清史きよし稿こう/卷まき419

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劉りゅう長ちょう佑たすく劉りゅう岳たけし昭あきら岑毓英えい弟おとうと毓寶

劉りゅう長ちょう佑たすく，字じ印しるし渠みぞ，湖南こなん新しん寧やすし人じん。道みち光こう二に十じゅう九きゅう年ねん拔貢。與あずか同どう縣けん江こう忠ただし源みなもと友とも。咸豐二に年ねん，忠ちゅう源げん率りつ鄉ごう勇いさむ赴廣西にし助じょ剿，長ちょう佑たすく從したがえ。粵匪自じ桂かつら林りん走はし湖南こなん，忠ちゅう源げん破やぶ之これ於蓑衣ころも渡わたる，長ちょう佑たすく有ゆう贊さん畫が功こう，獎敘教諭きょうゆ。又また從したがえ破やぶ瀏りゅう陽ひ徵ちょう義ぎ堂どう會かい匪，擢知縣けん。三さん年ねん，平衡へいこう山さん土匪どひ，擢同知直ともなお隸州。忠ちゅう源げん援湖北きた，遇ぐう賊ぞく崇たかし、通つう間あいだ，長ちょう佑たすく自じ長ちょう沙すな馳はせ援，戰せん於通城じょう，大破たいは之の，自じ是ぜ獨どく領りょう一軍いちぐん。忠ただし源みなもと守まもる南みなみ昌あきら，長ちょう佑たすく偕羅澤さわ南みなみ赴援，解かい吉安きちやす圍かこえ，分ふん兵へい克かつ泰和やすかず，擢知府ふ。忠ちゅう源げん殉廬州しゅう，長ちょう佑たすく偕忠源げん弟おとうと忠ちゅう濬率千人馳援弗及，大だい憤いきどお，誓ちかい滅めつ賊ぞく。

五ご年ねん，江こう忠ただし淑よし剿東安やす賊ぞく不利ふり，駱秉章あきら以長佑たすく兼けん統みつる其眾，所部ところぶ始はじめ盛もり。克かつ東ひがし安やす，追つい破やぶ之これ新しん寧やすし。六ろく年ねん，复郴州しゅう，擢道員いん。江西えにし賊ぞく方かた熾おき，秉章奏そう以長佑たすく率りつ蕭しょう啟けい江こう等ひとし諸しょ軍ぐん赴援，克かつ萍鄉，加か按察使し銜。遣や啟けい江こう复萬載の，進しん圍かこえ袁州，屢擊敗はい援賊。十一月じゅういちがつ，降くだ賊ぞく李り能のう通どおり為ため內應，克かつ袁州。七なな年ねん二に月がつ，進しん屯たむろ太平たいへい墟。賊ぞく由よし吉安きちやす大だい舉來襲らいしゅう，列れつ陣じん二に十じゅう餘あまり裡うら，以驍騎き衝突しょうとつ，將士しょうし多た死亡しぼう，全ぜん軍ぐん敗はい潰つぶせ。長ちょう佑たすく下馬げば引佩刀がたな欲ほし自じ裁たっ，營務處しょ劉りゅう坤ひつじさる一いち擁よう之の上馬かみうま，退すさ保ほ分ぶん宜むべ。近縣きんけん士民しみん爭そう運うん糧かて械濟之の，潰つぶせ卒そつ皆みな來らい歸き，軍勢ぐんぜい復ふく振ふ。

進すすむ規ぶんまわし臨江，八はち月がつ，石いし達たち開ひらけ自じ撫なで州しゅう率りつ二に十じゅう萬まん眾來援らいえん，總そう兵へい普あまね承うけたまわ堯戰峽江きょうこう不利ふり，賊ぞく薄うす太平たいへい墟。長ちょう佑たすく乘じょう其營壘るい未定みてい，約やく蕭しょう啟けい江こう、田た興きょう恕じょ合戰かっせん，江こう忠義ただよし、李り明惠あきえ先さき陷おちい陣じん，盧の秀峰しゅうほう繞にょう其後，縱たて擊げき，大破たいは之の，遂とげ圍かこえ郡ぐん城じょう。捷とし聞，詔みことのり嘉よしみ其奮勇いさむ，賜たまもの號ごう齊ひとし普ひろし圖ず巴ともえ圖ず魯。十二月じゅうにがつ，克かつ臨江，殲賊酋張發はつ紀き，加か布ぬの政せい使し銜。八はち年ねん，長ちょう佑たすく病びょう歸き，以劉坤ひつじさる一いち代だい統すべ其眾，蕭しょう啟けい江こう自じ為ため一軍いちぐん，合ごう克かつ新しん淦あか、崇たかし仁じん，進しん克かつ撫なで州しゅう。是ぜ年ねん夏なつ，長ちょう佑たすく復ふく至いたり軍ぐん，屯たむろ建たて昌あきら，迭敗賊ぞく於新城じょう、金きむ谿，敗はい入いれ福建ふっけん界かい。江西えにし邊境へんきょう肅清しゅくせい，記名きめい遇ぐう江西えにし道どう員いん缺かけ簡放。

九きゅう年ねん，回かい軍ぐん湖南こなみ剿郴、桂かつら賊ぞく，解かい永なが州しゅう圍かこえ，記名きめい以按察使題だい奏そう。石いし達たち開ひらけ圍かこえ寶たから慶けい，長ちょう佑たすく與あずか李り續ぞく宜よろし分ぶん扼東西とうざい兩りょう路みち，賊ぞく敗走はいそう，長ちょう佑たすく追つい破やぶ之これ九きゅう鞏橋、白しろ楊埔、大だい臨橋、蘆あし洪ひろし司し，遂とげ竄廣西にし，陷おちい興きょう安やす、靈れい州しゅう，直ちょく撲なぐ桂かつら林りん。長ちょう佑たすく倍ばい道どう赴援，賊ぞく不ふ虞おそれ其驟至いたり，走はし慶けい遠とお，追擊ついげき之の，所しょ向こう皆みな捷とし，授廣西にし按察使し，踰月，擢布政せい使し。攻おさむ柳やなぎ州しゅう，拔之。

十じゅう年ねん，擢廣西にし巡じゅん撫なで。四よん月がつ，克かつ慶けい遠とお，破やぶ達たち開ひらき於思恩おん，又また破やぶ之これ興きょう安やす，乃遁竄。時どき廣西ひろせ土匪どひ猶なお蔓延まんえん，大だい者しゃ踞うずくま郡こおり縣けん，小者こもの千せん百ひゃく為ため群ぐん，倏兵倏賊。長ちょう佑たすく蒞任，整せい飭吏治ち，興きょう練ねり水すい師し，匪氛漸やや戢。商しょう貨流通どおり，稅ぜい釐增倍ばい。軍事ぐんじ餉事差さ能のう自じ固かた，不盡ふじん仰おおせ資し鄰省。十じゅう一いち年ねん，遣や劉りゅう坤ひつじさる一いち剿柳州しゅう土匪どひ，斬き其渠伍ご聲ごえ揚あげ，餘あまり黨とう就撫。調しらべ水陸すいりく軍ぐん剿潯州しゅう艇てい匪，克かつ府ふ城じょう，斬き其渠陳ちん開ひらく。貴き州しゅう匪首黃金おうごん義ぎ投とう誠まこと复叛，擒とりこ斬き之これ。同どう治ち元年がんねん，長ちょう佑たすく親しん赴潯州しゅう督とく防ぼう，分ふん軍ぐん進しん剿，迭克要よう隘。尋ひろ擢兩廣こう總督そうとく，以所部ぶ楚すわえ軍ぐん付づけ劉りゅう坤ひつじさる一いち接せっ統すべ，留とめ剿廣西にし諸しょ匪。

未み幾いく，調ちょう直ちょく隸總督とく。時とき降くだ捻ねじ張ちょう錫すず珠たま、宋そう景けい詩し先後せんご叛，畿輔騷動そうどう。二に年ねん春はる，長ちょう佑たすく航海こうかい至いたり天津てんしん，即そく赴衡水すい督とく師し。三月さんがつ，破やぶ賊ぞく束たば鹿しか，殲張錫すず珠たま。命いのち督とく辦直隸、山東さんとう、河南かなん三省交界剿匪事宜。宋そう景けい詩し踞うずくま劉りゅう貫ぬき寨、甘あま官かん屯たむろ，合ごう山東さんとう軍ぐん攻おさむ之の，以遲延ちえん降くだ級きゅう留任りゅうにん。九月くがつ，破やぶ賊ぞく張ちょう秋あき鎮，殲賊目め楊殿一いち，景けい詩し逸走いっそう，乃罷軍ぐん。

四よん年ねん，僧そう格かく林りん沁戰歿せんぼつ曹州，捻ねじ匪益熾おき，畿南戒嚴かいげん，長ちょう佑たすく遣や兵へい自じ開ひらき州しゅう至いたり張ちょう秋あき扼河防ぼう。奉天ほうてん馬賊ばぞく入にゅう喜き峰ほう口こう，坐すわ疏防議ぎ處しょ。八はち月がつ，捻ねじ匪竄山東さんとう濮、範はん南岸なんがん，長ちょう佑たすく馳はせ赴大名めい，擊げき走はし之これ。疏請直ちょく隸分練ねり六ろく軍ぐん，議定ぎてい營製，加か練ねり二に軍ぐん，下部かぶ議ぎ行ぎょう。

六ろく年ねん，滄州梟ふくろう匪張六ろく等とう劫こう慶けい雲くも、鹽山しおやま、寧やすし津つ、南みなみ皮がわ四よん縣けん鹽しお場じょう，山東さんとう教きょう匪應之の，保ほ定じょう、天津てんしん、河間こうま三さん府ふ屬ぞく皆みな騷動そうどう。長ちょう佑たすく檄げき前ぜん籓司唐から訓くん方かた屯たむろ齊ひとし河かわ，臬司張ちょう樹いつき聲ごえ屯たむろ張ちょう秋あき，防ぼう捻ねじ。自じ率りつ兵へい剿捕鹽しお梟ふくろう，賊ぞく乘じょう虛きょ北きた走はし，過か滹沱河かわ，眾增至いたり千せん餘あまり，竄擾涿州、固かた安やす、永えい清きよし、霸州，逼近京師けいし，詔みことのり褫長佑たすく職しょく，以大學士がくし官かん文代ふみよ之これ。命いのち下か數日すうじつ而梟匪平，予よ三さん品ひん頂戴ちょうだい，率りつ所部ところぶ回かい籍せき。尋ひろ東ひがし捻ねじ平ひらめ，詔みことのり念ねん前ぜん勞ろう，晉すすむ二に品ひん頂戴ちょうだい。

十じゅう年ねん，起おこり授廣東ひがし巡じゅん撫なで，尋ひろ調ちょう廣西ひろせ。初はつ，奸民出で關せき劫掠ごうりゃく越えつ南みなみ，官かん兵へい不能ふのう制せい。悍酋吳くれ終おわり伏ふく誅，而蘇國こく漢かん復ふく起おこり。九きゅう年ねん，廣西ひろせ提督ていとく馮子材ざい進軍しんぐん龍りゅう州しゅう，國くに漢かん旋乞撫なで於兩廣こう總督そうとく瑞みず麟，仍招納おさめ亡命ぼうめい，匪首鄧建新しん、曾亞日び，分ふん路ろ肆擾。至いたり是ぜ總そう兵へい劉りゅう玉たま成なり擒とりこ亞あ日び於上林りん社しゃ，誅之。復ふく會かい廣東かんとん軍ぐん攻おさむ克かつ舊きゅう街まち，乘じょう勝かち抵海寧やすし，匪多散ち亡ほろび，國くに漢かん奔東興きょう，亦また就擒。長ちょう佑たすく奏そう言ごと：「論ろん越えつ南大みなみおお局きょく，則のり宜よろし直ちょく搗河陽ひ，一いち勞ろう永えい逸いつ。然しか河陽かわよう距關二に千せん餘あまり裡うら，窮きゅう兵へい勞ろう費ひ，討捕為ため難なん​​。今いま擬なずらえ芟盪海陽かいよう、太ふとし原はら，即そく回かい師し列れつ戍，以固籓籬。庶可分ぶん助じょ越えつ之の眾，協きょう剿黔苗なえ；抽出ちゅうしゅつ關せき之の兵へい，先さき清きよし土ど莽。」十じゅう月がつ，副將ふくしょう陳ひね得とく貴とうと、游ゆう擊げき李り揚よう才ざい克かつ越えつ南みなみ從したがえ化か府ふ，遂とげ會かい劉りゅう玉たま成なり克かつ通どおり化か、白しろ通どおり，破やぶ瓊山、北山きたやま匪巢。十じゅう一いち年ねん正月しょうがつ，复敗匪於三星山みほしやま，擒とりこ其酋何なん三さん等とう，餘よ黨とう悉平。長ちょう佑たすく檄げき劉りゅう玉たま成なり暫屯鎮撫ちんぶ，諮はか越えつ南國なんごく王おう遣や兵へい換かわ防ぼう，久之ひさゆき不ふ至いたり；又また以營弁べん滋しげる事ごと，暴兵非ひ計けい，七なな月がつ，乃撤入いれ關せき內，搜さがせ捕ど沿邊伏ふく匪。

時どき匪酋黃き崇たかし英えい猶なお踞うずくま越こし南河みなみかわ陽よう，結ゆい白しろ苗なえ攻おさむ保ほ樂らく，擾我鎮安邊べ。十じゅう二に年ねん春はる，長ちょう佑たすく檄げき關せき內外軍ぐん擊げき走はし之これ，密奏みっそう：「越えつ南みなみ貧弱ひんじゃく，版はん章あきら日にち蹙，法ほう國こく蠶食さんしょく於濱海うみ，黎はじむ裔虎視し於橫山さん，桶おけ岡おか則そく白しろ苗なえ跳梁ちょうりょう，峒奔則そく黃き酋雄踞うずくま。近きん聞其國こく君臣くんしん輸款法人ほうじん，黃き崇たかし英えい受職黎はじむ裔，雖係道どう聽之言ごと，亦また係かかり意中いちゅう之の事こと。臣しん竊謂黎はじむ裔為患，越えつ南みなみ受之；法ほう國こく為ため患，不ふ僅越南みなみ受之。今こん欲よく拯敝扶衰，必須ひっす大だい舉深入ふかいり。若わか合ごう兩りょう粵之力りょく，寬ひろし以數すう年ねん之これ期き，步步ほほ設しつらえ防ぼう，節節ふしぶし進しん剿，庶交夷えびす可か期き復ふく振ふ，而他族ぞく不ふ至いたり生せい心しん。否いや則のり惟おもんみ有ゆう慎まき固かた邊べ防ぼう，嚴いむ杜もり勾結而已。」是ぜ時じ防ぼう越こし諸しょ軍ぐん尚なお八はち千せん人にん，長ちょう佑たすく檄げき劉りゅう玉たま成なり引軍北きた還かえ，以六營屯關外諸隘，四よん營屯歸順きじゅん、龍りゅう卅，令れい覃遠璡八營分駐關內。

十じゅう月がつ，法人ほうじん攻おさむ陷おちい河かわ內，黃き崇たかし英えい等とう乘じょう機き襲かさね太ふと原はら，潛せん與あずか之これ通どおり。山西さんせい奸民響ひびき應おう，北きた寧やすし戒嚴かいげん。越えつ南みなみ乞援，乃令劉りゅう玉たま成なり統すべ十營進太原為左軍，道みち員いん趙ちょう沃統十營分部鎮安為右軍。法人ほうじん尋ひろ與あずか越えつ南みなみ議ぎ和わ，黃き崇たかし英えい為ため越こし將すすむ劉りゅう永福えいふく所しょ敗はい，潛伏せんぷく河陽かわよう，遣や黨とう陳ひね亞あ水すい攻おさむ保ほ樂らく。十じゅう三さん年ねん十じゅう月がつ，長ちょう佑たすく閱兵南みなみ寧やすし，令れい趙ちょう沃、劉りゅう玉たま成なり進軍しんぐん。光ひかり緒いとぐち元年がんねん二に月がつ，趙ちょう沃右軍ぐん由よし龍りゅう闌たけなわ渡河とか克かつ同文どうぶん，白しろ苗なえ棄巢遁，沃撫之の為ため助すけ，遂とげ攻おさむ底そこ定じょう、襄じょう​​安やす，皆みな克之かつゆき。劉りゅう玉たま成なり左ひだり軍ぐん敗はい賊ぞく白しろ通どおり，陣じん斬き鄧志雄ゆう。崇たかし英えい聞師至いたり，嗾周建けん新しん拒こばめ左ひだり軍ぐん，陳ひね亞あ水守みずもり猛たけし法ほう，自じ當とう右みぎ軍ぐん，憑險拒こばめ守もり。五月ごがつ，沃軍克かつ淰台，直じき薄うす河陽かわよう，崇たかし英えい敗走はいそう。右みぎ軍ぐん复敗陸りく之の平ひら援眾，進攻しんこう猛もう法ほう。陳ひね亞あ水すい惶懼，乞為內應，河陽かわよう、安やす邊べ同日どうじつ降くだ。崇たかし英えい遁走とんそう，捕獲ほかく誅之。劉りゅう玉たま成なり左ひだり軍ぐん亦また克かつ通どおり化か、白しろ通どおり，斬き周しゅう建けん新しん，合ごう攻おさむ者しゃ岩がん，克之かつゆき。陸りく之の平ひら遁，宣光のぶみつ、金沙江きむしゃこう上下じょうげ肅清しゅくせい。凱撤入いれ關せき。

擢雲貴き總督そうとく，二に年ねん，抵任。先さき是ぜ，滇邊野の番ばん殺ころせ英えい人馬じんば加か理り，為ため交涉こうしょう鉅案，及議定ぎてい，允まこと於雲南みなみ設しつらえ埠通商つうしょう。詔みことのり下か其議，長ちょう佑たすく疏言：「雲南うんなん山川やまかわ深ふかし阻，種しゅ人じん獷悍成なり性せい，剽ひょうげ掠かすめ行旅こうりょ。本地ほんじ紳しん練ねり，恃眾橫行おうこう，挾はさみ制せい官かん長ちょう。上下じょうげ猜忌さいき，法令ほうれい不ふ行くだり。萬まん一いち防護ぼうご不ふ及，致有同どう於前案あん，或ある更さら甚於前まえ案あん，其有害ゆうがい於雲南みなみ一いち隅すみ猶なお小しょう，其有撓たわわ於中夏なつ全局ぜんきょく甚大じんだい。且洋人知じんち前ぜん案あん難なん辦，有ゆう免めん其既往きおう之の議ぎ；知ち後患こうかん難なん防ぼう，有ゆう保ほ其將來らい之の議ぎ。臣しん恐おそれ滇省官民かんみん，於已往者おうしゃ不ふ以為倖免，而以為ため得とく計けい；將來しょうらい者しゃ不ふ引為前ぜん鑑かん，或ある敢於效こう尤ゆう。洋よう人じん通商つうしょう，意い在ざい圖利ずり，亦また斷ことわ無む不ふ思おもえ遠どお害がい之の理り。應おう俟三さん五年內外官民稍稍安定，遣や員いん商しょう辦。」長ちょう佑たすく以滇事ごと漸やや定じょう，屢疏引病乞罷，優ゆう詔みことのり慰留いりゅう。

四よん年ねん，騰あが越えつ徼外土ど目め耿榮高等こうとう攻おさむ陷おちい耿馬，長ちょう佑たすく遣や將はた討之，榮さかえ高だか降くだ；又また剿平臨安、開化かいか、廣こう南みなみ土匪どひ。初はつ，騰あが越こし蘇そ關せき先さき之の亂みだれ，其黨劉りゅう寶玉ほうぎょく逃之野山のやま。野山のやま在ざい滇、緬はる之の交，其夷自じ為ため君くん長ちょう，不ふ隸羈屬ぞく。劉りゅう寶玉ほうぎょく糾野貫ぬき十じゅう三さん種しゅ及盞達たち夷えびす伏ふく羅ら坤ひつじさる山やま，時じ出で劫掠ごうりゃく。會かい緬はる甸遣官かん詣まい騰あが越えつ，持もち圖說ずせつ約やく由よし野山のやま通どおり道どう列れつ戍。長ちょう佑たすく檄げき熊ぐま昭あきら鏡きょう赴騰越えつ，召諸土ど司し、野の貫ぬき申さる禁きん約やく，誘さそえ誅寶玉だま於千崖がけ，諸しょ野の夷えびす皆みな解散かいさん。

七なな年ねん，法ほう兵へい窺越南みなみ東京とうきょう，詔みことのり滇、粵備邊べ。長ちょう佑たすく疏言：「法人ほうじん自じ據よりどころ嘉よしみ定てい以來いらい，越えつ南みなみ四境皆有商埠、教きょう堂どう，脅おびえ其君臣くんしん，漁りょう其財力りょく。取と越えつ與あずか否いや，非ひ有ゆう甚異。其所以處心こころ積せき慮おもんばか，乃在通商つうしょう雲くも南みなみ。與あずか其既失しつ越境えっきょう，為ため守もり邊あたり之の計けい，不ふ若わか乘じょう其始動しどう，為ため弭釁之の謀はかりごと。滇、粵三省しょう，與あずか越えつ接せっ壤，東西とうざい幾いく二に千里せんり，要害ようがい與あずか共きょう，勞ろう費ひ殊こと甚。若わか自じ三さん江口えぐち以至海陽かいよう，東西とうざい僅數百ひゃく里り，以中國ちゅうごく兵力へいりょく為之ためゆき禦敵，兵へい聚而力りょく省しょう。以視防ぼう守もり滇、粵邊境へんきょう，勞ろう逸はぐれ懸がか殊こと。請以廣西ひろせ兵へい二に萬まん為ため中路なかじ，廣東かんとん、雲南うんなん各かく以萬まん人相にんそう犄角。廣こう東之ひがしの兵へい自じ欽、連れん而入，雲南うんなん之の兵へい出で洮江而東。別べつ以輪船守ふなもり廣東かんとん順化じゅんか港口こうこう，斷だん其首尾しゅび，法人ほうじん必無自じ全ぜん之これ理り。」又また力ちから言げん劉りゅう永福えいふく可か禦敵，請密諭さとし越えつ王おう給きゅう其兵食しょく。疏入，詔みことのり下か廷議。

八はち年ねん，法ほう兵へい陷おちい東京とうきょう，越えつ匪紛起おこり，廣西ひろせ援兵えんぺい至いたり太ふと原はら，長ちょう佑たすく檄げき道どう員いん沈壽榕よう率りつ軍ぐん出で關せき，與あずか為ため聲援せいえん。長ちょう佑たすく屢以病びょう乞罷，慰留いりゅう未み許もと。八はち月がつ，入にゅう覲，予よ假かり兩月わち，九きゅう年ねん，乃許開ひらき缺かけ回かい籍せき。尋ひろ坐すわ雲南うんなん報ほう銷失察，降くだ三さん級きゅう。十じゅう三さん年ねん，卒そつ於家。詔みことのり念ねん前ぜん功こう，嘉よしみ其端謹老成ろうせい，開ひらき復ふく處分しょぶん，仍依總督そうとく例れい議ぎ卹，諡おくりな武たけ慎まこと。廣西ひろせ、雲南うんなん、湖南こなん並立へいりつ專せん祠ほこら。

劉りゅう岳たけし昭あきら，字じ藎臣，湖南こなん湘鄉人じん。以文童わらわ投とう效こう湘軍。咸豐六ろく年ねん，從したがえ蕭しょう啟けい江こう援江西にし，轉戰てんせん積せき功こう，累るい擢以知ち縣けん用よう。啟けい江え器き其才，使つかい領りょう果はて後ご營。七なな年ねん，破やぶ賊ぞく高安たかやす鶯うぐいす哥嶺，連れん拔彭家村いえむら賊ぞく巢す。進攻しんこう臨江，擊げき敗はい援賊於太平ひら墟。尋ひろ克かつ臨江府こうふ城じょう，擢同知ち。八はち年ねん，從したがえ剿撫州しゅう賊ぞく，大捷たいしょう於何家村いえむら、香こう溪けい諸處しょしょ。崇たかし仁じん賊ぞく踞うずくま白しろ陂墟，又また破やぶ之これ。由よし上じょう頓ひたすら渡わたり進すすむ偪撫州しゅう，賊ぞく開東かいとう門もん逸はぐれ，復ふく其城，擢知府ふ，賜たまもの花はな翎。九きゅう年ねん，援南康やすし，克かつ新城しんじょう墟，進しん搗池江え。前ぜん軍ぐん潰つぶせ，岳たけ昭あきら殿どの後ご，斃賊甚眾，克かつ南みなみ安やす，援信豐ゆたか，解かい其圍，加か道どう員いん銜。石いし達たち開ひらき由よし江西えにし擁よう眾犯湖南こなみ，岳たけ昭あきら移うつり軍ぐん茶ちゃ陵りょう備之，而賊已やめ趨寶慶けい，奉たてまつ檄げき馳はせ援。至いたり柳家やなぎや橋きょう，遏東路ろ，賊ぞく六ろく萬餘撲營，岳だけ昭あきら偕副將ふくしょう餘あまり星ほし元もと、楊恆升ます等とう鏖戰三さん日にち，斃賊數すう千せん，援軍えんぐん大だい集しゅう，賊ぞく解かい圍かこえ而遁。是ぜ役やく岳だけ昭あきら戰せん最さい力ちから，名めい始はじめ顯あらわ。

十じゅう年ねん，屯たむろ江こう華はな，賊ぞく酋陳金剛こんごう踞うずくま廣西ひろせ​​賀が縣けん，阻山為ため固かた，岳たけ昭あきら招降其黨。進すすむ拔蓮塘縣，破やぶ河東かとう街がい賊ぞく屯たむろ，合ごう蔣益澧軍克かつ縣けん城じょう，以道員いん記名きめい，加か按察使し銜。是ぜ年ねん冬ふゆ，連破れんぱ竄匪於道州しゅう、宜むべ章あきら，湘境肅清しゅくせい，賜たまもの號ごう鼓つづみ勇いさむ巴ともみ圖ず魯。

十じゅう一いち年ねん，駱秉章あきら赴四川しせん督とく師し，疏請岳だけ昭あきら率りつ所しょ部ぶ從したがえ行くだり。中途ちゅうと聞粵匪陳玉だま成なり犯はん湖北こほく，陷おちい隨ずい州しゅう，秉章令れい岳だけ昭あきら回かい軍ぐん赴援，會かい諸しょ軍ぐん克之かつゆき，以按察使記名きめい。石いし達たち開ひらき由よし龍山たつやま犯はん宣せん恩おん，窺伺施ほどこせ南みなみ，岳たけ昭あきら迎擊げいげき走はし之これ。而黔匪陷來らい鳳おおとり，同どう治ち元もと年春としはる，岳たけ昭あきら進軍しんぐん克かつ其城，分ふん軍ぐん截剿，迭捷於散毛げ河かわ、白はく蘭らん壩兩河口かこう，抵黑洞ほら，斬き馘くび尤ゆう多た。石いし達たち開ひらき竄四よん川がわ，圍かこえ涪州，岳たけ昭あきら會知かいち府ふ唐から蜅、副將ふくしょう唐から有ゆう耕たがやせ破やぶ之これ仰天ぎょうてん窩。渡江とのえ重慶たーちん截擊，解かい涪州圍かこえ。賊ぞく敗はい踞うずくま長ちょう寧やすし，攻おさむ克之かつゆき，复追敗はい之の先さき市し寨、得用とくよう壩、丁子ちょうじ場じょう。賊ぞく尋ひろ踞うずくま敘州雙龍そうりゅう場じょう，約やく降くだ賊ぞく郭くるわ集しゅう益えき內應，破やぶ其營，殪賊近きん二に萬まん。貴き州しゅう巡じゅん撫なで張ちょう亮あきら基もと疏薦其才，請擢用よう，二に年ねん，授雲南みなみ按察使し；三さん年ねん，遷布政せい使し；皆みな未み之これ任にん，留とめ四よん川治かわじ軍ぐん。

駱秉章あきら奏そう遣や援黔，九きゅう月がつ，克仁かつひと懷なつけ，連敗れんぱい馬ば氾灘踞うずくま匪。四よん年ねん，克正かつまさ安やす，追つい賊ぞく至いたり清せい溪けい河かわ，斬き其渠。五ご年ねん，擢雲南みなみ巡じゅん撫なで，進しん規ぶんまわし綏陽。天台山てんだいざん最さい為ため城北しろきた險けん隘，列れつ陣じん綴つづり其前，從したがえ山やま後ご攻おさむ入いれ，平ひら其壘，投とう誠まこと者しゃ三さん百ひゃく餘あまり寨。綏陽城じょう賊ぞく吳ご元もと彪あや乞降，黔西北きた路ろ始はじめ通どおり。由ゆかり溫水ぬるみず進すすむ剿，平ひら菉竹山たけやま老ろう巢す，收おさむ降くだ鐵てつ匠たくみ坪つぼ、九倉壩及被脅岩洞二十餘處。六ろく年ねん，破やぶ沙すな窩踞賊ぞく，解かい大だい定じょう圍かこえ。拔大屯たむろ朵壩賊ぞく壘るい，會かい滇軍平ひら豬拱箐苗，又また拔平遠どお牛うし場じょう坉苗巢す。黔西肅清しゅくせい。

七なな年ねん，疏陳雲南うんなん軍事ぐんじ，命いのち赴本任にん。尋ひろ擢雲貴き總督そうとく，駐ちゅう軍ぐん曲きょく靖やすし。進攻しんこう尋ひろ甸，破やぶ七なな星ほし橋きょう木城きじょう，扼文筆山ひつざん、法ほう鼓山つづみやま要衝ようしょう，剷平附近ふきん村莊そんそう賊ぞく壘るい。收おさむ復ふく果はて馬ば，疊じょう捷とし於塘子こ、張ちょう徐じょ灣わん諸處しょしょ。援賊大だい至いたり，圍かこえ攻おさむ果はて馬ば，各かく營皆陷おちい，革かわ職しょく留任りゅうにん。八はち年ねん，解かい馬ば龍りゅう圍かこえ，進しん逼尋甸，賊ぞく首くび馬ば天てん順じゅん、李り芳かおる園えん乞撫，遂とげ復ふく其城。

雲くも南みなみ捻ねじ亂らん已やめ久ひさし，各かく軍ぐん惟おもんみ布ぬの政せい使し岑毓英えい所部ところぶ最強さいきょう，而毓英えい素もと尚なお意氣いき，岳たけ昭あきら開ひらき誠まこと專任せんにん，調しらべ發進はっしん止どめ悉聽之の。毓英尋ひろ擢巡撫なで，和衷わちゅう無む牽制けんせい，軍事ぐんじ日び有ゆう起おこり色しょく。九きゅう年ねん，克かつ麗うらら江こう，复威遠とお、姚州，复永北きた、鶴つる慶けい、鎮南、鄧川、浪なみ穹，拔鳳羽白はじろ米べい莊そう賊ぞく巢す，平たいら彌勒みろく縣けん竹園たけぞの踞うずくま匪。十じゅう年ねん，平永ひらなが善ぜん蠻匪，拔賓州しゅう賊ぞく巢す，平ひら香爐こうろ山やま槓匪，連れん克かつ河西かさい之の大東だいとう溝みぞ、小しょう東ひがし溝みぞ及臨安やす之の五山ごさん夷えびす寨。十じゅう一いち年ねん，复貴州しゅう興おき義ぎ新城しんじょう，先後せんご克かつ永ひさし平ひらめ、雲南うんなん及趙州しゅう、蒙こうむ化か廳ちょう各かく城しろ。攻おさむ大だい理り上下じょうげ兩りょう關せき，復ふく大だい理り府ふ城じょう，誅大酋杜文秀ふみひで，詔みことのり復原ふくげん職しょく。十じゅう二に年ねん，滇省肅清しゅくせい，賜たまもの黃き馬ば褂，疏請陛見。

光ひかり緒いとぐち元年がんねん，以入覲遷延せんえん，御ご史し李り廷簫劾其規ぶんまわし避，下部かぶ議ぎ褫職。九きゅう年ねん，卒そつ。署しょ湖南こなん巡じゅん撫なで龐際雲くも疏陳：「岳たけ昭あきら統すべ兵へい十じゅう餘よ年ねん，建たて功いさお之これ地ち，黔屬為ため多た；任にん事ごと之の艱，雲南うんなん為ため最さい；請復原ふくげん官かん。」詔みことのり允まこと之これ。

岳たけ昭之あきゆき規ぶんまわし尋ひろ甸也，杜もり文秀ふみひで遣や黨とう萬まん餘あまり，戰せん不利ふり。從弟じゅうてい岳だけ晙請岳だけ昭あきら速そく還かえ曲きょく靖やすし，以固根本こんぽん。賊ぞく果はて分ぶん黨とう往襲，以有備不得とく逞たくまし。岳たけ晙守馬うま龍りゅう，賊ぞく圍かこえ之これ，伺懈出擊しゅつげき，走はし之これ。固守こしゅ數すう月がつ，練兵れんぺい得とく三さん千せん人にん，會かい攻おさむ尋ひろ甸，破やぶ七なな星ほし橋きょう要よう隘，賊ぞく蹙乞降，猶なお懷ふところ反はん側がわ，岳たけ晙率三さん十じゅう人にん入城にゅうじょう，示しめせ以坦白しろ，人心じんしん始はじめ定じょう。次つぎ日び，毓英兵へい亦また至いたり，服ふく其膽略りゃく。岳たけ晙先以積功こう擢至道どう員いん，岳たけ昭あきら至いたり滇後，專任せんにん毓英滇軍，其舊部ぶ多た遣や去ざ雲くも。

岑毓英えい，字じ彥卿，廣西ひろせ西林にしばやし人じん。諸しょ生せい。治鄉はるさと團だん，擊げき土匪どひ，以功敘縣丞すすむ。咸豐六ろく年ねん，率りつ勇いさむ赴雲南みなみ迤西助じょ剿回匪。九きゅう年ねん，克かつ宜むべ良りょう，權けん縣けん事ごと。十じゅう年ねん，克かつ路ろ南みなみ，署しょ州しゅう事ごと，擢同知直ともなお隸州。進攻しんこう澂江，兼けん署しょ知ち府ふ。十じゅう一いち年ねん，克かつ澂江賊ぞく壘るい，破やぶ昆陽こや海かい口こう賊ぞく，迤西回かい匪連陷おちい楚すわえ雄ゆう、廣通ひろみち、祿ろく豐ゆたか，省しょう城じょう戒嚴かいげん。毓英赴援，同どう治ち元年がんねん，破やぶ賊ぞく大樹たいじゅ營。時とき總督そうとく張ちょう亮あきら基もと引疾去さ，巡じゅん撫なで徐じょ之の銘めいじ主しゅ撫なで，回かい酋馬如龍通どおり款，毓英往諭順逆じゅんぎゃく，如龍獻けんじ所しょ踞うずくま新興しんこう等とう八城やしろ，之これ銘めい奏そう以毓英えい攝と布ぬの政せい使し。尋ひろ以安撫なで功こう，加か按察使し銜，賜たまもの花はな翎。二に年ねん，回かい弁べん馬ば榮さかえ叛，戕總督とく潘はん鐸，毓英率りつ所部ところぶ粵勇一いち千せん，與あずか弟おとうと毓寶等とう守もり籓署。之これ銘めいじ微ほろ服ふく詣まい毓英，司つかさ道みち皆みな集しゅう，分ふん兵へい守もり東ひがし、南みなみ門もん，密みつ召馬如龍入にゅう援。如龍至いたり，誅亂黨とう，馬うま榮さかえ跳とべ走はし南みなみ寧やすし，合馬おうま聯れん昇のぼる踞うずくま曲きょく靖やすし八はち屬ぞく。詔みことのり嘉よしみ毓英守もり城じょう功いさお，擢道員いん。

率りつ師し西にし剿，复富民とみん、安寧あんねい、羅ら次じ、高明こうめい、祿ろく豐ゆたか、武たけ定じょう、祿ろく勸すすむ、廣通ひろみち、陸りく涼すずか、南みなみ安やす諸しょ城しろ，及黑、元もと、永えい三さん鹽井しおい，進しん搗楚雄ゆう。會かい東路あずまじ有ゆう警，之これ銘めい檄げき回かい省しょう，分ふん兵へい克かつ霑益、平たいら彝つね。赴楚雄ゆう督とく攻おさむ，克かつ其城。進すすむ復ふく大だい姚、雲南うんなん、趙ちょう州しゅう、賓まろうど川がわ、鄧川、浪なみ穹、鶴づる慶けい，分ふん道どう進しん規ぶんまわし大だい理り上下じょうげ關せき。三さん年ねん，克かつ定てい遠とお，圍かこえ攻おさむ鎮南，大破たいは援賊於普棚だな。馬うま聯れん昇のぼり复陷霑益，犯はん馬ば龍りゅう，回かい軍ぐん破やぶ之これ於天生せい關せき。進攻しんこう曲きょく靖やすし，复馬龍りゅう、霑益。進すすむ克かつ尋ひろ甸，擒とりこ馬ば榮さかえ、馬うま興きょう才ざい，克かつ曲きょく靖やすし，擒とりこ馬ば聯れん昇のぼり，並なみ誅之。尚書しょうしょ趙ちょう光ひかり疏呈滇紳公こう啟けい，言げん毓英所しょ向こう有功ゆうこう，特とく詔みことのり嘉よしみ勉つとむ，下總しもうさ督ただし勞ろう崇たかし光こう據よりどころ實じつ保ほ奏そう。四よん年ねん，肅清しゅくせい迤東，加か布ぬの政せい使し銜，賜たまもの號ごう勉つとむ勇いさむ巴ともみ圖ず魯。

西にし路ろ自じ毓英軍ぐん移うつ去ざ，所ところ克かつ諸しょ城しろ多た復ふく陷おちい，僅存楚すわえ雄ゆう未み失しつ。毓英駐ちゅう軍ぐん曲きょく靖やすし，護まもる省しょう城じょう運うん道どう。五ご年ねん，命いのち署しょ布ぬの政せい使し，勞ろう崇たかし光こう至いたり是ぜ始はじめ至いたり滇受事ごと，奏そう以提督とく馬ば如龍專せん辦西路ろ，令れい毓英督とく剿豬拱箐苗なえ。豬拱箐隸貴き州しゅう威い寧やすし州しゅう，與あずか海馬かいば姑しゅうと相しょう犄角，山やま溪けい阻深，苗なえ酋陶新春しんしゅん、陶すえ三さん春分しゅんぶん據よりどころ之の。糾聚苗なえ、教きょう諸しょ匪及粵匪石せき達たち開ひらき餘あまり黨とう，凡十じゅう數すう万まん人にん，迭擾滇之鎮雄しずお、彝つね良りょう、大關おおぜき、昭あきら通どおり，黔之大だい定じょう、黔西、威い寧やすし、畢節，且及川おいかわ疆，三省會さんしょうかい剿久無む功こう。毓英上書うわがき駱秉章あきら，謂いい權けん不ふ一いち則のり軍ぐん不ふ用命ようめい，原はら率りつ滇軍獨どく任にん，期き百ひゃく二に十じゅう日覆ひおい其巢，授迤西道さいどう，署しょ布ぬの政せい使し如故。

六ろく年ねん，擢布政せい使し。二に月がつ，師し抵豬拱箐，令れい張ちょう保たもつ和わ、林はやし守まもる懷ふところ領りょう二に千せん人にん，由ゆかり大だい溜ため口こう出で二に龍りゅう關せき後ご，掩襲吳くれ家か屯たむろ，自じ督とく三さん千せん人にん攻おさむ關せき。賊ぞく傾かたぶけ巢す出で戰せん，關せき後ご砲ほう發はつ，賊ぞく回かい救すくえ，毓英揮軍夾擊きょうげき，三さん隘皆下か，遂とげ奪だつ吳くれ家か屯たむろ，擒とりこ斬き數すう千せん。賊ぞく自じ海馬かいば姑しゅうと來援らいえん，截擊之の，斬き其酋，餘あまり賊ぞく反はん奔。令れい蔡標、劉りゅう重慶たーちん分ぶん軍ぐん圍かこえ剿海馬ば姑しゅうと，克かつ紅べに岩がん、尖山せんざん，賊ぞく援乃斷だん，遂とげ逼豬拱箐老ろう巢す。賊ぞく以巨石きょせき自じ山やま顛墜下か，驅か牛馬ぎゅうば突營，將士しょうし多た傷きず亡ほろび，毓英督とく軍ぐん搏戰，斬き悍酋，賊ぞく始はじめ卻。於營前まえ掘ほ深ふか坎，賊ぞく所しょ發はつ石せき盡つき陷おちい坎內，誘さそえ降ぶ倮人，得とく賊ぞく虛實きょじつ，選せん敢死士し二に千せん，填はま壕ごう以進，連破れんぱ木城きじょう二に，直ちょく搗其巢す，縱たて火ひ焚之，斬き馘くび二に萬まん，擒とりこ陶すえ新春しんしゅん及其死し黨とう，磔はりつけ之の，拔山ぬきやま男おとこ婦ふ四よん萬まん餘人よにん。乘じょう勝かち合あい攻おさむ海馬かいば姑しゅうと，伏兵ふくへい山やま前後ぜんこう，進しん毀賊壘るい三さん十じゅう餘あまり，以噴筒とう環たまき燒しょう，擒とりこ陶すえ三春及悍酋二百餘人，皆みな斬き之これ，賊ぞく悉平。計けい自じ進すすむ兵へい至いたり是ぜ，僅逾期き四よん日にち，加か頭あたま品ひん頂戴ちょうだい。

馬うま如龍剿迤西にし屢失利り，勞ろう崇たかし光こう病歿びょうぼつ，杜もり文秀ふみひで大だい舉東犯はん，連れん陷おちい二に十じゅう餘あまり城じょう，省しょう垣かき告つげ急きゅう。是ぜ年ねん冬ふゆ，毓英自じ豬拱箐凱旋がいせん曲きょく靖やすし，先遣せんけん弟おとうと毓寶助すけ省しょう防ぼう。七なな年ねん春はる，揚言ようげん師し出で陸りく涼すずか，而取道どう宜むべ涼すずし、七なな甸，連破れんぱ大だい小石こいし壩、小板橋こいたばし、古こ庭にわ庵あん、金かね馬ば寺てら賊ぞく壘るい，進しん屯たむろ大樹たいじゅ營。馬うま如龍來會らいかい，人心じんしん始はじめ定じょう。昆陽こや匪首楊震鵬おおとり夜よる渡わたり昆こん明あきら池いけ襲かさね省しょう城じょう，毓寶擊げき敗はい之の，震ふるえ鵬おおとり負ふ創そう遁。進攻しんこう楊林，毓英鼻はな受槍傷きず，回かい軍ぐん省しょう城じょう，連破れんぱ石せき虎とら關せき賊ぞく壘るい，擒とりこ賊ぞく渠みぞ李り洪ひろし勳くん，擢授巡じゅん撫なで。附ふ省しょう賊ぞく壘るい猶なお繁しげる，與あずか之これ相しょう持じ。總督そうとく劉りゅう岳たけし昭あきら初はつ至いたり滇，由よし馬ば龍りゅう進すすむ剿尋甸​​，失しつ利り，賊ぞく勢ぜい复熾。

毓英疏陳軍事ぐんじ、餉事，略りゃく曰：「杜もり文秀ふみひで竊踞迤西十じゅう有ゆう三さん載の，根深ねぶか蒂固。今いま擬なずらえ三さん路ろ進しん兵へい，一出迤南牽賊勢，一いち出で三さん姚、永えい北きた斷だん賊ぞく援，大軍たいぐん由よし楚すわえ雄ゆう、鎮南直ちょく搗中堅ちゅうけん，使つかい賊ぞく面面めんめん受敵，不能ふのう兼けん顧。臣しん選せん精銳せいえい六ろく萬まん，更さら番ばん戰せん守もり，既すんで無な停とま兵へい之の時とき，亦また免めん師し老ろう之の患。兵へい勇いさむ無む須外募つの，以本省ほんしょう兵へい剿本省しょう賊ぞく，既習きしゅう地ち利り，复熟賊ぞく情じょう。現在げんざい滇省兵へい勇いさみ鄉きょう團だん已やめ調ちょう集しゅう八はち萬有ばんゆう奇き，擬なずらえ俟附省しょう逆ぎゃく壘るい肅清しゅくせい，認みとめ真ま裁たっ汰，選定せんてい精銳せいえい，以資得とく力りょく。滇省綠みどり營額設しつらえ馬ば步兵ほへい三さん萬まん七なな千せん數すう百ひゃく名めい，承うけたまわ平日へいじつ久ひさし，訓練くんれん多た疏，將はた不知ふち兵へい，兵へい不知ふち戰せん。倉卒そうそつ有事ゆうじ，則のり募つの勇いさむ以代兵へい；餉需支ささえ絀，不能ふのう不ふ後こう兵へい而先勇いさみ。於是兵へい丁ひのと愈いよいよ困こま，營務益えき弛たゆ。通つう省しょう營兵所存しょぞん不ふ及十じゅう一いち，臣しん擬なずらえ即そく此六ろく萬まん人にん中ちゅう，擇よ補ほ營額，目前もくぜん仍令隨ずい徵ちょう，事こと竣再飭歸伍ご。既すんで有ゆう常つね業ぎょう，自じ有恆ありつね心こころ，責せめ以成功せいこう，收おさむ效こう必速。滇省近年きんねん用兵ようへい，多た藉鄉勇いさみ之の力ちから，擬なずらえ按州縣けん之の大小だいしょう，定てい徵ちょう調ちょう之の多寡たか，共編きょうへん鄉きょう勇いさみ四よん十じゅう營，分ふん兩りょう班はん隨ずい營征討せいとう，餉銀仍由各地かくち籌捐。兩年りょうねん之の內，迤西肅清しゅくせい，即そく可か裁たっ撤歸農きのう。滇省兵へい勇いさむ，向こう於餉銀ぎん之の外そと，每まい名月めいげつ支ささえ米まい三さん斗と。現げん擬なずらえ用兵ようへい六ろく萬まん，每年まいとし共ども需米二に十じゅう餘あまり萬まん石せき，為ため數すう甚鉅。歷年れきねん皆みな按成熟田じゅくでん畝うね酌しゃく抽釐穀こく，約やく十分じゅうぶん取と其一二に，資し助すけ軍ぐん食しょく，與川よがわ之の津つ貼は，黔之義ぎ穀こく，名めい異い實じつ同どう。今こん請照舊きゅう抽收，並なみ將はた近年きんねん可か徵ちょう地ち丁ひのと抽糧，全數ぜんすう改あらため徵ちょう糧米りょうまい，如不敷じき用よう，再さい行くだり籌價採と買かい接せっ濟ずみ，一いち俟軍事ぐんじ肅清しゅくせい，分別ふんべつ裁さい止とめ。滇省綠みどり營官兵へい俸餉，有ゆう閏うるう之これ年ねん，需銀七なな十じゅう萬まん兩りょう有ゆう奇き，無む閏うるう需銀六ろく十じゅう四よん萬まん數すう千せん兩りょう。現げん既すんで易えき勇いさむ為ため兵へい，則のり餉銀較勇糧かて稍やや厚あつ。倘因籌餉維艱，每月まいつき先さき給きゅう半はん餉，加か以賞需軍火ひ各かく費ひ，約やく共とも需銀八はち萬まん兩りょう。鹽しお課か、地ち丁ひのと、釐稅之の外そと，每月まいつき所しょ短たん不ふ過か三さん四よん萬まん兩りょう，應おう由よし外がい省しょう協きょう撥ばち，較之向こう例れい協きょう餉，有ゆう減げん無む增ぞう。若わか發はつ全ぜん餉，則のり每月まいつき應おう由よし外がい省しょう撥ばち銀ぎん六ろく萬まん，較常例れい所しょ增ぞう亦また屬ぞく無む幾いく。現在げんざい部ぶ臣しん指ゆび撥ばち各省かくしょう協きょう滇軍餉，如浙江こう、廣東かんとん、江西えにし，距滇較遠，籌撥起おこり解かい，往返經年けいねん，緩なる難なん濟すみ急きゅう。請飭改作かいさく京きょう餉，另由川がわ、楚すわえ等とう省しょう應おう解かい京きょう餉，改あらため撥ばち濟ずみ滇，兩りょう無む窒礙。至いたり於選任せんにん鎮將，宜むべ不ふ拘かかわ資格しかく，不ふ惜情面めん，凡有能ゆうのう將しょう三さん千せん兵へい以上いじょう，才ざい當とう一いち面めん者しゃ，雖其名めい位い尚なお卑，亦また宜むべ委ゆだね署しょ要職ようしょく。其謀勇いさみ平常へいじょう，僅止熟じゅく習營務つとむ，縱たて系けい實じつ缺かけ，另予差遣さけん，勿使幸こう位い。」疏入，下部かぶ如所議ぎ行ぎょう。

八はち年ねん春はる，賊ぞく酋楊榮さかえ率りつ眾數万踞楊林長坡，分ふん黨とう踞うずくま小しょう偏へん橋きょう、十里じゅうり鋪しき、羊ひつじ芳よし凹、牛うし街がい、興福寺こうふくじ，省しょう城じょう大震たいしん。毓英督とく諸しょ軍ぐん分ぶん剿，奪回だっかい小しょう偏へん橋きょう諸處しょしょ，复連敗れんぱい之の於蕭家山いえやま、鸚鵡おうむ山さん，擒とりこ斬き逾萬，劃除省しょう東ひがし賊ぞく壘るい百ひゃく餘あまり。西北せいほく兩方りょうほう賊ぞく仍負隅すみ拒こばめ守もり，毓英令れい副將ふくしょう楊玉科か、總そう兵へい李り維述等とう規ぶんまわし迤西，與あずか騰あが越えつ義兵ぎへい約やく期き並進へいしん。於是副將ふくしょう張ちょう保たもつ和わ等とう克かつ富民ふみん、昆陽こや，總そう兵馬へいば忠ちゅう等とう克かつ呈てい貢みつげ、晉すすむ寧やすし、易えき門もん、澂江、祿ろく豐ゆたか，玉たま科か等とう克かつ武たけ定じょう、祿ろく勸すすむ、元もと謀はかりごと、羅ら次じ、定てい遠とお、大だい姚，維述等とう克廣かつひろ通どおり、楚すわえ雄ゆう、南みなみ安やす及黑瑯、元もと水みず諸井もろい。凡悍酋劇匪，擒とりこ斬き殆盡，省しょう城じょう解かい嚴げん，被ひ詔みことのり嘉よしみ獎。

九きゅう年ねん，澂江回かい复叛，踞うずくま府ふ城じょう，毓英率りつ軍ぐん往剿，圍かこえ其郛，十じゅう年ねん二に月がつ，克之かつゆき。並なみ拔竹園えん、江こう那な諸しょ賊ぞく巢す，迤西軍ぐん亦また克かつ麗うらら江こう、劍つるぎ川がわ、永えい北きた、鶴つる慶けい、賓まろうど川がわ、姚州、鎮南諸しょ城しろ。疏言：「滇省前ぜん事こと之の誤あやま，東南とうなん未定みてい，遽議西にし征せい，屢致喪も師し失地しっち。今いま通どおり籌全局きょく，必先掃蕩そうとう東南とうなん兩りょう迤，然しか後ご全ぜん軍ぐん西上にしかみ，方ほう無む後顧こうこ之の憂う。」

十じゅう一いち年ねん，迤東、迤西兩りょう路みち悉平，西にし軍ぐん亦また先後せんご克復こくふく永昌えいしょう、鄧川、浪なみ穹、趙ちょう州しゅう、雲南うんなん、永ひさし平ひらめ、蒙こうむ化か及上下じょうげ兩りょう關せき，而大理り賊ぞく猶なお堅守けんしゅ，恃騰越えつ、順じゅん寧やすし互為應援おうえん。十一月じゅういちがつ，毓英親おや往督戰とくせん，先さき斷だん賊ぞく援，直ちょく薄うす城下じょうか，掘ほ隧道すいどう，陷おちい城垣しろがき數すう十じゅう丈たけ，奪だつ東南とうなん兩りょう門もん入いれ。賊ぞく守もり內城，晝夜ちゅうや環たまき攻おさむ，守まもり陴賊多た死し。杜もり文秀ふみひで窮きゅう蹙服毒ふくどく，其黨舁之出城でしろ詐いつわり降くだ，斬首ざんしゅ傳でん示しめせ，勒繳軍ぐん械，賊黨ぞくとう猶なお請緩期き。毓英令れい楊玉科か率りつ壯士そうし二に百ひゃく入城にゅうじょう受降，布ぬの重じゅう兵へい城じょう外がい夾擊きょうげき之の，斬き酋目三さん百ひゃく餘よ名めい，生なま擒とりこ楊榮、蔡廷棟とう、馬うま仲山なかやま，磔はりつけ於市。大だい理り肅清しゅくせい，賜たまもの黃き馬ば褂，予よ騎き都と尉じょう世よ職しょく。十じゅう二に年ねん，順じゅん寧やすし、雲くも州しゅう、騰あが越えつ皆みな下か，全ぜん滇底定じょう，加か太子たいし少しょう保たもて，晉すすむ一等輕車都尉世職。

十じゅう三さん年ねん，兼けん署しょ雲くも貴き總督そうとく。光ひかり緒いとぐち二に年ねん，丁ちょう繼母けいぼ憂う。五ご年ねん，服ふく闋，授貴州しゅう巡じゅん撫なで，加か兵部ひょうぶ尚書しょうしょ銜。七なな年ねん，調しらべ福建ふっけん督とく辦台灣たいわん防ぼう務つとむ，開山かいさん撫なで番ばん，濬大甲きのえ溪けい，築ちく台北たいぺい城じょう。八はち年ねん，署しょ雲くも貴き總督そうとく，九きゅう年ねん，實じつ授。

法ほう越えつ兵事へいじ起おこり，自じ請出關せき赴前敵てき，屯たむろ興きょう化か。十じゅう年ねん，命いのち節制せっせい關せき外がい粵、楚すわえ各かく軍ぐん。會かい廣西ひろせ軍ぐん潰つぶせ於北寧やすし、太ふとし原はら，毓英全ぜん師し退すさ屯たむろ保ほ勝しょう，以未奉たてまつ命いのち，降くだ二に級きゅう留任りゅうにん。七なな月がつ，命いのち進軍しんぐん決戰けっせん，連れん复越南館みなみたて司し、鎮安、清せい波なみ、夏なつ和かず諸しょ縣けん，屯たむろ館かん司し關せき，規ぶんまわし取と河かわ內諸省しょう。令れい丁ひのと槐えんじゅ、何なに秀しゅう林はやし攻おさむ宣光のぶみつ，以地雷かみなり毀其城じょう，擒とりこ斬き甚眾。十じゅう一いち年ねん，京きょう察，開ひらき復ふく降くだ級きゅう處分しょぶん，令れい覃修綱つな攻おさむ克かつ緬はる旺、清水しみず、清山きよやま。法ほう兵へい援宣光こう，掘ほ地ち營延袤十餘あまり裡うら扼之。破やぶ法ほう兵へい於臨洮府，奪だつ梅枝ばいし關せき。連れん克かつ不拔ふばつ、廣こう威い、永えい祥さち，進しん搗山西にし、河かわ內，廣西ひろせ軍ぐん亦また收おさむ復ふく諒りょう山さん。越えつ南みなみ興きょう安やす、寧やすし平ひらめ、南みなみ定じょう、興きょう化か、太ふとし原げん各省かくしょう聞風響ひびき應おう。會かい和議わぎ成なり，詔みことのり班はん師し。五月ごがつ，回かい駐ちゅう邊あたり關せき。十じゅう二に年ねん，會かい勘かん邊べ界かい，兼けん署しょ巡じゅん撫なで。十じゅう三さん年ねん，剿順寧やすし倮黑夷えびす匪張登とう發はつ，平之ひらの。十じゅう四よん年ねん，京きょう察，議ぎ敘。十じゅう五ご年ねん，皇太后こうたいごう歸き政せい，晉すすむ太子たいし太ふとし保ほ。尋ひろ卒そつ，贈おく太子たいし太ふとし傅でん，入にゅう祀まつ賢良けんりょう祠ほこら，雲南うんなん、貴き州しゅう建けん專せん祠ほこら，諡おくりな襄じょう勤つとむ。子こ春はる煊，官かん至いたり四川しせん總督そうとく。

弟おとうと毓寶，從したがえ毓英轉戰てんせん雲南うんなん，功いさお最さい著ちょ，累るい擢道員いん，賜たまもの號ごう額がく圖ず琿巴圖ず魯。光ひかり緒いとぐち十じゅう年ねん，出で關せき援剿宣光のぶみつ、臨洮，旋克廣こう威い府ふ、不拔ふばつ縣けん、梅枝ばいし關せき，賜たまもの黃き馬ば褂。十じゅう四よん年ねん，授福建ふっけん鹽しお法ほう道どう，擢雲南みなみ按察使し，權けん布ぬの政せい使し，護まもる巡じゅん撫なで，兼けん護まもる總督そうとく。二に十じゅう一いち年ねん，調しらべ貴き卅布政せい使し，未み行くだり，復調ふくちょう雲くも南みなみ。毓寶勇いさむ於戰陣じん，不ふ諳文法ほう，御ご史し溥松劾其護まもる總督そうとく時じ，任用にんよう私人しじん，政せい刑けい失當しっとう，坐すわ奪だつ職しょく，卒そつ於家。雲くも貴き總督そうとく崧蕃疏陳毓寶戰功せんこう，詔みことのり復原ふくげん官かん。

論ろん曰：劉りゅう長ちょう佑たすく樸しらき誠まこと廉れん毅あつし，老ろう於軍事ぐんじ，時じ病びょう其失之の慈柔。自じ言げん：「於是非ぜひ邪よこしま正ただし，不ふ自じ欺以欺人。」非ひ飾かざり辭じ也。滇、粵籌邊あたり，尤ゆう有ゆう遠見とおみ。劉りゅう岳たけし昭治しょうじ滇，能のう屈こごめ己おのれ以聽岑毓英えい。毓英與あずか滇事相しょう終始しゅうし，跋扈ばっこ霸才，竟成戡定かんてい偉績いせき，信しん乎識時じ之の傑すぐる，能のう自じ樹立じゅりつ者しゃ已やめ。