菽まめ園えん雜記ざっき

菽まめ園えん雜記ざっき
作者さくしゃ：陸りく容ひろし　明あきら

明あきら陸りく容ひろし撰せん。容よう字じ文ぶん量りょう，號ごう式しき齋とき太ふとし倉くら州しゅう人じん。成なり化か丙へい戌いぬ進士しんし，官かん至いたり浙江せっこう右みぎ參政さんせい。事跡じせき具ぐ《明あかり史し·文苑ぶんえん傳でん》。史し稱しょう容よう與あずか張ちょう泰やすし、陸りく釴齊名めい，時じ號ごう婁東三さん鳳おおとり。其詩才しさい不ふ及泰釴，而博學がく過か之これ，是ぜ編へん乃其劄錄之の文ぶん，於明代だい朝野ちょうや故實こじつ，敘述頗詳，多可たか與あずか史し相しょう考證こうしょう，旁つくり及談諧雜事ざつじ，皆みな並列へいれつ簡編，蓋ぶた自じ唐とう、宋そう以來いらい說せつ部ぶ之の體からだ如是にょぜ也。其中間あいだ有ゆう考こう辨べん。如元王おう柏かしわ作さく二に南みなみ相しょう配はい圖ず，棄甘棠何彼かれ秾矣、野の有ゆう死し麕のろ三さん篇へん，於經義ぎ極ごく為ため乖剌，而容獨どく嘆為卓識たくしき；又また文ぶん廟びょう別べつ作さく寢殿しんでん祀まつ啟けい聖せい公おおやけ，而配以四配はい之の父ちち，其議發はつ於熊禾，而容謂いい叔梁紇為主ぬし，出で於無謂いい，孟はじめ孫まご激げき非ひ聖賢せいけん之の徒と，不當ふとう從したがえ祀まつ，尤ゆう昧於崇たかし功こう報ほう本ほん之の義よし，皆みな不足ふそく為ため據よりどころ。然しか核かく其大致，可か采さい者しゃ較多。王おう鏊嘗語ご其門人じん曰：本朝ほんちょう紀き事ごと之これ書しょ，當とう以陸文ぶん量りょう為ため第だい一いち。即そく指ゆび此書也。雖無雙むそう之の譽ほまれ，獎借過か深ふか，要よう其所以取之これ者しゃ，必有在ざい矣。