(Translated by https://www.hiragana.jp/)
立岩真也「もらったものについて・9」
HOME > Tateiwa >

もらったものについて・9

立岩たていわ しん 2012/09/10
『そよかぜのようにまちよう』*83:- *おもしろい雑誌ざっしなので定期ていき講読こうどくするとよいとおもいます。

Tweet

下記かきした精神せいしん医療いりょう関連かんれんのことについては以下いかほんきました。
立岩たていわ しん也 2013/12/10 造反ぞうはん有理ゆうり――精神せいしん医療いりょう現代げんだいへ』青土おうづちしゃ,433p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.
『造反有理――精神医療現代史へ』表紙
大野おおの山本やまもとインタビューは現代げんだい思想しそう2014ねんがつごう掲載けいさいされるといています。→掲載けいさいされました。

つぎ資料集しりょうしゅうつくりました。購入こうにゅうしていただけるとありがたいです。
立岩たていわしん也編 2014/12/31 身体しんたい現代げんだい記録きろく00――準備じゅんび差別さべつ統一とういつ戦線せんせん差別さべつ共闘きょうとうくすのき敏雄としおKyoto Books

 以下いか宣伝せんでんだけさせていただきます。

震災しんさい停電ていでん
 今年ことしなつはどうなるのか。わたし京都きょうとにいて関西電力かんさいでんりょくということになるのだが、停電ていでんこるとか、どこまで本気ほんきはなしなのか、わたしにはわかりかねる。ただどこでも、すくなくとも地震じしんるいがあれば停電ていでんはどこでもこりうるし、実際じっさい昨年さくねんこった。とくに呼吸こきゅうそのをするのに電気でんきかせないひとにとっては、文字通もじどおりの死活しかつ問題もんだいだ。それで、もう昨年さくねん9月くがつのことになるが、「震災しんさい停電ていでんをどうびたか――福島ふくしま在宅ざいたく難病なんびょう患者かんじゃ人工じんこう呼吸こきゅうユーザー()をまねいて」というシンポジウムが京都きょうと開催かいさいされ、わたしはその司会しかいみたいなことをした。福島ふくしまでどうだったか、また千葉ちばこったことをいた。
 それはずいぶんな盛況せいきょうで、バッテリーとか発電はつでんとかにかかわる具体ぐたいてき質問しつもん相次あいついだ。その記録きろく文字もじした。そして、だれがどうなっているかわからない、ひとない、そして停電ていでんでおたおた、といったことは東京とうきょうでも、そのなかでも緊急きんきゅう対応たいおう体制たいせいがいちおうできていることになっていた地域ちいきでもこった。そのことを、中野なかの議会ぎかい議員ぎいんながつとめた(そしてわたしつとさき大学院生だいがくいんせいでもある)佐藤さとう浩子ひろこさんがいてくれた。そういうものをあつめて医療いりょう機器きき一緒いっしょまちらすために――シンポジウム報告ほうこくしょ 震災しんさい停電ていでんをどうびたか――福島ふくしま在宅ざいたく難病なんびょう患者かんじゃ人工じんこう呼吸こきゅうユーザーらをまねいて』という冊子さっし権藤ごんどう眞由美まゆみ野崎のさき泰伸やすのぶへん)をつくった。最初さいしょ部分ぶぶん加藤かとうぶく【さき】さんがえがいてくれたイラストで、緊急きんきゅうになったときに、また緊急きんきゅうそなえてどうするかがわかりやすく解説かいせつされている。つとさき大学だいがくで、震災しんさい関連かんれん研究けんきゅう活動かつどうにおかねすというのがいくつかあり、はずれたのもがあるが、たったのもありで、たったほうのおかねつくった(ので送料そうりょう実費じっぴでおおくりできる)。冊子さっし題名だいめい検索けんさくすると、目次もくじとか、注文ちゅうもん方法ほうほうとかてくる。わたしTAE01303@nifty.ne.jp)に直接ちょくせつ連絡れんらくいただいてもよいです。
 それから『福祉ふくし社会しゃかいがく研究けんきゅう』という福祉ふくし社会しゃかい学会がっかいという(社会しゃかい福祉ふくし学会がっかいではない学会がっかいの)学会がっかい発売はつばいあずましんどう本屋ほんやえます)のだいごう特集とくしゅうが「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい福祉ふくし社会しゃかい課題かだい」で、そこにわたしのものではうしろにいてびろっていくこと+すこし――震災しんさい障害しょうがいしゃ病者びょうしゃ関連かんれん中間なかま報告ほうこくという文章ぶんしょうっている。基本きほん会員かいいんけの雑誌ざっしだが、このごう震災しんさい関連かんれん特集とくしゅうごうだから、いくらかでも宣伝せんでんになると(こちらで勝手かって判断はんだんして)わたし文章ぶんしょうとこのごう案内あんないをHPにせている。
 自分じぶんでもこのごろどこにこのいつなにいたかはっきりしないのだが、この連載れんさいだいかい昨年さくねんがつ)で震災しんさい関連かんれんのことをいたのだった。それらにもしるしたことだが、もしこったからどうするかということも大切たいせつなとなのだが、そのまえのこと、そのまえのつながりがあって、「いくらかでも」「まし」な対応たいおう活動かつどうができた、できているということがあるとべ、阪神はんしん淡路あわじとき以来いらい)のことにすこしれた。わたし自身じしん現地げんちにもけてないし、書類しょるいいたり集会しゅうかい司会しかいをしたりといったことしかできないけれど、わけわからないまま福島ふくしま古井ふるいただしだいさんやら福永ふくながみのるひささんやらに(介助かいじょで)ついてって以来いらい本業ほんぎょう研究けんきゅうテーマ)はにあるひと調査ちょうさ報告ほうこくつづけてくれている。こうしたことについてだいかいにいくらかふれたのだったが、こんどの原稿げんこうではそののことをいくらか紹介しょうかいしているということである。やはりそこで紹介しょうかいしたHPによる情報じょうほう提供ていきょうほうも、若干じゃっかんとどこおりながら、つづけてはいる。
 さらにもうひとつ、昨年さくねんじゅうがつはじめ、障害しょうがい学会がっかい大会たいかいだいかい)で災厄さいやくかう――阪神はんしん淡路あわじとき、そして福島ふくしまから白石しらいし清春きよはるまねいて」という特別とくべつ企画きかくトークセッションというのをやらせてもらって、かつて古井ふるい旧姓きゅうせい鎌谷かまだに)・福永ふくながあおしばかいでいっしょだったこともある白石しらいしさんにながめに(といっても全体ぜんたいとしてとてもあわただしかったのではあるが)はなしていただき、本誌ほんしでその著書ちょしょせい肯定こうていする倫理りんりへ――障害しょうがいがく視点してんから』紹介しょうかいされた野崎のさき泰伸やすのぶさんに阪神はんしん淡路あわじとき以降いこうのことをすこくわえていただいた。質疑しつぎ応答おうとうはいつまでもつづけられそうだったがとうぜん時間じかんまっていたわけで、すこしオーバーしてわった。そのとき記録きろく全部ぜんぶ障害しょうがいがく研究けんきゅうだいごう掲載けいさいされている(これは発売はつばい明石書店あかししょてん、やはり本屋ほんやえます)。

西にしのこと
 その障害しょうがい学会がっかい大会たいかいときのことだ。わたしはすっかり出無精でぶしょうになってしまっていて、学会がっかいとかほぼられてないのだが、そのときにはその白石しらいしさんにはなしてもらったそのセッションの司会しかいということでそのだけた。そしたら、その大会たいかい会場かいじょう愛知あいち大学だいがく名古屋なごやで、そこに大野おおの萌子もえこさんが赤堀あかほり政夫まさおさんとともにいらしていた。赤堀あかほりさん・島田しまだ事件じけんのことを御存知ごぞんじないとなるとこれは(たいへん)こまったことなのだが、解説かいせつりゃく(いつものようにこの文章ぶんしょう全体ぜんたいをHPに掲載けいさいして、そこから関連かんれんページにリンクさせてある)。大野おおのさんはずっと赤堀あかほりさんの再審さいしん請求せいきゅう奪還だっかん活動かつどうかかわってきたひとであり、ご自身じしんもこないだ怪我けがされたということだが、解放かいほう赤堀あかほりさんの生活せいかつ介助かいじょしゃとしてささえてもいる。全国ぜんこく精神病せいしんびょうしゃ集団しゅうだんいちきゅうななよん〜)の結成けっせい以来いらいのメンバーである。じつはおいするのははじめてではなく、〇〇ろくねんじゅうがつ、「東海とうかい地区ちくけい学生がくせいフォーラム」というところではなしをさせていただいたとき、やはり赤堀あかほりさんといっしょにきたられていて、おどろいた。赤堀あかほりさんはしずかなただずまいのほうだった。おにかかることがあるとはおもっていなかったので感激かんげきした。大野おおのさんは、その「フォーラム」にばれたわたしふくいくにんかがひとしきりはなしたのち、「がーっ」とはなしをして、おおこのひとがあの大野おおのさんか、とわたしおもったのだった。(テーマは「医療いりょうにおける自己じこ決定けっていかんがえよう――あなたは「尊厳そんげん」をのぞみますか」というのだった→このはなしはまたあとで。)
 わたしたちは、この「やまいしゃ集団しゅうだん途中とちゅうからのメンバーで、その活動かつどうかかわってきた山本やまもと真理まり筆名ひつめい長野ながの英子えいこさんに公開こうかいインタビューというのをしている。これは昨年さくねんじゅうがつはちにちのことで、事前じぜんまっていて、山本やまもとさんにはわざわざ京都きょうとにきていただいて、長々ながながはなしをうかがったのだが、そのいち週間しゅうかんまえじゅうがついちにち大野おおのさんとの遭遇そうぐう偶然ぐうぜんで、しかしこの機会きかいをとおもってしまったものだから、そしてそこには「「やまいしゃ集団しゅうだん」の、よりわかい、といってもそれほどではない安原やすはら壮一そういちさんと、たぶん本当ほんとうわか桐原きりはら尚之なおゆきさん(かれ今年ことしからこちらの大学院生だいがくいんせいになってしまった)もいたから――この二人ふたりのどちらかがボイスレコーダーをもっていた――おねがいして、さんにんで、きゅうきょ、会員かいいん控室ひかえしつみたいなところで――さっきしるした特別とくべつセッション(のためのわせ)がはじまるまでということであわただしかったのだが――インタビューということになった。
 それでいたのは、やはり、名古屋なごやからだいたい大阪おおさかあたりまでの地域ちいきでも、精神せいしん障害しょうがいしゃたちの、そしてそれにすこしさきんじての医療いりょうしゃたちのうごきがあったということだ。大野おおのさんが保護ほごしつを「占拠せんきょ」して(いちきゅうななねん)、入院にゅういんしているひとたちの待遇たいぐう改善かいぜん要求ようきゅうしたことついては彼女かのじょ〇〇ろくねんき、たしか掲載けいさい依頼いらい連絡れんらくをいただいてこちらのサイトに掲載けいさいさせてもらっている保護ほごしつ占拠せんきょ NO.1」ってはいたが、それが名古屋市立大学なごやしりつだいがく付属ふぞく病院びょういんで、その占拠せんきょがそこの医師いしかどうかはよくわからなかったがとにかく名古屋なごやあたりではん保安ほあん処分しょぶん運動うんどうをやっていたひとたちに見込みこまれ、大野おおのさんはそこにはいっていく。そしていちきゅうななよんねんに「「やまいしゃ集団しゅうだん結成けっせいだいかいだいさんかい大会たいかい京都きょうとで、だいよんかい大会たいかい名古屋なごや開催かいさいされている。名古屋なごや(の大野おおのさんたく)はたまり会議かいぎとき宿泊しゅくはく場所ばしょになり、さらに大阪おおさかにもらすつくられる。そこで障害しょうがい事件じけんこり、こしたほう鈴木すずき国男くにお以下いか故人こじんのみ敬称けいしょうりゃくというのはいかにもへんだが、そうさせていただく)――――が留置とめおきじょう放置ほうちされ、くなる。つくられ、そしてあらそいがこることに、みずからの位置いちをどこにくか、医療いりょう医療いりょうしゃたちとの関係かんけいをどうしていくかがからんでいる――鈴木すずき仲間なかましたのもそのことにかかわっていたという。
 わたしいちきゅうななきゅうねんからいちきゅうきゅうねんまでじゅうろくねん東京とうきょうにいて、なんとなくその時期じき東京とうきょう近辺きんぺん雰囲気ふんいきはわかる。大学だいがく学園がくえん闘争とうそう紛争ふんそう)は、東京大学とうきょうだいがく医学部いがくぶでの学生がくせい不当ふとう処分しょぶんがきっかけになったということになっているということもあり――このあたりのことは稲場いなば雅紀まさのり山田やまだしん立岩たていわ流儀りゅうぎ生活せいかつ書院しょいん〇〇はち)の山田やまださんのはなしおよわたしけた註をんでください――、またそのながれで所謂いわゆるあかレンガ病棟びょうとう」「占拠せんきょ」がこり、そこが「刑法けいほう改正かいせい保安ほあん処分しょぶん反対はんたいするひゃくにん委員いいんかい」といった組織そしき事務じむきょくになったこともある。そこのひとたちと、わたしがいた文学部ぶんがくぶ自治じちかい学友がくゆうかい)とは関係かんけいがあった。そこでのことだって、わからない部分ぶぶんはいろいろとあるのだが、「占拠せんきょ」はサンケイ新聞しんぶん告発こくはつキャンペーンをやったり国会こっかいでもげられたりしたし、占拠せんきょしたがわいたほんもそれを告発こくはつしたがわほんもある。くらべても、関西かんさいのことはもっとわからない。ただ、きがかりのようなことで、精神せいしん医療いりょう改革かいかくのことを調しらべかけたことがあって(『現代げんだい思想しそう』の連載れんさいで、すこしはじ途中とちゅうでたんにまっている――いちねんじゅうがつごうからいちねんじゅうがつごうまでのけいじゅうよんかい社会しゃかいのゆくさき)、いくらかでもていくと関西かんさい部分ぶぶんちから影響えいきょうおおきいことはかんじる。日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかいにおける「造反ぞうはん」がはじまったのはいちきゅうろくきゅうねん金沢かなざわでの大会たいかいだとされるのが、それを「煽動せんどう」したのは、京大きょうだい出身しゅっしん(→らくみなみ病院びょういん)の小澤おざわいさおらだった。名古屋なごや関西かんさいってよいのかわからないけれど、〇〇ろくねんわたし名古屋なごやんでくれたのも、うしろでのかいったことだが、ずっとその地道じみちにやってきた医師いししょうグループで、そのひとたちが「わか世代せだいに」ということで企画きかくをやっているのだった。(ついでにくわえると、一緒いっしょにインタビューした安原やすはらさんにはじめてったのは、〇〇ねんじゅうがつのことで、仙台せんだいでの「ハートインみやぎ〇〇」という企画きかく二人ふたりばれたとき。その仙台せんだいでの企画きかくも、やはりわったのちかいったことだが、東北大学とうほくだいがくで「造反ぞうはん」した浅野あさの弘毅こうきさんらがつづけてきたものだという。)
 精神せいしん医療いりょう場合ばあい専門せんもんしょくの「自己じこ批判ひはん」みたいなものとしてはじまった、こうした医療いりょうしゃたちの運動うんどうについてはいまあげた雑誌ざっしなどでいくらか――しかしほとんど断片だんぺんてきにだ――れることはあるのだが、いまう「当事とうじしゃ運動うんどう」のはじまりのところは、個々ここ事件じけんについてはかれたものをんだことはあるが、わからない。それが今回こんかい大野おおのさんにはなしいて、そのつながりかたがいくらかつかめたようにおもった。造反ぞうはんぐみ医療いりょうしゃたちに「そそのかされて」とってわるければ、「期待きたいされて」という部分ぶぶんもある。しかしいつまでも一緒いっしょに?、ということにもならず、ときにはきびしい対立たいりつこることにもなる。だからかれにくいということもあるだろう。行動こうどうだいいちで、いちいちいていられないということもあっただろう。
 いちいちいてられないというのはおなじだが、それでも、くらべれば、視覚しかく聴覚ちょうかくとうふく身体しんたい障害しょうがいしゃじんたちの運動うんどうについては本誌ほんし関係かんけいでは河野こうの秀忠ひでたださんのもふくめ、なんさつほんされている。ていふじ邦子くにこさんの博士はかせ論文ろんぶんほん関西かんさい障害しょうがいしゃ運動うんどう現代げんだい――大阪おおさかあおしばかい中心ちゅうしんに』生活せいかつ書院しょいん)を以前いぜんに(やはりだいかいで)紹介しょうかいした。こちらの大学院生だいがくいんせいでは岸田きしだ典子のりこさんがいまくすのき敏雄としおさんへのインタビューをかさねている。
 そしてこれらには表立おもてだっていてないのだが、大阪おおさか近辺きんぺんでは部落ぶらく解放かいほう運動うんどうとの関係かんけいつよくあってきた。それをどうるかもひと大切たいせつなところだとおもう。そして部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい共産党きょうさんとうおよびそれと関係かんけいする団体だんたいとのあいだつよ対立たいりつがあったことも関係かんけいするだろう。最初さいしょからそんなふうに陣営じんえいわかれていて、そのきで、あのひとたちがっているから賛成さんせいとか反対はんたいとか、というところも多分たぶんにあったとはおもう。ではそれはつまらない、あらそいのためのあらそいであったか。そうはおもわない。そして、部落ぶらく解放かいほう運動うんどう在日ざいにちひとたちの運動うんどうにおける「とるものをとる」やりかた障害しょうがいしゃ運動うんどうまなんできた部分ぶぶんがある。そしてそれがもたらしたものはたしかにある。と同時どうじにそれが、いま既得きとくけん批判ひはんだの、特別とくべつあつかいはしないだのいう簡単かんたんすじはなしくずされようともしている。そのことをどうかんがえるのか。なんて、悠長ゆうちょうなおはなしをしている場合ばあいではないかもしれないのだが、かんがえるためにも、わかることはわかっておいたほうがよいとおもう。

資料しりょう史料しりょうください
 まだいまならわかるかもしれない。わかりましょう。というようなことを――これもむしろ雑誌ざっし宣伝せんでんになる、とおもうことにして、全文ぜんぶん掲載けいさいしているのだが――その精神せいしん医療いりょう業界ぎょうかいの「造反ぞうはんぐみ」がはじめた雑誌ざっし精神せいしん医療いりょう最初さいしょ東大とうだい青年せいねん医師いし連合れんごう刊行かんこう現在げんざいだいよん発売はつばい批評社ひひょうしゃ、やはり購入こうにゅうできる)に「これからのためにも、あまり立派りっぱでなくても、過去かこる」という文章ぶんしょうかせてもらった。
 ひときているうちしかしゃべれない。だからいとかねば、とおもうのがひとつ。そしてかみかれたもの印刷いんさつされたものはそれはそれで。(印刷物いんさつぶつはならなくならないかとうとそんなことはない。いつのまにかなくなる。)そうおもってこのかん資料しりょうあつめてきた。ただきんはそうない。そしてかねがあればあつめられるというものでもないものもたくさんある。でも(収集しゅうしゅう自体じたいもだが、とくに整理せいり公開こうかいに)きむはあったほうがよい。それで文部もんぶ科学かがくしょう科学かがく研究けんきゅうというのに応募おうぼしているのだが、これはつづけて〔2014年度ねんどちたので3〕。ちてしまった。わたしにはそのわけがわからない――まあ欲張よくばって金額きんがくたか要求ようきゅうぎたのかもしれない。それをあわれんで、というわけではなく、ここすうねんあいだにぼつぼつと資料しりょう寄贈きぞうけている。まず、これはだいぶまえだが、尾上おがみ浩二こうじさんがDPI日本にっぽん会議かいぎ事務じむ局長きょくちょうになってしまって大阪おおさかから東京とうきょうさねばならなくなったときにダンボールばこよっつ、集会しゅうかい報告ほうこくしゅうだとかいただいた。そしてちかいところでは、福祉ふくし国家こっか優生ゆうせい思想しそう――スウェーデンはつ強制きょうせいにん手術しゅじゅつ報道ほうどう共編きょうへんしゃ文字もじあきら明石書店あかししょてん〇〇〇)の編者へんしゃでもある椎木しいきあきらさん――いちきゅうなな年代ねんだい部落ぶらく解放かいほう運動うんどうめぐはげしい対立たいりつなか教師きょうしとしていたことのあるひとでもあることを、資料しりょう一部いちぶだい部分ぶぶん箱詰はこづめでおおくりいただいた)をみずか持参じさんしてくださったおりうかがかった――から「レア」なものを多数たすうふくむ、というかほとんどがレアな資料しりょうをたくさんいただいた(「椎木しいきあきら」で検索けんさくするといただいたもののリストがてくる)。そして昨年さくねん〔★〕くなった精神せいしんで、立法りっぽうひゃくねん――精神せいしん保健ほけん医療いりょう福祉ふくし関連かんれん法規ほうき立法りっぽう 増補ぞうほ改訂かいていばん批評社ひひょうしゃ〇〇よんとう著書ちょしょのある広田ひろたおっと蔵書ぞうしょ一部いちぶ精神せいしん医療いりょう関連かんれん)を寄贈きぞうしていただけるとのおはなしもいただいている。いただけるものをいただけるうちにいただき、やれるうちにやれることをやっていきたいとおもう。大野おおのインタビュー・山本やまもとインタビューも整理せいりして(もちろん本人ほんにん了解りょうかいのうえ)公開こうかい公刊こうかんしたいとかんがえている。〔★〕
 最後さいごにもうひと宣伝せんでん。こんな事実じじつ確認かくにんしつつ、ものをかんがえるという仕事しごともある。たとえば、介助かいじょ介護かいご)は無償むしょうがよいのか有償ゆうしょうがよいのかという議論ぎろん?がえんえんとあってきた。それをあらためてどうかんがえるか。この六月ろくがつ堀田ほった義太郎よしたろうさんとの共著きょうちょ差異さい平等びょうどう――障害しょうがいとケア/有償ゆうしょう無償むしょう青土おうづちしゃ)というほんしてもらった。堀田ほった無償むしょうわたし有償ゆうしょうという分担ぶんたん?でいている。ほかにも「どれだけとっていいか」という主題しゅだいについてかんがえてみたりしている。昨年さくねんじゅうがつかん村上むらかみきよしさんとの共著きょうちょしょ家族かぞくせい分業ぶんぎょうろん前哨ぜんしょう生活せいかつ書院しょいん)ともどもってくださいませ。こちらから直送ちょくそう場合ばあい刊行かんこう記念きねん特別とくべつ価格かかくということでさつセットでさんわりき(+送料そうりょう)になります。
 さらについでにもうひとつ。尊厳そんげんほう制定せいていといううごきがあり、反対はんたい運動うんどうはじまっている。生活せいかつ保護ほごについてもなんだかうっとおしいことになっていて、ごく最近さいきん短文たんぶん依頼いらいされたりした。これらもみなHPに関連かんれん情報じょうほうあるのでよろしく。わたしのツィッターでもおらせしています。


◆2007/11/10 「もらったものについて・1」
 『そよかぜのようにまちよう』75:32-36,
◆2008/08/05 「もらったものについて・2」
 『そよかぜのようにまちよう』76:34-39,
◆2009/04/25 「もらったものについて・3」
 『そよかぜのようにまちよう』77:,
◆2010/02/20 「もらったものについて・4」
 『そよかぜのようにまちよう』78:38-44,
◆2010/09/10 「もらったものについて・5」
 『そよかぜのようにまちよう』79:38-44
◆2011/01/25 「もらったものについて・6」
 『そよかぜのようにまちよう』80:-
◆2011/07/25 「もらったものについて・7」
 『そよかぜのようにまちよう』81:38-44
◆2012/01/25 「もらったものについて・8」
 『そよかぜのようにまちよう』82:36-40
◆2012/09/10 「もらったものについて・9」
 『そよかぜのようにまちよう』83
◆2013/03/25 「もらったものについて・10」
 『そよかぜのようにまちよう』84:36-41
◆2013/09/25 「もらったものについて・11」
 『そよかぜのようにまちよう』85:
◆2014/04/25 「もらったものについて・12」
 『そよかぜのようにまちよう』86:44-49
◆2014/12/25 「もらったものについて・13」
 『そよかぜのようにまちよう』:87
◆2015/08/20 「もらったものについて・14」
 『そよかぜのようにまちよう』88:42-49
◆2016/04/25 「もらったものについて・15」
 『そよかぜのようにまちよう』89:48-55
◆2016/12/05 「もらったものについて・16」:
 『そよかぜのようにまちよう』90
◆2017/09/05 「もらったものについて・17」:
 『そよかぜのようにまちよう』91:60-67

◆2011/07/25 「そろいでもってます」
 『そよかぜのようにまちよう』81:-
◆2016/12/05 「『そよかぜおわりかんせて」
 『そよかぜのようにまちよう』90:49-50


UP:20120610 REV:20140219, 20220712
『そよかぜのようにまちよう』  ◇せい辿たどどうさぐる――身体しんたい×社会しゃかいアーカイブの構築こうちく  ◇病者びょうしゃ障害しょうがいしゃ運動うんどう研究けんきゅう  ◇立岩たていわ しん 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)