楊衒之の

楊衒之の（？—？），又また作さく羊ひつじ衒之、陽ひ衒之^[1]^[2]，北平きたひら（今いま河北かほく省しょう滿まん城しろ）人にん^[3]，北朝ほくちょう散文さんぶん家か。是ぜ《洛陽らくよう伽藍がらん記き》的てき主要しゅよう編へん撰者せんじゃ。阳休之の之これ弟おとうと。

生平おいだいら

楊衒之の生なま於北平ひらめ，北きた魏たかし孝こう莊そう帝みかど永安えいあん年間ねんかん（528年ねん—530年ねん）爲ため奉たてまつ朝あさ請。歷れき期き城じょう太守たいしゅ、撫なで軍ぐん府ふ司馬しば。東あずま魏たかし孝こう靜せい帝みかど武たけ定じょう五ご年ねん（547年ねん）楊衒之の經過けいか洛陽らくよう，感かん於多年ねん戰亂せんらん之の後こう洛陽らくよう之の殘ざん破やぶ，撰せん《洛陽らくよう伽藍がらん記き》五ご卷かん，歷れき敍じょ佛寺ぶつじ興廢こうはい，寄託きたく亡國ぼうこく悲慨；語ご言げん潔きよし凈明快めいかい，描寫びょうしゃ生動せいどう精せい致，「其文裱麗秀逸しゅういつ，煩はん而不厭いや，可か與あずか酈道元もと《水みず經けい注ちゅう》肩かた隨ずい」，亦また列れつ於「北朝ほくちょう三さん大だい散文さんぶん」傑作けっさく。魏ぎ末まつ爲ため秘書ひしょ監かん，曾上書うわがき孝こう靜せい帝みかど。然しか正史せいし所載しょさい甚少。

^ 唐とう釋しゃく道みち宣せん《廣こう弘明ひろあき集しゅう》作さく「陽ひ衒之」，云うん其北平きたひら人じん。一作いつさく「羊ひつじ衒之」，始はじめ自じ唐とう劉りゅう知とも幾いく《史ふみ通どおり》，南みなみ宋そう晁あきら公武こうぶ《讀書どくしょ志こころざし》因いん之の。《四よん庫こ提要ていよう》：「劉りゅう知とも幾いく《史し通どおり》作さく『羊ひつじ衒之』，晁あきら公武こうぶ《讀書どくしょ志こころざし》亦また同どう，然しか《隋ずい志こころざし》亦また作さく『楊』，與あずか今こん本合ほんごう，疑うたぐ《史し通どおり》誤あやま也。」
^ 周延しゅうえん年ねん《楊衒之の事實じじつ考こう》：「詳しょう考こう《北きた史し》及《魏ぎ書しょ》楊氏達者たっしゃ無む北平きたひら籍せき，……則すなわち北平きたひら之の陽よう氏し以文章ぶんしょう傳家でんか，已やめ可か槪見。衒之若わか果はて爲ため陽ひ姓せい，其爲休きゅう之の之これ弟おとうと及族昆こん弟おとうと，必無疑うたぐ矣。」
^ 《廣こう弘明ひろあき集しゅう》卷まき六ろく《辨べん惑篇》云うん「北平きたひら人じん」。