向むかい敏さとし中なか

向むかい敏さとし中なか（949年ねん—1020年ねん），字じ常つね之これ，開封かいふう人じん。太平たいへい興國こうこく五ご年ねん（980年ねん）登とう進士しんし。

生平おいだいら

太平たいへい興國こうこく五ご年ねん（980年ねん），面めん賜たまもの登とう科か。授將作さく監かん丞すすむ、同どう判はん吉よし州しゅう事こと。郊祀之の慶けい，遷太子たいし右みぎ贊さん善ぜん大夫たいふ。九きゅう年ねん（984年ねん），遷秘書ひしょ省しょう著作ちょさく郎ろう，覲見之これ日にち，奏そう事ごと稱しょう職しょく，選せん三さん司つかさ戶部とべ判官ほうがん、賜たまもの五ご品ひん服ふく。未み及，為ため淮南ワイナン路ろ轉うたて運うん副使ふくし，直史なおふみ館かん、超ちょう遷左司し諫、入にゅう為ため戶部とべ判官ほうがん。明年みょうねん（985年ねん），以本官かん拜はい知ち制せい誥、賜たまもの紫むらさき。出で知ち廣州こうしゅう、遷職方かた司し員いん外郎ういろう。逾年，領りょう廣こう南東なんとう路ろ轉うたて運うん使し。召還しょうかん，拜はい工こう部ぶ司郎しろう中ちゅう、樞密すうみつ直ちょく學士がくし。是これ月がつ，拜はい右みぎ諫議大夫たいふ、同どう知ち樞密院すうみついん事ごと。至いたり道どう初はつ，遷給事ごと中ちゅう。太子たいし即位そくい，進しん封ふう戶部とべ侍さむらい郎ろう、樞密すうみつ副使ふくし。咸平元年がんねん（998年ねん），拜はい兵部ひょうぶ侍さむらい郎ろう、參まいり知ち政事せいじ。二に年ねん（999年ねん）冬ふゆ，詔みことのり兼けん知ち樞密院すうみついん事ごと。契ちぎり丹に寇邊，真宗しんしゅう親おや征せい，以公為ため河北かほく河西かさい宣撫せんぶ使し。三さん年ねん（1000年ねん）三さん月がつ，以本官かん拜はい同どう中書ちゅうしょ門もん下平しもだいら章あきら事ごと、充たかし集しゅう賢けん殿どの大だい學士がくし。門もん闌たけなわ寂然じゃくねん，宴うたげ飲いん不備ふび。帝みかど說せつ：「敏さとし中大ちゅうだい耐たい官職かんしょく！」四よん年ねん（1001年ねん），買かい薛居正ただし的てき宅たく院いん，又また與あずか張ちょう齊ひとし賢けん爭そう娶めと左ひだり領りょう軍ぐん衛まもる將軍しょうぐん薛惟吉きち遺のこ孀柴氏し，被ひ指ゆび責せめ「廉潔れんけつ之の操みさお蔑聞」，以戶部ぶ侍さむらい郎ろう出で知永ちなが興きょう軍ぐん。景けい德とく初はつ，復ふく兵部ひょうぶ侍さむらい郎ろう。命いのち知ち延のぶ州しゅう、兼けん兵馬へいば都部いちぶ署しょ。後こう知ち河南かなん府ふ兼けん知ち西京にしぎょう留守るす司し事ごと。大中おおなか祥さち符ふ初はつ，封ふう禪ぜん泰山たいざん，召還しょうかん，權けん東京とうきょう留守るす，禮れい成なり，遷尚書しょ省しょう右みぎ丞すすむ兼けん秘書ひしょ省しょう監かん。真宗しんしゅう祀まつ汾陰，又また以工部ぶ尚書しょうしょ、資し政せい殿どの大だい學士がくし、權けん東京とうきょう留守るす司し事ごと。五ご年ねん（1012年ねん），拜はい刑部おさかべ尚書しょうしょ，以本官かん拜はい同どう中書ちゅうしょ門もん下平しもだいら章あきら事ごと、集しゅう賢けん殿どの大だい學士がくし，加か中書ちゅうしょ侍さむらい郎ろう、開府かいふ儀ぎ同どう三さん司し。七なな年ねん（1014年ねん），兼けん知ち樞密院すうみついん事ごと。明年みょうねん（1015年ねん），為景ためかげ靈れい宮みや使し，進しん兵部ひょうぶ尚書しょうしょ。天てん禧（1017年ねん）初はつ，為ため兗州景けい靈れい宮みや慶けい成なり使し，授吏部ぶ尚書しょうしょ。又また為ため西京にしぎょう應おう天てん禪ぜん院いん太ふとし祖そ聖せい容よう奉安ほうあん禮儀れいぎ使し，禮れい成なり，拜はい尚書しょうしょ省しょう右みぎ僕ぼく射しゃ、門下もんか侍さむらい郎ろう、監修かんしゅう國史こくし。二に年ねん（1018年ねん），為ため玉だま清昭きよあき應おう宮みや使し。三さん年ねん（1019年ねん），進しん尚書しょうしょ省しょう左ひだり僕ぼく射しゃ、加か昭文あきふみ館かん大だい學士がくし，卒そつ，年ねん七なな十じゅう二に，賜たまもの白金はっきん五ご千せん兩りょう，廢朝はいちょう三さん日にち，贈おく太ふと尉じょう、中書ちゅうしょ令れい，謚號文ぶん簡。著しる有ゆう文集ぶんしゅう十じゅう五ご卷かん。命いのち入にゅう內省、太ふとし常つね寺てら丞すすむ、直ちょく龍りゅう圖ず閣かく馮元攝と大だい鴻おおとり臚，持じ節ぶし職しょく喪も。六月ろくがつ，有司ゆうし具ぐ鹵薄鼓吹こすい，葬そう於開封かいふう府ふ開封かいふう汴陽鄉ごう豐ゆたか臺だい里さと。子こ向むかい傳でん亮あきら。

家族かぞく

曾祖そうそ父母ちちはは

• 向こう貽孫，萊國公こう
• 張ちょう氏し，追つい封ふう韓國かんこく夫人ふじん

祖父母そふぼ

• 向こう載の烈れつ，許もと國こく公おおやけ
• 孫まご氏し，追つい封ふう魏ぎ國こく夫人ふじん

父母ちちはは

• 向こう瑀，後ご漢かん時じ官かん至いたり符ふ離はなれ縣けん令れい，曹國公こう
• 史ふみ氏し，追つい封ふう晉すすむ國こく夫人ふじん

妻つま

• 梁りょう氏し
• 張ちょう氏し，南陽なんよう郡ぐん夫人ふじん，後こう周しゅう中書ちゅうしょ舍人とねり張ちょう誼よしみ孫まご女おんな，工こう部ぶ侍さむらい郎ろう張はり去さ華はな之の女おんな，左ひだり諫議大夫たいふ張はり師し德とく的てき姐あね妹いもうと
• 宋そう氏し，忻國夫人ふじん，氈毯使し宋そう延のべ昭之あきゆき女おんな
• 王おう氏し，同どう平たいら章あきら事こと王おう審しん琦之女おんな

子こ

向むかい敏さとし中有ちゅうう五ご子し。

1. 長子ちょうし向こう傳でん正ただし，官かん至いたり國子くにこ博士はかせ，妻つま宰相さいしょう李り沆之女おんな，贈おく太ふと尉じょう。
   • 向こう綬，終おわり官かん西京にしぎょう左ひだり藏ぞう庫こ副使ふくし
     • 向むかい宗はじめ琦，以太中ちゅう大夫たいふ致仕ちし、累るい贈おく少しょう師し
       • 向こう子こ袞
         • 向こう澐（與あずか下しも兩人りょうにん皆みな子こ忞侄，父ちち不ふ詳しょう）
         • 向こう濯
         • 向こう滈
           • 向こう士し平ひらた
       • 向こう子こ褒
       • 向こう子こ家か
       • 向こう子こ恪つとむ
       • 向こう子こ率りつ
       • 向こう子こ齊ひとし
         • 向こう法ほう
           • 向むかい士し永ひさし
         • 向こう茫
       • 向こう子こ忞，以奉直ちょく大夫たいふ、直ちょく秘ひ閣かく致仕ちし、累るい贈おく太ふと中なか大夫たいふ
         • 向こう澩
         • 向こう澣
           • 向むかい士し克かつ
           • 向むかい士し允まこと
           • 向むかい士し充たかし
           • 向むかい士し寬ひろし
           • 向こう士し光こう
           • 向こう士し元もと
           • 向こう士し先さき
           • 向むかい氏し，適從てきじゅう政せい郎ろう、湘陰縣けん丞すすむ宋そう剛つよし仲なか
           • 向むかい氏し，適てき田でん奇き
           • 向むかい氏し，適てき進士しんし王おう瑊
           • 向むかい氏し，適てき承うけたまわ務つとむ郎ろう李り正夫まさお
       • 向こう子こ韶，終おわり官かん中ちゅう奉たてまつ大夫たいふ、贈おく通どおり議ぎ大夫たいふ
         • 向むかい讓ゆずる
         • 向こう混こん
         • 向こう汋
         • 向むかい護まもる
         • 向こう溥
         • 向こう涖
         • 向こう瀚
         • 向こう汝なんじ
         • 向むかい鴻ひろし
         • 向こう沈，通つう直ちょく郎ろう
           • 向むかい士行しこう，迪すすむ功こう郎ろう
             • 向むかい公こう頤
             • 向むかい公こう顗
           • 向むかい氏し，適てき通どおり直ちょく郎ろう、江南こうなん東路あずまじ轉てん運うん司し主管しゅかん文字もじ胡えびす大原おおはら
           • 向むかい氏し，適てき將はた仕つかまつ郎ろう劉りゅう無む忌き
           • 向むかい氏し，適てき蕭しょう澣
           • 向むかい氏し，適てき趙ちょう維
   • 向こう約やく，贈おく工こう部ぶ侍さむらい郎ろう
     • 向むかい宗はじめ儒，終おわり官かん刑部おさかべ司つかさ員いん外郎ういろう
       • 向むかい氏し，壽ことぶき安やすし縣けん君くん、適てき宗室そうしつ右みぎ監かん門衛もんえい大將軍だいしょうぐん，嘉よしみ州しゅう刺史しし趙ちょう仲なか企くわだて
2. 次子じし向こう傳でん亮あきら，官かん至いたり駕が部ぶ司し員いん外郎ういろう，贈おく周しゅう王おう。
   • 向こう綜，字じ君くん章あきら，官かん至いたり中ちゅう散大さんだい夫おっと。
     • 向むかい宗そう哲あきら
   • 向こう經けい，字じ審しん禮れい，向むかい傳でん亮あきら之子ゆきこ，官かん至いたり定國さだくに軍ぐん留とめ後ご，贈おく侍さむらい中ちゅう，諡おくりな康やすし懿，後こう加か贈おく吳くれ王おう。
     • 向むかい宗はじめ愈いよいよ（早はや卒そつ）
     • 向むかい宗はじめ回かい，向むかい經子けいこ，字じ子こ發はつ，官かん至いたり太子たいし少しょう保たもて、奉たてまつ朝あさ請，封ふう漢かん東ひがし郡ぐん王おう，贈おく檢校けんぎょう少しょう師し，諡おくりな榮さかえ縱たて。
       • 向こう子こ章あきら
         • 向むかい氏し，適てき劉りゅう光世みつよ
       • 向むかい氏し，適てき武たけ節郎せつお趙ちょう希のぞみ詔みことのり
     • 向むかい宗そう良りょう，向むかい經子けいこ，字じ景けい弼，官かん至いたり寧やすし海軍かいぐん節度せつど使し，封ふう永えい嘉よしみ郡ぐん王おう，贈おく少しょう保ほ。
       • 向こう子こ廉れん，右みぎ朝あさ奉たてまつ郎ろう、直ちょく秘ひ閣かく
       • 向こう子こ履くつ（向こう皇后こうごう侄，父ちち不ふ詳しょう）
       • 向こう子こ騫（向こう皇后こうごう侄，父ちち不ふ詳しょう）
         • 向こう汸
       • 向こう子こ簡（向こう皇后こうごう侄，父ちち不ふ詳しょう）
     • 欽聖皇后こうごう，向こう經けい女おんな，宋そう神かみ宗はじめ皇后こうごう，諡おくりな欽聖憲けん肅皇后こうごう。
     • 向むかい氏し，欽聖皇后こうごう之の妹いもうと，適てき武功ぶこう大夫たいふ，榮さかえ州しゅう刺史しし趙ちょう思おもえ行くだり
3. 三子みつご向こう傳つて式しき，官かん至いたり龍りゅう圖ず閣かく直ちょく學士がくし。
   • 向こう綸
   • 向こう絳，衛まもる尉じょう寺てら丞すすむ（絳及以下いか七なな人にん皆みな敏さと中なか孫まご，父ちち不ふ詳しょう）
   • 向むかい紳しん，衛まもる尉じょう寺てら丞すすむ
   • 向こう緯ぬき，大だい理り寺てら丞すすむ
   • 向むかい純じゅん，西にし頭あたま供奉ぐぶ官かん
   • 向こう緩なる，大だい理り寺てら評ひょう事ごと
   • 向こう紡，監かん丞すすむ主ぬし簿ぼ
   • 向こう紃，右みぎ朝議ちょうぎ大夫たいふ
   • 向むかい紘ひろし，朝あさ奉たてまつ大夫たいふ

1. 四よん子し向むかい傳つたえ師し，官かん至いたり殿中でんちゅう丞すすむ。
   • 向こう維
2. 五ご子し向むかい傳つたえ范，字じ仲なか模も，娶めと南陽なんよう郡ぐん王おう趙ちょう惟おもんみ吉きち女おんな安福やすふく縣けん主ぬし為ため妻つま，密みつ州しゅう觀察かんさつ使し、金きむ紫むらさき光こう祿ろく大夫たいふ、檢校けんぎょう工こう部ぶ尚書しょうしょ、御ご史し大夫たいふ、上うえ柱ばしら國こく、河間こうま郡ぐん開國かいこく公こう，贈おく昭德あきのり軍ぐん節度せつど使し，諡おくりな惠めぐみ節ぶし。
   • 向むかい氏し，女おんな，早はや卒そつ
   • 向むかい氏し，女おんな，早はや卒そつ
   • 向むかい氏し，適てき李り侔
   • 向むかい氏し，適てき皇すめらぎ城じょう使し曹諶
   • 向むかい氏し，女おんな
   • 向むかい氏し，女おんな
   • 向こう縝，內園使し
   • 向こう縡，大だい理り寺てら丞すすむ，賜たまもの緋ひ魚ぎょ袋ぶくろ
   • 向こう繹
   • 向むかい總そう，右みぎ侍さむらい禁きん
   • 向こう繪え，贊さん善ぜん大夫たいふ，早はや卒そつ
     • 向むかい宗明むねあき，終おわり官かん武德ぶとく大夫たいふ、累るい贈おく沂州防禦ぼうぎょ使し、耀州觀察かんさつ使し
       • 向こう子こ諲
         • 向こう洛らく
           • 向こう士し彪あや
           • 向こう士し叔
             • 向むかい公こう起おこり
         • 向こう澹
           • 向こう士し凱
           • 向こう士し虎とら
             • 向むかい公望きんもち
         • 向こう浯
           • 向こう士し伯はく
             • 向むかい公こう永ひさし
         • 向こう涪
       • 向こう子こ褒，知ち唐から州しゅう事ごと
       • 向こう子こ謨，右みぎ朝あさ散ち郎ろう
       • 向こう子こ誼よしみ
         • 向むかい氏し，適てき宗室そうしつ趙ちょう士し礽之子こ趙ちょう不ふ過か

女おんな

• 向むかい氏し，適てき金きん部ぶ司し員いん外郎ういろう李り直方なおかた
• 向むかい氏し，適てき如京副使ふくし王おう希まれ范
• 向むかい氏し，嫁よめ皇すめらぎ甫はじめ泌。

孫まご女おんな

• 向むかい氏し，適てき比ひ部ぶ司郎しろう中ちゅう劉りゅう宮みや。
• 向むかい氏し，適てき國子くにこ監修かんしゅう撰せん、經けい義ぎ檢討けんとう練ねり亨とおる甫はじめ。

玄孫げんそん

• 向こう子房しぼう，1110年ねん出生しゅっしょう，世せい系けい不ふ詳しょう，娶めと宋そう徽宗之の女おんな成德しげのり帝みかど姬ひめ
• 向こう子こ扆，1111年ねん出生しゅっしょう，世せい系けい不ふ詳しょう，娶めと宋そう徽宗之の女おんな順德じゅんとく帝みかど姬ひめ

逸事いつじ

• 馮夢龍りゅう《智さとし囊全集しゅう》第だい三さん部ぶ《察智·向むかい敏さとし中ちゅう》載の向むかい敏さとし中ちゅう曾破獲え天台山てんだいざん和尚おしょう殺ころせ有夫ゆうふ之これ婦ふ梅うめ氏し冤案。

參考さんこう文獻ぶんけん

• 《宋そう史し·向こう敏さと中なか》