從したがえ今こん是ぜ戒應如是にょぜ說せつ：「若わか比丘びく，到いた白衣はくい家か求もとめ乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく者しゃ，波なみ逸いっ提ひさげ。」後ご諸しょ比丘びく得とく諸しょ美食びしょく，不ふ敢噉；或ある噉已，出で罪ざい悔過。以是白しろ佛ぼとけ。佛ふつ以是事ごと集しゅう比丘びく僧そう，告つげ諸しょ比丘びく：「若わか不ふ索さく美食びしょく，自得じとく而噉，犯はん波は逸いっ提ひさげ者しゃ，無む有ゆう是ぜ處しょ。從したがえ今こん是ぜ戒應如是にょぜ說せつ：「若わか比丘びく，到いた諸しょ白衣はくい家か，求もとめ如是にょぜ美食びしょく：乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく。若わか得とく噉，波なみ逸いっ提ひさげ。」有ゆう諸しょ病やまい比丘びく，醫い教きょう食しょく美食びしょく，諸しょ比丘びく言ごと：「佛ふつ不ふ聽我索さく，云うん何なん可か得とく？」作さく是ぜ念ねん：「佛ふつ聽我索さく此食者しゃ，病やまい乃得差さ。」以是白しろ佛ぼとけ。佛ふつ以是事ごと集しゅう比丘びく僧そう，告つげ諸しょ比丘びく：「今こん聽病比丘びく索さく美食びしょく。從したがえ今こん是ぜ戒應如是にょぜ說せつ：「若わか諸家しょか中有ちゅうう如是にょぜ美食びしょく：乳ちち、酪、酥、油あぶら、魚さかな、肉にく。若わか比丘びく，無病むびょう為ため己おのれ索さく，得とく食しょく者しゃ，波なみ逸いっ提ひさげ。」若わか為ため病びょう比丘びく索さく，若わか從したがえ親しん里さと家か、若わか知識ちしき家か索さく，皆みな不犯ふぼん。」

[2] 《薩婆多た毘尼毘婆沙すな》：「所以ゆえん名めい美食びしょく者しゃ，以價貴とうと故ゆえ、以難得う故ゆえ、以愈（癒）病びょう故ゆえ。」
《大だい毘婆沙すな論ろん》：「如說：『我わが弟子でし中ちゅう，大だい迦葉波は，少欲しょうよく喜き足あし，具ぐ杜もり多おお行ゆき；薄うす矩のり羅ら，少しょう病やまい節儉せっけん，具ぐ淨きよし戒行。』……問とい：何故なぜ尊者そんじゃ薄うす矩のり羅ら，簡去妙みょう食しょく，而食麁者？答こたえ：意い樂らく力りょく故こ，有ゆう情意じょうい樂たのし不同ふどう，隨所ずいしょ意い樂らく而食，不可ふか責せめ其所以ゆえん。……有ゆう說せつ：美食びしょく，必因害がい多た生命せいめい，斷だん百ひゃく千せん頭とう，在ざい於地上じょう，以多身分みぶん，血肉けつにく所しょ成なり，愍彼有情うじょう，是ぜ故こ不ふ食しょく。……問とい：如所說せつ，薄うす矩のり羅ら簡去妙みょう者しゃ，為ため初はつ即そく不ふ受？為ため受已棄之？設しつらえ爾なんじ何なん失しつ？若わか初はつ即そく不ふ受，云うん何なん名めい受行次第しだい乞食こじき杜もり多た行者ぎょうじゃ？若わか受已棄之，云うん何なん不ふ損壞そんかい施主せしゅ施物せもつ？答こたえ：應おう言げん初はつ即そく不ふ受。問とい：若わか爾なんじ，云うん何なん名めい受行次第しだい乞食こじき杜もり多た行者ぎょうじゃ？答こたえ：彼かれ尊者そんじゃ，得とく天眼てんがん願ねがい智さとし，將はた乞食こじき時じ，先さき觀かん何方どなた何なん村むら邑、里さと巷ちまた，唯ただ有ゆう麁食，知ち已やめ便びん往，次第しだい行ぎょう乞。」
《巴ともえ利とし律藏りつぞう》：「如是にょぜ者しゃ，美味びみ之の食しょく」者しゃ，「酥」者しゃ，牛うし酥或山羊やぎ酥或水牛すいぎゅう酥等……「生なま酥」者しゃ，此等物ぶつ之の生なま酥也。……「油あぶら」者しゃ，胡麻油ごまあぶら、芥子からし油ゆ、末すえ杜もり迦（英えい语：Madhuca longifolia）油あぶら、蓖麻ひま油ゆ、獸しし油ゆ也。「蜜みつ」者しゃ，蜂蜜はちみつ也。「砂糖さとう」者しゃ，由ゆかり甘蔗かんしゃ製作せいさく。「魚さかな」者しゃ，行ぎょう於水中すいちゅう者しゃ也。「肉にく」者しゃ，謂いい其為淨きよし肉にく之の肉にく。「乳ちち」者しゃ，牛乳ぎゅうにゅう，或ある山羊やぎ乳ちち，或ある水牛すいぎゅう乳ちち等とう……「酪」者しゃ，此等之の酪也。」
《善ぜん見み律りつ毘婆沙すな》：「乞九種しゅ美食びしょく：一いち乳ちち（巴ともえ khīra，梵 kṣīra），二に酪（巴ともえ/梵 dadhi），三さん生なま酥（巴ともえ navanīta，梵 nāvanīta），四よん熟じゅく酥（巴ともえ sappi，梵 sarpis），五ご油あぶら（巴ともえ tela，梵 taila），六ろく蜜みつ（巴ともえ/梵 madhu），七なな石せき蜜みつ（巴ともえ/梵 phāṇita），八はち肉にく（巴ともえ maṃsa，梵 māṃsa），九きゅう魚ぎょ（巴ともえ/梵 maccha），是ぜ名めい九きゅう種しゅ。」
《大だい般涅槃經》：「迦葉菩薩ぼさつ復ふく白しろ佛ふつ言ごと：「云うん何なん如來にょらい稱讚しょうさん魚ぎょ、肉にく為ため美食びしょく耶？」「善男ぜんなん子こ！我わが亦また不ふ說せつ魚ぎょ、肉にく之の屬ぞく為ため美食びしょく也，我わが說せつ甘蔗かんしゃ、粳米うるちまい、石いし蜜みつ、一切穀麥及黑石蜜、乳ちち、酪、蘇そ、油あぶら，以為美食びしょく。」」

[3] 《大だい唐から西域せいいき記き》：天てん祠ほこら五ご十じゅう餘所よそ，異い道みち寔まこと多た。別べつ有ゆう三さん伽藍がらん，不ふ食しょく乳ちち、酪，遵提婆ばば達たち多た遺訓いくん也。

[4] 《南海なんかい寄よせ归内法ほう传》

[法顯傳-5] 5.0 ^5.1 《高僧こうそう法ほう显传》：「調達ちょうたつ亦また有ゆう眾在，常つね供養くよう過去かこ三さん佛ふつ，唯ただ不ふ供養くよう釋迦しゃか文ぶん佛ぼとけ。」

[6] 《善ぜん見み律りつ毘婆沙すな》：「「歡喜かんき踊おどり躍おど者しゃ，調達ちょうたつ乞五法ほう，世尊せそん不ふ與あずか，調達ちょうたつ歡喜かんき自じ念ねん言ごと：『我わが今いま定じょう得え破やぶ和合わごう僧そう。』拘かかわ迦利聞語已やめ，心こころ大だい懊惱おうのう，如服毒藥どくやく無む異こと。調達ちょうたつ教化きょうか同伴どうはん，作さく如是にょぜ言ごと：『汝なんじ何なん以懊惱おうのう？出家しゅっけ求道きゅうどう宜むべ應おう精進しょうじん，瞿曇沙門しゃもん亦また有ゆう此法，不盡ふじん形がた壽ことぶき，我わが今いま盡つき形がた壽ことぶき受持うけもち此法，何なに以懊惱おうのう？』同伴どうはん聞已歡喜かんき隨從ずいじゅう。」

[7] 印しるし順じゅん. 『華はな雨う集しゅう第だい三さん冊さつ』論ろん提つつみ婆ばば達たち多た之の「破やぶ僧そう」.

[8] 《薩婆多た毘尼毘婆沙すな》：「問とい曰：「此五法ほう，佛ふつ常つね自じ讚歎さんたん，何故なぜ名めい為ため非ひ法ほう？」答こたえ曰：「佛ふつ所以ゆえん讚歎さんたん者しゃ，云うん四聖種能得八聖道成沙門四果。今こん調達ちょうたつ倒たおせ說せつ，云うん八聖道趣向泥洹反更遲難，修行しゅぎょう五法以求解脫其道甚速。是ぜ故こ說せつ為ため非ひ法ほう。」」
《毘尼母はは經けい》：「上うえ提ひさげ婆ばば達たち多た五ご法ほう，不ふ違たがえ佛說ぶっせつ，但ただし欲ほし依よ此法壞佛法ほう也。」

[9] 《根本こんぽん說せつ一切いっさい有ゆう部ぶ百ひゃく一いち羯摩》卷まき九きゅう註：「此言隨ずい黨とう者しゃ，謂いい是ぜ隨順ずいじゅん提ひさげ婆ばば達たち多た所有しょゆう伴とも屬ぞく。謂いい非ひ隨ずい黨とう者しゃ，即そく是ぜ佛弟子ぶつでし。此乃由よし其住處しょ，則のり令れい物ぶつ隨處ずいしょ判ばん。處しょ中ちゅう既すんで非ひ兩りょう處しょ，故こ遣や兩りょう眾均分ぶん。現今げんこん西方せいほう在處ありか，皆みな有ゆう天授てんじゅ種族しゅぞく出家しゅっけ之の流ながれ，所有しょゆう軌儀，多た同どう佛法ぶっぽう。至いたり如五道どう輪わ迴，生なま天てん解脫げだつ，所しょ習三藏さんぞう，亦また有ゆう大同だいどう。無む大寺おおてら舍しゃ，居村いむら塢間，乞食こじき自じ居い，多た修おさむ淨きよし行ぎょう。葫にんにく蘆あし為ため鉢ばち，衣ころも但ただし二に巾はば，色いろ類るい桑くわ皴しわ，不ふ飡乳酪にゅうらく。」

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