瑪瑙山めのうさん之これ戰せん

瑪瑙山めのうさん之これ戰せん爆發ばくはつ於崇禎ただし十じゅう二に年ねん（1640年ねん），張ちょう獻けんじ忠ただし部ぶ被ひ明あかり軍ぐん平ひら賊將ぞくしょう軍ぐん左ひだり良りょう玉だま、陝西せんせい總督そうとく鄭てい崇たかし儉、張ちょう令れい等とう部ぶ包圍ほうい於太平ひらめ（今いま四川しせん萬まん源げん）瑪瑙山めのうさん。此役明あかり軍ぐん大勝たいしょう，張ちょう獻けんじ忠ちゅう敗走はいそう歸き州しゅう。

據よりどころ《明あかり史し》記載きさい，戰前せんぜん張はり獻けんじ忠ただし駐ちゅう守もり於太平たいら縣けん大竹おおたけ河かわ（今いま四川萬源市東北大竹河西岸大竹鎮），左ひだり良りょう玉だま則そく駐ちゅう於漁溪けい渡わたり（今いま四川萬源市北與陝西せんせい交界處しょ）。有ゆう見み鄭てい崇たかし儉「引其兵へい來會らいかい」，獻けんじ忠ちゅう遂とげ移うつり師し至いたり地形ちけい險峻けんしゅん的てき瑪瑙山めのうさん據よりどころ守もり防ぼう範はん。良りょう玉だま帶たい兵へい進しん抵山下か時じ，獻けんじ忠ちゅう早はや已やめ盤踞ばんきょ山さん顛，並なみ「乘の高こう鼓こ躁」，展示てんじ威勢いせい。良りょう玉だま下馬げば觀察かんさつ獻けんじ忠ちゅう陣じん勢いきおい良久よしひさ後ご說せつ：「我わが知道ともみち要よう怎樣攻おさむ破やぶ賊軍ぞくぐん了りょう。」故こ下した令れい全ぜん軍ぐん分ぶん成なり三さん路ろ，左ひだり軍ぐん為ため兩りょう路みち，鄭てい軍ぐん為ため一路いちろ，又また下した令れい全ぜん軍ぐん聽鼓聲ごえ才ざい上山かみのやま進攻しんこう。

戰役せんえき爆發ばくはつ時じ，左ひだり鄭てい兩りょう軍ぐん夾攻獻けんじ忠ただし，初はつ時じ其軍陣形じんけい還かえ能のう堅持けんじ，然しか卻不能ふのう持久じきゅう，獻けんじ忠ただし全ぜん軍ぐん潰つぶせ敗はい，其兵卒そつ有ゆう不ふ少しょう從したがえ山上さんじょう墮下崖がけ澗而亡ほろび，左ひだり軍ぐん更さら斬殺ざんさつ掃地王おう曹威、白馬はくば鄧天王おう等とう頭目とうもく共ども十じゅう六ろく人にん，死傷ししょう慘むご重じゅう；張はり獻けんじ忠ちゅう的てき妻妾さいしょう也被左ひだり軍ぐん所しょ擒とりこ，本人ほんにん則そく遁入歸き州しゅう。

此戰計けい軍功ぐんこう，諸しょ將しょう中ちゅう以左良りょう玉だま第だい一いち，更さら獲え朝廷ちょうてい加か贈おく太子たいし少しょう保ほ銜。 楊嗣昌あきら在ざい《飛報ひほう瑪瑙山めのうさん大捷たいしょう疏》載の：「大破たいは之の，斬き馘くび三さん千せん六ろく百ひゃく二に十じゅう，墜巖谷たに死者ししゃ無む算さん。」崇たかし禎ただし表示ひょうじ嘉よしみ許もと，有ゆう手しゅ諭さとし曰：「卿きょう自じ昨年さくねん九きゅう月がつ初はつ六ろく日にち辭じ朝あさ至いたり今いま，半はん載の有餘ゆうよ，無む日にち不ふ懸かか朕ちん念ねん，與あずか行間ぎょうかん將士しょうし勞苦ろうく倍ばい嘗，而鬚髮かみ盡つき白しろ，深ふか軫朕懷ふところ。又また聞卿調度ちょうど周密しゅうみつ，賞罰しょうばつ嚴いむ明あきら，深ふか慰朕平ひら寇安民みん之の意圖いと」。

瑪瑙山めのうさん之の戰後せんご，賀が人じん龍りゅう以楊嗣昌背信はいしん，私わたし下か告知こくち良りょう玉だま，嗣昌欲ほし奪だつ其位，良りょう玉だま亦また恨之，兩人りょうにん皆みな與あずか楊嗣昌あきら不ふ合ごう，故こ此長期き擁よう兵へい自重じちょう，傳つて檄げき不ふ至いたり。有ゆう見左けんざ良りょう玉だま停とま兵へい不ふ追おい，楊嗣昌あきら遂とげ親しん筆寫ひっしゃ信しん：「聖せい意い所しょ重じゅう，全ぜん在ざい逆ぎゃく獻けんじ一いち人にん。深ふか箐四壁かべ，險峻けんしゅん難なん逃。將軍しょうぐん在ざい彼かれ，嚴いむ督ただし窮きゅう搜さがせ，斷だん可か必得。今こん云うん十じゅう二に日にち引兵而還，何なに耶？想そう窮きゅう谷だに無む糧かて，大兵だいひょう難なん駐ちゅう。將軍しょうぐん必不得とく已やめ而為此。或ある張ちょう應おう元もと、汪ひろし雲くも鳳おおとり亦また能のう辦此則幸のりゆき矣。萬まん一いち不能ふのう，而逆獻けんじ終おわり逃不獲え，將はた奈之何なに？將軍しょうぐん萬まん萬再畫必然之策，勿膠奇き正之まさゆき言げん，果はて大兵だいひょう回かい興きょう，須駐彼かれ調度ちょうど，期き擒とりこ渠みぞ而止，毋令旁つくり觀かん忌き嫉之，夫おっと謂いい賊ぞく在ざい掌握しょうあく而復縱たて逸いっ為ため患也。」左ひだり良りょう玉だま對たい此置之の不ふ理り，不ふ肯协心こころ穷搜深ふか箐。由よし此，張ちょう獻けんじ忠ちゅう得とく以重新しん進駐しんちゅう四よん川がわ。