明あかり史し/卷まき9

本紀ほんぎ第だい八はち 仁じん宗むね ◄

明あかり史し卷まき九きゅう 本紀ほんぎ第だい九きゅう　宣せん宗むね

► 本紀ほんぎ第だい十じゅう 英えい宗むね前ぜん紀き

　　宣せん宗そう憲けん天てん崇道すどう英明ひであき神聖しんせい欽文昭武あきたけ寬仁かんじん純じゅん孝章たかあき皇帝こうてい，諱いみな瞻基，仁ひとし宗そう長子ながこ也。母はは誠まこと孝昭たかあき皇后こうごう。生せい之の前ぜん夕ゆう，成なり祖そ夢ゆめ太ふとし祖そ授以大だい圭けい曰：「傳つて之の子孫しそん，永世えいせい其昌。」既すんで彌わたる月がつ，成なり祖そ見み之の曰：「兒こ英氣えいき溢面，符ふ吾われ夢ゆめ矣。」比ひ長ちょう，嗜書，智識ちしき傑出けっしゅつ。永樂えいらく七なな年ねん，從したがえ幸こう北京ぺきん，令れい觀かん農具のうぐ及田おいた家か衣食いしょく，作さく務つとむ本ほん訓くん授之。八はち年ねん，成なり祖そ征せい沙漠さばく，命いのち留守るす北京ぺきん。九きゅう年ねん十じゅう一いち月がつ，立たて為ため皇すめらぎ太ふとし孫まご，始はじめ冠かんむり。自じ是ぜ，巡幸じゅんこう征討せいとう皆みな從したがえ。嘗命學士がくし胡えびす廣こう等とう即そく軍ぐん中ちゅう為ため太ふとし孫まご講こう論ろん經けい史し。每まい語かたり仁じん宗むね曰：「此他日び太平たいへい天子てんし也。」

洪ひろし熙元年ねん

　　仁じん宗むね即位そくい，立たて為ため皇太子こうたいし。夏なつ四よん月がつ，以南いなん京地きょうじ屢震，命いのち往居守もり。五月ごがつ庚かのえ辰たつ，仁ひとし宗そう不ふ豫よ，璽書召還しょうかん。

　　六ろく月がつ辛からし丑うし，還かえ至いたり良鄉よしさと，受遺詔みことのり，入にゅう宮みや發はつ喪も。庚かのえ戌いぬ，即そく皇帝こうてい位い。大赦たいしゃ天下でんか，以明年ねん為ため宣せん德とく元年がんねん。辛からし亥い，諭さとし邊べ將はた嚴いむ守備しゅび。甲きのえ寅とら，趣おもむき中ちゅう官かん在外ざいがい採と辦者還かえ，罷やめ所しょ市し物ぶつ。

　　秋あき七なな月がつ乙おつ亥い，尊皇そんのう后きさき為ため皇太后こうたいごう，立だて妃ひ胡えびす氏し為ため皇后こうごう。辛からし卯う，鎮遠侯こう顧興祖そ討大藤おおふじ峽かい蠻，平之ひらの。乙未おとみ，諭さとし法ほう司つかさ慎まこと刑けい獄ごく。

　　閏月じゅんげつ戊つちのえ申さる，安あん順じゅん伯はく薛貴、清きよし平ひら伯はく吳ご成しげる^[1]、都と督とく馬ば英えい、都と指揮しき梁りょう成しげる帥そち師し巡じゅん邊あたり。乙おつ丑うし，楊溥入にゅう直文なおふみ淵ふち閣かく。

　　八はち月がつ戊つちのえ辰たつ，都と指揮しき李り英えい討安定あんてい曲きょく先さき叛番，大敗たいはい之の，安定あんてい王おう桑くわ兒じ加か失しつ夾詣闕謝罪しゃざい。壬みずのえ申さる，詔みことのり內外羣臣舉廉潔れんけつ公正こうせい堪こらえ牧民ぼくみん者しゃ。癸みずのと未み，大だい理り卿きょう胡えびす概がい、參政さんせい葉は春はる巡じゅん撫なで南みなみ畿、浙江せっこう。設しつらえ巡めぐ撫なで自じ此始。

　　九きゅう月がつ壬みずのえ寅とら，葬そう昭あきら皇帝こうてい於獻陵りょう。

　　冬ふゆ十じゅう月がつ戊つちのえ寅とら，南京なんきん地震じしん。戊子ぼし，敕公、侯ほう、伯はく、五ご府ふ、六ろく部ぶ、大だい學士がくし、給きゅう事ごと中ちゅう審しん覆くつがえ重おも囚しゅう。

　　十一月じゅういちがつ戊つちのえ戌いぬ，顧興祖そ討平思おもえ恩おん蠻。辛からし酉とり，薛祿為ため鎮朔大將軍だいしょうぐん巡じゅん邊あたり。

　　十二月じゅうにがつ甲かぶと申さる，顧興祖そ討平宜山よしやま蠻。

　　是これ年ねん，哈密回かい回かい、滿まん剌撒丁ひのと、占うらない城じょう、琉球りゅうきゅう中山ちゅうざん、爪つま哇、烏がらす斯藏、瓦かわら剌、浡泥入貢にゅうこう。

宣せん德とく元年がんねん

　　宣せん德元とくもと年春としはる正月しょうがつ癸みずのと卯う，享とおる太ふとし廟びょう。丁未ていみ，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。癸みずのと丑うし，赦死罪ざい以下いか運うん糧かて宣せん府ふ自じ贖。己おのれ未み，遣や侍さむらい郎ろう黃き宗むね載の十じゅう五ご人にん清きよし理り天下でんか軍ぐん伍ご。後ご遣や使つかい，著ちょ為ため令れい。

　　二に月がつ戊つちのえ辰たつ，祭まつり社稷しゃしょく。丁ちょう丑うし，耕こう耤田。丙へい戌いぬ，謁長陵りょう、獻けんじ陵りょう。丁ちょう亥い，還かえ宮みや。

　　三月さんがつ己おのれ亥い，榮さかえ昌あきら伯はく陳ちん智さとし、都と督とく方かた政せい討黎利り，敗はい績於茶ちゃ籠かご州しゅう，乂安知ち府ふ琴きん彭死之の。癸みずのと丑うし，行ぎょう在ざい禮れい部ぶ侍さむらい郎ろう張ちょう瑛あきら兼けん華はな蓋ぶた殿どの大だい學士がくし，直文なおふみ淵ふち閣かく。

　　夏なつ四よん月がつ乙おつ丑うし，成山なりやま侯こう王おう通どおり為ため征せい夷えびす將軍しょうぐん充たかし總そう兵へい官かん，討黎利り，尚書しょうしょ陳ちん洽ひろし參まいり贊さん軍務ぐんむ，陳ちん智さとし、方ほう政まさし奪だつ官かん從したがえ立たて功こう。

　　五月ごがつ甲かぶと午うま朔ついたち，錄ろく囚しゅう。丙へい申さる，詔みことのり赦交阯，許もと黎はじむ利り自じ新しん。丙午ひのえうま，敕郡縣けん瘞遺骸むくろ。庚申こうしん，召薛祿ろく還かえ。

　　秋あき七なな月がつ癸巳きし，京師けいし地震じしん。乙未おとみ，免めん山東さんとう夏なつ稅ぜい。己おのれ亥い，諭さとし六科むじな，凡中官かん傳でん旨むね，必覆奏そう始はじめ行ぎょう。壬みずのえ子こ，罷やめ湖みずうみ廣こう採と木き。

　　八はち月がつ壬みずのえ戌いぬ，漢かん王おう高だか煦反。丙へい寅とら，宥なだめ武臣ぶしん殊こと死し以下いか罪つみ，復ふく其官。己おのれ巳み，親おや征せい高だか煦，命いのち鄭てい王おう瞻埈、襄じょう王おう瞻墡居きょ守もり，陽ひ武たけ侯こう薛祿、清きよし平ひら伯はく吳ご成しげる將はた前ぜん鋒ほこさき，大だい賚五軍ぐん將士しょうし。辛からし未み，發はつ京師けいし。辛からし巳み，至いたり樂らく安やす，帝みかど兩りょう遣や書しょ諭さとし降くだ，又また以敕繫矢射い城中じょうちゅう諭さとし禍福かふく。壬みずのえ午うま，高こう煦出降くだ。癸みずのと未み，改あらため樂らく安やす曰武定じょう州しゅう。乙おつ酉とり，班はん師し。

　　九きゅう月がつ丙へい申さる，至いたり自じ武たけ定じょう州しゅう，錮高煦於西にし內。戊つちのえ戌いぬ，法ほう司し鞫高煦同謀はかりごと者しゃ，詞し連れん晉すすむ王おう、趙ちょう王おう，詔みことのり勿問。

　　冬ふゆ十じゅう月がつ戊つちのえ寅とら，釋しゃく李り時じ勉つとむ，復ふく為ため侍讀じどく。

　　十一月じゅういちがつ乙未おとみ，成山なりやま侯こう王おう通どおり擊げき黎はじむ利とぎ於應平ひらめ，敗はい績，尚書しょうしょ陳ちん洽ひろし死し之の。

　　十二月じゅうにがつ辛からし酉とり，免めん六ろく師し所しょ過か秋あき糧かて。辛からし未み，錄ろく囚しゅう，宥免ゆうめん三さん千せん餘人よにん。乙おつ酉とり，征せい南みなみ將軍しょうぐん總そう兵へい官かん黔國公こう沐晟帥そち興きょう安やす伯はく徐じょ亨とおる、新あたらし寧やすし伯はく譚たん忠ただし^[2]，征せい虜とりこ副ふく將軍しょうぐん安やす遠とお侯こう柳やなぎ升ます帥そち保ほ定てい伯はく梁はり銘めいじ、都みやこ督ただし崔ちぇ聚，由ゆかり雲南うんなん、廣西ひろせ分ぶん道どう討黎利り，兵部ひょうぶ尚書しょうしょ李り慶けい參まいり贊さん軍務ぐんむ。

　　是これ年ねん，爪つま哇、暹羅しゃむ、琉球りゅうきゅう、蘇そ門もん答こたえ剌、滿まん剌加、白しろ葛かずら達たち、撒馬兒じ罕、土ど魯番、哈密、烏がらす斯藏入貢にゅうこう。

宣せん德とく二に年ねん

　　二に年ねん春はる正月しょうがつ庚かのえ子こ，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。丁未ていみ，有司ゆうし奏そう歲とし問とい囚しゅう數すう。帝みかど謂いい百姓ひゃくしょう輕けい犯はん法ほう，由ゆかり於教化か未み行くだり，命いのち申さる教化きょうか。

　　二に月がつ癸みずのと亥い，行ぎょう在ざい戶部とべ侍さむらい郎ろう陳ひね山やま為ため本部ほんぶ尚書しょうしょ兼けん謹身殿どの大だい學士がくし，直文なおふみ淵ふち閣かく。乙おつ丑うし，黎はじむ利り攻おさむ交阯城じょう，王おう通とおる擊げき敗はい之の。

　　三さん月がつ辛からし卯う，賜たまもの馬ば愉等進士しんし及第きゅうだい、出身しゅっしん有ゆう差さ。

　　夏なつ四よん月がつ庚申こうしん，黎はじむ利り陷おちい昌江まさえ，都と指揮しき李り任つとむ，指揮しき顧福、劉りゅう順じゅん，知ち府ふ劉りゅう子こ輔，中ちゅう官かん馮智死し之の。甲子きのえね，晉すすむ王おう濟わたる熿有罪ざい，廢はい為ため庶人。己おのれ巳み，王おう通とおる許もと黎はじむ利和としかず。

　　五月ごがつ癸巳きし，薛祿督とく餉開平かいへい。己おのれ亥い，仁ひとし宗そう神主かんぬし祔太廟びょう。丙午ひのえうま，錄ろく囚しゅう。

　　六ろく月がつ戊つちのえ寅とら，錄ろく囚しゅう。

　　秋あき七なな月がつ己おのれ亥い，黎はじむ利り陷おちい隘留關せき，鎮遠侯こう顧興祖そ擁よう兵へい不ふ救すくえ，逮治之の。庚かのえ子こ，錄ろく囚しゅう。辛からし丑うし，命いのち都と督とく同どう知ち陳ひね懷ふところ充たかし總そう兵へい官かん，帥そち師し討松潘はん蠻。丁未ていみ，薛祿敗はい敵てき於開平かいへい。

　　八はち月がつ甲子きのえね，黃き淮致仕ちし。免めん兩りょう京きょう、山西さんせい、河南かなん州しゅう縣けん被災ひさい稅ぜい糧かて。

　　九きゅう月がつ壬みずのえ辰たつ，錄ろく囚しゅう。乙未おとみ，柳やなぎ升ます師し次じ倒たおせ馬ば坡，遇ぐう伏ふく戰死せんし。是ぜ日び，保ほ定てい伯はく梁はり銘めい病びょう卒そつ。丙へい申さる，尚書しょうしょ李り慶けい病びょう卒そつ。師し大だい潰つぶせ，參まいり將はた崔ちぇ聚，郎ろう中ちゅう史し安やす，主事しゅじ陳ひね鏞、李り宗はじめ昉死之の。

　　冬ふゆ十じゅう月がつ戊つちのえ寅とら，王おう通とおる棄交阯，與あずか黎はじむ利とぎ盟めい。

　　十一月じゅういちがつ乙おつ酉とり，赦黎利り，遣や侍さむらい郎ろう李り琦、羅ら汝なんじ敬けい立りつ陳ひね暠為安やす南國なんごく王おう，悉召文武ぶんぶ吏士還かえ。己おのれ亥い，以皇長子ちょうし生せい大赦たいしゃ天下でんか，免めん明年みょうねん稅ぜい糧かて三さん之の一いち。

　　十二月じゅうにがつ丁ひのと丑うし，振ふ陝西せんせい饑ひだる，幷給絹布けんぷ十じゅう五ご萬まん疋。

　　是これ年ねん，爪つま哇、占うらない城じょう、暹羅しゃむ、琉球りゅうきゅう、瓦かわら剌、哈密、亦また力ちから把わ里さと、撒馬兒じ罕入貢にゅうこう。

宣せん德とく三さん年ねん

　　三さん年ねん春はる正月しょうがつ甲かぶと午うま，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。丙へい申さる，陳ちん懷ふところ平松ひらまつ潘はん蠻。

　　二に月がつ戊つちのえ午うま，立たて皇すめらぎ長子ちょうし祁鎮為ため皇太子こうたいし。是これ月がつ，作さく帝みかど訓くん成なり。

　　三さん月がつ癸みずのと未み，廢はい皇后こうごう胡えびす氏し，立たて貴たか妃ひ孫まご氏し為ため皇后こうごう。壬みずのえ辰たつ，錄ろく囚しゅう。

　　夏なつ四よん月がつ癸みずのと亥い，敕凡官民かんみん建言けんげん章しょう疏，尚書しょうしょ、都と御ご史し、給きゅう事ごと中ちゅう會議かいぎ以聞，勿諱。

　　閏月じゅんげつ壬みずのえ寅とら，錄ろく囚しゅう。免めん山西さんせい旱ひでり災わざわい稅ぜい糧かて。甲かぶと辰たつ，命いのち有司ゆうし振ふ卹。庚かのえ戌いぬ，論ろん棄交阯罪，王おう通どおり等とう及布政せい使し弋謙、中ちゅう官かん山やま壽ことぶき、馬うま騏下獄げごく論ろん死し，籍せき其家，鎮遠侯こう顧興祖そ幷下獄げごく。

　　五月ごがつ壬みずのえ子こ，李り琦、羅ら汝なんじ敬けい還かえ。黎はじむ利り表ひょう陳ひね暠卒，子孫しそん幷絕，乞守國こく俟命。辛からし酉とり，錄ろく囚しゅう。己おのれ巳み，復ふく遣や羅ら汝なんじ敬けい等とう諭さとし黎はじむ利り立りつ陳ちん氏し後ご。辛からし未み，贈おく交阯死し事こと諸しょ臣しん。壬みずのえ申さる，免めん北京ぺきん被災ひさい夏なつ稅ぜい。

　　六ろく月がつ丙へい戌いぬ，免めん陝西せんせい被災ひさい夏なつ稅ぜい。丁未ていみ，都と御ご史し劉りゅう觀かん巡視じゅんし河かわ道どう。

　　秋あき七なな月がつ戊つちのえ辰たつ，錄ろく囚しゅう。

　　八はち月がつ辛からし卯う，罷やめ北京ぺきん行部ゆくべ及行後ご軍ぐん都と督とく府ふ。丁未ていみ，帝みかど自じ將しょう巡じゅん邊あたり。

　　九きゅう月がつ辛からし亥い，次じ石門せきもん驛えき。兀良哈寇會かい州しゅう，帝みかど帥そち精せい卒そつ三さん千せん人にん往擊之の。乙おつ卯う，出で喜き峰ほう口こう，擊げき寇於寬ひろし河かわ。帝みかど親おや射しゃ其前鋒ほこさき，殪三さん人にん，兩翼りょうよく軍ぐん並なみ發はつ，大破たいは之の。寇望見ぼうけん黃き龍りゅう旂，下馬しもうま羅ら拜はい請降，皆みな生せい縛ばく之の，斬き渠みぞ酋。甲子きのえね，班はん師し。癸みずのと酉とり，至いたり自じ喜き峰ほう口こう。

　　冬ふゆ十じゅう一いち月がつ癸みずのと酉とり，錦にしき衣ころも指揮しき鍾法保ほ請採珠たま東ひがし莞ふとい，帝みかど曰：「是ぜ欲よく擾民以求利也としや」，下之したの獄ごく。

　　十二月じゅうにがつ庚かのえ子こ，廣西ひろせ總そう兵へい官かん山やま雲くも討擒忻城蠻。

　　是これ年ねん，占うらない城じょう、暹羅しゃむ、爪つま哇、琉球りゅうきゅう、瓦かわら剌、哈密、安やす南みなみ、曲きょく先さき、土ど魯番、亦また力ちから把わ里さと、撒馬兒じ罕入貢にゅうこう。

宣せん德とく四よん年ねん

　　四よん年ねん春はる正月しょうがつ，兩りょう京きょう地震じしん。己おのれ未み，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。

　　二に月がつ己おのれ丑うし，南京なんきん獻けんじ騶虞二に，禮れい部ぶ請表賀が，不ふ許もと。

　　三さん月がつ甲かぶと戌いぬ，遣や李り琦再諭さとし黎はじむ利り訪おとずれ立たて陳ちん氏し後ご。

　　夏なつ四よん月がつ辛からし巳み，山やま雲くも討平柳やなぎ、潯蠻。戊子ぼし，工こう部ぶ尚書しょうしょ黃き福ぶく、平江ひらえ伯はく陳ひね瑄經略けいりゃく漕こげ運うん。

　　五月ごがつ壬みずのえ子こ，錄ろく囚しゅう。

　　六ろく月がつ甲かぶと午うま，罷やめ文ぶん吏犯贓贖罪しょくざい例れい。己おのれ亥い，寇犯開平かいへい，鎮撫ちんぶ張ちょう信しん等とう戰死せんし。庚かのえ子こ，薛祿督とく餉開平かいへい。

　　秋あき七なな月がつ己おのれ未み，幸さいわい文淵ぶんえん閣かく。

　　八はち月がつ己おのれ卯う，起おこり復ふく楊溥。

　　九きゅう月がつ癸みずのと亥い，釋しゃく顧興祖そ於獄。

　　冬ふゆ十じゅう月がつ庚かのえ辰たつ，幸さいわい文淵ぶんえん閣かく。癸みずのと未み，以天寒さむ諭さとし法ほう司し錄ろく囚しゅう。丙へい戌いぬ，製せい猗蘭操みさお賜たまもの廷臣ていしん，諭さとし以薦賢けん為國ためくに之の道みち。庚かのえ寅とら，張ちょう瑛あきら、陳ちん山やま罷やめ。甲かぶと午うま，閱武於近郊きんこう。乙未おとみ，獵りょう於峪口こう。戊つちのえ戌いぬ，還かえ宮みや。

　　十一月じゅういちがつ癸みずのと卯う，薛祿及恭順じゅん侯こう吳ご克かつ忠ちゅう帥そち師し巡じゅん宣せん府ふ。

　　十二月じゅうにがつ乙おつ亥い，京師けいし地震じしん。壬みずのえ辰たつ，罷やめ中ちゅう官かん松まつ花江はなえ造船ぞうせん。

　　是これ年ねん，爪つま哇、占うらない城じょう、琉球りゅうきゅう、榜葛剌、哈密、土ど魯番、亦また力ちから把わ里さと、撒馬兒じ罕入貢にゅうこう。

宣せん德とく五ご年ねん

　　五ご年ねん春はる正月しょうがつ癸みずのと丑うし，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。戊つちのえ辰たつ，尚書しょうしょ夏原なつはら吉きち卒そつ。

　　二に月がつ壬みずのえ辰たつ，罷工ひこう部ぶ採と木き。癸巳きし，頒寬卹之令れい：省しょう災わざわい傷きず，寬ひろし馬うま政まさし，免めん逋欠薪たきぎ芻，招流民りゅうみん賜たまもの復ふく一いち年ねん，罷やめ採と買かい，減げん官かん田た舊きゅう科か十じゅう之の三さん，卹工匠こうしょう，禁きん司し倉くら官かん包つつみ納おさめ，戒法司つかさ慎まこと刑けい獄ごく。乙未おとみ，奉たてまつ皇太后こうたいごう謁陵。

　　三さん月がつ戊つちのえ申さる，道みち見み耕こう者しゃ，下馬げば問とい農事のうじ，取と耒三さん推，顧侍臣じしん曰：「朕ちん三推已不勝勞，況きょう吾われ民みん終おわり歲とし勤つとむ動どう乎。」命いのち賜たまもの所しょ過か農民のうみん鈔。己おのれ酉とり，還かえ宮みや。辛からし亥い，李り琦還，黎はじむ利り稱たたえ陳ちん氏し無む後ご，上表じょうひょう請封。丙へい辰たつ，免めん山西さんせい去歲きょさい被災ひさい田租でんそ。丁ちょう巳み，賜たまもの林はやし震しん等とう進士しんし及第きゅうだい、出身しゅっしん有ゆう差さ。

　　夏なつ四よん月がつ戊つちのえ寅とら，薛祿帥そち師し築ちく赤城あかぎ、鵰鶚、雲くも州しゅう、獨どく石せき、團だん山城やましろ堡。

　　五月ごがつ癸みずのと卯う，追つい奪だつ贓吏誥敕，著ちょ為ため令れい。丙へい辰たつ，修おさむ預あずか備倉，出で官かん錢せん收おさむ糴備荒びこう。癸みずのと亥い，擢郎中ちゅう況きょう鍾、御ご史し何なん文ぶん淵ふち九きゅう人為じんい知ち府ふ^[3]，賜たまもの敕遣之の。

　　六月ろくがつ己おのれ卯う，遣や官かん捕と近畿きんき蝗いなご，諭さとし戶部とべ曰：「往年おうねん捕と蝗いなご之の使つかい害がい民みん不ふ減げん於蝗，宜むべ知ち此弊。」因いん作さく捕と蝗いなご詩し示しめせ之これ。

　　秋あき七なな月がつ癸みずのと亥い，甄別守もり令れい。

　　八はち月がつ己おのれ巳み朔ついたち，日食にっしょく，陰かげ雨う不ふ見み，禮れい官かん請表賀が，不ふ許もと。

　　九きゅう月がつ丙午ひのえうま，擢御史し于謙、長ちょう史ふみ周しゅう忱まこと六ろく人為じんい侍さむらい郎ろう，巡じゅん撫なで兩りょう京きょう、山東さんとう、山西さんせい、河南かなん、江西えにし、浙江せっこう、湖みずうみ廣ひろ。乙おつ卯う，巡じゅん近郊きんこう。己おのれ未み，還かえ宮みや。

　　冬ふゆ十じゅう月がつ乙おつ亥い，阿おもね魯台犯はん遼東りゃおとん，遼りょう海うみ衞まもる指揮しき同どう知ち皇すめらぎ甫はじめ斌あきら力戰りきせん死し。丙へい子こ，巡じゅん近郊きんこう。己おのれ卯う，獵りょう於坌道どう。丙へい戌いぬ，至いたり洗馬せば林りん，遍へん閱城堡兵備へいび。壬みずのえ辰たつ，還かえ宮みや。

　　十二月じゅうにがつ癸巳きし，曲きょく先さき叛番平たいら。

　　閏月じゅんげつ己おのれ未み，敕內外がい諸しょ司つかさ，久ひさ淹獄囚しゅう者しゃ罪ざい之の。

　　是これ年ねん，占うらない城じょう、琉球りゅうきゅう、爪つま哇、瓦かわら剌、哈密、罕東、土ど魯番、撒馬兒じ罕、亦また力ちから把わ里さと入貢にゅうこう。

宣せん德とく六ろく年ねん

　　六ろく年ねん春はる正月しょうがつ丁ひのと丑うし，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。庚かのえ辰たつ，大雨おおあめ雷電らいでん。

　　二に月がつ丁ちょう酉とり，侍さむらい郎ろう羅ら汝なんじ敬けい督とく陝西せんせい屯田とんでん。己おのれ亥い，濬金龍口りゅうぐち，引河達たち徐じょ州しゅう以便漕こげ。

　　三さん月がつ乙おつ亥い，命いのち吏部考察こうさつ外がい官かん自じ布ぬの政せい、按察二に司つかさ始はじめ，著ちょ為ため令れい。

　　夏なつ四よん月がつ己おのれ酉とり，侍さむらい郎ろう柴しば車しゃ經理けいり山西さんせい屯田とんでん。

　　六月ろくがつ己おのれ亥い，遣や使つかい詔みことのり黎はじむ利權りけん署しょ安やす南國なんごく事ごと。

　　秋あき七なな月がつ己おのれ巳み，錄ろく囚しゅう。壬みずのえ午うま，許もと朵顏三さん衞まもる市し易えき。

　　冬ふゆ十じゅう月がつ甲かぶと辰たつ，陳ちん懷ふところ平松ひらまつ潘はん蠻。

　　十一月じゅういちがつ丙へい子こ，始はじめ命いのち官軍かんぐん兌運民みん糧かて。乙おつ酉とり，分遣ぶんけん御ご史し往逮貪暴中官かん袁琦等とう。

　　十二月じゅうにがつ乙未おとみ，袁琦等とう十じゅう一いち人にん棄市，榜其罪ざい示しめせ天下でんか。丁未ていみ，金きむ幼よう孜つとむ卒そつ。庚かのえ戌いぬ，遣や御ご史し巡視じゅんし寧やすし夏なつ甘あま州しゅう屯田とんでん水利すいり。

　　是これ年ねん，占うらない城じょう、琉球りゅうきゅう、瓦かわら剌、哈密、蘇そ門もん答こたえ剌、亦また力ちから把わ里さと入貢にゅうこう。

宣せん德とく七なな年ねん

　　七年春正月辛酉朔，日にち有ゆう食しょく之の，免めん朝賀ちょうが。癸みずのと酉とり，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。

　　二に月がつ甲かぶと午うま，以春和かず諭さとし法ほう司し錄ろく囚しゅう。

　　三さん月がつ庚申こうしん，下しも詔みことのり行ぎょう寬ひろし卹之政せい。辛からし酉とり，諭さとし禮れい部ぶ曰：「朕ちん以官田た賦ふ重じゅう，十じゅう減げん其三。乃聞異あや時とき蠲租詔みことのり下か，戶部とべ皆みな不ふ行くだり，甚者戒約有司ゆうし，不ふ得とく以詔書しょ為ため辭じ。是ぜ廢はい格かく詔みことのり令れい，使つかい澤さわ不ふ下した究きわむ也。自今じこん令れい在ざい必行，毋有所しょ遏。」

　　夏なつ四よん月がつ辛からし丑うし，免めん山西さんせい逋賦。壬みずのえ寅とら，募つの商しょう中鹽なかしお輸粟入いれ邊べ。

　　六ろく月がつ癸みずのと卯う，錄ろく囚しゅう。癸みずのと丑うし，罷やめ中ちゅう官かん入いれ番ばん市し馬ば。是これ月がつ，作さく官かん箴成，凡三さん十じゅう五ご篇へん，示しめせ百官ひゃっかん。

　　秋あき八はち月がつ乙未おとみ，敕京官かん三品以上舉才行文學之士，吏部、都と察院黜方面めん有司ゆうし不ふ職しょく者しゃ。

　　九きゅう月がつ庚午こうご，諸しょ將しょう巡じゅん邊あたり。是ぜ秋あき，免めん兩りょう畿及嘉よしみ興きょう、湖みずうみ州しゅう水すい災わざわい稅ぜい糧かて。

　　冬ふゆ十じゅう一いち月がつ辛からし酉とり，召督漕こげ平江ひらえ伯はく陳ひね瑄、侍さむらい郎ろう趙ちょう新しん等とう歲とし終おわり至いたり京きょう議ぎ糧かて賦ふ利り弊へい。

　　是これ年ねん，占うらない城じょう、琉球りゅうきゅう、哈密、哈烈、瓦かわら剌、亦また力ちから把わ里さと入貢にゅうこう。

宣せん德とく八はち年ねん

　　八はち年ねん春はる正月しょうがつ丁ちょう卯しげる，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。

　　二に月がつ壬みずのえ子こ，錄ろく囚しゅう，宥免ゆうめん五ご千せん餘人よにん。

　　三さん月がつ丙へい辰たつ，賜たまもの曹鼐等とう進士しんし及第きゅうだい、出身しゅっしん有ゆう差さ。庚かのえ辰たつ，諭さとし內外優ゆう卹軍士し，違たがえ者しゃ風かぜ憲けん官かん察奏罪ざい之の。是ぜ春はる，以兩京きょう、河南かなん、山東さんとう、山西さんせい久ひさ旱ひでり，遣や使つかい振ふ卹。

　　夏なつ四よん月がつ戊つちのえ戌いぬ，詔みことのり蠲京省しょう被災ひさい逋租、雜ざつ課か，免めん今年ことし夏なつ稅みつぐ，賜たまもの復ふく一いち年ねん。理り冤獄，減げん殊こと死し以下いか，赦軍匠たくみ在ざい逃者罪ざい。有司ゆうし各かく舉賢良よ方正ほうせい一いち人にん。巡めぐ按御史し、按察使し糾貪酷吏こくり及使臣生しんせい事こと者しゃ。

　　五月ごがつ丁ひのと巳み，總そう兵へい官かん都と督とく蕭しょう授討平たいら貴たか州しゅう烏がらす羅ら蠻。丁ちょう卯しげる，山やま雲くも討平宜山よしやま蠻。

　　六ろく月がつ乙おつ酉とり，禱雨不ふ應おう，作さく閔旱詩し示しめせ羣臣。辛からし丑うし，詔みことのり中外ちゅうがい疏決罪ざい囚しゅう。是ぜ夏なつ，復ふく振ふ兩りょう京きょう、河南かなん、山東さんとう、山西さんせい、湖みずうみ廣ひろ饑ひだる，免稅めんぜい糧かて。

　　秋あき七なな月がつ壬みずのえ申さる，免めん江西えにし水すい災わざわい稅ぜい糧かて。

　　八はち月がつ癸巳きし，汰京師し冗官じょうかん。

　　閏月じゅんげつ辛からし亥い，西域せいいき貢みつぎ麒麟きりん。戊つちのえ午うま，景けい星見ほしみ。禮れい官かん請表賀が，皆みな不ふ許もと。

　　九きゅう月がつ乙おつ酉とり，遣や官かん錄ろく天下でんか重じゅう囚しゅう。己おのれ亥い，阿おもね魯台部ぶ昝卜寇涼州しゅう，總そう兵へい官かん劉りゅう廣ひろ擊げき斬き之これ。

　　冬ふゆ十じゅう二に月がつ乙おつ亥い，諭さとし法ほう司し宥なだめ京きょう官かん過か犯はん。

　　是これ年ねん，暹羅しゃむ、占うらない城じょう、琉球りゅうきゅう、安やす南みなみ、滿まん剌加、天方あまがた、蘇そ門もん答こたえ剌、古里ふるさと、柯枝、阿おもね丹に、錫すず蘭山あららぎやま、佐さ法ほう兒じ、甘あま巴里ぱり、加か異い勒、忽ゆるがせ魯謨斯、哈密、瓦かわら剌、撒馬兒じ罕、亦また力ちから把わ里さと入貢にゅうこう。

宣せん德とく九きゅう年ねん

　　九きゅう年ねん春はる正月しょうがつ辛からし卯う，大だい祀まつ天地てんち於南郊なんこう。

　　二に月がつ庚かのえ戌いぬ，振ふ鳳おおとり陽よう、淮安、揚あげ州しゅう、徐じょ州しゅう饑ひだる。乙おつ卯う，申さる兩りょう京きょう、山東さんとう、山西さんせい、河南かなん寬ひろし卹之令れい。

　　三さん月がつ戊つちのえ寅とら，山やま雲くも討平思おもえ恩おん叛蠻。

　　夏なつ四よん月がつ己おのれ未み，黎はじむ利り死し，子こ麟來告つげ喪も，命いのち麟權署しょ安やす南國なんごく事ごと。戊つちのえ辰たつ，錄ろく囚しゅう。

　　五月ごがつ壬みずのえ午うま，瘞暴骸むくろ。

　　秋あき七なな月がつ甲かぶと申さる，遣や給きゅう事ごと中ちゅう、御ご史し、錦にしき衣ころも衞まもる官かん督とく捕と兩りょう畿、山東さんとう、山西さんせい、河南かなん蝗いなご。

　　八はち月がつ庚かのえ戌いぬ，振ふ湖みずうみ廣ひろ饑ひだる。甲子きのえね，敕兩京きょう、湖みずうみ廣ひろ、江西えにし、河南かなん巡じゅん撫なで、巡めぐ按御史し、三司官行視災傷，蠲秋糧かて十じゅう之の四よん。乙おつ丑うし，罷工ひこう部ぶ採と辦。己おのれ巳み，瓦かわら剌脫歡攻殺ころせ阿おもね魯台，來らい告つげ捷とし。

　　九きゅう月がつ癸みずのと未み，自じ將しょう巡じゅん邊あたり。乙おつ酉とり，度ど居い庸いさお關せき。丙へい戌いぬ，獵りょう於坌道どう。乙未おとみ，阿おもね魯台子だいす阿おもね卜ぼく只ただ俺おれ來らい歸き。丁ちょう酉とり，至いたり洗馬せば林りん，閱城堡兵備へいび。己おのれ亥い，大獵たいりょう。

　　冬ふゆ十じゅう月がつ丙午ひのえうま，還かえ宮みや。丙へい辰たつ，都と督とく方かた政せい討平松ひらまつ潘はん叛蠻。甲子きのえね，罷やめ陝西せんせい市し馬ば。丁ちょう卯しげる，兩りょう畿、浙江せっこう、湖みずうみ廣ひろ、江西えにし饑ひだる，以應運うん南京なんきん及臨清きよし倉くら粟あわ振ふ濟すみ。

　　十一月じゅういちがつ戊つちのえ戌いぬ，停とま刑けい。庚かのえ子こ，免めん四川しせん被災ひさい稅ぜい糧かて。

　　十二月じゅうにがつ甲子きのえね，帝みかど不ふ豫よ，衞まもる王おう瞻埏攝享とおる太ふとし廟びょう。

　　是これ年ねん，暹羅しゃむ、占うらない城じょう、琉球りゅうきゅう、蘇そ門もん答こたえ剌、哈密、瓦かわら剌入貢にゅうこう。

宣せん德とく十じゅう年ねん

　　十年春正月癸酉朔，不ふ視み朝あさ，命いのち羣臣謁皇太子たいし於文華はな殿どの。甲かぶと戌いぬ，大だい漸やや。罷やめ採と買かい、營造えいぞう諸しょ使つかい。乙おつ亥い，崩くずし於乾清宮きよみや，年ねん三さん十じゅう有ゆう八はち。遺のこ詔みことのり國家こっか重じゅう務つとむ白しろ皇太后こうたいごう。丁ちょう酉とり，上うえ尊たかし諡おくりな，廟びょう號ごう宣せん宗むね，葬そう景けい陵りょう。

贊さん

　　贊さん曰：仁ひとし宗そう為ため太子たいし，失しつ愛あい於成祖そ。其危而復安やす，太ふとし孫まご蓋ぶた有力ゆうりょく焉。即位そくい以後いご，吏稱其職，政せい得とく其平，綱紀こうき修明のぶあき，倉くら庾充羨とも，閭閻樂らく業ぎょう，歲さい不能ふのう災わざわい。蓋ぶた明あかり興きょう至いたり是ぜ歷年れきねん六ろく十じゅう，民みん氣き漸やや舒，蒸ふけ然しか有ゆう治平じへい之の象ぞう矣。若わか乃強藩はん猝起，旋即削そぎ平ひらめ，掃蕩そうとう邊べ塵ちり，狡ずる寇震懾，帝みかど之の英姿えいし睿略，庶幾しょき克かつ繩なわ祖そ武者むしゃ歟。

校勘こうかん記き

1. 清きよし平ひら伯はく吳ご成しげる　吳ご成しげる，原作げんさく「吳ご誠まこと」，據よりどころ本ほん書卷しょかん一いち０七なな功臣こうしん世よ表ひょう、又また卷まき一いち五ご六ろく吳ご成しげる傳でん、宣せん宗むね實錄じつろく卷まき五洪熙元年閏七月戊申條改，下か同どう。
2. 新しん寧やすし伯はく譚たん忠ただ　原作げんさく「新しん安やす伯はく覃忠」，據よりどころ本ほん書卷しょかん一いち０六ろく功臣こうしん世よ表ひょう、又また卷まき一四五譚淵傳附譚忠傳、卷まき三さん二に一いち安やす南みなみ傳でん，宣せん宗むね實錄じつろく卷まき二に三さん，明あかり史し本紀ほんぎ原本げんぽん補ほ本ほん異同いどう錄ろく改あらため。
3. 擢郎中ちゅう況きょう鍾御史し何なん文ぶん淵ふち九きゅう人為じんい知ち府ふ　原はら脫だっ「御ご史し」二に字じ。按本書卷しょかん一いち六ろく一いち況きょう鍾傳、宣せん宗むね實錄じつろく卷まき六ろく六及明史本紀原本補本異同錄，何なん文ぶん淵ふち由ゆかり御ご史し擢，據よりどころ補ほ。