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ぼけ・ぼける・呆ける・痴呆・認知症
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ぼけ・ぼける・
呆
ほ
ける・
痴呆
ちほう
・
認知
にんち
症
しょう
このHP
経由
けいゆ
で
購入
こうにゅう
すると
寄付
きふ
されます
Tweet
*このファイルの
更新
こうしん
をしばらく
休止
きゅうし
→
老
お
い
ファイルを
増補
ぞうほ
していきます。(2007.12)
*
事故
じこ
と
賠償
ばいしょう
請求
せいきゅう
についての
情報
じょうほう
しばらくここにおきます。(2014.1)
*
再開
さいかい
(2015.1)
◆
『
現代
げんだい
思想
しそう
』2015
年
ねん
3
月
がつ
号
ごう
特集
とくしゅう
:
認知
にんち
症
しょう
新
しん
時代
じだい
◆
認知
にんち
症
しょう
/
安楽
あんらく
死
し
尊厳
そんげん
死
し
/
精神
せいしん
病院
びょういん
/…
(
別
べつ
頁
ぺーじ
・2015/01
新設
しんせつ
)
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2015/03/01
「
認知
にんち
症
しょう
→
精神
せいしん
病院
びょういん
&
安楽
あんらく
死
し
(
精神
せいしん
医療
いりょう
現代
げんだい
史
し
へ・
追記
ついき
12)――
連載
れんさい
109」
,
『
現代
げんだい
思想
しそう
』43-(2015-3)
:8-19
◆
厚生
こうせい
労働省
ろうどうしょう
2015/01/27
「
認知
にんち
症
しょう
施策
しさく
推進
すいしん
総合
そうごう
戦略
せんりゃく
(
新
しん
オレンジプラン)――
認知
にんち
症
しょう
高齢
こうれい
者
しゃ
等
とう
にやさしい
地域
ちいき
づくりに
向
む
けて」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072246.html
◆「「
認知
にんち
症
しょう
施策
しさく
推進
すいしん
総合
そうごう
戦略
せんりゃく
〜
認知
にんち
症
しょう
高齢
こうれい
者
しゃ
等
とう
にやさしい
地域
ちいき
づくりに
向
む
けて〜(
新
しん
オレンジプラン)」について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072246.html
◆2015/01/27
認知
にんち
症
しょう
国家
こっか
戦略
せんりゃく
/
急
きゅう
ごしらえ、
実効
じっこう
性
せい
に
疑問
ぎもん
共同通信
きょうどうつうしん
2015/01/27→
東奥
ひがしおく
日報
にっぽう
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2015/0127_2.html
「27
日
にち
に
決定
けってい
した
認知
にんち
症
しょう
の
国家
こっか
戦略
せんりゃく
は、
安倍晋三
あべしんぞう
首相
しゅしょう
の
策定
さくてい
方針
ほうしん
表明
ひょうめい
から
約
やく
2
カ月
かげつ
間
あいだ
という「
急
きゅう
ごしらえ」が
響
ひび
き、
数値
すうち
目標
もくひょう
は
一部
いちぶ
に
限
かぎ
られるなど
実効
じっこう
性
せい
に
疑問符
ぎもんふ
が
付
つ
く。
文面
ぶんめん
作
づく
りでは、
長期
ちょうき
入院
にゅういん
の
弊害
へいがい
が
指摘
してき
される
精神
せいしん
科
か
病院
びょういん
の
役割
やくわり
を
強調
きょうちょう
。
背後
はいご
には
病院
びょういん
団体
だんたい
の
意向
いこう
を
受
う
けた
自民党
じみんとう
議員
ぎいん
らの
巻
ま
き
返
かえ
しがあったとされ、「
住
す
み
慣
な
れた
地域
ちいき
での
自分
じぶん
らしい
暮
く
らし」の
実現
じつげん
を
懸念
けねん
する
声
こえ
も
上
あ
がる。
▽
格上
かくあ
げ
「
認知
にんち
症
しょう
の
本人
ほんにん
が
参画
さんかく
する
形
かたち
で
実態
じったい
調査
ちょうさ
をしてほしい」
「
日本
にっぽん
が
世界
せかい
のトップランナーとして
対応
たいおう
していく
決意
けつい
だ」
27
日
にち
夕
ゆう
、
首相
しゅしょう
官邸
かんてい
で
開
ひら
かれた
当事
とうじ
者
しゃ
団体
だんたい
「
日本
にっぽん
認知
にんち
症
しょう
ワーキンググループ」と
安倍
あべ
首相
しゅしょう
の
意見
いけん
交換
こうかん
会
かい
。グループの
共同
きょうどう
代表
だいひょう
、
藤田
ふじた
和子
かずこ
(ふじた・かずこ)さん(53)の
訴
うった
えに、
首相
しゅしょう
は
積極
せっきょく
姿勢
しせい
で
応
おう
じた。
安倍
あべ
首相
しゅしょう
が
国家
こっか
戦略
せんりゃく
の
策定
さくてい
を
表明
ひょうめい
したのは
昨年
さくねん
11
月
がつ
。
当初
とうしょ
は1
月
がつ
中旬
ちゅうじゅん
に
関係
かんけい
省庁
しょうちょう
の
連絡
れんらく
会議
かいぎ
で
決定
けってい
する
予定
よてい
だったが、
社会
しゃかい
保障
ほしょう
費
ひ
抑制
よくせい
の
一方
いっぽう
で「
弱者
じゃくしゃ
への
支援
しえん
」をアピールしたい
官邸
かんてい
の
意向
いこう
で、
関係
かんけい
閣僚
かくりょう
会合
かいごう
での
申
もう
し
合
あ
わせに
格上
かくあ
げされた。
厚生
こうせい
労働省
ろうどうしょう
、
経済
けいざい
産業
さんぎょう
省
しょう
、
警察庁
けいさつちょう
など
計
けい
12
省庁
しょうちょう
が
参画
さんかく
。だが
数値
すうち
目標
もくひょう
は、もともと
認知
にんち
症
しょう
サポーター
育成
いくせい
などを
進
すす
めていた
厚労省
こうろうしょう
関連
かんれん
に
限
かぎ
られ、「
省庁
しょうちょう
横断
おうだん
」と
呼
よ
ぶには
物足
ものた
りなさが
残
のこ
った。
▽
悩
なや
み
行政
ぎょうせい
の
垣根
かきね
を
越
こ
えた
連携
れんけい
が
必要
ひつよう
なのは、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
悩
なや
みが
医療
いりょう
、
介護
かいご
にとどまらないからだ。
「
経済
けいざい
的
てき
なことを
含
ふく
めてあらゆる
相談
そうだん
を
受
う
けてくれるところがほしかった」。
静岡
しずおか
県
けん
富士宮
ふじのみや
市
し
の
佐野
さの
光孝
みつたか
(さの・みつたか)さん(66)と
妻
つま
の
明美
あけみ
(あけみ)さん(62)はこう
振
ふ
り
返
かえ
る。
光孝
みつたか
さんが58
歳
さい
で
若年
じゃくねん
性
せい
アルツハイマー
病
びょう
と
診断
しんだん
されたとき、
2人
ふたり
が
最初
さいしょ
に
心配
しんぱい
したのは、
生活
せいかつ
費
ひ
と
自宅
じたく
のローンの
支払
しはら
いだった。
光孝
みつたか
さんは
約
やく
1
年
ねん
後
ご
に
退職
たいしょく
。その
後
ご
、
障害
しょうがい
年金
ねんきん
を
受
う
け
取
と
るまで
約
やく
8
カ月
かげつ
の“
空白
くうはく
期間
きかん
”が
生
しょう
じた。
手続
てつづ
きに
時間
じかん
がかかることを
知
し
らなかったからだ。
こうした
問題
もんだい
に
対応
たいおう
しようと、
一人
ひとり
一
いち
人
にん
に「リンクワーカー」と
呼
よ
ばれる
専属
せんぞく
の
職員
しょくいん
を
付
つ
けるようにしたのが、
英国
えいこく
スコットランドだ。
自治
じち
政府
せいふ
が2010
年
ねん
に
独自
どくじ
の
戦略
せんりゃく
を
定
さだ
め、13
年度
ねんど
から
制度
せいど
を
開始
かいし
。
認知
にんち
症
しょう
と
診断
しんだん
された
後
のち
に1
年間
ねんかん
、リンクワーカーが
相談
そうだん
に
乗
の
り、
必要
ひつよう
な
機関
きかん
につなげる“
伴走
ばんそう
型
がた
”の
仕組
しく
みだ。
日本
にっぽん
の
国家
こっか
戦略
せんりゃく
にも「
認知
にんち
症
しょう
地域
ちいき
支援
しえん
推進
すいしん
員
いん
」というコーディネーターの
配置
はいち
が
盛
も
り
込
こ
まれた。
医療
いりょう
や
介護
かいご
、
福祉
ふくし
など、
縦割
たてわ
りになりがちな
支援
しえん
をいかに
連携
れんけい
させられるかが
鍵
かぎ
となる。
▽
矛盾
むじゅん
国家
こっか
戦略
せんりゃく
策定
さくてい
の
最終
さいしゅう
盤
ばん
に、
最
もっと
も
多
おお
く
文言
もんごん
の
修正
しゅうせい
が
入
はい
ったのが
精神
せいしん
科
か
病院
びょういん
をめぐる
記述
きじゅつ
だ。「
入院
にゅういん
も(
医療
いりょう
、
介護
かいご
の)
循環
じゅんかん
型
がた
の
仕組
しく
みの
一環
いっかん
」「
長期
ちょうき
的
てき
に
専門
せんもん
的
てき
な
医療
いりょう
が
必要
ひつよう
となることもある」などが
追加
ついか
された。
厚労省
こうろうしょう
幹部
かんぶ
は「
自民党
じみんとう
議員
ぎいん
から
病院
びょういん
の
役割
やくわり
をもっと
盛
も
り
込
こ
むよう
要望
ようぼう
があり、
修正
しゅうせい
した」と
明
あ
かす。
日本
にっぽん
では、
精神
せいしん
科
か
病院
びょういん
に
入院
にゅういん
する
認知
にんち
症
しょう
患者
かんじゃ
が
約
やく
5
万
まん
3
千
せん
人
にん
に
上
のぼ
り、そのうち
約
やく
3
万
まん
人
にん
は1
年
ねん
以上
いじょう
の
長期
ちょうき
にわたる。
先進
せんしん
国
こく
では
異質
いしつ
な
状況
じょうきょう
で、
国際
こくさい
機関
きかん
から
改善
かいぜん
を
求
もと
められている。
文言
もんごん
の
修正
しゅうせい
には
病院
びょういん
経営
けいえい
への
配慮
はいりょ
がにじむ。
各国
かっこく
の
戦略
せんりゃく
に
詳
くわ
しい
東京
とうきょう
都
と
医学
いがく
総合
そうごう
研究所
けんきゅうじょ
の
西田
にしだ
淳志
あつし
(にしだ・あつし)
主席
しゅせき
研究
けんきゅう
員
いん
は「
日本
にっぽん
の
戦略
せんりゃく
は
当事
とうじ
者
しゃ
の
視点
してん
を
重視
じゅうし
するという
理念
りねん
をうたっているが、
旧来
きゅうらい
の『サービス
提供
ていきょう
者
しゃ
中心
ちゅうしん
』の
考
かんが
え
方
かた
も
肯定
こうてい
しており、
矛盾
むじゅん
がある」と
苦言
くげん
を
呈
てい
した。(
共同通信社
きょうどうつうしんしゃ
)」
>TOP
■
東日本
ひがしにっぽん
大震災
だいしんさい
関連
かんれん
cf.
災害
さいがい
と
障害
しょうがい
者
しゃ
・
病者
びょうしゃ
◆
日本
にっぽん
認知
にんち
症
しょう
学会
がっかい
被災
ひさい
した
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
と
家族
かぞく
の
支援
しえん
マニュアル
http://dementia.umin.jp/kaigo419.pdf
[PDF](ご
家族
かぞく
・
介護
かいご
職
しょく
向
む
け)
http://dementia.umin.jp/iryou419.pdf
[PDF](
医師
いし
・
医療
いりょう
職
しょく
向
む
け)
>TOP
■
事故
じこ
と
賠償
ばいしょう
請求
せいきゅう
◆「
家族
かぞく
支
ささ
える
法
ほう
整備
せいび
を
認知
にんち
症
しょう
鉄道
てつどう
事故
じこ
訴訟
そしょう
でシンポ 「
徘徊
はいかい
、
完全
かんぜん
に
防
ふせ
げない」」
2014.12.24
中日新聞
ちゅうにちしんぶん
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2014122402000002.html
……
◆2008/08/10 「
認知
にんち
症
しょう
男性
だんせい
、
線路
せんろ
に
入
はい
り
死亡
しぼう
電車
でんしゃ
遅
おく
れで
遺族
いぞく
に
損賠
そんばい
命令
めいれい
」
日本経済新聞
にほんけいざいしんぶん
2013/8/10 2:12
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD0902J_Z00C13A8CN8000/
「
認知
にんち
症
しょう
の
男性
だんせい
(
当時
とうじ
91)が
線路
せんろ
内
ない
に
立
た
ち
入
い
り
電車
でんしゃ
と
接触
せっしょく
した
死亡
しぼう
事故
じこ
で、
家族
かぞく
らの
安全
あんぜん
対策
たいさく
が
不十分
ふじゅうぶん
だったとして、
JR東海
じぇいあーるとうかい
が
遺族
いぞく
らに
列車
れっしゃ
が
遅
おく
れたことに
関
かん
する
損害
そんがい
賠償
ばいしょう
を
求
もと
めた
訴訟
そしょう
の
判決
はんけつ
で、
名古屋
なごや
地裁
ちさい
(
上田
うえだ
哲
あきら
裁判
さいばん
長
ちょう
)は9
日
にち
、
男性
だんせい
の
妻
つま
と
長男
ちょうなん
に
請求
せいきゅう
全額
ぜんがく
にあたる
約
やく
720
万
まん
円
えん
を
支払
しはら
うよう
命
めい
じた。
判決
はんけつ
によると、
男性
だんせい
は2007
年
ねん
12月、
愛知
あいち
県
けん
大府
おおぶ
市
し
のJR
共和
きょうわ
駅
えき
の
線路
せんろ
に
入
はい
り、
東海道
とうかいどう
本線
ほんせん
の
列車
れっしゃ
と
衝突
しょうとつ
して
死亡
しぼう
。
男性
だんせい
は
同年
どうねん
の2
月
がつ
に「
常
つね
に
介護
かいご
が
必要
ひつよう
」とされる「
認知
にんち
症
しょう
高齢
こうれい
者
しゃ
自立
じりつ
度
ど
4」と
診断
しんだん
されていた。
上田
うえだ
裁判
さいばん
長
ちょう
は、
同居
どうきょ
していた
妻
つま
が
目
め
を
離
はな
した
隙
すき
に
男性
だんせい
が
外出
がいしゅつ
し、
事故
じこ
が
発生
はっせい
したとして「
妻
つま
には
見
み
守
まも
りを
怠
おこた
った
過失
かしつ
がある」と
認定
にんてい
。
別居
べっきょ
している
長男
ちょうなん
についても「
事実
じじつ
上
じょう
の
監督
かんとく
者
しゃ
」とし、「
徘徊
はいかい
(はいかい)を
防止
ぼうし
する
適切
てきせつ
な
措置
そち
を
講
こう
じていなかった」とした。
男性
だんせい
の
家族
かぞく
らは、
妻
つま
は
事故
じこ
当時
とうじ
85
歳
さい
で、
常時
じょうじ
監視
かんし
することが
不可能
ふかのう
だったなどと
主張
しゅちょう
。しかし
上田
うえだ
裁判
さいばん
長
ちょう
は、
介護
かいご
ヘルパーを
依頼
いらい
するなどの
措置
そち
をとらなかったと
指摘
してき
。「
男性
だんせい
の
介護
かいご
体制
たいせい
は、
介護
かいご
者
しゃ
が
常
つね
に
目
め
を
離
はな
さないことが
前提
ぜんてい
となっており、
過失
かしつ
の
責任
せきにん
は
免
まぬか
れない」とした。」
◆「
家族
かぞく
の
責任
せきにん
、どこまで
徘徊
はいかい
中
ちゅう
、
線路
せんろ
に…
遺族
いぞく
に
賠償
ばいしょう
命令
めいれい
」
「
認知
にんち
症
しょう
とわたしたち」
取材
しゅざい
班
はん
朝日新聞
あさひしんぶん
2013
年
ねん
9
月
がつ
28
日
にち
http://apital.asahi.com/article/dementia/2013092700005.html
「
家
いえ
を
出
で
て
徘徊
はいかい
(はいかい)していた
認知
にんち
症
しょう
の
男性
だんせい
が
線路
せんろ
内
ない
に
入
はい
り、
列車
れっしゃ
にはねられて
亡
な
くなった。この
男性
だんせい
の
遺族
いぞく
に
対
たい
し、「
事故
じこ
を
防止
ぼうし
する
責任
せきにん
があった」として、
約
やく
720
万
まん
円
えん
を
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
に
支払
しはら
うよう
命
めい
じる
判決
はんけつ
が
出
だ
された。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
支
ささ
える
家族
かぞく
の
責任
せきにん
を
重
おも
くみた
裁判所
さいばんしょ
の
判断
はんだん
。
関係
かんけい
者
しゃ
には
懸念
けねん
の
声
こえ
が
広
ひろ
がっている。
□
妻
つま
がまどろんだ
一瞬
いっしゅん
事故
じこ
は2007
年
ねん
12月
じゅうにがつ
に
起
お
きた。
愛知
あいち
県
けん
に
住
す
む
当時
とうじ
91
歳
さい
の
男性
だんせい
が、JR
東海道
とうかいどう
線
せん
の
共和
きょうわ
駅
えき
で、
列車
れっしゃ
にはねられて
死亡
しぼう
した。
男性
だんせい
は
要
よう
介護
かいご
4。
身
み
の
回
まわ
りの
世話
せわ
は、
同居
どうきょ
する
当時
とうじ
85
歳
さい
の
妻
つま
と、
介護
かいご
のために
横浜
よこはま
市
し
から
近所
きんじょ
に
移
うつ
り
住
す
んだ
長男
ちょうなん
の
妻
つま
が
担
にな
っていた。この
男性
だんせい
が
外
そと
に
出
で
たのは、
長男
ちょうなん
の
妻
つま
が
玄関
げんかん
先
さき
に
片付
かたづ
けに
行
い
き、
男性
だんせい
の
妻
つま
がまどろんだ、わずかな
間
あいだ
のことだった。
男性
だんせい
はホームの
端
はし
から
数
すう
メートルの
線路
せんろ
上
じょう
に
立
た
っていたところ、
列車
れっしゃ
にはねられた。
線路
せんろ
に
入
はい
った
経路
けいろ
はわかっていない。
事故
じこ
で
上下
じょうげ
線
せん
20
本
ほん
が
約
やく
2
時
じ
間
あいだ
にわたって
遅
おく
れた。
JR東海
じぇいあーるとうかい
は、
男性
だんせい
の
妻
つま
と、
横浜
よこはま
市
し
で
暮
く
らす
長男
ちょうなん
を
含
ふく
めたきょうだい4
人
にん
に
対
たい
し、
振
ふ
り
替
か
え
輸送
ゆそう
の
費用
ひよう
など
損害
そんがい
約
やく
720
万
まん
円
えん
の
支払
しはら
いを
求
もと
め、
名古屋
なごや
地裁
ちさい
に
提訴
ていそ
した。
JR
側
がわ
は、
遺族
いぞく
には「
事故
じこ
を
防止
ぼうし
する
義務
ぎむ
があった」と
主張
しゅちょう
。
訴
うった
えられた
遺族
いぞく
側
がわ
は、
徘徊
はいかい
歴
れき
は
過去
かこ
に2
回
かい
だけで
事故
じこ
の
予見
よけん
はできなかった、などと
反論
はんろん
した。
□
判決
はんけつ
「
見守
みまも
り
怠
おこた
った」
図表
ずひょう
:
略
りゃく
今年
ことし
8
月
がつ
に
出
だ
された
判決
はんけつ
は、
死亡
しぼう
した
男性
だんせい
には「
責任
せきにん
能力
のうりょく
がなかった」とし、
遺族
いぞく
のうち
男性
だんせい
の
妻
つま
と
長男
ちょうなん
の
2人
ふたり
に
賠償
ばいしょう
責任
せきにん
を
認
みと
めた。
長男
ちょうなん
は、
家族
かぞく
会議
かいぎ
を
開
ひら
いて
介護
かいご
方針
ほうしん
を
決
き
め、
自分
じぶん
の
妻
つま
に
男性
だんせい
の
介護
かいご
を
担
にな
わせていたことから、「
事実
じじつ
上
じょう
の
監督
かんとく
者
しゃ
」と
認定
にんてい
した。さらに
徘徊
はいかい
歴
れき
や
見守
みまも
りの
状況
じょうきょう
から
事故
じこ
は
予見
よけん
できた、と
指摘
してき
。
男性
だんせい
の
認知
にんち
症
しょう
が
進行
しんこう
しているのに、ヘルパーの
手配
てはい
など
在宅
ざいたく
介護
かいご
を
続
つづ
ける
対策
たいさく
をとらなかったなどとし、「
監督
かんとく
義務
ぎむ
を
怠
おこた
らなかったと
認
みと
められない」と
結論
けつろん
づけた。
死亡
しぼう
男性
だんせい
の
妻
つま
についても、「
目
め
を
離
はな
さずに
見守
みまも
ることを
怠
おこた
った」とした。
一方
いっぽう
、
他
た
のきょうだいは、
遠
とお
くに
住
す
むなどの
事情
じじょう
で、
家族
かぞく
会議
かいぎ
に
参加
さんか
しないなど、
介護
かいご
に
深
ふか
く
関与
かんよ
していなかったとし、
責任
せきにん
を
認
みと
めなかった。
遺族
いぞく
代理人
だいりにん
の
畑井
はたい
研
けん
吾
われ
弁護士
べんごし
は「
介護
かいご
の
実態
じったい
を
無視
むし
した
判決
はんけつ
だ。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
は
閉
と
じ
込
こ
めるか、
施設
しせつ
に
入
い
れるしかなくなる」と
批判
ひはん
。
長男
ちょうなん
らは
名古屋
なごや
高裁
こうさい
に
控訴
こうそ
した。
JR東海
じぇいあーるとうかい
によると、
飛
と
び
込
こ
み
自殺
じさつ
などで
運休
うんきゅう
や
遅
おく
れが
発生
はっせい
した
場合
ばあい
は、
損害
そんがい
の
請求
せいきゅう
をするのが
基本
きほん
的
てき
な
立場
たちば
。ただ
訴訟
そしょう
にまで
発展
はってん
するケースはここ
数
すう
年
ねん
は
例
れい
がないという。
同社
どうしゃ
は「
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
介護
かいご
が
大変
たいへん
だということは
理解
りかい
しているが、
損害
そんがい
が
発生
はっせい
している
以上
いじょう
、
請求
せいきゅう
する
必要
ひつよう
があると
考
かんが
えた」としている。
(
中林
なかばやし
加南子
かなこ
、
立松
たてまつ
真
しん
文
ぶん
)
□
施錠
せじょう
しかないのか
長男
ちょうなん
(63)のコメント
判決
はんけつ
が
指摘
してき
する「(
出入
でい
り
口
ぐち
の)センサーを
切
き
ったままにしていた」「ヘルパーを
依頼
いらい
すべきだった」といった
事項
じこう
を
全
すべ
て
徹底
てってい
しても、
一瞬
いっしゅん
の
隙
すき
なく
監
かん
視
し
することはできません。
施錠
せじょう
・
監禁
かんきん
、
施設
しせつ
入居
にゅうきょ
が
残
のこ
るのみです。
父
ちち
は
住
す
み
慣
な
れた
自宅
じたく
で
生
い
き
生
い
きと
毎日
まいにち
を
過
す
ごしていましたが、それは
許
ゆる
されないことになります。
控訴
こうそ
審
しん
で
頑張
がんば
るしかないと
思
おも
っています。
□「
補償
ほしょう
の
仕組
しく
み
必要
ひつよう
」/
無
む
施錠
せじょう
の
施設
しせつ
、
落胆
らくたん
65
歳
さい
以上
いじょう
の
高齢
こうれい
者
しゃ
のおよそ7
人
にん
に
1人
ひとり
が
認知
にんち
症
しょう
と
推計
すいけい
されている。
家族
かぞく
や
関係
かんけい
者
しゃ
にとって
判決
はんけつ
は
重
おも
く
響
ひび
く。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
と
家族
かぞく
の
会
かい
(
本部
ほんぶ
・
京都
きょうと
市
し
)の
高見
たかみ
国生
こくしょう
代表
だいひょう
理事
りじ
は「あんな
判決
はんけつ
を
出
だ
されたら
家族
かぞく
をやってられない。
責任
せきにん
をまるまる
家族
かぞく
に
負
お
わせればいい、というのではダメだと
思
おも
う」と
判決
はんけつ
を
批判
ひはん
。
一方
いっぽう
で「
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
行動
こうどう
で
他人
たにん
に
損害
そんがい
が
生
しょう
じうるのは
事実
じじつ
。
何
なん
らかの
保険
ほけん
のような、
補償
ほしょう
の
仕組
しく
みを
考
かんが
える
必要
ひつよう
があるのではないか」と
語
かた
る。
NPO
法人
ほうじん
「
暮
く
らしネット・えん」(
埼玉
さいたま
県
けん
)が
運営
うんえい
するグループホームは、カギをかけず
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
が
自由
じゆう
に
出入
でい
りできる。
本人
ほんにん
のペースを
大事
だいじ
にするためだ。
外
そと
に
出
で
ようとしていれば
職員
しょくいん
が
付
つ
き
添
そ
う。ただ
注意
ちゅうい
しても、
気
き
づかぬうちに
利用
りよう
者
しゃ
が
外
そと
に
出
で
かける
状況
じょうきょう
をゼロにはできない。
無
む
施錠
せじょう
の
方針
ほうしん
は
監督
かんとく
責任
せきにん
のリスクと
隣
とな
り
合
あ
わせだ。
小島
こじま
美里
みさと
代表
だいひょう
理事
りじ
は「(
判決
はんけつ
の
考
かんが
え
方
かた
で)
今
いま
まで
積
つ
み
重
かさ
ねてきたことを
無視
むし
された
気持
きも
ちになる。
怖
こわ
くて、
事業
じぎょう
をやめたいとすら
思
おも
う」と
話
はな
す。
「
安心
あんしん
して
徘徊
はいかい
できるまち」を
目指
めざ
す
福岡
ふくおか
県
けん
大牟田
おおむた
市
し
。
今月
こんげつ
22
日
にち
に、
徘徊
はいかい
で
行方
ゆくえ
不明
ふめい
者
しゃ
が
出
で
た
想定
そうてい
などで
恒例
こうれい
の
訓練
くんれん
を
実施
じっし
した。
井上
いのうえ
泰
やすし
人
じん
長寿
ちょうじゅ
社会
しゃかい
推進
すいしん
課長
かちょう
は「
徘徊
はいかい
者
しゃ
に
声
こえ
をかけるなど、
地域
ちいき
で
見守
みまも
る
意識
いしき
を
高
たか
めることが、ますます
大事
だいじ
になる」と
語
かた
る。
認知
にんち
症
しょう
ケアが
専
せん
門
もん
の
柴田
しばた
範子
のりこ
・
東洋大学
とうようだいがく
准
じゅん
教授
きょうじゅ
は、
徘徊
はいかい
事故
じこ
防止
ぼうし
に
関
かん
して、
鉄道
てつどう
という
公共
こうきょう
性
せい
の
高
たか
い
企業
きぎょう
の
責務
せきむ
を
指摘
してき
する。「
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
は
認知
にんち
症
しょう
についてきちんと
知
し
っておくべきだ。その
知識
ちしき
を
踏
ふ
まえて、
駅
えき
や
踏切
ふみきり
で
事故
じこ
のリスクを
軽減
けいげん
する
対策
たいさく
を
取
と
ってほしい」
(
編集
へんしゅう
委員
いいん
・
友野
ともの
賀
が
世
よ
)
□
事故
じこ
までの
経過
けいか
00
年
ねん
男性
だんせい
の
認知
にんち
症
しょう
に
家族
かぞく
が
気
き
づく
02
年
ねん
長男
ちょうなん
の
妻
つま
が
男性
だんせい
宅
たく
近
ちか
くへ
転居
てんきょ
男性
だんせい
に
要
よう
介護
かいご
1の
認定
にんてい
。デイサービスへ
通
かよ
い
始
はじ
める
05、06
年
ねん
夜中
よなか
に2
度
ど
徘徊
はいかい
07
年
ねん
要
よう
介護
かいご
4、
常
つね
に
介護
かいご
が
必要
ひつよう
な
状態
じょうたい
に
【07
年
ねん
12月
じゅうにがつ
7
日
にち
事故
じこ
当日
とうじつ
】
午後
ごご
4
時半
じはん
ごろ
男性
だんせい
がデイサービスから
帰宅
きたく
、
妻
つま
や
長男
ちょうなん
の
妻
つま
とお
茶
ちゃ
を
飲
の
む。
長男
ちょうなん
の
妻
つま
が
玄関
げんかん
先
さき
へ
片付
かたづ
けに。
妻
つま
がまどろむ
間
あいだ
に
男性
だんせい
が
外出
がいしゅつ
午後
ごご
5
時
じ
ごろ
妻
つま
と
長男
ちょうなん
の
妻
つま
で、
男性
だんせい
の
散歩
さんぽ
コースを
捜
さが
すが
見
み
つからず
午後
ごご
5
時
じ
47
分
ふん
ごろ JR
東海道
とうかいどう
線
せん
共和
きょうわ
駅
えき
で
事故
じこ
発生
はっせい
「
認知
にんち
症
しょう
とわたしたち」
取材
しゅざい
班
はん
朝日新聞
あさひしんぶん
の
東京
とうきょう
・
科学
かがく
医療
いりょう
部
ぶ
、
大阪
おおさか
・
生活
せいかつ
文化
ぶんか
部
ぶ
、
文化
ぶんか
くらし
報道
ほうどう
部
ぶ
の
記者
きしゃ
でつくる
取材
しゅざい
チームです。
連載
れんさい
第
だい
6
部
ぶ
「ひとりの
時代
じだい
に」は、
佐藤
さとう
実
みのる
千秋
せんしゅう
、
石井
いしい
暖
だん
子
こ
、
伊豆
いず
丸
まる
展
てん
代
だい
の
各
かく
記者
きしゃ
が
取材
しゅざい
しています。
写真
しゃしん
は
年間
ねんかん
を
通
とお
して
写真
しゃしん
部
ぶ
・
川村
かわむら
直子
なおこ
が
担当
たんとう
します。」
◆2013/09/29
認知
にんち
症
しょう
、
社会
しゃかい
も
見守
みまも
る
態勢
たいせい
を
中日新聞
ちゅうにちしんぶん
朝刊
ちょうかん
2013
年
ねん
9
月
がつ
29
日
にち
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130929061128619
「
愛知
あいち
県
けん
大府
おおぶ
市
し
の
認知
にんち
症
しょう
の
男性
だんせい
=
当時
とうじ
(91)=が2007
年
ねん
、
同市
どうし
の
駅
えき
で
電車
でんしゃ
にはねられたのは、
家族
かぞく
が
見守
みまも
りを
怠
おこた
ったからだとして、
電車
でんしゃ
の
遅延
ちえん
の
賠償金
ばいしょうきん
約
やく
720
万
まん
円
えん
を
遺族
いぞく
から
JR東海
じぇいあーるとうかい
に
払
はら
うように
命
めい
じた
判決
はんけつ
が8
月
がつ
、
名古屋
なごや
地裁
ちさい
であった。
徘徊
はいかい
(はいかい)は
予見
よけん
不能
ふのう
と
遺族
いぞく
は
主張
しゅちょう
したが、
地裁
ちさい
は、
医師
いし
の
診断
しんだん
書
しょ
などから
徘徊
はいかい
は
予見
よけん
できたと
認定
にんてい
。
在宅
ざいたく
介護
かいご
する
妻
つま
(85)=
同
どう
=が
男性
だんせい
から
目
め
を
離
はな
したことなどを
注意
ちゅうい
義務
ぎむ
を
怠
おこた
ったと
指摘
してき
し、JRが
求
もと
めた
損害
そんがい
賠償
ばいしょう
の
全額
ぜんがく
の
支払
しはら
いを
遺族
いぞく
に
求
もと
めた。
判決
はんけつ
後
ご
、「すべて
家族
かぞく
の
責任
せきにん
とは、
家族
かぞく
にとって
過酷
かこく
」「
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
閉
と
じ
込
こ
めにつながる
恐
おそ
れがある」とネット
上
じょう
などで
議論
ぎろん
が
起
お
きた。
遺族
いぞく
は
控訴
こうそ
しており、
地裁
ちさい
判決
はんけつ
の
是非
ぜひ
は
高裁
こうさい
判決
はんけつ
に
委
ゆだ
ねるが、
一
ひと
つ
言
い
えるのは、
社会
しゃかい
がリスクも
含
ふく
めて
認知
にんち
症
しょう
と
本格
ほんかく
的
てき
に
向
む
き
合
あ
う
時代
じだい
が
来
き
たということではないか。
地域
ちいき
が
受
う
け
皿
ざら
に
厚生
こうせい
労働省
ろうどうしょう
の
推計
すいけい
によると、12
年
ねん
の65
歳
さい
以上
いじょう
の
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
は
約
やく
462
万
まん
人
にん
。
全
ぜん
人口
じんこう
の27
人
にん
に1
人
にん
の
割合
わりあい
。
高齢
こうれい
化
か
で
今後
こんご
、さらに
増
ふ
える。
同省
どうしょう
は5
カ年
かねん
計画
けいかく
で「
認知
にんち
症
しょう
になっても
住
す
み
慣
な
れた
地域
ちいき
で
暮
く
らし
続
つづ
けられる
社会
しゃかい
」を
目指
めざ
すとし、
病院
びょういん
や
施設
しせつ
でなく
地域
ちいき
社会
しゃかい
を
認知
にんち
症
しょう
の
受
う
け
皿
ざら
に
据
す
えている。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
が、とりわけ
地域
ちいき
の
中
なか
で
増
ふ
える。
環境
かんきょう
の
変化
へんか
に
弱
よわ
い
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
にとって、
地域
ちいき
で
暮
く
らし
続
つづ
けるメリットは
大
おお
きい。
一方
いっぽう
、
今回
こんかい
のような
事故
じこ
やトラブルは、より
頻発
ひんぱつ
する
可能
かのう
性
せい
もある。
トラブル
防止
ぼうし
を
家族
かぞく
にすべて
任
まか
せるのか。それは
違
ちが
うだろう。「
介護
かいご
を
社会
しゃかい
化
か
する」という
介護
かいご
保険
ほけん
の
理念
りねん
に
反
はん
する。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
家
いえ
の
外
そと
に
出
だ
さないといった
方法
ほうほう
でトラブルを
防
ふせ
ぐべきでもない。
高齢
こうれい
者
しゃ
虐待
ぎゃくたい
防止
ぼうし
法
ほう
は「
外部
がいぶ
との
接触
せっしょく
を
意図
いと
的
てき
、
継続
けいぞく
的
てき
に
遮断
しゃだん
する
行為
こうい
」も
身体
しんたい
的
てき
虐待
ぎゃくたい
の
一種
いっしゅ
としているからだ。
家族
かぞく
の
介護
かいご
力
りょく
は
核
かく
家族
かぞく
化
か
で
弱
よわ
まっている。
家族
かぞく
任
まか
せにせず、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
との
共存
きょうぞん
を
前提
ぜんてい
にした
社会
しゃかい
づくりを
進
すす
めるより
他
た
に
道
みち
はないのではないか。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
と
家族
かぞく
の
会
かい
愛知
あいち
県
けん
支部
しぶ
の
尾
お
之
の
内
うち
直美
なおみ
代表
だいひょう
は、
認知
にんち
症
しょう
への
周囲
しゅうい
の
理解
りかい
が
大切
たいせつ
という。ごみ
出
だ
し
日
び
の
間違
まちが
いや
買
か
い
物
もの
の
精算
せいさん
忘
わす
れなど、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
失敗
しっぱい
を「
認知
にんち
症
しょう
という
病気
びょうき
のため」と
理解
りかい
してもらえれば、
家族
かぞく
の
心
しん
の
負担
ふたん
が
減
へ
る。
周囲
しゅうい
の
理解
りかい
があれば
認知
にんち
症
しょう
だとも
明
あ
かしやすい。
もし、
認知
にんち
症
しょう
で
行方
ゆくえ
不明
ふめい
になっても、その
人
ひと
が
認知
にんち
症
しょう
と
知
し
る
人
ひと
が
多
おお
くいれば、
呼
よ
び
止
と
めて
家族
かぞく
に
連絡
れんらく
することもできる。
自治体
じちたい
によっては、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
行方
ゆくえ
不明
ふめい
を
想定
そうてい
した
捜索
そうさく
訓練
くんれん
もしている。
認知
にんち
症
しょう
の
簡単
かんたん
な
講習
こうしゅう
を
受
う
け、
身近
みぢか
な
手助
てだす
け
役
やく
と
期待
きたい
される
認知
にんち
症
しょう
サポーターは、05
年
ねん
に
養成
ようせい
が
始
はじ
まり、6
月
がつ
末
まつ
で
約
やく
428
万
まん
人
にん
まで
増
ふ
えた。
認知
にんち
症
しょう
への
意識
いしき
は
変
か
わりつつある。
判決
はんけつ
への
驚
おどろ
きは、このあたりの
意識
いしき
の
変化
へんか
が
根底
こんてい
にあるのかもしれない。
変
か
わる
企業
きぎょう
意識
いしき
写真
しゃしん
:
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
と
家族
かぞく
の
会
かい
愛知
あいち
県
けん
支部
しぶ
が
作成
さくせい
、ユニーグループ・ホールディングスが
研修
けんしゅう
に
使
つか
っている
教材
きょうざい
企業
きぎょう
の
意識
いしき
も
変
か
わってきている。
大手
おおて
スーパーの「ユニーグループ・ホールディングス」は、09
年
ねん
から、
開店
かいてん
や
店舗
てんぽ
の
改装
かいそう
の
際
さい
に、
従業
じゅうぎょう
員
いん
の
認知
にんち
症
しょう
研修
けんしゅう
をしている。
認知
にんち
症
しょう
になると
金銭
きんせん
の
計算
けいさん
も
手間取
てまど
る。
支払
しはら
いに
時間
じかん
がかかることもしばしば。そうしたときに、
後
うし
ろの
客
きゃく
を
別
べつ
のレジに
誘導
ゆうどう
する
対応
たいおう
などを
役割
やくわり
実演
じつえん
も
交
まじ
えて
学
まな
ぶ。
きっかけは
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
と
家族
かぞく
の
会
かい
愛知
あいち
県
けん
支部
しぶ
からの
協力
きょうりょく
要請
ようせい
。
百瀬
ももせ
則子
のりこ
グループ
環境
かんきょう
社会
しゃかい
貢献
こうけん
部長
ぶちょう
は、
店長
てんちょう
時代
じだい
の
経験
けいけん
から、
研修
けんしゅう
の
導入
どうにゅう
を
決
き
めた。
警備
けいび
員
いん
から
万引
まんびき
の
連絡
れんらく
を
受
う
け、
駆
か
け
付
つ
けると、
万引
まんびき
した
高齢
こうれい
者
しゃ
は
受
う
け
答
こた
えから
認知
にんち
症
しょう
が
疑
うたが
われた。
家族
かぞく
に
連絡
れんらく
し、
穏便
おんびん
に
解決
かいけつ
した。
従業
じゅうぎょう
員
いん
に
認知
にんち
症
しょう
の
知識
ちしき
があれば、より
適切
てきせつ
な
対応
たいおう
ができると
考
かんが
えた。「お
年寄
としよ
りは
長年
ながねん
、お
店
みせ
を
利用
りよう
していただいたお
客
きゃく
さま。
認知
にんち
症
しょう
への
無
む
理解
りかい
から
悲
かな
しい
思
おも
いをさせたくない」と
百瀬
ももせ
さんは
話
はな
す。
万引
まんびき
と
列車
れっしゃ
事故
じこ
、
周囲
しゅうい
に
与
あた
える
影響
えいきょう
を
考
かんが
えると
同列
どうれつ
ではない。ただ、
問
と
われているのは
企業
きぎょう
が
認知
にんち
症
しょう
とどう
向
む
き
合
あ
うか。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
がトラブルを
起
お
こした
際
さい
の
金銭
きんせん
負担
ふたん
の
在
あ
り
方
かた
を
含
ふく
め、これを
機
き
に
議論
ぎろん
が
深
ふか
まればと
思
おも
う。
住民
じゅうみん
も
企業
きぎょう
も
決
けっ
して
人
ひと
ごとでない。
(
生活
せいかつ
部
ぶ
・
佐橋
さはし
大
だい
)」
◆2013
年
ねん
11月06
日
にち
くらし☆
解説
かいせつ
「どうする?
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
徘徊
はいかい
事故
じこ
」
NHK
解説
かいせつ
委員
いいん
室
しつ
解説
かいせつ
アーカイブス
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/172073.html
図表
ずひょう
:
略
りゃく
飯野
いいの
奈津子
なつこ
解説
かいせつ
委員
いいん
<
前説
ぜんせつ
>くらし☆
解説
かいせつ
です。きょうは、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
が
徘徊
はいかい
している
時
とき
に
起
お
きた
事故
じこ
を
巡
めぐ
る
裁判
さいばん
についてです。この
裁判
さいばん
の
判決
はんけつ
が、
介護
かいご
現場
げんば
に
波紋
はもん
を
広
ひろ
げています。
担当
たんとう
は
飯野
いいの
解説
かいせつ
委員
いいん
です。
Q1
判決
はんけつ
が、
波紋
はもん
を
広
ひろ
げているのはどうしてですか?
A1
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
自宅
じたく
で
介護
かいご
する
家族
かぞく
の
責任
せきにん
を
重
おも
く
見
み
た
判決
はんけつ
で、
在宅
ざいたく
での
介護
かいご
に
水
みず
を
差
さ
しかねないと
受
う
け
止
と
められているからです。まず、
裁判
さいばん
で
争
あらそ
われた
事故
じこ
の
概要
がいよう
を
整理
せいり
しておきます。
事故
じこ
が
起
お
きたのは2007
年
ねん
の
12月
じゅうにがつ
。
愛知
あいち
県内
けんない
に
住
す
む
当時
とうじ
91
歳
さい
だった
認知
にんち
症
しょう
の
男性
だんせい
が、
自宅
じたく
から
一人
ひとり
で
外
そと
に
出
で
て、およそ
一時
いちじ
間
あいだ
後
ご
に、3キロほど
離
はな
れたJRの
駅
えき
の
線路
せんろ
内
ない
で
列車
れっしゃ
にはねられて
亡
な
くなりました。この
事故
じこ
で
列車
れっしゃ
に
遅
おく
れなどが
出
で
たことから、JR
東海
とうかい
が、
振
ふ
り
替
か
え
輸送
ゆそう
の
費用
ひよう
などの
損害
そんがい
賠償
ばいしょう
として、およそ720
万
まん
円
えん
の
支払
しはら
いを
遺族
いぞく
に
求
もと
めて
提訴
ていそ
。
今年
ことし
8
月
がつ
の
名古屋
なごや
地裁
ちさい
の
判決
はんけつ
では、
遺族
いぞく
のうち、
同居
どうきょ
していた
男性
だんせい
の
妻
つま
と、
横浜
よこはま
に
住
す
む
長男
ちょうなん
の
2人
ふたり
に
賠償
ばいしょう
責任
せきにん
を
認
みと
め、JRが
求
もと
める
全額
ぜんがく
を
支払
しはら
うよう
命
めい
じました。
Q2
きゅーつー
こうした
事故
じこ
が
起
お
きた
場合
ばあい
、
遺族
いぞく
に
賠償
ばいしょう
を
求
もと
めるのは
一般
いっぱん
的
てき
なことですか?
A2
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
に
話
はなし
をききますと、
列車
れっしゃ
の
遅
おく
れなど
損害
そんがい
が
発生
はっせい
した
場合
ばあい
、
責任
せきにん
の
所在
しょざい
や
事実
じじつ
関係
かんけい
を
調
しら
べた
上
うえ
で
賠償
ばいしょう
請求
せいきゅう
するのが
基本
きほん
的
てき
な
立場
たちば
だということです。
Q3
今回
こんかい
裁判所
さいばんしょ
が、その
賠償
ばいしょう
責任
せきにん
を
妻
つま
と
長男
ちょうなん
に
認
みと
めた
理由
りゆう
はなんですか?
A3
亡
な
くなった
男性
だんせい
は
認知
にんち
症
しょう
の
症状
しょうじょう
が
重
おも
く、
責任
せきにん
能力
のうりょく
はなかったとしていますが、
妻
つま
と
長男
ちょうなん
の
二
に
人
にん
については、
過去
かこ
の
徘徊
はいかい
歴
れき
などから
事故
じこ
は
予見
よけん
できたとして、
防止
ぼうし
策
さく
を
怠
おこた
った
責任
せきにん
があったとしているんです。
亡
な
くなった
男性
だんせい
は
当時
とうじ
85
歳
さい
だった
妻
つま
と
二
に
人
にん
暮
く
らし。
身
み
の
回
まわ
りを
世話
せわ
していたのは、
同居
どうきょ
していた
妻
つま
と、
横浜
よこはま
から
近所
きんじょ
に
移
うつ
り
住
す
んだ
長男
ちょうなん
の
妻
つま
でした。
事故
じこ
当日
とうじつ
、
家
いえ
には
長男
ちょうなん
の
妻
つま
もいましたが、
片付
かたづ
けのために
席
せき
をはずし、
一緒
いっしょ
にいた
妻
つま
がまどろんだ、ほんのわずかな
間
あいだ
に、
男性
だんせい
は
外
そと
に
出
で
ていってしまいました。
判決
はんけつ
は、まず、
男性
だんせい
の
妻
つま
について、「
目
め
を
離
はな
さずに
見守
みまも
ることが
必要
ひつよう
だったのにそれを
怠
おこた
った」と
賠償
ばいしょう
責任
せきにん
を
認
みと
めています。
そして、
横浜
よこはま
に
住
す
む
長男
ちょうなん
については、
家族
かぞく
会議
かいぎ
を
開
ひら
いて
介護
かいご
の
方針
ほうしん
を
決
き
めたりしていたので「
事実
じじつ
上
じょう
の
監督
かんとく
者
しゃ
」とした
上
うえ
で、ヘルパーをお
願
ねが
いするなど
徘徊
はいかい
を
防
ふせ
ぐ
措置
そち
を
怠
おこた
ったと
指摘
してき
しています。
一方
いっぽう
、
他
た
のきょうだいには、
介護
かいご
に
深
ふか
く
関
かか
わっていなかったなどとして、
責任
せきにん
を
認
みと
めませんでした。
Q4
介護
かいご
する
家族
かぞく
の
責任
せきにん
を
重
おも
く
見
み
た、
厳
きび
しい
判決
はんけつ
ですね。
A4
今回
こんかい
の
判決
はんけつ
は、
認知
にんち
症
しょう
の
介護
かいご
のあり
方
かた
ではなく、
損害
そんがい
をだれが
負担
ふたん
すべきかということについて
出
だ
されたものですが、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
自宅
じたく
や
施設
しせつ
で
介護
かいご
する
人
ひと
たちも、
厳
きび
しい
判決
はんけつ
と
受
う
け
止
と
めています。
その
理由
りゆう
のひとつは、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
見守
みまも
る
注意
ちゅうい
義務
ぎむ
を
家族
かぞく
に
厳
きび
しく
求
もと
めている
点
てん
です。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
は
周
まわ
りがどんなに
注意
ちゅうい
していても、
勝手
かって
に
出
で
て
行
い
ってしまうことがあります。もし
徘徊
はいかい
させるなというなら、
部屋
へや
に
鍵
かぎ
をかけて
閉
と
じ
込
こ
めざるをえず、それでは、
本人
ほんにん
の
思
おも
いに
寄
よ
り
添
そ
った
介護
かいご
ができなくなるという
声
こえ
が
出
で
ているのです。
もうひとつは、
介護
かいご
に
深
ふか
くかかわるほど
重
おも
い
責任
せきにん
を
問
と
われていることです。
長男
ちょうなん
は、
親
おや
の
介護
かいご
のために
妻
つま
を
実家
じっか
近
ちか
くに
住
す
まわせ、
自分
じぶん
も
月
つき
に3
回
かい
ほど
実家
じっか
を
訪
おとず
れていたといいます。その
長男
ちょうなん
の
責任
せきにん
を
認
みと
め、
介護
かいご
とのかかわりが
少
すく
ないほかのきょうだいは、
責任
せきにん
を
問
と
われなかった。これでは、
積極
せっきょく
的
てき
に
親
おや
の
面倒
めんどう
を
看
み
ようという
子供
こども
がいなくなるのではないかと、
話
はな
す
人
ひと
もいます。
Q5 そうした
不安
ふあん
が
広
ひろ
がるのも、わかる
気
き
がしますね。
A5
えいご
しかし、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
閉
と
じ
込
こ
めたり、
親
おや
の
面倒
めんどう
を
看
み
る
人
じん
がいなくなったりするようでは、
本人
ほんにん
も
家族
かぞく
も
幸
しあわ
せとはいえません。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
は、
全国
ぜんこく
で462
万
まん
人
にん
、
認知
にんち
症
しょう
になる
可能
かのう
性
せい
がある
軽度
けいど
認知
にんち
障害
しょうがい
の
人
ひと
も400
万
まん
人
にん
いると
推計
すいけい
されています。65
歳
さい
以上
いじょう
の
高齢
こうれい
者
しゃ
のおよそ4
人
にん
に
1人
ひとり
が、
認知
にんち
症
しょう
とその
予備
よび
軍
ぐん
ということですから、
誰
だれ
もが
今回
こんかい
のような
事故
じこ
に、
遭遇
そうぐう
する
可能
かのう
性
せい
があるといえると
思
おも
います。
今回
こんかい
の
問題
もんだい
では、
遺族
いぞく
が
名古屋
なごや
高裁
こうさい
に
控訴
こうそ
し、
司法
しほう
の
場
ば
で
家族
かぞく
の
責任
せきにん
について
改
あらた
めて
判断
はんだん
することになりますが、この
裁判
さいばん
とは
別
べつ
に、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
が
徘徊
はいかい
することもあるという
前提
ぜんてい
で、
社会
しゃかい
全体
ぜんたい
でどう
支
ささ
えていくのか
考
かんが
えていくことが
重要
じゅうよう
だと
思
おも
います。
Q6
具体
ぐたい
的
てき
には、どんなことを
考
かんが
える
必要
ひつよう
がありますか?
A6 まず、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
が
他
た
の
人
ひと
に
損害
そんがい
を
与
あた
えるような
事故
じこ
を
起
お
こした
時
とき
に、だれがどう
賠償
ばいしょう
するのかということです。
賠償
ばいしょう
責任
せきにん
を
家族
かぞく
だけにおわせるのではなく、
多
おお
くの
人
ひと
で
支
ささ
えあう
仕組
しく
みを
検討
けんとう
する
必要
ひつよう
があると
思
おも
います。たとえば、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
や
家族
かぞく
の
間
あいだ
で
互助
ごじょ
的
てき
な
保険
ほけん
を
作
つく
ったり、
介護
かいご
保険
ほけん
に
組
く
み
入
い
れた
新
あら
たな
仕組
しく
みを
作
つく
ったりすることが
考
かんが
えられます。
Q7 そうした
仕組
しく
みができれば、
家族
かぞく
の
精神
せいしん
的
てき
な
負担
ふたん
も
軽減
けいげん
できますよね。
A7 そう
思
おも
います。それともう
一
ひと
つ
大事
だいじ
なことは、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
が
徘徊
はいかい
しても、
事故
じこ
に
遭遇
そうぐう
するリスクを
減
へ
らす
環境
かんきょう
づくりです。たとえば、
今回
こんかい
裁判
さいばん
になった
鉄道
てつどう
事故
じこ
では、
亡
な
くなった
男性
だんせい
がどこからどのように
線路
せんろ
に
入
はい
ったのかわかっていませんが、そうした
事故
じこ
が
起
お
きた
時
とき
には
経路
けいろ
など
原因
げんいん
をつきとめ、
再発
さいはつ
防止
ぼうし
のために
安全
あんぜん
対策
たいさく
を
講
こう
じることが
必要
ひつよう
だと
思
おも
います。
Q8
線路
せんろ
に
入
い
れないよう
柵
しがらみ
を
設
もう
けたりしたら、
事故
じこ
を
防
ふせ
げますよね。
A8 そして、
地域
ちいき
で
徘徊
はいかい
する
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
見守
みまも
る
体制
たいせい
を
整
ととの
えることです。
徘徊
はいかい
しても
地域
ちいき
の
誰
だれ
かが
気
き
がつけば、
事故
じこ
を
防
ふせ
げるからです。
そうした
地域
ちいき
づくりを
始
はじ
めて10
年
ねん
以上
いじょう
になる、
福岡
ふくおか
県
けん
大牟田
おおむた
市
し
をご
紹介
しょうかい
します。
大牟田
おおむた
市
し
は
人口
じんこう
12
万
まん
人
にん
あまり。「
安心
あんしん
して
徘徊
はいかい
できる
街
まち
づくり」をスローガンに
掲
かか
げて
様々
さまざま
取
と
り
組
く
みを
進
すす
めています。
その
一
ひと
つが、
毎年
まいとし
一
いち
回
かい
行
おこな
う、
徘徊
はいかい
SOSネットワーク
模擬
もぎ
訓練
くんれん
です。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
行方
ゆくえ
が
分
わ
からなくなったという
想定
そうてい
で、
徘徊
はいかい
者
しゃ
役
やく
の
人
ひと
が
町
まち
を
歩
ある
き
回
まわ
り、
情報
じょうほう
伝達
でんたつ
や
捜索
そうさく
・
声
こえ
掛
か
け・
保護
ほご
までの
一連
いちれん
の
流
なが
れを
行
おこな
います。
このほか、
地域
ちいき
のネットワークづくりをけん
引
いん
する、
認知
にんち
症
しょう
コーディネーターを
独自
どくじ
に
養成
ようせい
したり、
認知
にんち
症
しょう
について
学
まな
んでもらう
出前
でまえ
授業
じゅぎょう
を
小中学校
しょうちゅうがっこう
で
開
ひら
いたり。
先日
せんじつ
取材
しゅざい
した
延命
えんめい
中学校
ちゅうがっこう
の
授業
じゅぎょう
では、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
本人
ほんにん
から
話
はなし
をきいてどう
対応
たいおう
すればいいか、
生徒
せいと
たちが
話
はな
し
合
あ
いました。「
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
は
何
なに
もわからないと
思
おも
ったけれど、やりたいことがたくさんあるときいて、
支
ささ
えてあげたいと
思
おも
った」「
優
やさ
しく
声
こえ
をかけたい」など
意見
いけん
が
出
で
ていて、
子供
こども
のうちから
認知
にんち
症
しょう
について
学
まな
ぶことがとても
重要
じゅうよう
だと
思
おも
いました。
Q9 そうした
取
と
り
組
く
みの
成果
せいか
は
出
で
ているのですか?
A9
徘徊
はいかい
ネットワークを
使
つか
って
保護
ほご
される
高齢
こうれい
者
しゃ
は
少
すく
なくありませんし、
保護
ほご
される
前
まえ
に
子供
こども
たちが
声
こえ
をかけて
自宅
じたく
まで
送
おく
り
届
とど
けたりすることもたびたびあるそうです。
先週
せんしゅう
行
おこな
われた
徘徊
はいかい
模擬
もぎ
訓練
くんれん
の
報告
ほうこく
会
かい
では、
名古屋
なごや
地裁
ちさい
の
判決
はんけつ
で、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
徘徊
はいかい
に
不安
ふあん
を
感
かん
じる
人
ひと
が
多
おお
い
時
とき
だからこそ、
安心
あんしん
して
徘徊
はいかい
できる
街
まち
づくりを
着実
ちゃくじつ
に
進
すす
めていこうと
確認
かくにん
し
合
あ
っていました。
大牟田
おおむた
を
取材
しゅざい
して
感
かん
じたのは、
地域
ちいき
に
暮
く
らす
人
ひと
たちが
認知
にんち
症
しょう
への
理解
りかい
を
深
ふか
め、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
のことを
気
き
にかけてちょっと
声
こえ
をかける。そうしたことがとても
大事
だいじ
だということです。
危
あぶ
ないからと
家
いえ
に
閉
と
じ
込
こ
めるのではなく、
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
と
家族
かぞく
を
包
つつ
み
込
こ
む
街
まち
づくりが、これからますます
必要
ひつよう
になってくると
思
おも
います。」
◆2013/11/07 「
認知
にんち
症
しょう
男性
だんせい
の
列車
れっしゃ
事故
じこ
720
万
まん
円
えん
損害
そんがい
賠償
ばいしょう
命令
めいれい
で
波紋
はもん
」
産経新聞
さんけいしんぶん
2013.11.7 09:00[
防犯
ぼうはん
・
防災
ぼうさい
]
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131107/bdy13110708420001-n1.htm
写真
しゃしん
:
認知
にんち
症
しょう
の
男性
だんせい
が
電車
でんしゃ
にはねられ
死亡
しぼう
する
事故
じこ
が
起
お
きた
愛知
あいち
県内
けんない
のJR
駅
えき
「
高齢
こうれい
の
認知
にんち
症
しょう
の
男性
だんせい
が
平成
へいせい
19
年
ねん
12月
じゅうにがつ
、
線路
せんろ
内
ない
に
立
た
ち
入
い
って
列車
れっしゃ
事故
じこ
で
死亡
しぼう
し、
男性
だんせい
の
親族
しんぞく
が
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
へ
代替
だいたい
輸送
ゆそう
などにかかった
費用
ひよう
約
やく
720
万
まん
円
えん
を
払
はら
うよう
命
めい
じられた
判決
はんけつ
が
今年
ことし
8
月
がつ
、
名古屋
なごや
地裁
ちさい
であり、
関係
かんけい
者
しゃ
に
波紋
はもん
を
呼
よ
んでいる。
地域
ちいき
での
見守
みまも
りで「
家
いえ
での
暮
く
らし」を
支
ささ
えようとする
住民
じゅうみん
や
自治体
じちたい
職員
しょくいん
からも「ショックだ」との
声
こえ
が
上
あ
がっている。(
佐藤
さとう
好美
よしみ
)
判決
はんけつ
などによると、
JR東海
じぇいあーるとうかい
の
線路
せんろ
内
ない
で
列車
れっしゃ
にはねられ、
死亡
しぼう
したのは
愛知
あいち
県内
けんない
に
住
す
んでいた
当時
とうじ
91
歳
さい
の
男性
だんせい
。
同居
どうきょ
の
妻
つま
(
当時
とうじ
85)は
要
よう
介護
かいご
度
ど
1で、
横浜
よこはま
市
し
に
住
す
む
長男
ちょうなん
の
嫁
よめ
が2
級
きゅう
ヘルパーの
資格
しかく
を
取
と
って
近隣
きんりん
へ
転居
てんきょ
。
通
かよ
いで
老
ろう
々
介護
かいご
を
支
ささ
えていた。
男性
だんせい
は
要
よう
介護
かいご
度
ど
4で
認知
にんち
症
しょう
日常
にちじょう
生活
せいかつ
自立
じりつ
度
ど
IV。
親族
しんぞく
の
代理人
だいりにん
弁護士
べんごし
によると、
尿意
にょうい
はあってもトイレの
場所
ばしょ
は
分
わ
からず、
着替
きが
えの
際
さい
は
家族
かぞく
が
衣類
いるい
を
順番
じゅんばん
に
手渡
てわた
す
状態
じょうたい
。しかし、
生活
せいかつ
は
穏
おだ
やかで、
男性
だんせい
がゴミ
出
だ
しや
街路
がいろ
樹
じゅ
への
水
みず
まき、
草取
くさと
りをする
際
さい
には、
家族
かぞく
がガラス
戸
と
越
ご
しに
様子
ようす
を
見守
みまも
り、
男性
だんせい
が
故郷
こきょう
へ「
帰
かえ
る」とい
出
いだ
せば、
長男
ちょうなん
の
嫁
よめ
がいつものカバンを
持
も
たせ、
男性
だんせい
の
気
き
の
済
す
むまで
後
ご
をついて
歩
ある
いていたという。
事故
じこ
は
男性
だんせい
が
通所
つうしょ
介護
かいご
から
帰宅
きたく
後
ご
に
起
お
きた。
妻
つま
と
嫁
よめ
の3
人
にん
でお
茶
ちゃ
を
飲
の
んだ
後
のち
、
男性
だんせい
が
居眠
いねむ
りしたのを
見
み
て、
嫁
よめ
は
片付
かたづ
けに
立
た
ち、
妻
つま
もまどろんだ
隙
すき
に
男性
だんせい
はいなくなった。その
後
ご
、
線路
せんろ
内
ない
に
立
た
ち
入
い
り、
列車
れっしゃ
にはねられ
死亡
しぼう
した、との
知
し
らせが
来
き
た。
事故
じこ
後
ご
、
JR東海
じぇいあーるとうかい
は
男性
だんせい
の
妻
つま
と4
人
にん
の
子供
こども
たちに
振
ふ
り
替
か
え
輸送
ゆそう
などにかかった
費用
ひよう
約
やく
720
万
まん
円
えん
を
請求
せいきゅう
した。
同社
どうしゃ
は「
今回
こんかい
は
痛
いた
ましい
事故
じこ
で
気
き
の
毒
どく
な
事情
じじょう
は
承知
しょうち
している。ただ、
輸送
ゆそう
障害
しょうがい
が
発生
はっせい
すれば、
特急
とっきゅう
券
けん
の
払
はら
い
戻
もど
しをしたり、
振
ふ
り
替
か
え
輸送
ゆそう
の
費用
ひよう
を
他
た
の
輸送
ゆそう
機関
きかん
に
払
はら
う
金額
きんがく
が
発生
はっせい
したりする。
列車
れっしゃ
の
遅延
ちえん
が
第三者
だいさんしゃ
に
起因
きいん
するときは
必
かなら
ず
損害
そんがい
賠償
ばいしょう
請求
せいきゅう
はする。しかし、
相続
そうぞく
放棄
ほうき
をされていて
訴訟
そしょう
に
至
いた
らないケースもある」とする。
訴訟
そしょう
では、
本人
ほんにん
の
責任
せきにん
能力
のうりょく
と
親族
しんぞく
の
監督
かんとく
責任
せきにん
が
問
と
われ、
名古屋
なごや
地裁
ちさい
は
本人
ほんにん
の
責任
せきにん
能力
のうりょく
を「
認
みと
められない」としたうえで、
長男
ちょうなん
を「
事実
じじつ
上
じょう
の
監督
かんとく
者
しゃ
」と
認
みと
め、
妻
つま
については「
目
め
を
離
はな
さずに
見守
みまも
ることを
怠
おこた
った
過失
かしつ
がある」とし、
2人
ふたり
に
請求
せいきゅう
額
がく
を
払
はら
うよう
命
めい
じた。
□24
時
じ
間
あいだ
の
見守
みまも
りは
不可能
ふかのう
新
あら
たなシステムづくり
必要
ひつよう
判決
はんけつ
は、
在宅
ざいたく
介護
かいご
を
支
ささ
える
人々
ひとびと
に
衝撃
しょうげき
を
与
あた
えた。
全国
ぜんこく
在宅
ざいたく
療養
りょうよう
支援
しえん
診療
しんりょう
所
しょ
連絡
れんらく
会
かい
会長
かいちょう
の
新田
にった
國夫
くにお
医師
いし
は「
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
判断
はんだん
能力
のうりょく
はその
時々
ときどき
で
変
か
わるので、
譫妄
せんもう
(せんもう)に
基
もと
づいた
徘徊
はいかい
(はいかい)なのか、
判断
はんだん
能力
のうりょく
があるのにたまたま
線路
せんろ
に
出
で
たのかは
医学
いがく
的
てき
にも
判断
はんだん
できず、
法律
ほうりつ
で
問
と
うこと
自体
じたい
に
限界
げんかい
がある。24
時
じ
間
あいだ
の
見守
みまも
りは、
自宅
じたく
介護
かいご
の
場合
ばあい
だけでなく、グループホームや
施設
しせつ
でもできない。それを
求
もと
めれば、
拘束
こうそく
したり
閉
と
じ
込
こ
めたりになりかねず、
人権
じんけん
侵害
しんがい
につながる」と
指摘
してき
する。
「
釧路
くしろ
地区
ちく
障害
しょうがい
老人
ろうじん
を
支
ささ
える
会
かい
(たんぽぽの
会
かい
)」の
岩渕
いわぶち
雅子
まさこ
会長
かいちょう
も「
介護
かいご
に
携
たずさ
わっていなかった
親族
しんぞく
は
責任
せきにん
を
問
と
われず、
介護
かいご
した
家族
かぞく
が
責任
せきにん
を
問
と
われるのでは
誰
だれ
も
介護
かいご
をしなくなる。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
が
外
そと
に
出
で
ないように、
家族
かぞく
が
外
そと
から
五寸
ごすん
くぎを
打
う
ち
付
つ
けて
介護
かいご
していた
時代
じだい
に
戻
もど
ったら
困
こま
る」と
言
い
う。
北海道
ほっかいどう
釧路
くしろ
市
し
では20
年
ねん
前
まえ
から、
行方
ゆくえ
不明
ふめい
の
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
地域
ちいき
ぐるみで
捜索
そうさく
・
保護
ほご
するネットワークをつくってきた。
今
いま
は
行方
ゆくえ
不明
ふめい
者
しゃ
が
出
で
ると、
警察
けいさつ
が
保健所
ほけんじょ
や
福祉
ふくし
事業
じぎょう
所
しょ
、
連合
れんごう
町内
ちょうない
会
かい
やラジオ
局
きょく
、ハイヤー
協会
きょうかい
、トラック
協会
きょうかい
など
約
やく
360
団体
だんたい
に
呼
よ
び
掛
か
け、
地域
ちいき
ぐるみで
捜
さが
す。
しかし、
事故
じこ
をゼロにするのは
困難
こんなん
だ。
岩渕
いわぶち
会長
かいちょう
は「
鉄道
てつどう
事故
じこ
が
起
お
きれば
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
も
経済
けいざい
的
てき
な
負担
ふたん
を
負
お
う。それを
会社
かいしゃ
が
負
お
うのもおかしい。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
が
交通
こうつう
事故
じこ
に
遭
あ
い、ひいた
人
ひと
が
罪
つみ
を
問
と
われるのも
困
こま
る。
新
あら
たなシステムづくりが
必要
ひつよう
だと
思
おも
う」。
別
べつ
のある
自治体
じちたい
では
実際
じっさい
に
見守
みまも
りをしていた
認知
にんち
症
しょう
の
女性
じょせい
を
事故
じこ
で
亡
な
くした。
女性
じょせい
は
日
ひ
に
複
ふく
数
すう
回
かい
の
神社
じんじゃ
の
掃除
そうじ
が
日課
にっか
。
家族
かぞく
や
自治体
じちたい
は
女性
じょせい
が
盛夏
せいか
に
脱水
だっすい
で
倒
たお
れることを
心配
しんぱい
してチラシを
作成
さくせい
。
家
いえ
から
神社
じんじゃ
への
道
みち
沿
ぞ
いの
公的
こうてき
機関
きかん
や
地域
ちいき
の
人
ひと
に
働
はたら
き
掛
か
けて
女性
じょせい
を
見守
みまも
り、
行方
ゆくえ
不明
ふめい
になったら
連絡
れんらく
網
もう
で
捜
さが
す
仕組
しく
みをつくった。しかし、うまくいっているかに
見
み
えた2
年
ねん
後
ご
、
女性
じょせい
は
事故
じこ
で
死亡
しぼう
した。
職員
しょくいん
の
中
なか
からは「
在宅
ざいたく
にこだわり
過
す
ぎた
結果
けっか
ではないのか」との
声
こえ
も
出
で
た。しかし、
取
と
り
組
く
みをするまでには、
本人
ほんにん
の
意思
いし
をおもんぱかり、
家族
かぞく
にどう
暮
く
らしたいかを
確
たし
かめ、
自治体
じちたい
の
地域
ちいき
包括
ほうかつ
支援
しえん
センターや
福祉
ふくし
職
しょく
が
連携
れんけい
し、
周囲
しゅうい
でできることを
検討
けんとう
し、
地域
ちいき
で
共通
きょうつう
認識
にんしき
をつくって
取
と
り
組
く
んだ
経緯
けいい
がある。
事故
じこ
後
ご
も
家族
かぞく
の
気持
きも
ちを
聞
き
き、
地域
ちいき
の
人
ひと
の
意見
いけん
を
聞
き
き、
関係
かんけい
者
しゃ
間
あいだ
で
話
はな
し
合
あ
った。「
本人
ほんにん
の
意思
いし
には
添
そ
えた。それをもって
良
よ
しとするしかない」(
同
どう
自治体
じちたい
職員
しょくいん
)と
結論
けつろん
付
つ
けた。
取
と
り
組
く
みをやめれば
楽
らく
だし、
家族
かぞく
の
介護
かいご
負担
ふたん
を
一緒
いっしょ
に
担
にな
わなくても
自治体
じちたい
は
責任
せきにん
を
問
と
われない。だが、
今
いま
も
取
と
り
組
く
みを
進
すす
める。
認知
にんち
症
しょう
になっても、それ
以前
いぜん
と
変
か
わらぬ
暮
く
らしができる
町
まち
にするのが
願
ねが
いだ。
「
本当
ほんとう
にあれで
良
よ
かったのか、
今
いま
も
整理
せいり
がつかない。しかし、プロセスを
丁寧
ていねい
に
積
つ
み
上
あ
げ、
関係
かんけい
者
しゃ
の
合意
ごうい
で
意思
いし
決定
けってい
をした。これで
良
よ
いというやり
方
かた
はない。
今後
こんご
も
一
いち
件
けん
一
いち
件
けん
、
個別
こべつ
に
考
かんが
えて
対応
たいおう
していくしかない」(
同
どう
)と
話
はな
している。
□
社会
しゃかい
で
保障
ほしょう
する
仕組
しく
みを
認知
にんち
症
しょう
介護
かいご
研究
けんきゅう
・
研修
けんしゅう
東京
とうきょう
センターの
永田
ながた
久美子
くみこ
部長
ぶちょう
の
話
はなし
「
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
を
地域
ちいき
で
支
ささ
えるには、
理解
りかい
と
合意
ごうい
を
積
つ
み
上
あ
げて
行動
こうどう
を
起
お
こすのが
回
まわ
り
道
みち
に
見
み
えて
最短
さいたん
の
道
みち
だ。
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
にも
見守
みまも
りのネットワークに
参加
さんか
してもらうことで
網
あみ
の
目
め
は
細
こま
かくなっていく。それでも
事故
じこ
は
起
お
こる。
個人
こじん
や
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
にのみ
責任
せきにん
を
負
お
わせるのではなく、
鉄道
てつどう
事故
じこ
や
自動車
じどうしゃ
事故
じこ
などで
生
しょう
じる
損害
そんがい
は
社会
しゃかい
で
保障
ほしょう
する
仕組
しく
みが
必要
ひつよう
。
判決
はんけつ
を
機
き
に、
社会
しゃかい
的
てき
な
見守
みまも
りや
支
ささ
え
合
あ
いの
合意
ごうい
をつくり、
損害
そんがい
をどう
分
わ
かち
合
あ
うかを
議論
ぎろん
し、
人
ひと
と
費用
ひよう
と
制度
せいど
の
重層
じゅうそう
的
てき
な
支
ささ
えをつくっていく
必要
ひつよう
がある」
◆2013/11/23 「
認知
にんち
症
しょう
男性
だんせい
の
電車
でんしゃ
事故
じこ
遺族
いぞく
側
がわ
「
賠償
ばいしょう
見直
みなお
しを」」
『
中日新聞
ちゅうにちしんぶん
』
朝刊
ちょうかん
2013
年
ねん
11月23
日
にち
「
愛知
あいち
県
けん
大府
おおぶ
市
し
の
認知
にんち
症
しょう
の
男性
だんせい
=
当時
とうじ
(91)=が
電車
でんしゃ
にはねられたのは
家族
かぞく
が
見守
みまも
り を
怠
おこた
ったからだとして、
JR東海
じぇいあーるとうかい
が
遺族
いぞく
5
人
にん
に
対
たい
し、
電車
でんしゃ
の
遅延
ちえん
の
賠償金
ばいしょうきん
約
やく
720
万
まん
円
えん
を
求
もと
めた
訴訟
そしょう
の
控訴
こうそ
審
しん
第
だい
1
回
かい
口頭
こうとう
弁論
べんろん
が22
日
にち
、
名古屋
なごや
高裁
こうさい
であった。
一
いち
審
しん
は
遺族
いぞく
に
全額
ぜんがく
の
支払
しはら
いを
命
めい
じたため、
遺族
いぞく
が
控訴
こうそ
。JR
側
がわ
は
控訴
こうそ
棄却
ききゃく
を
求
もと
めた。
遺族
いぞく
側
がわ
は
控訴
こうそ
理由
りゆう
で、
事故
じこ
当日
とうじつ
まで、
同居
どうきょ
の
妻
つま
らが
目
め
を
離
はな
した
隙
すき
に
男性
だんせい
が
1人
ひとり
で
外出
がいしゅつ
して
行方
ゆくえ
不明
ふめい
になったことはなく、
予見
よけん
可能
かのう
性
せい
はなかったと
主張
しゅちょう
。
線路
せんろ
への
侵入
しんにゅう
防止
ぼうし
対策
たいさく
を
十分
じゅうぶん
に
取
と
らないまま、JR
側
がわ
が
遺族
いぞく
にだけ
賠償
ばいしょう
請求
せいきゅう
するのはおかしいと
訴
うった
えた。
8
月
がつ
の
一
いち
審
しん
名古屋
なごや
地裁
ちさい
判決
はんけつ
によると、
男性
だんせい
は2007
年
ねん
12月
じゅうにがつ
、
同居
どうきょ
の
当時
とうじ
85
歳
さい
の
妻
つま
がまどろむ
間
あいだ
に
外出
がいしゅつ
。
大府
おおぶ
市
し
のJR
東海道
とうかいどう
線
せん
共和
きょうわ
駅
えき
で
線路
せんろ
に
入
はい
り、
電車
でんしゃ
にはねられ
死亡
しぼう
した。
地裁
ちさい
は、
医師
いし
の
診断
しんだん
書
しょ
などから
徘徊
はいかい
(はいかい)は
予見
よけん
できたとし、
妻
つま
らの
注意
ちゅうい
義務
ぎむ
違反
いはん
を
認定
にんてい
した。」
◆2013/12/11 「
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
徘徊
はいかい
は
防
ふせ
ぎきれない
家族
かぞく
に
責任
せきにん
を
押
お
し
付
つ
けた
一
いち
審
しん
判決
はんけつ
は
取
と
り
消
け
すべき――
認知
にんち
症
しょう
列車
れっしゃ
事故
じこ
名古屋
なごや
地裁
ちさい
判決
はんけつ
に
対
たい
する
見解
けんかい
」
2013
年
ねん
12
月
がつ
11
日
にち
公益社
こうえきしゃ
団
だん
法人
ほうじん
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
と
家族
かぞく
の
会
かい
http://www.alzheimer.or.jp/webfile/nagoyahanketukenkai.pdf
◆2014/01/12 「
認知
にんち
症
しょう
:115
人
にん
鉄道
てつどう
事故死
じこし
遺族
いぞく
に
賠償
ばいしょう
請求
せいきゅう
も」
毎日新聞
まいにちしんぶん
2014
年
ねん
01
月
がつ
12
日
にち
03
時
じ
00
分
ふん
(
最終
さいしゅう
更新
こうしん
01
月
がつ
12
日
にち
04
時
じ
19
分
ふん
)
http://mainichi.jp/select/news/20140112k0000m040087000c.html
図
ず
:
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
事故
じこ
と
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
の
対応
たいおう
例
れい
[
一部
いちぶ
略
りゃく
・
以下
いか
片岡
かたおか
さんによる]
※
片岡
かたおか
注
ちゅう
図
ず
の
貼
は
り
付
づ
けで、
事故
じこ
年月
としつき
・
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
・
遺族
いぞく
への
請求
せいきゅう
額
がく
・
運休
うんきゅう
本数
ほんすう
・
影響
えいきょう
人員
じんいん
の
表
ひょう
がある。
合計
ごうけい
10の
対応
たいおう
例
れい
で、
運休
うんきゅう
本数
ほんすう
・
影響
えいきょう
人員
じんいん
を
除
のぞ
いた
部分
ぶぶん
を
編集
へんしゅう
して
記
しる
す。
07.12 JR
東海
とうかい
720
万
まん
円
えん
09.05 JR
九州
きゅうしゅう
請求
せいきゅう
なし
10.09 JR
東日本
ひがしにっぽん
請求
せいきゅう
なし
11.01 JR
西日本
にしにほん
請求
せいきゅう
なし
11.07 JR
北海道
ほっかいどう
請求
せいきゅう
なし
05.12
名鉄
めいてつ
80
万
まん
円
えん
09.11
南海
なんかい
請求
せいきゅう
なし
11.06
東武
とうぶ
16
万
まん
円
えん
12.03
東武
とうぶ
137
万
まん
円
えん
13.01
近鉄
きんてつ
80
万
まん
円
えん
認知
にんち
症
しょう
またはその
疑
うたが
いのある
人
ひと
が
列車
れっしゃ
にはねられるなどした
鉄道
てつどう
事故
じこ
が、2012
年度
ねんど
までの8
年間
ねんかん
で
少
すく
なくとも149
件
けん
あり、115
人
にん
が
死亡
しぼう
していたことが
分
わ
かった。
事故
じこ
後
ご
、
複数
ふくすう
の
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
がダイヤの
乱
みだ
れなどで
生
しょう
じた
損害
そんがい
を
遺族
いぞく
に
賠償
ばいしょう
請求
せいきゅう
していたことも
判明
はんめい
した。
当事
とうじ
者
しゃ
に
責任
せきにん
能力
のうりょく
がないとみられる
事故
じこ
で、どう
安全
あんぜん
対策
たいさく
を
図
はか
り、
誰
だれ
が
損害
そんがい
について
負担
ふたん
すべきか、
超
ちょう
高齢
こうれい
社会
しゃかい
に
新
あら
たな
課題
かだい
が
浮上
ふじょう
している。
鉄道
てつどう
事故
じこ
については
各社
かくしゃ
が
国土
こくど
交通省
こうつうしょう
に
届
とど
け
出
で
て、
同省
どうしょう
は「
運転
うんてん
事故
じこ
等
とう
整理
せいり
表
ひょう
」を
作成
さくせい
している。
毎日新聞
まいにちしんぶん
は
情報
じょうほう
公開
こうかい
請求
せいきゅう
で
得
え
た
整理
せいり
表
ひょう
と
各
かく
事故
じこ
の
警察
けいさつ
発表
はっぴょう
などから、「
認知
にんち
症
しょう
」という
言葉
ことば
が
介護
かいご
保険
ほけん
法
ほう
改正
かいせい
で
取
と
り
入
い
れられた05
年度
ねんど
以降
いこう
の
事例
じれい
を
調
しら
べた。
当事
とうじ
者
しゃ
が
認知
にんち
症
しょう
であることを
記載
きさい
していない
届
とど
け
出
で
も
多
おお
く、
件数
けんすう
はさらに
膨
ふく
らむ
可能
かのう
性
せい
がある。
事故
じこ
の
多
おお
くは
認知
にんち
症
しょう
による
徘徊
はいかい
(はいかい)や、
危険
きけん
性
せい
を
認識
にんしき
しないまま、フェンスなどの
囲
がこ
いがない
場所
ばしょ
や
踏切
ふみきり
から
線路
せんろ
に
入
はい
って
起
お
きたとみられる。
線路
せんろ
を
数
すう
百
ひゃく
メートルにわたって
歩
ある
いた
人
ひと
や、
通常
つうじょう
は
立
た
ち
入
い
れない
鉄橋
てっきょう
やトンネルで
事故
じこ
に
遭
あ
った
人
ひと
もいた。
08
年
ねん
1
月
がつ
に
大阪
おおさか
市
し
で
当時
とうじ
73
歳
さい
の
女性
じょせい
が
死亡
しぼう
した
事故
じこ
では、
駅
えき
ホームの
端
はし
にある
職員
しょくいん
用
よう
の
鉄柵
てっさく
扉
とびら
から
入
はい
り
線路
せんろ
に
下
お
りた
可能
かのう
性
せい
がある。
本人
ほんにん
がGPS(
全
ぜん
地球
ちきゅう
測位
そくい
システム)
発信
はっしん
器
き
を
身
み
につけていたが、
間
ま
に
合
あ
わなかった
死亡
しぼう
事故
じこ
もあった。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
による
鉄道
てつどう
事故
じこ
を
巡
めぐ
っては、
名古屋
なごや
地裁
ちさい
判決
はんけつ
が
昨年
さくねん
8
月
がつ
、「
家族
かぞく
が
見守
みまも
りを
怠
おこた
った」という
JR東海
じぇいあーるとうかい
の
主張
しゅちょう
を
認
みと
めて
約
やく
720
万
まん
円
えん
の
賠償
ばいしょう
を
遺族
いぞく
に
命
めい
じた(
遺族
いぞく
側
がわ
が
控訴
こうそ
)。
家族
かぞく
会
かい
などからは「
一瞬
いっしゅん
の
隙
すき
(すき)なく
見守
みまも
るのは
不可能
ふかのう
。
判決
はんけつ
通
どお
り
重
おも
い
責任
せきにん
を
負
お
うなら
在宅
ざいたく
介護
かいご
はできなくなる」と
不安
ふあん
の
声
こえ
が
上
あ
がっている。
毎日新聞
まいにちしんぶん
は
JR東海
じぇいあーるとうかい
の
事故
じこ
を
含
ふく
め、
被害
ひがい
者
しゃ
の
氏名
しめい
や
所在地
しょざいち
が
判明
はんめい
した9
社
しゃ
10
件
けん
の
事故
じこ
について、
遺族
いぞく
や
関係
かんけい
者
しゃ
に
話
はなし
を
聞
き
いた。
遺族
いぞく
によると、
係争
けいそう
中
ちゅう
の
JR東海
じぇいあーるとうかい
のほか、
東武鉄道
とうぶてつどう
が2
件
けん
、
近畿日本鉄道
きんきにほんてつどう
と
名古屋
なごや
鉄道
てつどう
が
各
かく
1
件
けん
で
約
やく
16
万
まん
〜137
万
まん
円
えん
を
請求
せいきゅう
していた。
約
やく
137
万
まん
円
えん
のケースでは
会社
かいしゃ
側
がわ
が
事故
じこ
で
生
しょう
じた
社員
しゃいん
の
時間
じかん
外
がい
賃金
ちんぎん
や
振
ふ
り
替
か
え
輸送
ゆそう
費
ひ
などを
求
もと
めていた。この
事故
じこ
を
含
ふく
む2
件
けん
は
双方
そうほう
の
協議
きょうぎ
で
減額
げんがく
されたが、4
件
けん
とも
遺族
いぞく
側
がわ
が
賠償金
ばいしょうきん
を
支払
しはら
っている。
他
た
の5
件
けん
は
北海道
ほっかいどう
、
東日本
ひがしにっぽん
、
西日本
にしにほん
、
九州
きゅうしゅう
のJR4
社
しゃ
と
南海電鉄
なんかいでんてつ
の
事故
じこ
で、いずれも
請求
せいきゅう
なしだった。
遺族
いぞく
によると、
JR東日本
じぇいあーるひがしにほん
は「
認知
にんち
症
しょう
と
確認
かくにん
できたので
請求
せいきゅう
しない」、
南海
なんかい
は「
約
やく
130
万
まん
円
えん
の
損害
そんがい
が
出
で
たが
請求
せいきゅう
しない」と
伝
つた
えてきた。
JR東日本
じぇいあーるひがしにほん
は「そういった
伝
つた
え
方
かた
はしていない。
事実
じじつ
関係
かんけい
に
基
もと
づき
検討
けんとう
し、
請求
せいきゅう
を
見合
みあ
わせたのは
事実
じじつ
」、
南海
なんかい
は「
回答
かいとう
は
控
ひか
えたい」とコメントした。JR
各社
かくしゃ
で
請求
せいきゅう
しないケースが
目立
めだ
つ
一方
いっぽう
、
他社
たしゃ
では「
原則
げんそく
請求
せいきゅう
」の
対応
たいおう
が
少
すく
なくないとみられる。
12
年度
ねんど
の
鉄道
てつどう
事故死
じこし
者
しゃ
数
すう
は295
人
にん
、
統計
とうけい
上
じょう
別
べつ
区分
くぶん
の
自殺
じさつ
は631
件
けん
だった。【
山田
やまだ
泰
やすし
蔵
ぞう
、
銭場
ぜにば
裕司
ゆうじ
】
◇
認知
にんち
症
しょう
脳
のう
血管
けっかん
や
脳
のう
細胞
さいぼう
の
障害
しょうがい
で
記憶
きおく
力
りょく
や
判断
はんだん
力
りょく
が
低下
ていか
し、
日常
にちじょう
生活
せいかつ
に
支障
ししょう
が
生
しょう
じる
程度
ていど
に
至
いた
った
状態
じょうたい
。
以前
いぜん
は「
痴呆
ちほう
」と
呼
よ
ばれたが、
侮蔑
ぶべつ
的
てき
で
誤解
ごかい
を
招
まね
きやすいとの
理由
りゆう
で2004
年
ねん
12月
じゅうにがつ
、
厚生
こうせい
労働省
ろうどうしょう
が
行政
ぎょうせい
用語
ようご
を
変更
へんこう
した。12
年
ねん
の
患者
かんじゃ
数
すう
は「
予備
よび
軍
ぐん
」と
呼
よ
ばれる
軽度
けいど
認知
にんち
障害
しょうがい
の
人
ひと
(
約
やく
400
万
まん
人
にん
)を
含
ふく
めて
約
やく
862
万
まん
人
にん
に
上
のぼ
ると
推計
すいけい
され、
高齢
こうれい
者
しゃ
の4
人
にん
に1
人
にん
に
上
のぼ
るとみられる。
◇「
個人
こじん
賠償
ばいしょう
責任
せきにん
保険
ほけん
」などで
損害
そんがい
対応
たいおう
できる
可能
かのう
性
せい
日本
にっぽん
損害
そんがい
保険
ほけん
協会
きょうかい
によると、
遺族
いぞく
は「
個人
こじん
賠償
ばいしょう
責任
せきにん
保険
ほけん
」などと
呼
よ
ばれる
保険
ほけん
で
損害
そんがい
に
対応
たいおう
できる
可能
かのう
性
せい
がある。
自動車
じどうしゃ
保険
ほけん
や
火災
かさい
保険
ほけん
の
特約
とくやく
として
契約
けいやく
され、
保険
ほけん
料
りょう
は
年数
ねんすう
千
せん
円
えん
程度
ていど
。ただし
補償
ほしょう
例
れい
が「ボールで
人家
じんか
の
窓
まど
を
割
わ
った」「
飼
か
い
犬
いぬ
が
人
ひと
にけがをさせた」などと
記載
きさい
され、
鉄道
てつどう
事故
じこ
を
対象
たいしょう
と
考
かんが
えない
人
ひと
もいるとみられる。
協会
きょうかい
は「
種類
しゅるい
により
対象
たいしょう
になる
場合
ばあい
とならない
場合
ばあい
があるので
詳
くわ
しくは
保険
ほけん
会社
かいしゃ
に
相談
そうだん
してほしい」と
話
はな
している。」
◆2014/01/12 「
認知
にんち
症
しょう
:
鉄道
てつどう
事故死
じこし
遺族
いぞく
ら「24
時
じ
間
あいだ
見守
みまも
りなんて
無理
むり
」」
毎日新聞
まいにちしんぶん
2014
年
ねん
01
月
がつ
12
日
にち
04
時
じ
00
分
ふん
(
最終
さいしゅう
更新
こうしん
01
月
がつ
12
日
にち
04
時
じ
19
分
ふん
)
http://mainichi.jp/select/news/20140112k0000m040089000c.html
写真
しゃしん
:
東武
とうぶ
東上
とうじょう
線
せん
川越
かわごえ
駅
えき
近
ちか
くの
踏切
ふみきり
で、
伊藤
いとう
敦子
あつこ
さんは
右
みぎ
奥
おく
から
手前
てまえ
に
渡
わた
ろうとして
電車
でんしゃ
にはねられ
亡
な
くなった=
松下
まつした
英志
えいじ
撮影
さつえい
「
在宅
ざいたく
介護
かいご
に
取
と
り
組
く
み
家族
かぞく
を
失
うしな
った
各地
かくち
の
遺族
いぞく
が、
予期
よき
せぬ
賠償
ばいしょう
請求
せいきゅう
に
直面
ちょくめん
している。
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
の
鉄道
てつどう
事故
じこ
。
予防
よぼう
や
安全
あんぜん
対策
たいさく
が
追
お
いつかない
中
なか
、
遺族
いぞく
の
監督
かんとく
責任
せきにん
だけが
問
と
われる
事態
じたい
に、「できるだけ
住
す
み
慣
な
れた
地域
ちいき
で」という
国
くに
の
認知
にんち
症
しょう
施策
しさく
は
課題
かだい
を
突
つ
きつけられている。【
銭場
ぜにば
裕司
ゆうじ
、
山田
やまだ
泰
やすし
蔵
ぞう
、
松下
まつした
英志
えいじ
】
2012
年
ねん
3
月
がつ
6
日
にち
夕
ゆう
、
埼玉
さいたま
県
けん
川越
かわごえ
市
し
の
伊藤
いとう
貞二
ていじ
(ていじ)さん(78)
宅
たく
に
近
ちか
くに
住
す
む
長女
ちょうじょ
(44)が
立
た
ち
寄
よ
り、
首
くび
をかしげた。「お
母
かあ
さんは?」
「
寝
ね
ているだろ」。
伊藤
いとう
さんはそう
答
こた
えて
隣室
りんしつ
の
寝床
ねどこ
をのぞいたが、
妻
つま
敦子
あつこ
さん(
当時
とうじ
75
歳
さい
)の
姿
すがた
はない。
悪
わる
い
予
よ
感
かん
がした。まだ
肌寒
はだざむ
いのにコートは
置
お
かれ、
必
かなら
ず
身
み
に
着
つ
けさせていたGPS(
全
ぜん
地球
ちきゅう
測位
そくい
システム)
付
つ
きの
携帯
けいたい
電話
でんわ
や
名前
なまえ
と
連絡
れんらく
先
さき
を
書
か
いた「
迷子
まいご
札
さつ
」も
布団
ふとん
に
残
のこ
っていた。
予
よ
感
かん
は
当
あ
たってしまった。
敦子
あつこ
さんは
自宅
じたく
から
約
やく
15
分
ぶん
の
東武
とうぶ
東上
とうじょう
線
せん
川越
かわごえ
駅
えき
そばの
踏切
ふみきり
で、
電車
でんしゃ
にはねられ
死亡
しぼう
した。
高度
こうど
経済
けいざい
成長
せいちょう
期
き
に
自動車
じどうしゃ
部品
ぶひん
工場
こうじょう
で
職場
しょくば
結婚
けっこん
して50
年
ねん
近
ちか
く。
敦子
あつこ
さんは
孫
まご
ができたころから
物忘
ものわす
れが
目立
めだ
ち、70
歳
さい
を
過
す
ぎて
近
ちか
くの
病院
びょういん
で
胃
い
がんを
手術
しゅじゅつ
した
際
さい
、「
麻酔
ますい
で
症状
しょうじょう
が
悪
わる
くなることがある」と
告
つ
げられた。
退院
たいいん
後
ご
、
近
ちか
くのスーパーから1
人
にん
で
帰
かえ
れなくなり、
事故
じこ
の1
年
ねん
半
はん
ほど
前
まえ
に
認知
にんち
症
しょう
と
診断
しんだん
された。
週
しゅう
に1
度
ど
ほど
徘徊
はいかい
(はいかい)があり、
時折
ときおり
、
道
みち
が
分
わ
からなくなることはあったが、
大声
おおごえ
を
上
あ
げたり
排
はい
せつで
困
こま
らせたりすることはない。
要
よう
介護
かいご
度
ど
は「
部分
ぶぶん
的
てき
介護
かいご
が
必要
ひつよう
」とされる「2」。
施設
しせつ
に
入
い
れるほどではなく、デイサービスも
利用
りよう
しながら、
敦子
あつこ
さんは
住
す
み
慣
な
れた
家
いえ
で
穏
おだ
やかに
暮
く
らしていた。
事故
じこ
当日
とうじつ
は
伊藤
いとう
さんが
自治
じち
会
かい
の
用事
ようじ
で
出掛
でか
けた
直後
ちょくご
、
外
そと
に
出
で
たらしい。がんを
手術
しゅじゅつ
した
病院
びょういん
の
近
ちか
くで
見
み
たという
人
ひと
がおり、そこへ
行
い
こうとしたのかもしれない。
伊藤
いとう
さんは
帰宅
きたく
後
ご
、
妻
つま
の
不在
ふざい
に1
時
じ
間
あいだ
ほど
気付
きづ
かなかった。
「もう
少
すこ
し
早
はや
く
気付
きづ
いていれば……」。
悔
く
いは
残
のこ
るが「できる
限
かぎ
りのことはした」という
思
おも
いはある。
就寝
しゅうしん
時
じ
は
部屋
へや
の
出入
でい
り
口
ぐち
で
横
よこ
になり、
妻
つま
がトイレに
立
た
つ
度
たび
に
起
お
きて
見守
みまも
った。
近
ちか
くの
孫
まご
も
一緒
いっしょ
に
外出
がいしゅつ
する
際
さい
、
常
つね
に
敦子
あつこ
さんと
手
て
をつないで
注意
ちゅうい
を
払
はら
ってくれた。
万一
まんいち
に
備
そな
え
近所
きんじょ
にも
症状
しょうじょう
を
隠
かく
さず
伝
つた
えていた。
事故
じこ
の
約
やく
2
カ月
かげつ
後
ご
、
東武鉄道
とうぶてつどう
から
損害
そんがい
賠償
ばいしょう
を
求
もと
める
連絡
れんらく
が
来
き
た。
請求
せいきゅう
は137
万
まん
円
えん
余
あまり
。
年金
ねんきん
暮
く
らしの
身
み
にはとても
払
はら
えない。
相談
そうだん
した
弁護士
べんごし
の
尽力
じんりょく
のおかげか、
最終
さいしゅう
的
てき
に
東武鉄道
とうぶてつどう
は
事故
じこ
対応
たいおう
でかかった
人件
じんけん
費
ひ
など
自社
じしゃ
分
ぶん
の
請求
せいきゅう
を
放棄
ほうき
。JRやバスなど
他社
たしゃ
への
代替
だいたい
輸送
ゆそう
分
ぶん
63
万
まん
円
えん
余
あまり
を
支払
しはら
うことで
和解
わかい
が
成立
せいりつ
したが、
伊藤
いとう
さんは「
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
もどうすれば
事故
じこ
を
防
ふせ
げるか
考
かんが
えてほしい」と
思
おも
う。
同種
どうしゅ
事故
じこ
の
裁判
さいばん
で、
遺族
いぞく
に
賠償
ばいしょう
を
命
めい
じた
名古屋
なごや
地裁
ちさい
の
判決
はんけつ
(
昨年
さくねん
8
月
がつ
)は「
目
め
を
離
はな
さず
見守
みまも
ることを
怠
おこた
った
過失
かしつ
」を
認定
にんてい
した。
伊藤
いとう
さんは「
介護
かいご
実態
じったい
に
合
あ
わない」と
怒
いか
りを
覚
おぼ
える。「
鍵
かぎ
をかけて
柱
はしら
にでも
縛
しば
ってないと、24
時間
じかん
ずっと(の
見守
みまも
り)なんて
無理
むり
。でも
縛
しば
るのは
虐待
ぎゃくたい
だ。
判決
はんけつ
通
どお
りだと
買
か
い
物
もの
一
ひと
つできなくなる。
介護
かいご
する
人
ひと
は
一体
いったい
どうすればいいのか」
◇「
認知
にんち
症
しょう
の
人
ひと
と
家族
かぞく
の
会
かい
」の
高見
たかみ
国生
こくしょう
代表
だいひょう
理事
りじ
の
話
はなし
公共
こうきょう
的
てき
な
存在
そんざい
の
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
が、
社会
しゃかい
問題
もんだい
でもある
介護
かいご
の
難
むずか
しさを
考慮
こうりょ
せずに
賠償
ばいしょう
を
求
もと
めるのは
問題
もんだい
だ。
家族
かぞく
も
鉄道
てつどう
会社
かいしゃ
も
事故
じこ
は100%
防
ふせ
げない。
損害
そんがい
が
補償
ほしょう
される
公的
こうてき
な
制度
せいど
を
検討
けんとう
してほしい。
◇
鉄道
てつどう
事故
じこ
に
詳
くわ
しい
関西大
かんさいだい
社会
しゃかい
安全
あんぜん
学部
がくぶ
の
安部
あべ
誠治
せいじ
教授
きょうじゅ
の
話
はなし
遺族
いぞく
に
未
み
請求
せいきゅう
の
会社
かいしゃ
は
認知
にんち
症
しょう
を
考慮
こうりょ
した
可能
かのう
性
せい
があり、
妥当
だとう
な
対応
たいおう
だ。ただし、
高齢
こうれい
化
か
で
将来
しょうらい
事故
じこ
が
増
ふ
えると
会社
かいしゃ
だけに
損害
そんがい
を
負
お
わせるのは
酷
こく
だ。
社会
しゃかい
全体
ぜんたい
で
対策
たいさく
を
議論
ぎろん
する
必要
ひつよう
がある。」
>TOP
■■
文献
ぶんけん
■1970
◆
有吉
ありよし
佐和子
さわこ
19720610 『
恍惚
こうこつ
の
人
ひと
』,
新潮社
しんちょうしゃ
,312p. ASIN: B000J95OE4 690
[amazon]
※ →19820525(
文庫
ぶんこ
版
ばん
)→20030225
『
恍惚
こうこつ
の
人
ひと
』
(52
刷
さつ
改版
かいはん
),
新潮社
しんちょうしゃ
,
新潮
しんちょう
文庫
ぶんこ
,437p. ISBN-10:4101132186 ISBN-13:9784101132181 660
[amazon]
■1980
◆
浜田
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晋
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老人
ろうじん
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日本
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協会
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出版
しゅっぱん
会
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,174p. 1000 ※ **
◆
福永
ふくなが
哲也
てつや
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へん
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老人
ろうじん
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家庭
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家
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の
光協会
ひかりきょうかい
,254p. 1100
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なかじま
紀恵子
きえこ
・
石川
いしかわ
民雄
たみお
198311 『ぼけ――
理解
りかい
と
看護
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時事通信社
じじつうしんしゃ
,262p. 1300
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東京
とうきょう
都
と
老人
ろうじん
総合
そうごう
研究所
けんきゅうじょ
198503 『
小金井
こがねい
市
し
における
痴呆
ちほう
老人
ろうじん
実態
じったい
調査
ちょうさ
と
訪問
ほうもん
看護
かんご
に
関
かん
する
報告
ほうこく
書
しょ
』,
東京
とうきょう
都
と
老人
ろうじん
総合
そうごう
研究所
けんきゅうじょ
看護
かんご
学
がく
研究
けんきゅう
室
しつ
,74p.
■1990
◆
大渕
おおぶち
律子
りつこ
19931215 「
痴呆
ちほう
性
せい
老人
ろうじん
を
抱
かか
える
家族
かぞく
援助
えんじょ
と
訪問
ほうもん
看護
かんご
」,
上田
うえだ
敏
さとし
・
大塚
おおつか
俊男
としお
編
へん
[1993:205-221]
千葉
ちば
社
しゃ
4738-04
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
19970530 「「
痴呆
ちほう
」にまつわる
現象
げんしょう
の「
臨床
りんしょう
社会
しゃかい
学的
がくてき
」エッセイ:その
一
いち
――「
痴呆
ちほう
性
せい
老人
ろうじん
」とのコミュニケーションの
断絶
だんぜつ
とバーチャル・リアリティ」,『オープンフォーラム』02:09-12
◆
小沢
おざわ
勲
いさお
199806 『
痴呆
ちほう
老人
ろうじん
からみた
世界
せかい
――
老年
ろうねん
期
き
痴呆
ちほう
の
精神
せいしん
病理
びょうり
』,
岩崎
いわさき
学術
がくじゅつ
出版
しゅっぱん
社
しゃ
,258p. ISBN:4-7533-9807-2 3150
[amazon]
※
◆
前田
まえだ
泰樹
やすき
19981122 「
医療
いりょう
場面
ばめん
における
情緒
じょうちょ
をめぐるやりとりの
分析
ぶんせき
可能
かのう
性
せい
について――
痴呆
ちほう
に
関
かん
する
問診
もんしん
場面
ばめん
の
相互
そうご
行為
こうい
分析
ぶんせき
」,
日本
にっぽん
社会
しゃかい
学会
がっかい
第
だい
71
回
かい
大会
たいかい
報告
ほうこく
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
199811 「「
痴呆
ちほう
性
せい
老人
ろうじん
」の「
幼児
ようじ
扱
あつか
い」に
関
かん
する
一
いち
考察
こうさつ
――
施設
しせつ
ケアにおける
処遇
しょぐう
の
実情
じつじょう
と
問題
もんだい
解決
かいけつ
の
可能
かのう
性
せい
」,『
老人
ろうじん
生活
せいかつ
研究
けんきゅう
』(
老人
ろうじん
生活
せいかつ
研究所
けんきゅうじょ
)1998-11
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
199811 「
自分
じぶん
がおかしいという「
病
やまい
感
かん
」あり
症状
しょうじょう
に
隠
かく
された「わけ」の
理解
りかい
を」
『ばんぶう』(
日本
にっぽん
医療
いりょう
企画
きかく
)1998-11:118-119
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
1998 「「
呆
ほ
けそゆく」
人
ひと
びとの「
呆
ほ
けゆくこと」
体験
たいけん
における
意味
いみ
世界
せかい
への
接近
せっきん
――
相互
そうご
行為
こうい
的
てき
な「バイオグラフィカル・ワーク」を
手
て
がかりに」,『
社会
しゃかい
福祉
ふくし
学
がく
』(
日本
にっぽん
社会
しゃかい
福祉
ふくし
学会
がっかい
)39-2
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
1998 「「
呆
ほ
けゆくこと」
体験
たいけん
の
研究
けんきゅう
における
可能
かのう
性
せい
とその
方法
ほうほう
」
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
1998 「「
呆
ほ
けゆくこと」に
対
たい
する
歴史
れきし
・
文化
ぶんか
・
社会
しゃかい
的
てき
「まなざし」――「
痴呆
ちほう
性
せい
老人
ろうじん
」と
介護
かいご
者
しゃ
との
相互
そうご
作用
さよう
における
臨床
りんしょう
社会
しゃかい
学
がく
的
てき
研究
けんきゅう
」,
(財)
ざいだんほうじん
明治生命
めいじせいめい
厚生
こうせい
事業
じぎょう
団
だん
編
へん
『
第
だい
4
回
かい
「
健康
けんこう
文化
ぶんか
」
研究
けんきゅう
助成
じょせい
論
ろん
文集
ぶんしゅう
』91-113
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
199910 「
呆
ほ
けゆくこと」における「
気
き
づきの
文脈
ぶんみゃく
」と「
呆
ほ
けゆく」
本人
ほんにん
にとってのサポーティブ・ケアに
関
かん
する
考察
こうさつ
」
第
だい
72
回
かい
日本
にっぽん
社会
しゃかい
学会
がっかい
大会
たいかい
報告
ほうこく
◆
長谷川
はせがわ
和夫
かずお
(
聖
ひじり
マリアンナ
大学
だいがく
副
ふく
学長
がくちょう
)×
武藤
むとう
香織
かおり
199912 「
対談
たいだん
:わが
国
くに
のアルツハイマー
型
がた
痴呆
ちほう
のこれから――
老
お
いと
痴呆
ちほう
にやさしい
社会
しゃかい
の
実現
じつげん
をめざして」,『CLINICIAN』46(486):8-28.
■2000
◆
新村
しんむら
拓
たく
20020725 『
痴呆
ちほう
老人
ろうじん
の
歴史
れきし
――
揺
ゆ
れる
老
お
いのかたち』,
法政大学
ほうせいだいがく
出版
しゅっぱん
局
きょく
,202p. 2200 ※ * a
◆
天田
あまだ
城
しろ
介
かい
20030228 『<
老
お
い
衰
おとろ
えゆくこと>の
社会
しゃかい
学
がく
』,
多賀
たが
出版
しゅっぱん
,595p. ISBN:4-8115-6361-1 8500
[amazon]
/
[bk1]
※ **
cf.
立岩
たていわ
真
しん
也 2004/02/01
「
二
に
〇〇
三
さん
年
ねん
読書
どくしょ
アンケート」
,『みすず』46-1(2004-1・2)
cf.
立岩
たついわ
2006/03/25
「
天田
あまだ
城
しろ
介
かい
の
本
ほん
・1」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・58),『
看護
かんご
教育
きょういく
』47-03(2006-03):-(
医学書院
いがくしょいん
)
◆
小沢
おざわ
勲
いさお
20030718 『
痴呆
ちほう
を
生
い
きるということ』,
岩波
いわなみ
新書
しんしょ
新
しん
赤
あか
0847,223p. ISBN:4-00-430847-X 777
[amazon]
※
◆
天田
あまだ
城
しろ
介
かい
20040330 『
老
お
い
衰
おとろ
えゆく
自己
じこ
の/と
自由
じゆう
――
高齢
こうれい
者
しゃ
ケアの
社会
しゃかい
学
がく
的
てき
実践
じっせん
論
ろん
・
当事
とうじ
者
しゃ
論
ろん
』,ハーベスト
社
しゃ
,394p. ISBN:4-938551-68-3 3800
[amazon]
/
[bk1]
※ **
◆
小澤
おざわ
勲
いさお
・
土本
どもと
亜
あ
理子
さとこ
200409 『
物語
ものがたり
としての
痴呆
ちほう
ケア』,
三輪
みわ
書店
しょてん
,309p. ISBN: 4895902153
[amazon]
◆
小澤
おざわ
勲
いさお
20050318 『
認知
にんち
症
しょう
とは
何
なに
か』,
岩波
いわなみ
新書
しんしょ
・
新
しん
赤
あか
版
ばん
942,208p. ISBN4-00-430942-5 C0247735(700+)
[amazon]
◆
小澤
おざわ
勲
いさお
・
黒川
くろかわ
由紀子
ゆきこ
20060120
『
認知
にんち
症
しょう
と
診断
しんだん
されたあなたへ』
,
医学書院
いがくしょいん
,136p. ISBN: 4-260-00220-1 1600
[boople]
/
[amazon]
※ a06 b01,
◆
小澤
おざわ
勲
いさお
20060501
『ケアってなんだろう』
,
医学書院
いがくしょいん
,300p ISBN: 4-260-00266-X 2000
[amazon]
/
[kinokuniya]
/
[boople]
※ a06 b01 c06,
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
20000530 「「
呆
ほ
けゆく」
人
にん
のかたわら(
床
ゆか
)に
臨
のぞ
む――「
痴呆
ちほう
性
せい
老人
ろうじん
」ケアのフィールドワーク」,
好
こう
井
い
・
桜井
さくらい
編
へん
[2000:194-211]*
*
好
こう
井
い
裕明
ひろあき
・
桜井
さくらい
厚
あつし
編
へん
20000530
『フィールドワークの
経験
けいけん
』
,せりか
書房
しょぼう
,248p. 2400
◆
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
20010730 「「
呆
ほ
けゆく」
体験
たいけん
の
臨床
りんしょう
社会
しゃかい
学
がく
」,
野口
のぐち
・
大村
おおむら
編
へん
[2001:141-170]*
*
野口
のぐち
裕二
ゆうじ
・
大村
おおむら
英昭
ひであき
編
へん
20010730
『
臨床
りんしょう
社会
しゃかい
学
がく
の
実践
じっせん
』
,
有斐閣
ゆうひかく
選書
せんしょ
1646,318+ivp. 2000 ※
◆
武藤
むとう
香織
かおり
・
小倉
おぐら
康嗣
やすつぐ
200006 「
現代
げんだい
日本人
にっぽんじん
のぼけ
観
かん
に
関
かん
する
調査
ちょうさ
研究
けんきゅう
」,『CLINICIAN』47(491):73-75
◆
阿保
あほ
順子
じゅんこ
20040220
『
痴呆
ちほう
老人
ろうじん
が
創造
そうぞう
する
世界
せかい
』
,
岩波書店
いわなみしょてん
,207p. ISBN-10: 4000238213 ISBN-13: 978-4000238212 1700+
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/
[kinokuniya]
※ m. a06. b01.
◆
井口
いぐち
高志
たかし
20070630
『
認知
にんち
症
しょう
家族
かぞく
介護
かいご
を
生
い
きる――
新
あたら
しい
認知
にんち
症
しょう
ケア
時代
じだい
の
臨床
りんしょう
社会
しゃかい
学
がく
』
,
東
あずま
信
しん
堂
どう
335p. ISBN-10: 4887137680 ISBN-13: 978-4887137684 \4410
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※
◆
山口
やまぐち
貴美子
きみこ
20090610
『
夫
おっと
が
認知
にんち
症
しょう
になった』
,ライフサポート
社
しゃ
,206p. ISBN-10: 4904084098 ISBN-13: 978-4904084090 \1680
[amazon]
/
[kinokuniya]
※ a06 b01
◆
浅野
あさの
弘毅
こうき
・
阿保
あほ
順子
じゅんこ
編
へん
20100725
『
高齢
こうれい
者
しゃ
の
妄想
もうそう
――
老
お
いの
孤独
こどく
の
一
いち
側面
そくめん
』
,
批評社
ひひょうしゃ
,メンタルヘルス・ライブラリー26,136p. ISBN-10: 4826505299 ISBN-13: 978-4826505291 1600+
[amazon]
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※ m. a06. b01.
>TOP
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2002/07/25
「
出口
いでぐち
泰
やすし
靖
やすし
・
野口
のぐち
裕二
ゆうじ
」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・18),『
看護
かんご
教育
きょういく
』2002-07(
医学書院
いがくしょいん
)
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2006/03/25
「
天田
あまだ
城
しろ
介
かい
の
本
ほん
・1」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・58),『
看護
かんご
教育
きょういく
』47-03(2006-03):-(
医学書院
いがくしょいん
)
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2006/04/25
「『
認知
にんち
症
しょう
と
診断
しんだん
されたあなたへ』」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・59),『
看護
かんご
教育
きょういく
』47-04(2006-04):-(
医学書院
いがくしょいん
)[
了
りょう
:20060227]
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2006/05/25
「
次
つぎ
に
何
なに
を
書
か
くかについて――
天田
あまだ
城
しろ
介
かい
の
本
ほん
・2」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・60),『
看護
かんご
教育
きょういく
』47-05(2006-05):-(
医学書院
いがくしょいん
)[
了
りょう
:20060322]
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2006/06/25
「『ケアってなんだろう』」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・61),『
看護
かんご
教育
きょういく
』47-06(2006-06):-(
医学書院
いがくしょいん
)[
了
りょう
:20060428]
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2006/07/25
「『ケアってなんだろう』・2」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・62),『
看護
かんご
教育
きょういく
』47-07(2006-07):-(
医学書院
いがくしょいん
)[
了
りょう
:20060528]
>TOP
■アルツハイマー
◆2001/05/22
<アルツハイマー
病
びょう
>
脳神経
のうしんけい
細胞
さいぼう
死
し
を
防
ふせ
ぐ
遺伝子
いでんし
発見
はっけん
慶大
けいだい
教授
きょうじゅ
◆2001/05/25
アルツハイマー
病
びょう
の
原因
げんいん
仮説
かせつ
、
理研
りけん
グループ
発表
はっぴょう
へ
◆2001/08/12 「
遺伝子
いでんし
治療
ちりょう
の
臨床
りんしょう
実験
じっけん
に
成功
せいこう
=アルツハイマー
病
びょう
の
治療
ちりょう
法
ほう
確立
かくりつ
も−
英紙
えいし
」
時事通信
じじつうしん
ニュース
速報
そくほう
→
遺伝子
いでんし
治療
ちりょう
◆2001/05/22
脳
のう
細胞
さいぼう
の
死
し
防
ふせ
ぐ
遺伝子
いでんし
アルツハイマー
病
びょう
治療
ちりょう
に
光
ひかり
慶応大
けいおうだい
教
きょう
共同通信
きょうどうつうしん
ニュース
速報
そくほう
【ワシントン21
日
にち
共同
きょうどう
】アルツハイマー
病
びょう
の
原因
げんいん
である
脳
のう
細胞
さいぼう
の
死
し
を
防
ふせ
ぐ
物質
ぶっしつ
を
作
つく
る
遺伝子
いでんし
を、
西本
にしもと
征
ただし
央
ひさし
慶応大
けいおうだい
医学部
いがくぶ
教授
きょうじゅ
などのグループが
発見
はっけん
、
二
に
十
じゅう
二
に
日
にち
付
づけ
の
米
べい
科学
かがく
アカデミー
紀要
きよう
に
発表
はっぴょう
した。 まだ、
細胞
さいぼう
レベルの
実験
じっけん
だが、
将来
しょうらい
的
てき
にアルツハイマー
病
びょう
の
治療
ちりょう
法
ほう
の
開発
かいはつ
につながる
成果
せいか
だという。
研究
けんきゅう
グループは、アルツハイマー
病
びょう
の
患者
かんじゃ
の
脳
のう
細胞
さいぼう
の
中
なか
でも、
死
し
なない
細胞
さいぼう
があることに
注目
ちゅうもく
し、この
中
なか
で
働
はたら
いている
遺伝子
いでんし
を
探索
たんさく
した。
見
み
つかった
遺伝子
いでんし
の
一
ひと
つに、アルツハイマー
病
びょう
と
深
ふか
い
関連
かんれん
があるとされる
三
さん
種類
しゅるい
の
遺伝子
いでんし
の
異常
いじょう
によって
起
お
こる
脳
のう
細胞
さいぼう
の
死
し
を
防
ぼう
ぐ
効果
こうか
があることを
突
つ
き
止
と
めた。
見
み
つかった
遺伝子
いでんし
は、
アミノ酸
あみのさん
二
に
十
じゅう
四
よん
個
こ
から
成
な
る
物質
ぶっしつ
を
作
つく
る
遺伝子
いでんし
。この
物質
ぶっしつ
はごく
微量
びりょう
でアルツハイマー
病
びょう
患者
かんじゃ
に
特有
とくゆう
のベータアミロイドという
物質
ぶっしつ
の
沈着
ちんちゃく
による
脳
のう
細胞
さいぼう
の
死
し
を
防
ふせ
ぐ
働
はたら
きがあることも
分
わ
かった。
この
遺伝子
いでんし
は、
人間
にんげん
のさまざまな
臓器
ぞうき
で
発現
はつげん
していたが、これまでは
知
し
られておらず、グループはこの
遺伝子
いでんし
がつくる
物質
ぶっしつ
を「ヒューマニン」と
名付
なづ
けた。
グループは「
生体
せいたい
内
ない
での
反応
はんのう
や
持続
じぞく
性
せい
、
毒性
どくせい
など
今後
こんご
の
研究
けんきゅう
課題
かだい
は
多
おお
いが、
脳
のう
細胞
さいぼう
を
守
まも
るという
観点
かんてん
からの
新
あたら
しいアルツハイマー
病
びょう
治療
ちりょう
法
ほう
開発
かいはつ
の
出発
しゅっぱつ
点
てん
となり うる」としている。
(
了
りょう
)
[2001-05-22-09:07]
05/22 06:15 <アルツハイマー
病
びょう
>
脳神経
のうしんけい
細胞
さいぼう
死
し
を
防
ふせ
ぐ
遺伝子
いでんし
発見
はっけん
慶大
けいだい
教授
きょうじゅ
毎日新聞
まいにちしんぶん
ニュース
速報
そくほう
アルツハイマー
病
びょう
の
原因
げんいん
となっている
脳
のう
の
神経
しんけい
細胞
さいぼう
の
死
し
を
防
ふせ
ぐ
遺伝子
いでんし
を、
西本
にしもと
征
ただし
央
ひさし
(いくお)・
慶応大
けいおうだい
医学部
いがくぶ
教授
きょうじゅ
(
薬理
やくり
学
がく
)らの
国際
こくさい
研究
けんきゅう
グループが
世界
せかい
で
初
はつ
めて
発見
はっけん
した。
難病
なんびょう
のアルツハイマー
病
びょう
は、
最初
さいしょ
の
患者
かんじゃ
が
報告
ほうこく
されてから
約
やく
100
年
ねん
がたつが、この
成果
せいか
は
根本
こんぽん
的
てき
な
治療
ちりょう
につながる
可能
かのう
性
せい
もあるという。22
日
にち
付
づけ
の
米
べい
科学
かがく
アカデミー
紀要
きよう
に
発表
はっぴょう
された。
アルツハイマー
病
びょう
は、
複数
ふくすう
の
遺伝子
いでんし
に
異変
いへん
が
起
お
きたり、「ベータアミロイド」という
特殊
とくしゅ
なたんぱく
質
しつ
が
脳
のう
内
ない
に
蓄積
ちくせき
して
神経
しんけい
細胞
さいぼう
が
死
し
んでいき、
痴呆
ちほう
症
しょう
が
進行
しんこう
する。
世界
せかい
の
治療
ちりょう
法
ほう
の
研究
けんきゅう
は、ベータアミロイドを
除去
じょきょ
したり、その
生成
せいせい
を
抑
おさ
える
方法
ほうほう
が
主流
しゅりゅう
だが、
同
どう
研究
けんきゅう
グループは
神経
しんけい
細胞
さいぼう
の
死
し
そのものを
防
ふせ
ぐ
方法
ほうほう
はないかと
考
かんが
えた。
アルツハイマー
病
びょう
患者
かんじゃ
の
脳
のう
で、「
後
こう
頭
あたま
葉
は
」という
部分
ぶぶん
の
神経
しんけい
細胞
さいぼう
がほとんど
死
し
なないことに
注目
ちゅうもく
し、
後
こう
頭
あたま
葉
は
の
神経
しんけい
細胞
さいぼう
で
働
はたら
いている
遺伝子
いでんし
を
探
さが
す
方法
ほうほう
を
開発
かいはつ
。その
結果
けっか
、
数
すう
十
じゅう
種類
しゅるい
の
遺伝子
いでんし
を
特定
とくてい
し、その
中
なか
の
一
ひと
つが、アルツハイマー
病
びょう
による
神経
しんけい
細胞
さいぼう
の
死
し
を
防
ふせ
ぐことが
分
わ
かった。この
遺伝子
いでんし
は24
個
こ
の
アミノ酸
あみのさん
で
構成
こうせい
され、
研究
けんきゅう
グループは「ヒューマニン」と
名付
なづ
けた。マウスの
脳
のう
から
取
と
り
出
だ
した
神経
しんけい
細胞
さいぼう
にベータアミロイドを
蓄積
ちくせき
させる
際
さい
、この
遺伝子
いでんし
が
作
つく
り
出
だ
すたんぱく
質
しつ
を
加
くわ
えたところ、ごく
微量
びりょう
でも
神経
しんけい
細胞
さいぼう
は
死
し
ななくなった。
西本
にしもと
教授
きょうじゅ
は「
脳
のう
には
一部
いちぶ
の
機能
きのう
が
失
うしな
われても
代替
だいたい
する
能力
のうりょく
が
備
そな
わっている。ヒューマニンは
微量
びりょう
の
投与
とうよ
で
効果
こうか
を
持
も
ち、
新薬
しんやく
の
開発
かいはつ
も
十分
じゅうぶん
可能
かのう
だ」と
話
はな
している。 【
田中
たなか
泰
やすし
義
よし
】
アルツハイマー
病
びょう
に
詳
くわ
しい
国立
こくりつ
長寿医療研究
ちょうじゅいりょうけんきゅう
センター(
愛知
あいち
県
けん
大府
おおぶ
市
し
)の
田平
たひら
武
たけ
センター
長
ちょう
の
話
はなし
画期的
かっきてき
な
成果
せいか
で、
治療
ちりょう
を
大
おお
きく
前進
ぜんしん
させるだろう。
試験管
しけんかん
内
ない
での
結果
けっか
で、このたんぱく
質
しつ
をどのように
脳
のう
内
ない
に
入
い
れるのかなどの
課題
かだい
は
残
のこ
されている。また、
生死
せいし
を
繰
く
り
返
かえ
している
神経
しんけい
細胞
さいぼう
が
死
し
なず
増
ふ
え
続
つづ
けると、がん
化
か
が
懸念
けねん
される。
安全
あんぜん
性
せい
、
技術
ぎじゅつ
面
めん
での
課題
かだい
は
残
のこ
されている。
[2001-05-22-06:15]
05/22 06:09 読: アルツハイマー
病
びょう
防
ふせ
ぐ
物質
ぶっしつ
を
発見
はっけん
読売新聞
よみうりしんぶん
ニュース
速報
そくほう
アルツハイマー
病
びょう
による
脳神経
のうしんけい
の
細胞
さいぼう
の
死滅
しめつ
を
防
ふせ
ぐ
物質
ぶっしつ
を、
慶応大
けいおうだい
医学部
いがくぶ
の
西本
にしもと
征
ただし
央
ひさし
教授
きょうじゅ
らが
突
つ
き
止
と
めました。
原因
げんいん
遺伝子
いでんし
は3
種類
しゅるい
見
み
つかっていますが、すべてのケースで
死滅
しめつ
を
防
ふせ
ぐ
物質
ぶっしつ
が
見
み
つかったのは
初
はじ
めてで、
治療
ちりょう
薬
やく
開発
かいはつ
につながる
可能
かのう
性
せい
があるということです。
[2001-05-22-06:09]
05/22 06:06 読: アルツハイマー
病
びょう
の
発症
はっしょう
防
ふせ
ぐ
物質
ぶっしつ
を
発見
はっけん
読売新聞
よみうりしんぶん
ニュース
速報
そくほう
アルツハイマー
病
びょう
の
原因
げんいん
遺伝子
いでんし
による
脳神経
のうしんけい
細胞
さいぼう
の
死滅
しめつ
を
防
ふせ
ぐ
物質
ぶっしつ
を、
慶応大
けいおうだい
医学部
いがくぶ
の
西本
にしもと
征
ただし
央
ひさし
教授
きょうじゅ
らが
突
つ
き
止
と
めた。
二
に
十
じゅう
二
に
日
にち
発行
はっこう
の
米
べい
科学
かがく
アカデミー
紀要
きよう
に
掲載
けいさい
される。アルツハイマー
病
びょう
は、
脳神経
のうしんけい
の
細胞
さいぼう
が
死滅
しめつ
し、
脳
のう
が
委縮
いしゅく
、
痴
ち
ほう
症状
しょうじょう
が
出
で
る
病気
びょうき
。その
原因
げんいん
遺伝子
いでんし
は、いくつか
見
み
つかっているが、すべてのケース で
死滅
しめつ
を
防
ふせ
ぐ
物質
ぶっしつ
が
見
み
つかったのは
初
はじ
めて。
治療
ちりょう
薬
やく
開発
かいはつ
につながる
可能
かのう
性
せい
があるという。
この
物質
ぶっしつ
はヒューマニン(HN)と
呼
よ
ばれ、
二
に
十
じゅう
四
よん
個
こ
の
アミノ酸
あみのさん
からなる
小
ちい
さなたんぱく
質
しつ
。
西本
にしもと
教授
きょうじゅ
らは、アルツハイマー
病
びょう
になっても
脳
のう
の
後
のち
頭
あたま
葉
は
はほとん ど
委縮
いしゅく
しないことに
着目
ちゃくもく
、
患者
かんじゃ
の
後
のち
頭
あたま
葉
は
の
遺伝子
いでんし
からHNを
作
つく
る
遺伝子
いでんし
を
見
み
つけた。
研究
けんきゅう
では、HNをごく
微量
びりょう
加
くわ
えたマウスの
脳神経
のうしんけい
細胞
さいぼう
と、HNを
加
くわ
えていない
細胞
さいぼう
とを
比較
ひかく
。
両方
りょうほう
の
細胞
さいぼう
でアルツハイマーの
原因
げんいん
遺伝子
いでんし
を
働
はたら
かせたところ、 HNを
加
くわ
えていない
細胞
さいぼう
はすべて
死滅
しめつ
したが、HNを
加
くわ
えた
細胞
さいぼう
は100%
生
い
き
残
のこ
った。
西本
にしもと
教授
きょうじゅ
は「
働
はたら
くメカニズムは
不明
ふめい
だが、ごく
微量
びりょう
で
効果
こうか
があり、
注射
ちゅうしゃ
などによる
治療
ちりょう
につながると
期待
きたい
できる」という。
また、
細胞
さいぼう
に
沈着
ちんちゃく
して
死滅
しめつ
させる
物質
ぶっしつ
で、この
病気
びょうき
の
原因
げんいん
の
一
ひと
つと
考
かんが
えられている
β
べーた
アミロイドを
使
つか
った
実験
じっけん
でも、HNを
加
くわ
えた
細胞
さいぼう
のみ
生
い
き
残
のこ
った。
西本
にしもと
教
きょう
授は
既
すで
にHN
遺伝子
いでんし
の
特許
とっきょ
を
申請
しんせい
しており、
今後
こんご
は
動物
どうぶつ
を
使
つか
ってメカニズムなどを
解明
かいめい
していくという。
アルツハイマー
病
びょう
には、
四
よん
十
じゅう
〜
六
ろく
十
じゅう
五
ご
歳
さい
ぐらいで
発症
はっしょう
する
若年
じゃくねん
性
せい
のものと、
六
ろく
十
じゅう
五
ご
歳
さい
以上
いじょう
で
起
お
こる
老年
ろうねん
性
せい
のものとがある。
原因
げんいん
遺伝子
いでんし
に
異常
いじょう
がある
人
ひと
は、
若
わか
く してアルツハイマー
病
びょう
を
発症
はっしょう
する。
国内
こくない
の
患者
かんじゃ
は
約
やく
百
ひゃく
万
まん
人
にん
、
世界
せかい
では
一
いち
千
せん
万
まん
人
にん
以上
いじょう
といわれている。
治療
ちりょう
法
ほう
や
新薬
しんやく
の
開発
かいはつ
では、
β
べーた
アミロイドを
作
つく
る
酵素
こうそ
の
研究
けんきゅう
などを
中心
ちゅうしん
に、
各国
かっこく
の
研究
けんきゅう
者
しゃ
がしのぎを
削
けず
っている。
症状
しょうじょう
の
進行
しんこう
を
遅
おく
らせる
薬
くすり
は
臨床
りんしょう
応用
おうよう
されているが、
根治
こんじ
させる
治療
ちりょう
法
ほう
はまだ
開発
かいはつ
されていない。
米国
べいこく
では、
β
べーた
アミロイドの
働
はたら
きを
封
ふう
じ、
記憶
きおく
力
りょく
を
改善
かいぜん
させる 「ワクチン」
開発
かいはつ
などの
試
こころ
みも
始
はじ
まっている。
国立
こくりつ
療養
りょうよう
所
しょ
中部
ちゅうぶ
病院
びょういん
長寿医療研究
ちょうじゅいりょうけんきゅう
センターの
田平
たひら
武
たけ
所長
しょちょう
の
話
はなし
「アルツハイマー
病
びょう
による
細胞
さいぼう
死
し
だけを
特異
とくい
的
てき
に
防
ふせ
ぐ
物質
ぶっしつ
は
例
れい
がない。HNのように
小
ちい
さな
物質
ぶっしつ
は
脳
のう
に
届
とど
きやすく、
有効
ゆうこう
な
薬
くすり
となる
可能
かのう
性
せい
が
高
たか
い。
今後
こんご
は、
動物
どうぶつ
実験
じっけん
を
踏
ふ
まえ、
人間
にんげん
での
効果
こうか
を
確
たし
かめる
必要
ひつよう
があるだろう」
[2001-05-22-06:06]
◆2001/05/25
アルツハイマー
病
びょう
の
原因
げんいん
仮説
かせつ
、
理研
りけん
グループ
発表
はっぴょう
へ
『
朝日新聞
あさひしんぶん
』
http://www.asahi.com/
脳
のう
の
中
なか
にたまった
不要
ふよう
なたんぱく
質
しつ
を
分解
ぶんかい
する
清掃
せいそう
係
がかり
の
働
はたら
きが
悪
わる
くなると、
老人
ろうじん
の
痴
ち
ほうを
起
お
こすアルツハイマー
病
びょう
になる――。こうした
可能
かのう
性
せい
が
高
たか
いことを
示
しめ
す
研究
けんきゅう
結果
けっか
を、
理化学研究所
りかがくけんきゅうしょ
脳
のう
科学
かがく
総合
そうごう
研究
けんきゅう
センターの
西道
さいどう
隆臣
たかおみ
・チームリーダーらが25
日
にち
発行
はっこう
の
米
べい
科学
かがく
誌
し
サイエンスに
発表
はっぴょう
する。
アルツハイマー
病
びょう
患者
かんじゃ
の
脳
のう
の
中
なか
では、
β
べーた
アミロイドというたんぱく
質
しつ
が
異常
いじょう
にたまることが
知
し
られている。このたんぱく
質
しつ
は
正常
せいじょう
な
人
ひと
にもあるが、すみやかに
分解
ぶんかい
されると
考
かんが
えられている。
西道
さいどう
さんらは、ネプリライシンというたんぱく
質
しつ
が
β
べーた
アミロイドを
分解
ぶんかい
しているという
仮説
かせつ
を
立
た
て、
遺伝子
いでんし
操作
そうさ
で、ネプリライシンができなくしたネズミを
作
つく
った。
その
結果
けっか
、
β
べーた
アミロイドの
量
りょう
が
正常
せいじょう
なネズミの
約
やく
2
倍
ばい
になっていることを
確認
かくにん
した。ネプリライシンの
量
りょう
が
約
やく
半分
はんぶん
になるように
操作
そうさ
したマウスでも、
β
べーた
アミロ イドの
分解
ぶんかい
が
抑制
よくせい
された。ネプリライシンの
量
りょう
が
増
ふ
えるほど
β
べーた
アミロイドの
量
りょう
が
減
へ
る
関係
かんけい
があることもわかった。
「
分解
ぶんかい
の
働
はたら
きを
妨
さまた
げるものはアルツハイマー
病
びょう
の
危険
きけん
因子
いんし
になる
可能
かのう
性
せい
がある。
発症
はっしょう
前
まえ
のリスク
予想
よそう
もできるようになるのではないか」と
西道
さいどう
リーダーは
話
はなし
す。
[2001-05-25-09:12]
2001/05/25 07:46
脳
のう
内
ない
酵素
こうそ
が
発症
はっしょう
遅
おく
らせる アルツハイマー
病
びょう
理研
りけん
で
究明
きゅうめい
共同通信
きょうどうつうしん
ニュース
速報
そくほう
脳
のう
内
ない
でつくられる「ネプリライシン」と
呼
よ
ばれる
分解
ぶんかい
酵素
こうそ
が、アルツハイマー
病
びょう
の
発症
はっしょう
や
進行
しんこう
を
遅
おく
らせるのに
中心
ちゅうしん
的
てき
な
役割
やくわり
を
果
は
たしていることを、
理化学
りかがく
研究
けんきゅう
所
しょ
・
脳
のう
科学
かがく
総合
そうごう
研究
けんきゅう
センター(
埼玉
さいたま
県
けん
和光
わこう
市
し
)の
西道
さいどう
隆臣
たかおみ
チームリーダーらの
研究
けんきゅう
チームが
動物
どうぶつ
実験
じっけん
で
突
とっ
き
止
と
め、
二
に
十
じゅう
五
ご
日
にち
付
づけ
の
米
べい
科学
かがく
誌
し
サイエンスに
発表
はっぴょう
した。
この
酵素
こうそ
は、
脳
のう
に
蓄積
ちくせき
すると
脳
のう
細胞
さいぼう
を
破壊
はかい
するベータアミロイドと
呼
よ
ばれる
物質
ぶっしつ
を
分解
ぶんかい
する
作用
さよう
があることが
知
し
られていたが、
今回
こんかい
脳
のう
内
ない
で、その“
掃除
そうじ
”
作用
さよう
が
発症
はっしょう
や
進行
しんこう
具合
ぐあい
に
重要
じゅうよう
なカギを
握
にぎ
っていることを
明
あき
らかにした。
酵素
こうそ
の
活性
かっせい
を
調
しら
べることで、
発症
はっしょう
の
危険
きけん
度
ど
が
分
わ
かり
予防
よぼう
に
役立
やくだ
つほか、
遺伝子
いでんし
治療
ちりょう
への
応用
おうよう
が
期待
きたい
される
成果
せいか
として
注目
ちゅうもく
される。
理研
りけん
チームは、
遺伝
いでん
的
てき
にこの
酵素
こうそ
をつくれないようにしたマウスと
正常
せいじょう
なマウスを
使
つか
って、
脳
のう
内
ない
のベータアミロイドの
分解
ぶんかい
過程
かてい
を
比較
ひかく
。その
結果
けっか
、
酵素
こうそ
の
有無
うむ
により、
分解能
ぶんかいのう
力
りょく
に
最大
さいだい
で
二
に
倍
ばい
もの
差
さ
があることが
分
わ
かった。
また
片方
かたがた
の
親
おや
から、
酵素
こうそ
の
遺伝子
いでんし
異常
いじょう
を
受
う
け
継
つ
いだだけでも、
正常
せいじょう
なマウスよりやや
分解
ぶんかい
能力
のうりょく
が
落
お
ちることも
確認
かくにん
。これにより
一見
いっけん
健康
けんこう
な
人
ひと
の
中
なか
にも、
発症
はっしょう
リ スクが
高
たか
い
人
ひと
が
含
ふく
まれている
可能
かのう
性
せい
が
示
しめ
された。
大
だい
部分
ぶぶん
のアルツハイマー
病
びょう
患者
かんじゃ
は、
脳
のう
内
ない
のベータアミロイドの
量
りょう
が
健康
けんこう
な
人
ひと
と
変
か
わらず、どのような
原因
げんいん
で
発症
はっしょう
するか
不明
ふめい
だった。
今回
こんかい
の
研究
けんきゅう
は、
生
う
まれつき
酵素
こうそ
活性
かっせい
が
低
ひく
い
潜在
せんざい
的
てき
な
患者
かんじゃ
グループが
存在
そんざい
し、
老化
ろうか
に
伴
ともな
ってベータアミロイドを
掃除
そうじ
しきれなくなる
新
あら
たな
発症
はっしょう
メカニズムを
示唆
しさ
するという。
遺伝子
いでんし
レベルでの
解明
かいめい
が
進
すす
めば、
酵素
こうそ
活性
かっせい
が
落
お
ちた
患者
かんじゃ
に
対
たい
する
遺伝子
いでんし
治療
ちりょう
も
可能
かのう
になるとみ
られている。
(
了
りょう
)
[2001-05-25-07:46]
アルツハイマー
病
びょう
の
原因
げんいん
遺伝子
いでんし
を
特定
とくてい
読売新聞
よみうりしんぶん
ニュース
速報
そくほう
アルツハイマー
病
びょう
の
発症
はっしょう
の
原因
げんいん
になる
遺伝子
いでんし
を
理化学研究所
りかがくけんきゅうしょ
の
西道
さいどう
隆臣
たかおみ
チームリーダーらの
研究
けんきゅう
チームが
突
つ
き
止
と
めた。これまでもアルツハイマー
病
びょう
に
関係
かんけい
する
遺伝子
いでんし
は
見
み
つかっているが、
九
きゅう
割
わり
以上
いじょう
を
占
し
める
老年
ろうねん
性
せい
アルツハイマー
病
びょう
の
発症
はっしょう
に
強
つよ
くかかわる
遺伝子
いでんし
が
特定
とくてい
されたのは
初
はじ
めて。
治療
ちりょう
薬
やく
の
開発
かいはつ
や
早期
そうき
診断
しんだん
につなが るものと
期待
きたい
される。
アルツハイマー
病
びょう
は、
β
べーた
アミロイドという
物質
ぶっしつ
が、
記憶
きおく
にかかわる
海馬
かいば
や
大脳皮質
だいのうひしつ
の
部分
ぶぶん
に
沈着
ちんちゃく
することで
神経
しんけい
細胞
さいぼう
が
死滅
しめつ
し、
発症
はっしょう
すると
考
かんが
えられている。
研究
けんきゅう
チームは、ネプリライシンという
遺伝子
いでんし
の
作
つく
るたんぱく
質
しつ
が、この
β
べーた
アミロイドを
分解
ぶんかい
する
働
はたら
きを
持
も
つことをマウスの
実験
じっけん
で
解明
かいめい
した。ネプリライシンの
働
はたら
きを、アルツハイマー
病
びょう
の
患者
かんじゃ
と
健康
けんこう
な
人
ひと
の
脳
のう
で
比
くら
べたところ、
患者
かんじゃ
の
脳
のう
では
半分
はんぶん
程度
ていど
に
弱
よわ
まっていることが
別
べつ
の
研究
けんきゅう
で
確
たし
かめられている。この
遺伝子
いでんし
の
働
はたら
き が
加
か
齢
よわい
とともに
弱
よわ
まり、
β
べーた
アミロイドがたまって
発症
はっしょう
につながったと
見
み
られる。
若年
じゃくねん
性
せい
のアルツハイマー
病
びょう
は、
β
べーた
アミロイドを
過剰
かじょう
に
作
つく
り
出
だ
すような
遺伝子
いでんし
の
変異
へんい
が
原因
げんいん
になることがわかっている。しかし
六
ろく
十
じゅう
五
ご
歳
さい
以上
いじょう
で
起
お
こる
老年
ろうねん
性
せい
で は、
β
べーた
アミロイドが
作
つく
られる
量
りょう
は
変
か
わらず、
原因
げんいん
がわかっていなかった。
[2001-05-25-03:05]
◆2002/01/09 「アルツハイマー
病
びょう
起
お
こす
物質
ぶっしつ
特定
とくてい
阪大
はんだい
チーム」
朝日新聞
あさひしんぶん
ニュース
速報
そくほう
「85
歳
さい
以上
いじょう
の5
人
にん
に
1人
ひとり
がかかるといわれるアルツハイマー
病
びょう
を
起
お
こすたんぱく
質
しつ
を、
大阪大
おおさかだい
の
研究
けんきゅう
チームが
見
み
つけた。このたんぱく
質
しつ
が
遺伝
いでん
情報
じょうほう
を
伝達
でんたつ
中
ちゅう
にゆがめることで、
脳
のう
の
神経
しんけい
細胞
さいぼう
の
死
し
を
招
まね
く。チームは、
製薬
せいやく
会社
かいしゃ
と
連携
れんけい
して
診断
しんだん
・
治療
ちりょう
薬
やく
の
開発
かいはつ
を
始
はじ
めた。
このたんぱく
質
しつ
は「HMG−I」。
健康
けんこう
な
人
ひと
の
細胞
さいぼう
中
ちゅう
にもあり、
本来
ほんらい
はDNAに
作用
さよう
する。
阪大
はんだい
大学院
だいがくいん
医学
いがく
系
けい
研究
けんきゅう
科
か
の
片山
かたやま
泰一
やすいち
・
助手
じょしゅ
と
博士
はかせ
課程
かてい
の
真部
まなべ
孝幸
たかゆき
さんは、
神経
しんけい
細胞
さいぼう
を
酸素
さんそ
がほとんどない
状態
じょうたい
にしばらく
置
お
くと、
細胞
さいぼう
死
し
を
起
お
こす
変異
へんい
型
がた
プレセ ニリン2(PS2)というたんぱく
質
しつ
を
作
つく
り
始
はじ
めることに
着目
ちゃくもく
した。
PS2を
作
つく
れ、という
指令
しれい
を
伝
つた
える
遺伝子
いでんし
(mRNA)を
調
しら
べたら、HMG−IがmRNAの
原型
げんけい
となる
物質
ぶっしつ
にくっついて、
変異
へんい
型
がた
PS2を
作
つく
る
指令
しれい
に
変
か
えて いることが
分
わ
かった。HMG−IがmRNAにくっつかないようにすると、
変異
へんい
型
がた
PS2もできなくなった。
死亡
しぼう
したアルツハイマー
病
びょう
患者
かんじゃ
17
人
にん
の
脳
のう
を
調
しら
べたら、
全員
ぜんいん
に
変異
へんい
型
がた
PS2があった。
片山
かたやま
助手
じょしゅ
は「ごく
小
ちい
さな
脳
のう
こうそくなどで
脳
のう
細胞
さいぼう
が
低
てい
酸素
さんそ
状態
じょうたい
になると、HMG−Iが
異常
いじょう
に
増
ふ
え、アルツハイマー
病
びょう
をひき
起
お
こしていると
考
かんが
えられる」と
話
はなし
す。
HMG−Iを
量
はか
れば、アルツハイマー
病
びょう
の
早期
そうき
診断
しんだん
ができ、
過剰
かじょう
なHMG−IがmRNAにくっつかないようにすれば
病気
びょうき
の
進行
しんこう
を
止
と
めることができる
可能
かのう
性
せい
がある。」
[2002-01-09-20:08]
◇
大阪大学
おおさかだいがく
大学院
だいがくいん
医学
いがく
系
けい
研究
けんきゅう
科
か
プロセッシング
機能
きのう
形態
けいたい
分野
ぶんや
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/anat2/index.html
UP: REV:.....20030220 20060107,0715 20080728, 20110423, 0603, 20140116, 20150130
◇
老
お
い
◇
知的
ちてき
障害
しょうがい
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◇