1950年の日本シリーズ(第1回プロ野球日本選手権試合・日本ワールドシリーズ)[1]は、セントラル・リーグ優勝チームの松竹ロビンス(松竹)と、パシフィック・リーグ優勝チームでこの年に創設した毎日オリオンズ(毎日)による第1回日本選手権シリーズである。
この年はフランチャイズがまだ制度化されておらず、シリーズは1試合ごとに会場を代えて行われた。またホーム扱い(後攻め)は奇数試合が松竹、偶数試合は毎日がそれぞれ当たった。
また、セ・リーグのペナントレースは優勝した松竹のほか、中日、西日本、国鉄、広島の4チームが所定の140試合を消化しきれずに日本シリーズに突入したが、順位が確定した状態であったのと、できるだけ11月中に当大会を終わらせる都合のため、以上の4チームが関係する7試合(当該項目参照)は代替開催をせず11月20日までで公式戦を打ち切った。
始球式は当時サンフランシスコ・シールズ監督のフランク・オドゥールが投手。当時日本を統治していた連合国軍総司令部のウィリアム・マーカット少将が捕手。ニューヨーク・ヤンキースのジョー・ディマジオ選手が打者を勤めた。[1]
11月22日:神宮(試合開始:13時16分、入場者:23018人)
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
R |
H |
E |
毎日オリオンズ
| 0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
3 |
9 |
1 |
松竹ロビンス
| 0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
2 |
7 |
2 |
- (毎日1勝)
- 毎:若林(12回)
- 松:大島(12回)
- 勝利:若林(1勝)
- 敗戦:大島(1敗)
- 審判
[球審]島
[塁審]一塁:横沢三、二塁:津田、三塁:上田
[外審]左翼:浜崎、右翼:杉村 - 試合時間:2時間34分
記念すべきシリーズ最初の試合は、松竹・大島と毎日・若林の投げ合いで始まった。毎日は2回表に片岡のヒットで先制。松竹は8回裏に三村が同点のヒットを上げる。そのまま延長戦に突入し、毎日が12回表、伊藤が2点タイムリーの二塁打を放つ。その裏松竹も木村勉の一塁ゴロの間に1点を返すが、後続を断った毎日がシリーズ最初の勝利。大島と若林はともに12回完投した。
公式記録関係(日本野球機構ホームページ)
11月23日:後楽園(試合開始:13時1分、入場者:35541人)
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
松竹ロビンス
| 0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
7 |
0 |
毎日オリオンズ
| 2 |
0 |
2 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
X |
5 |
13 |
1 |
- (毎日2勝)
- 松:江田(3回)、井筒(5回)
- 毎:野村武(9回)
- 勝利:野村武(1勝)
- 敗戦:江田(1敗)
- 本塁打
毎:呉1号ソロ(1回・江田) - 審判
[球審]二出川
[塁審]一塁:筒井、二塁:浜崎、三塁:津田
[外審]左翼:杉村、右翼:上田 - 試合時間:1時間38分
毎日は1回裏、呉のシリーズ初の本塁打などで2点を先制。3回と5回にも点を挙げて試合を優位に進める。投げても野村武が松竹打線を1点に抑えて完投。毎日が2連勝とした。
公式記録関係(日本野球機構ホームページ)
11月25日:甲子園(試合開始:13時30分、入場者:19399人)
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
毎日オリオンズ
| 1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
4 |
0 |
0 |
6 |
8 |
2 |
松竹ロビンス
| 0 |
0 |
0 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3x |
7 |
7 |
2 |
- (毎日2勝1敗)
- 毎:佐藤(3回0/3)、荒巻(5回1/3)
- 松:真田(9回)
- 勝利:真田(1勝)
- 敗戦:荒巻(1敗)
- 本塁打
毎:本堂1号ソロ(4回・真田)、荒巻1号2ラン(7回・真田)
- 審判
[球審]島
[塁審]一塁:上田、二塁:筒井、三塁:横沢三
[外審]左翼:浜崎、右翼:津田 - 試合時間:1時間54分
毎日が序盤に2点リードするも、松竹は4回裏に大岡のヒットと荒川昇の3塁打で計4点を奪い逆転に成功。しかし毎日も7回表に途中登板の荒巻の2ラン本塁打などで再び逆転し2点リードを奪う。それでも松竹は9回裏荒巻を攻めると、金山の押し出し四球と、三村の2点タイムリーで逆転サヨナラ。松竹がシリーズ初勝利。
公式記録関係(日本野球機構ホームページ)
11月26日:西宮(試合開始:13時31分、入場者:35518人)
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
松竹ロビンス
| 1 |
0 |
0 |
3 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
5 |
7 |
0 |
毎日オリオンズ
| 1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
3 |
8 |
2 |
- (2勝2敗)
- 松:大島(9回)
- 毎:若林(9回)
- 勝利:大島(1勝1敗)
- 敗戦:若林(1勝1敗)
- 本塁打
松:岩本1号2ラン(4回・若林)
- 審判
[球審]二出川
[塁審]一塁:津田、二塁:杉村、三塁:浜崎
[外審]左翼:筒井、右翼:上田 - 試合時間:1時間42分
初回に互いが1点を取り合った後の4回表、松竹は岩本の2ラン本塁打と荒川昇の二塁打で勝ち越し。6回表にも木村勉のヒットで追加点を挙げる。9回裏毎日は3連打で2点を返すものの大島が最後を抑えて、松竹が2勝2敗のタイに戻した。
公式記録関係(日本野球機構ホームページ)
11月27日:中日(試合開始:12時59分、入場者:12630人)
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
毎日オリオンズ
| 1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
3 |
6 |
1 |
松竹ロビンス
| 1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
5 |
1 |
- (毎日3勝2敗)
- 毎:野村武(9回)
- 松:真田(8回2/3)、大島(1回1/3)
- 勝利:野村武(2勝)
- 敗戦:真田(1勝1敗)
- 審判
[球審]島
[塁審]一塁:横沢三、二塁:筒井、三塁:上田
[外審]左翼:浜崎、右翼:杉村 - 試合時間:1時間49分
毎日が初回に土井垣のヒットで先制。その裏松竹は岩本の遊ゴロで同点に追いつく。4回裏に松竹が1点勝ち越すも、毎日は7回表に呉のヒットで同点とする。そのまま9回表毎日は相手のミスで1点勝ち越し。その裏野村武が0点に抑えてシリーズ2連勝。毎日が日本一に王手をかけた。
公式記録関係(日本野球機構ホームページ)
11月28日:大阪(試合開始:13時29分、入場者:22035人)
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
R |
H |
E |
松竹ロビンス
| 0 |
1 |
2 |
0 |
2 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
7 |
15 |
6 |
毎日オリオンズ
| 0 |
0 |
6 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1x |
8 |
9 |
0 |
- (毎日4勝2敗)
- 松:江田(2回2/3)、大島(8回)
- 毎:荒巻(4回0/3)、若林(3回2/3)、野村武(3回1/3)
- 勝利:野村武(3勝)
- 敗戦:大島(1勝2敗)
- 本塁打
松:岩本2号ソロ(2回・荒巻)、岩本3号2ラン(3回・荒巻)
- 審判
[球審]二出川
[塁審]一塁:筒井、二塁:横沢三、三塁:杉村
[外審]左翼:津田、右翼:上田 - 試合時間:2時間40分
後がない松竹は岩本の2打席連続の本塁打などで3回までに3点を奪う。しかし毎日は3回裏に3連打を含む打者一巡で一挙6点を奪う。4回裏にも別当のヒットで1点を追加する。松竹は直後の5回表に2点を取り反撃。6回表にも1点、そして8回表に三村の犠牲フライで同点とする。その後第1戦以来となる延長戦に突入。11回裏毎日が2死1、3塁とチャンスを迎え、伊藤が打席に入るも、打球は三塁ゴロ。だが三塁手・真田が2塁へ悪送球。これを見た三塁走者が本塁へ生還してサヨナラ勝ち。毎日が劇的な展開で初代シリーズ王者となった[2]。
公式記録関係(日本野球機構ホームページ)
当時はまだ民放局(ラジオ)がなかったためNHKラジオ第2が全試合中継した。
|
---|
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
各種記録 |