袁彬

袁彬（1401年ねん—1477年ねん），字じ文ぶん质，江西えにし瑞みず州しゅう府ふ新しん昌あきら县义钧乡（今いま宜むべ丰县澄きよし塘镇秀しゅう溪けい村むら）人にん。明朝みんちょう軍事ぐんじ人物じんぶつ，明あきら英えい宗むね宠臣。

生平おいだいら

父ちち袁忠於建文ぶん四よん年ねん（1402年ねん）为锦衣卫校こう尉じょう。袁彬自じ幼よう聪颖，善ぜん屬ぞく文ぶん。正せい统四よん年ねん（1439年ねん）袁忠以疾辭じ官かん，袁彬代だい其校卫职。随ずい明あきら英えい宗むね北きた征せい，土木どぼく堡之变时，英えい宗むね被ひ挾はさみ持じ北上ほくじょう，只ただ有ゆう袁彬與あずか哈銘随ずい侍さむらい左右さゆう。當時とうじ英えい宗むね在ざい荒あら漠ばく，上下じょうげ山さん阪ばん，涉わたる溪けい澗，冒おかせ危險きけん，均ひとし有ゆう两人于一旁つくり照あきら顧。袁彬與あずか英えい宗むね周旋しゅうせん患難，晚ばん上じょう與あずか英えい宗むね同どう寢ね，天てん寒さむ時とき，常つね以脅部ぶ溫ゆたか英えい宗むね腳^[1]。當時とうじ，投降とうこう蒙こうむ古こ的てき太ふとし監かん喜き寧やすし為ため也先腹心ふくしん，屢次欲よく殺害さつがい袁彬與あずか哈銘，一日捆綁袁彬欲將其肢解，明あきら英えい宗むね聽聞ちょうもん后きさき，急きゅう忙せわし跑去救すくい下か。袁彬曾患傷寒しょうかん，明あきら英えい宗むね以身體壓たいあつ在ざい其背上じょう，使つかい得とく汗あせ浹而康やすし愈いよいよ。明あきら英えい宗むね在ざい漠ばく北きた一いち年間ねんかん，視し袁彬為ため骨肉こつにく^[2]。

景けい泰たい元年がんねん（1450年ねん）八はち月がつ，英えい宗むね返かえし回かい北京ぺきん，明代あきよ宗むね只ただ授其为锦衣ころも卫试百ひゃく户。英えい宗むね復辟ふくへき後ご，升ます为指挥佥事ごと，之これ後ご改あらため為ため指揮しき同どう知ち。明あきら英えい宗むね十じゅう分ふん眷待袁彬，袁彬所しょ請之事ごと無む不ふ聽從ちょうじゅう。當時とうじ內閣首くび輔商しょう輅罷免ひめん，袁彬乞其居所きょしょ，之これ後ご又また請別建けん，都と得え到いた批准ひじゅん。袁彬娶めと妻つま，英えい宗むね命いのち舅しゅうと父ちち孫まご顯宗けんそう主しゅ婚こん。并時常つね召入宴えん請，談論だんろん當年とうねん患難時事じじ，歡洽如故。天てん順じゅん元年がんねん（1457年ねん）十二月じゅうにがつ，進しん指ゆび挥使，與あずか都と指揮しき僉事王おう喜き同どう掌てのひら錦にしき衣ころも衛まもる。二人ふたり嘗受太ふとし監かん夏なつ時とき囑しょく咐，私わたし遣や百戶季福偵事江西。季き福ぶく為ため英えい宗むね乳母うば之の夫君ふくん。英えい宗むね問とい誰だれ所しょ派遣はけん，兩人りょうにん請罪，英えい宗むね稱しょう必有後ご面めん主事しゅじ者しゃ，御ご史し逮捕たいほ夏なつ時じ，仍恢復かいふく兩人りょうにん官職かんしょく，但ただし下しも詔みことのり以後いご受囑遣や官かん者しゃ必殺ひっさつ無む赦。之これ後ご王おう喜き解職かいしょく，袁彬掌てのひら管かん錦にしき衣ころも衛まもる。天てん順じゅん五ご年ねん，因いん平定へいてい曹石之の變へん有功ゆうこう，進しん升ます都と指揮しき僉事^[3]。

當時とうじ錦にしき衣ころも衛まもる指揮しき門かど達いたる恃帝寵ちょう，勢いきおい傾かたぶけ朝野ちょうや，廷臣ていしん多た下した詔みことのり獄ごく，唯ただ獨どく袁彬不ふ屈服くっぷく。門もん達たち於是誣陷，請求せいきゅう逮捕たいほ袁彬，明あきら英えい宗むね雖欲法ほう行ぎょう，卻對之の說せつ：「任にん汝なんじ往治，但ただし以活袁彬還かえ我わが。」之これ後ご多た虧漆工こう楊塤訟冤，方ぽう才ざい解かい獄ごく。但ただし袁彬仍被調ちょう南京なんきん錦にしき衣ころも衛まもる，帶おび俸閑住じゅう。隨ずい後ご明あきら英えい宗むね駕が崩くずれ，門もん達たち得とく罪ざい，被ひ貶都と勻。召袁彬あきら恢復かいふく原ばら職しょく，仍掌管かん錦にしき衣ころも衛まもる。不ふ久ひさ，門もん達たち下獄げごく，充たかし軍ぐん至いたり南みなみ丹に。袁彬在ざい郊外こうがい設しつらえ宴えん送別そうべつ并贈予よ金錢きんせん。成なり化か年間ねんかん，袁彬晉すすむ升ます爲ため都と指揮しき同どう知ち、都と指揮しき使し。成なり化か十じゅう三さん年ねん，为前军都督とく府ふ佥事掌てのひら府ふ事ごと，卒そつ于任上じょう。後代こうだい世襲せしゅう錦にしき衣ころも僉事^[4]。著ちょ有ゆう《北きた征せい事ごと迹》。

家族かぞく

据すえ袁彬母はは邹氏、继室王おう慧とし全ぜん墓はか志こころざし，袁彬原げん配はい廖氏早はや亡ほろび，另有侧室何なん氏し、甄氏。王おう氏し为武德ぶとく将はた军义勇いさむ右みぎ卫正千户王钦与妻申氏的女儿，出身しゅっしん英えい宗むね舅しゅうと孙显宗むね的てき姻家，由ゆかり英えい宗むね赐婚袁彬为续弦つる，生なま长子袁勋，何なに氏し生せい次子じし袁熹。廖氏生せい三さん女じょ，王おう氏し生せい第だい四よん女じょ，甄氏生せい第だい五ご女じょ。袁勋娶めと王おう骥孙女，袁彬第だい四女和第五女分别嫁给定国公徐じょ永ひさし宁孙徐じょ世よ英えい和かず西にし宁侯宋そう恺。

《明あきら实录·英えい宗むね实录》：“辛からし未み，封ふう隰川王おう逊熮次女じじょ为太平ひら县主，配はい袁彬，赐诰命いのち冠かんむり服ふく鞍くら马等物ぶつ。”似に以袁彬あきら为隰川かわ國こく太平たいへい縣けん主ぬし儀ぎ賓まろうど，但ただし与あずか袁彬母はは邹氏、继室王おう氏し墓ぼ志こころざし铭矛盾むじゅん，此仪宾或为同名めい同姓どうせい袁彬。

参考さんこう文献ぶんけん

^ 《明あかり史し》（卷まき167）：“袁彬，字じ文ぶん質しつ，江こう西新にしじん昌人まさと。正統せいとう末まつ，以錦衣ころも校こう尉じょう扈帝北きた征せい。土木どぼく之の變へん，也先擁よう帝みかど北きた去さ，從したがえ官かん悉奔散，獨どく彬あきら隨ずい侍さむらい，不離ふり左右さゆう。也先之の犯おかせ大同だいどう、宣せん府ふ，逼京師し，皆みな奉たてまつ帝みかど以行。上うえ下山げざん阪ばん，涉わたる溪けい澗，冒おかせ危險きけん，彬あきら擁護ようご不ふ少しょう懈たゆ。帝みかど駐ちゅう蹕土城じょう，欲よく奉書ほうしょ皇太后こうたいごう貽景帝みかど及諭群臣ぐんしん，以彬知ち書しょ令れい代だい草くさ。帝みかど既すんで入にゅう沙漠さばく，所しょ居きょ止とめ毳むくげ帳ちょう敝幃，旁つくり列れつ一いち車しゃ一馬かずま，以備轉てん徙而已やめ。彬あきら周旋しゅうせん患難，未み嘗違忤。夜よる則のり與あずか帝みかど同どう寢ね，天てん寒かん甚，恒つね以脅溫ゆたか帝みかど足あし。”
^ 《明あかり史し》（卷まき167）：“中ちゅう官かん喜き寧やすし為ため也先腹心ふくしん。也先嘗謂帝みかど曰：「中ちゅう朝あさ若わか遣や使つかい來らい，皇帝こうてい歸き矣。」帝みかど曰：「汝なんじ自じ送おく我わが則のり可か，欲よく中ちゅう朝あさ遣や使つかい，徒費とひ往返爾なんじ。」寧やすし聞，怒いか曰：「欲よく急きゅう歸き者しゃ彬あきら也，必殺ひっさつ之の。」寧やすし勸すすむ也先西にし犯はん寧やすし夏なつ，掠かすめ其馬，直ちょく趨江表ひょう，居きょ帝みかど南京なんきん。彬あきら、銘めい謂いい帝みかど曰：「天てん寒かん道どう遠とお，陛下へいか又また不能ふのう騎き，空そら取と凍こお饑ひだる。且至彼かれ而諸將はた不納ふのう，奈何いかん？」帝みかど止どめ寧やすし計けい。寧やすし又また欲よく殺ころせ二に人にん，皆みな帝みかど力りょく解かい而止。也先將はた獻けんじ妹いもうと於帝，彬あきら請駕旋而後ご聘，帝みかど竟辭之の。也先惡あく彬あきら、銘めい二に人にん，欲よく殺ころせ者しゃ屢矣。一日縛彬至曠埜，將はた支ささえ解かい之の。帝みかど聞，如失左右さゆう手しゅ，急きゅう趨救，乃免。彬あきら嘗中寒かん，帝みかど憂ゆう甚，以身壓あつ其背，汗あせ浹而愈いよいよ。帝みかど居きょ漠ばく北きた期き年ねん，視し彬あきら猶なお骨肉こつにく也。”
^ 《明あかり史し》（卷まき167）：“及帝還かえ京きょう，景けい帝みかど僅授彬あきら錦にしき衣ころも試ためし百ひゃく戶こ。天てん順じゅん復辟ふくへき，擢指揮しき僉事。尋ひろ進すすむ同どう知ち。帝みかど眷彬甚，奏請そうせい無む不ふ從したがえ。內閣商しょう輅既罷やめ，彬あきら乞得其居第だい。既すんで又また以湫隘，乞官為ため別べつ建けん，帝みかど亦また報むくい從したがえ。彬あきら娶めと妻つま，命いのち外戚がいせき孫まご顯あらわ宗主そうしゅ之の，賜たまもの予よ優渥ゆうあく。時とき召入曲きょく宴えん，敘患難なん時事じじ，歡洽如故時じ。其年十じゅう二に月がつ進すすむ指揮しき使し，與あずか都と指揮しき僉事王おう喜き同どう掌てのひら衛まもる事ごと。二人嘗受中官夏時囑，私わたし遣や百戶季福偵事江西。福ぶく者しゃ，帝みかど乳ちち媼おうな夫おっと也。詔みことのり問とい誰だれ所しょ遣や，二人ふたり請罪。帝みかど曰：「此必有ゆう主ぬし使者ししゃ。」遂とげ下か福ぶく吏，得とく二に人受ひとうけ囑しょく狀じょう。所司しょし請治時じ及二に人にん罪ざい。帝みかど宥なだめ時じ，二人贖徒還職，而詔自今じこん受囑遣や官かん者しゃ，必殺ひっさつ無む赦。已やめ而坐失しつ囚しゅう，喜き解職かいしょく，彬あきら遂とげ掌てのひら衛まもる事ごと。五ご年ねん秋あき，以平いたいら曹欽功こう，進しん都と指揮しき僉事。”
^ 《明あかり史し》（卷まき167）：“時とき門もん達たち恃帝寵ちょう，勢いきおい傾かたぶけ朝野ちょうや。廷臣ていしん多た下之したの，彬あきら獨どく不為ふため屈こごめ。達いたる誣以罪ざい，請逮治ち。帝みかど欲ほっ法ほう行ぎょう，語ご之の曰：「任にん汝なんじ往治，但ただし以活袁彬還かえ我わが。」達たち遂とげ鍛きたえ煉ねり成なり獄ごく。賴よりゆき漆うるし工こう楊塤訟冤，獄ごく得とく解かい。然しか猶なお調しらべ南京なんきん錦にしき衣ころも衛まもる，帶おび俸閑住じゅう。語かたり詳しょう《達いたる傳でん》。越えつ二に月がつ，英えい宗むね崩くずれ，達いたる得とく罪ざい，貶官都と勻。召彬復原ふくげん職しょく，仍掌衛まもる事ごと。未み幾いく，達たち征せい下獄げごく，充たかし軍ぐん南みなみ丹に。彬あきら餞はなむけ之の於郊，饋以贐はなむけ。成なり化か初はつ，進しん都と指揮しき同どう知ち。久之ひさゆき，進すすむ都と指揮しき使し。先さき是ぜ，掌てのひら錦にしき衣ころも衛まもる者しゃ，率りつ張ちょう權勢けんせい，罔財賄まかない。彬あきら任にん職しょく久ひさ，行事ぎょうじ安靜あんせい。十じゅう三さん年ねん擢都督とく僉事，蒞前軍ぐん都と督とく府ふ。卒そつ於官。世襲せしゅう錦にしき衣ころも僉事。”

官かん衔
大明だいめい錦にしき衣ころも親おや軍ぐん都と指揮しき使し（檢校けんぎょう）
前任ぜんにん：門かど達いたる	袁彬	繼つぎ任にん：哈銘

[1] 《明あかり史し》（卷まき167）：“袁彬，字じ文ぶん質しつ，江こう西新にしじん昌人まさと。正統せいとう末まつ，以錦衣ころも校こう尉じょう扈帝北きた征せい。土木どぼく之の變へん，也先擁よう帝みかど北きた去さ，從したがえ官かん悉奔散，獨どく彬あきら隨ずい侍さむらい，不離ふり左右さゆう。也先之の犯おかせ大同だいどう、宣せん府ふ，逼京師し，皆みな奉たてまつ帝みかど以行。上うえ下山げざん阪ばん，涉わたる溪けい澗，冒おかせ危險きけん，彬あきら擁護ようご不ふ少しょう懈たゆ。帝みかど駐ちゅう蹕土城じょう，欲よく奉書ほうしょ皇太后こうたいごう貽景帝みかど及諭群臣ぐんしん，以彬知ち書しょ令れい代だい草くさ。帝みかど既すんで入にゅう沙漠さばく，所しょ居きょ止とめ毳むくげ帳ちょう敝幃，旁つくり列れつ一いち車しゃ一馬かずま，以備轉てん徙而已やめ。彬あきら周旋しゅうせん患難，未み嘗違忤。夜よる則のり與あずか帝みかど同どう寢ね，天てん寒かん甚，恒つね以脅溫ゆたか帝みかど足あし。”

[2] 《明あかり史し》（卷まき167）：“中ちゅう官かん喜き寧やすし為ため也先腹心ふくしん。也先嘗謂帝みかど曰：「中ちゅう朝あさ若わか遣や使つかい來らい，皇帝こうてい歸き矣。」帝みかど曰：「汝なんじ自じ送おく我わが則のり可か，欲よく中ちゅう朝あさ遣や使つかい，徒費とひ往返爾なんじ。」寧やすし聞，怒いか曰：「欲よく急きゅう歸き者しゃ彬あきら也，必殺ひっさつ之の。」寧やすし勸すすむ也先西にし犯はん寧やすし夏なつ，掠かすめ其馬，直ちょく趨江表ひょう，居きょ帝みかど南京なんきん。彬あきら、銘めい謂いい帝みかど曰：「天てん寒かん道どう遠とお，陛下へいか又また不能ふのう騎き，空そら取と凍こお饑ひだる。且至彼かれ而諸將はた不納ふのう，奈何いかん？」帝みかど止どめ寧やすし計けい。寧やすし又また欲よく殺ころせ二に人にん，皆みな帝みかど力りょく解かい而止。也先將はた獻けんじ妹いもうと於帝，彬あきら請駕旋而後ご聘，帝みかど竟辭之の。也先惡あく彬あきら、銘めい二に人にん，欲よく殺ころせ者しゃ屢矣。一日縛彬至曠埜，將はた支ささえ解かい之の。帝みかど聞，如失左右さゆう手しゅ，急きゅう趨救，乃免。彬あきら嘗中寒かん，帝みかど憂ゆう甚，以身壓あつ其背，汗あせ浹而愈いよいよ。帝みかど居きょ漠ばく北きた期き年ねん，視し彬あきら猶なお骨肉こつにく也。”

[3] 《明あかり史し》（卷まき167）：“及帝還かえ京きょう，景けい帝みかど僅授彬あきら錦にしき衣ころも試ためし百ひゃく戶こ。天てん順じゅん復辟ふくへき，擢指揮しき僉事。尋ひろ進すすむ同どう知ち。帝みかど眷彬甚，奏請そうせい無む不ふ從したがえ。內閣商しょう輅既罷やめ，彬あきら乞得其居第だい。既すんで又また以湫隘，乞官為ため別べつ建けん，帝みかど亦また報むくい從したがえ。彬あきら娶めと妻つま，命いのち外戚がいせき孫まご顯あらわ宗主そうしゅ之の，賜たまもの予よ優渥ゆうあく。時とき召入曲きょく宴えん，敘患難なん時事じじ，歡洽如故時じ。其年十じゅう二に月がつ進すすむ指揮しき使し，與あずか都と指揮しき僉事王おう喜き同どう掌てのひら衛まもる事ごと。二人嘗受中官夏時囑，私わたし遣や百戶季福偵事江西。福ぶく者しゃ，帝みかど乳ちち媼おうな夫おっと也。詔みことのり問とい誰だれ所しょ遣や，二人ふたり請罪。帝みかど曰：「此必有ゆう主ぬし使者ししゃ。」遂とげ下か福ぶく吏，得とく二に人受ひとうけ囑しょく狀じょう。所司しょし請治時じ及二に人にん罪ざい。帝みかど宥なだめ時じ，二人贖徒還職，而詔自今じこん受囑遣や官かん者しゃ，必殺ひっさつ無む赦。已やめ而坐失しつ囚しゅう，喜き解職かいしょく，彬あきら遂とげ掌てのひら衛まもる事ごと。五ご年ねん秋あき，以平いたいら曹欽功こう，進しん都と指揮しき僉事。”

[4] 《明あかり史し》（卷まき167）：“時とき門もん達たち恃帝寵ちょう，勢いきおい傾かたぶけ朝野ちょうや。廷臣ていしん多た下之したの，彬あきら獨どく不為ふため屈こごめ。達いたる誣以罪ざい，請逮治ち。帝みかど欲ほっ法ほう行ぎょう，語ご之の曰：「任にん汝なんじ往治，但ただし以活袁彬還かえ我わが。」達たち遂とげ鍛きたえ煉ねり成なり獄ごく。賴よりゆき漆うるし工こう楊塤訟冤，獄ごく得とく解かい。然しか猶なお調しらべ南京なんきん錦にしき衣ころも衛まもる，帶おび俸閑住じゅう。語かたり詳しょう《達いたる傳でん》。越えつ二に月がつ，英えい宗むね崩くずれ，達いたる得とく罪ざい，貶官都と勻。召彬復原ふくげん職しょく，仍掌衛まもる事ごと。未み幾いく，達たち征せい下獄げごく，充たかし軍ぐん南みなみ丹に。彬あきら餞はなむけ之の於郊，饋以贐はなむけ。成なり化か初はつ，進しん都と指揮しき同どう知ち。久之ひさゆき，進すすむ都と指揮しき使し。先さき是ぜ，掌てのひら錦にしき衣ころも衛まもる者しゃ，率りつ張ちょう權勢けんせい，罔財賄まかない。彬あきら任にん職しょく久ひさ，行事ぎょうじ安靜あんせい。十じゅう三さん年ねん擢都督とく僉事，蒞前軍ぐん都と督とく府ふ。卒そつ於官。世襲せしゅう錦にしき衣ころも僉事。”

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