星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１――連載れんさい・140

立岩たていわ真しん也　2017/12/01　『現代げんだい思想しそう』44-(2017-12):-
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『現代げんだい思想しそう』連載れんさい（2005～）

※以下いかの本ほんの一部いちぶになりました。

◆立岩たていわ真しん也　2018　『不如意ふにょいの身体しんたい――病やまい障害しょうがいとある社会しゃかい』，青土おうづち社しゃ

『現代思想』2017年12月号特集：人新世――地質年代が示す人類と地球の未来・表紙

榊原賢二郎『社会的包摂と身体――障害者差別禁止法制後の障害定義と異別処遇を巡って』表紙

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◆星加ほしか良司りょうじ
◆この回かい（～『障害しょうがいとは何なにか』の４）全文ぜんぶんを『社会しゃかいモデル ver1.3』に収録しゅうろくしました。ダウンロードしてすぐに読よめます。

■フェイスブックでの紹介しょうかい

◇2017/11/29　「星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の01――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・443」
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◇2017/11/30　「星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の02――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・444」
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◇2017/12/01　「星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の03――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・445」
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◇2017/12/02　「インペアメントの棄却ききゃく？１：星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の04……――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・446」
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◇2017/12/07　「インペアメントの棄却ききゃく？２：星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の05――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・447」
　https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/1984405225159788
◇2017/12/08　「インペアメントの棄却ききゃく？３：星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の06――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・448」
　https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/1984406421826335
◇2017/12/09　「星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の07――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・449」
　https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/1984408625159448
◇2017/12/09　「原因げんいん論ろん１・星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の08――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・450」
　https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/1985169558416688
◇2017/12/22　「星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の10――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・454」
　https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/1990321081234869
◇2017/12/31　「星加ほしか良司りょうじ『障害しょうがいとは何なにか』の１の11――「身体しんたいの現代げんだい」計画けいかく補足ほそく・455」
　https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/1990323987901245

■目次もくじ

　■検討けんとうに際さいして

　「社会しゃかいと総称そうしょうされるものの部分ぶぶん部分ぶぶん（市場いちば、家族かぞく、政治せいじ、…）の境界きょうかいについて考かんがえることをしたいと思おもっているので、長ながく留とまるつもりはないのだが、身体しんたいの方ほうから社会しゃかいを見みていくことも必要ひつようだと思おもってはいる。その際さいの見立みたてについて、道具立どうぐだてについて書かいている。その歴史れきし篇へんが一段落いちだんらくもしないまま理論りろん篇へんということになっている。
　議論ぎろんは多おおくはない。少すくないなかで、星加ほしか良司りょうじと榊原さかきばら賢二郎けんじろうの著書ちょしょがある。それらを検討けんとうすると予告よこくして――とくに星加ほしかについてはそのことを言いったのは二に〇一いち〇年ねんだった★01――そのままになっている。理屈りくつを言いおうという営いとなみは、多おおく徒労とろうに終おわるのであるが、あってよいとは思おもう。議論ぎろんがないことを本人ほんにんたちも不満ふまんに思おもっている★02。いささか回まわり路みちということにもなるのだが、両者りょうしゃについてこれから計けい四よん回かいほどを費ついやす。まず星加ほしかの『障害しょうがいとは何なにか――ディスアビリティの社会しゃかい理論りろんに向むけて』（星加ほしか［2007］、以下いか頁ぺーじ数すうのみ表示ひょうじ）を検討けんとうする。
　その積極せっきょく的てきな主張しゅちょうに対たいする私わたしの評価ひょうかの要点ようてんだけを述のべれば簡単かんたんである。星加ほしかは「不利益ふりえきの集中しゅうちゅう」によって「ディスアビリティ」を規定きていしようとする。一ひとつ、それは無理むりである。一ひとつ、［…］」

　■批判ひはん篇へんの行くだり論ろん

　「その本ほんの構成こうせいは、もっと整理せいりして簡単かんたんなものにできたのではないかと思おもうのだが、かなり複雑ふくざつなものになっている。
　まず、Ⅰ、理論りろんがどのようなものであるべきかその条件じょうけんが四よっつあげられる。次つぎにⅡ、現在げんざいの理論りろんが三みっつあげられ、採用さいようできないとされる。次つぎにⅢ、「「社会しゃかいモデル」的てきディスアビリティ理解りかいが基本きほん的てきに共有きょうゆうしている前提ぜんてい」が四よっつあげられる。次つぎにⅣ、検討けんとうすべき主題しゅだいが三みっつあげられる。
　これらは、Ⅱ現在げんざいの理論りろんが、それが採用さいようしてしまっている前提ぜんていⅢとも関連かんれんして、Ⅰの要求ようきゅうを満みたしておらず、Ⅳ大切たいせつな問題もんだいにうまい解かいを与あたえられないことを示しめす、という順序じゅんじょにはなっている。その限かぎりで話はなしは流ながれている。ただ、一ひとつひとつを見みていった時ときには、さらに種々しゅじゅの論点ろんてんが入はいり込こんでいたり、繰くり返かえしがあったりする。
　おおまかにはここまでが批判ひはん篇へんということになる。当初とうしょ、私わたしも一ひとつひとつを検討けんとうしていったが、それを追おうのは読者どくしゃにとっては面倒めんどうだと思おもう。それは立岩たついわ編へん［2016-］に移うつす。なによりもとの本ほんを読よんでもらうのがよい★04。Ⅰ～Ⅳの項目こうもくだけ示しめす。」

　■インペアメントの棄却ききゃく

　「ディスアビリティとはインペアメントのある人ひとの問題もんだいだ」という把握はあくについての星加ほしかの議論ぎろんを見みる。Ⅴの(2)で星加ほしかはインペアメントをもってきて、（星加ほしかによれば不利益ふりえきとしての）ディスアビリティを規定きていすることを――何なにをもって「規定きてい」と呼よぶのかが問題もんだいなのだが――棄却ききゃくする。（以下いか、あげられている文献ぶんけん、書誌しょし情報じょうほうはここでは略りゃくし、ＨＰにあげておく。）
　［…］」

　■しかし分わけ隔へだてるものがある、ようだが

　「インペアメントの存在そんざいを〔ディスアビリティの〕要件ようけんとすること自体じたいは可能かのうだが、それが不利益ふりえきを生うむ他ほかの可能かのう的てき要件ようけんを措定そていした場合ばあいとどのように異ことなるのかについては何なにも言いえていない」と書かかれている。「インペアメントの存在そんざいを要件ようけんとすること自体じたいは可能かのう」だと言いう。「要件ようけん」という語かたりの意味いみ如何いかでもあるが、可能かのうであるとされている。それが「不利益ふりえきを生うむ他ほかの可能かのう的てき要件ようけんを措定そていした場合ばあい」と「どのように異ことなるのか」と進すすむ。
　まず（不利益ふりえきのあり方かたが）「異ことなる」ことが前提ぜんていにされているのだが、なぜそのように言いえるのか。そして異ことなるところがあるとして、それを言いわなければならないのか、それはなぜか。
　星加ほしかは、「「体からだが人並ひとなみはずれて大おおきい人ひと」にとっての不利益ふりえきや「田舎いなかで生うまれた人ひと」にとっての不利益ふりえきではなく、「インペアメントのある人ひと」にとっての不利益ふりえきだけがなぜディスアビリティとして把握はあくされ、その解消かいしょうが特とくに要請ようせいされるのかが［…］不明ふめいなのである」と言いう（［108］）。まずここだけを読よむと、インペアメントとディスアビリティは接続せつぞくされており、インペアメント以外いがいの何なにか（例たとえば高こう身長しんちょうや田舎いなか出でであること）と（ディスアビリティ以外いがいの、例たとえば高こう身長しんちょうや田舎いなか出でであることに関かかわる）不利益ふりえきとは異ことなるという話はなしになっている。とすると、まず、既すでにインペアメントとそうでないものは分わけることができるものとしてあるはずであり、そして分わかれて二に種類しゅるいになる不利益ふりえきのあり方かたが異ことなっていることが予あらかじめわかっているということになる。そのように言いえるものなのか。
　例れいに即そくして見みていく。［…］」

　■原因げんいん論ろん

　「もう一ひとつ批判ひはんされる「原因げんいん論ろん」について。星加ほしかはこれを二に箇所かしょで紹介しょうかいし問題もんだいにしている。二に度ど、二ふたつに分わけて議論ぎろんがなされる必要ひつようがあったかどうかはわからない。
　まず今いまどきの理論りろんを紹介しょうかいするⅡであげられる。(1)「原因げんいん帰属きぞく」、(2)「解消かいしょう可能かのう性せいによる解釈かいしゃく」★06、(3)「帰かえり責せめ性せいによる解釈かいしゃく」と並ならべる中なかの(1)である。ここではオリヴァーらの障害しょうがい学がくの議論ぎろんがディスアビリティに関かかわる原因げんいん論ろんにおいて社会しゃかいを主張しゅちょうしたことが――(2)(3)は紹介しょうかいされた上うえで批判ひはんされるのだが――まずは紹介しょうかいだけされる。
　もう一ひとつは、さきにⅤの(1)(2)とした(1)。従来じゅうらいの理論りろんが「障害しょうがい者しゃの経験けいけんする不利益ふりえきを特有とくゆうなものとして同定どうていする」ことができないことを示しめした上うえで、不利益ふりえきを特定とくていしようという流ながれの議論ぎろんのうちにあって、(1)「社会しゃかい原因げんいん論ろんの錯誤さくご」を言いった上うえで、(2)「インペアメント」をもってくる議論ぎろんもうまくいかないという筋すじのなかにある。(2)は前節ぜんせつで検討けんとうした。以下いかこちらの(1)を見みる。」

■帰かえり責せめ性せいによる解釈かいしゃくの処理しょり

　「とすると、社会しゃかいが原因げんいんで「できないこと」が生しょうじているというい方いかたに代かえて、あるいはそのい方いかたの意図いと・意味いみとして、その「できないこと」の解消かいしょうについて社会しゃかいに責任せきにんがあると言いえばよいではないか。この本ほんでは、Ⅱの既存きそんの社会しゃかいモデルの議論ぎろんが、(1)「原因げんいん帰属きぞくをめぐる認識にんしき論ろん的てき転換てんかん」、(2)「解消かいしょう可能かのう性せいによる解釈かいしゃく」、(3)「帰かえり責せめ性せいによる解釈かいしゃく」という順序じゅんじょで検討けんとうされる。
　私わたしの論ろんもその(3)に含ふくまれる。星加ほしかに引用いんようされているように以下いかのように私わたしは言いっている。「社会しゃかいモデルの主張しゅちょうが意味いみのある主張しゅちょうであるのは、それがその人ひとが被こうむっている不便ふべんや不利益ふりえきの「原因げんいん」をその人ひとにでなく社会しゃかいに求もとめたから、ではない。［…］核心かくしん的てきな問題もんだい、大おおきな分岐ぶんき点てんは、どこかまで行いけるという状態じょうたいがどのように達成たっせいされるべきかにある。二ふたつのモデルの有ゆう意味いみな違ちがいは、誰だれが義務ぎむを負おうのか、負担ふたんするのかという点てんにある」（立岩たていわ［2002:69-71］）。
　星加ほしかはそれに問題もんだいが二ふたつあるという。［…］」

　「だから、ここまでのところでは、星加ほしかが検討けんとうし批判ひはんし棄却ききゃくしたものは捨すてたものではないということになる。では、代かわりに何なにを星加ほしかは示しめすか。次回じかいそれを検討けんとうする。」

■註

★01　「「社会しゃかいモデル」・２――連載れんさい・59」（二に〇一いち〇年ねん十じゅう月がつ号ごう）中ちゅうの「やはり問題もんだいは規範きはん的てきな問題もんだいなのである」に付ふした註。
　「星加ほしか［2007］がこのことを正当せいとうに指摘してきしている。星加ほしかは、私わたしと同様どうように、問題もんだいは事実じじつの水準すいじゅんの問題もんだいではないこと、原因げんいんという事実じじつの水準すいじゅんの問題もんだいでないこと、この部分ぶぶんに錯誤さくごがあると指摘してきする。基本きほん的てきに私わたしが星加ほしかと同おなじ立場たちばを取とることは本文ほんぶんに述のべた。ただ、英語えいごで「のせいで（due to）」という言葉ことばが使つかわれる場合ばあい、それはただある事象じしょうが生起せいきする（あるいは生起せいきしない）原因げんいん・要因よういんを指さすだけではないだろう。なすべきことがなされない（あるいはなされるべきでないことがなされる）「せいで」しかじかが起おこってしまう（あるいは起おこらない）といった使つかわれ方かたもされる。例たとえば本ほん連載れんさい前々回ぜんぜんかいの最後さいごに引ひいたマイケル・オリヴァーが示しめす例れいもそのように解げすることはできる。ただその上うえで、どこに問題もんだいの核心かくしんがあるのかについて曖昧あいまいさの残のこる記述きじゅつ・主張しゅちょうがなされてきたことは問題もんだいにされてよいと（私わたしも）考かんがえる。／それとともに、星加ほしかは立岩たていわ［2002］における社会しゃかいモデルの把握はあくについて批判ひはんをしている。本文ほんぶんに述のべることはそれに対たいする応答おうとうでもある。星加ほしかの論ろんの紹介しょうかいとその検討けんとうは別途べっと行おこなう。」
★02　『障害しょうがい学がくのリハビリテーション』（川越かわごえ・川島かわしま・星加ほしか編へん［2013］）の序章じょしょうは川島かわしま聡さとしと星加ほしかによる。学術がくじゅつ的てきな論争ろんそうがあってしかるべきであると述のべた後のち、次つぎのように続つづけられる。
　「ところが、少すくなくとも日本にっぽんに限かぎって言いえば、障害しょうがい学がくの内部ないぶにおける論争ろんそうと相互そうご批判ひはんの類るいは乏とぼしい。誤解ごかいをおそれずに言いえば、微温びおん的てきな仲間なかま内ないの集あつまりで、行儀ぎょうぎよく住すみ分わけをして、相互そうご不干渉ふかんしょうを決きめ込こんでいるようですらある」(川島かわしま・星加ほしか［2013:6］)。
　私わたしが今いまになってこんなことを書かいているのは、基本きほん的てきには私わたしにおける優先ゆうせん順位じゅんいによるのだが、そのことに関かかわらなくもない単純たんじゅんな無知むちもある。私わたしは右みぎ記しるした本ほんのことを今年ことしになるまで知しらなかった。
★03　終おわり刊かんになった『そよ風かぜのように街まちに出でよう』での連載れんさいの第だい三さん回かいに以下いかのように記しるした。「この社会しゃかいで自分じぶんたちは最もっともわりを食くっている、その限かぎりでは、この社会しゃかいは敵てきであるのだが、しかし、同時どうじにそこにいる人ひとに手伝てつだわせたりしなければならない。強つよい批判ひはんを向むけながら、しかし、そことやっていかなけれはならない。どうやってやっていくのか。すくなくとも「社会しゃかい科学かがく」をやっている人ひとにとっては、これはおもしろい。そこから受うけ取とれるものがあるはずだと思おもう」（立岩たていわ［2007-2017(3)］、この回かいは二に〇〇九きゅう年ねん）。
★04　他ほかにも何なん種類しゅるいかの既存きそんの議論ぎろんの批判ひはんは何なん箇所かしょかにある。紙かみ数すう的てきに許ゆるされれば別べつの回かいに紹介しょうかいする。
★05　ここで個人こじんへの「帰かえり責せめ」と言いうべきかどうかは問題もんだいである。むしろしかじかは障害しょうがいであるという規定きていは、「免責めんせき」の行おこないでもある（cf.立岩たていわ［2014］）。「帰属きぞく」と「帰かえり責せめ」は分わけて考かんがえた方ほうがよい。帰属きぞくは因果いんがに関かかわり、帰かえり責せめは責任せきにんに関かかわる。
★06　ここでは石川いしかわ准じゅんの「社会しゃかいが負担ふたんを負おえば解決かいけつするような障害しょうがいのことをディスアビリティと呼よぶことにしたのだから、社会しゃかいが負担ふたんを負おっても解決かいけつしない障害しょうがいはディスアビリティではない」（石川いしかわ［2002:27］）という記述きじゅつがあげられる。解消かいしょうが望のぞまれているが、（いまは）不可能ふかのうなものを入いれないというのは、言葉ことばを使つかう使つかい方かたとして、具合ぐあいがよくはない。ただ、この呼よび名なの問題もんだいは別べつとして、現実げんじつには、困難こんなんではあっても可能かのうなものしか相手あいてにしても仕方しかたがないということはある。社会しゃかい的てきに解消かいしょう・軽減けいげん可能かのうなものをディスアビリティとし、それを問題もんだいにしてゆくというのは、自然しぜんな道行みちゆきでもある。
★07　規範きはん的てきなこと、ことのよしあしを直截ちょくせつに言いうことがためられわるような土壌どじょうで、事実じじつの記述きじゅつをもって規範きはん的てきな方向ほうこうを醸かもし出ださせることがあって、それはよくないと述のべたことがある（立岩たていわ［2004］）。

■文献ぶんけん→本ほんの文献ぶんけん表ひょう
　※この回かいの原稿げんこうに付ふした文献ぶんけん表ひょうには◆。

◇Barnes, Colin　1991　"Disabled People in Britain and Discrimination," London: Hurst and Co., in Association with the British Council of Organisations of Disabled People.〈星加ほしか108〉
◇――――　1996　"The Model of Disability: Myths and Misconceptions," Coalition, August: 27-33.〈星加ほしか65, 94, 108〉
◇Barnes, Collin, Geof Mercer and Tom Shakespeare, 1999, Exploring Disability: A Sociological Introduction, Cambridge: Polity Press.（=2004，杉野すぎの昭博あきひろ・松波まつなみめぐみ・山下やました幸子さちこ訳やく『ディスアビリティ・スタディーズ──イギリス障害しょうがい学がく概論がいろん』明石書店あかししょてん）〈23, 108, 142〉
◆Brechin, Ann ; Liddiard, Penny ; Swain, John eds.　1981　Handicap in a Social World, Hodder and Stoughton〈星加ほしか140〉
◇Finkelstein, Victor, 1980, Attitudes and Disabled People: Issues for Discussion, New York: International Exchange of Information in Rehabilitation.
◆――――　1981　"To Deny or Not to Deny Disability", Brechin, Liddiard & Swain eds.［1981:34-36］
◇星加ほしか良司りょうじ　2002　「「障害しょうがい」の意味いみ付づけと障害しょうがい者しゃのアイデンティティ――「障害しょうがい」の否定ひてい／肯定こうていをめぐって」,『ソシオロゴス』26: 105-20
◇――――　2003　「『障害しょうがいの社会しゃかいモデル』再考さいこう――ディスアビリティの解消かいしょうという戦略せんりゃくの規範きはん性せいについて」,『ソシオロゴス』27: 54-69
◆――――　20070225　『障害しょうがいとは何なにか――ディスアビリティの社会しゃかい理論りろんに向むけて』，生活せいかつ書院しょいん，360p.　ISBN-10: 4903690040　ISBN-13: 978-4903690049　3000+　［amazon］／［kinokuniya］　※　ds　［138］
◇――――　20130830　「社会しゃかいモデルの分岐ぶんき点てん――実践じっせん性せいは諸刃もろはの剣けん？」，川越かわごえ・川島かわしま・星加ほしか編へん［2013:20-40］
◇飯野いいの由里子ゆりこ・川越かわごえ敏司としじ・川島かわしま聡さとし・杉野すぎの昭博あきひろ・中根なかね成しげる寿ことぶき・星加ほしか良司りょうじ　2013　「ディスカッション――「社会しゃかい」に開ひらかれた障害しょうがい学がくの可能かのう性せい」，川越かわごえ・川島かわしま・星加ほしか編へん［2013:131-179］
◇石川いしかわ准じゅん　20021031　「ディスアビリティの削減さくげん、インペアメントの変換へんかん」，石川いしかわ・倉本くらもと編へん［2002:17-46］
◆石川いしかわ准じゅん・倉本くらもと智明ともあき編へん　2002　『障害しょうがい学がくの主張しゅちょう』、明石書店あかししょてん
◆川越かわごえ敏司としじ・川島かわしま聡さとし・星加ほしか良司りょうじ編へん　20130830　『障害しょうがい学がくのリハビリテーション――障害しょうがいの社会しゃかいモデルその射程しゃていと限界げんかい』，生活せいかつ書院しょいん，192p.　ISBN-10: 4865000135　ISBN-13: 978-4865000139　2000+tax　[amazon]　※　［138］
◆川島かわしま聡さとし・星加ほしか良司りょうじ　20130830　「障害しょうがい学がくの「リハビリテーション」という企くわだて」，川越かわごえ・川島かわしま・星加ほしか編へん［2013:3-13］
◇Oliver, Michael　1996　Understanding Disability : From Theory to Practice, Macmillan.
◇榊原さかきばら賢二郎けんじろう　20161110　『社会しゃかい的てき包摂ほうせつと身体しんたい――障害しょうがい者しゃ差別さべつ禁止きんし法制ほうせい後ごの障害しょうがい定義ていぎと異こと別べつ処遇しょぐうを巡めぐって』，生活せいかつ書院しょいん，398p.　［138］
◇Stone, Deborah A.　1984　The Disabled State, Temple University Press
◆立岩たていわ真しん也　1997　『私的してき所有しょゆう論ろん』、勁草書房しょぼう16:42:18　［138］［139］
◆――――　20021025　「ないにこしたことはない、か・１」、石川いしかわ・倉本くらもと編へん［2002:47-87］
◆――――　20041231　「社会しゃかい的てき――言葉ことばの誤用ごようについて」，『社会しゃかい学がく評論ひょうろん』55-3(219):331-347→立岩たていわ［2006:236-281］
◆――――　20060710　『希望きぼうについて』、青土おうづち社しゃ　［140］
◆――――　2007-2017　「もらったものについて・１～17」、『そよ風かぜのように街まちに出でよう』75:32-36～91:60-67　［140］
◇――――　20110520　「障害しょうがい論ろん」，戸田とだ山さん・出口でぐち編へん［2011:220-231］＊　［138］
◆――――　20130520　『私的してき所有しょゆう論ろん　第だい２版はん』，生活せいかつ書院しょいん・文庫ぶんこ版ばん　［139］
◆――――　20140826　『自閉症じへいしょう連続れんぞく体たいの時代じだい』，みすず書房しょぼう，352p.　［138］［139］
◇――――　20170731　「障害しょうがいは近代きんだいを保たもつ部品ぶひんである、しかし」、東ひがしアジア障害しょうがい学がくセミナー・報告ほうこく要旨ようし
◆立岩たていわ真しん也編へん　201610- 『社会しゃかいモデル』、Kyoto Books
◇――――　201105　「障害しょうがい論ろん」、戸田とだ山さん・出口でぐち編へん［2011:220-231］

UP:20171105　REV:20171106, 29

◇星加ほしか良司りょうじ　 ◇社会しゃかいモデル　 ◇障害しょうがい学がく　 ◇病者びょうしゃ障害しょうがい者しゃ運動うんどう史し研究けんきゅう　 ◇立岩たていわ真しん也　 ◇Shin'ya Tateiwa　

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