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二日市安/後藤安彦
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二日市ふつかいち やす後藤ごとう 安彦やすひこ

ふつかいち・やすし/ごとう・やすひこ
1929〜2008

last update:20110122

経歴けいれき

翻訳ほんやく
障害しょうがい普通ふつう学校がっこう全国ぜんこく連絡れんらくかい
※2008/02/16逝去せいきょ

◆2008/02/18 「訃報ふほう二日市ふつかいちやすさん)」
 DPI日本にっぽん会議かいぎ『DPI Vooo! (a Voice Of Our Own)">
 http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo/2008/02/post_c5d0.html
 「もとBEGIN(障害しょうがいしゃ総合そうごう情報じょうほうネットワーク)代表だいひょうにちやす(ふつかいち・やすし)さんが16にち急性きゅうせい肺炎はいえんのためにた。しんよりご冥福めいふくをおいのりいたします。
 二日ふつかさんは、DPI日本にっぽん会議かいぎ加盟かめい団体だんたい障害しょうがいれん創設そうせつ中心ちゅうしんになわれ、養護ようご学校がっこう義務ぎむとうにより地元じもと小学校しょうがっこうへの入学にゅうがく拒否きょひされていた金井かないくん問題もんだいにもずっとまれました。また、BEGINの世話人せわにん代表だいひょうつとめていただくひとし一貫いっかんして、障害しょうがい当事とうじしゃ運動うんどうささえるリーダーの一人ひとりでありつづけられました。
 本当ほんとうにありがとうございました。
以下いか、お通夜つや告別こくべつしき日程にっていをおらせします。
           
日時にちじ お通夜つや 2008ねんがつ18にちつき)18から 告別こくべつしき 2008ねんがつ19にち)10から
場所ばしょ コムウェルホール高円寺こうえんじ 杉並すぎなみ高円寺南こうえんじみなみ2-2-2 連絡れんらくさき 0120-72-4141
喪主もしゅ 二日市ふつかいち だいつま)」

◆2008/02/17-21:57 「翻訳ほんやく後藤ごとう安彦やすひこ死去しきょ
 時事通信じじつうしん http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_30&k=2008021700174
 「後藤ごとう 安彦やすひこ(ごとう・やすひこ、本名ほんみょうにちやす=ふつかいち・やすし=翻訳ほんやく歌人かじん)16にち午後ごご38ふん急性きゅうせい肺炎はいえんのため東京とうきょう稲城いなぎ病院びょういん死去しきょ、78さい兵庫ひょうごけん西宮にしのみや出身しゅっしん自宅じたく東京とうきょう世田谷せたがやきぬた6の26の21。葬儀そうぎ告別こくべつしきは19にち午前ごぜん10から東京とうきょう杉並すぎなみ高円寺南こうえんじみなみ2の2の2のコムウェルホール高円寺こうえんじで。喪主もしゅつまだい(かよ)さん。
 まれつき脳性のうせいマヒで、独学どくがくすうカ国かこく習得しゅうとく推理すいり小説しょうせつ翻訳ほんやく数多かずおお手掛てがける一方いっぽう障害しょうがいしゃ運動うんどうにもんだ。推理すいり作家さっかゆえ仁木にき悦子えつこさんはもとつま。(りょう)」

◆2008/02/17  YOMIURI ONLINE(読売新聞よみうりしんぶん) 「後藤ごとう安彦やすひこ翻訳ほんやく
 後藤ごとう安彦やすひこ(ごとう・やすひこ、本名ほんみょう二日市ふつかいちやす=ふつかいち・やすし=翻訳ほんやく)16にち急性きゅうせい肺炎はいえん死去しきょ。78さい告別こくべつしきは19にち午前ごぜん10東京とうきょう杉並すぎなみ高円寺南こうえんじみなみ2の2の2コムウェルホール高円寺こうえんじ喪主もしゅつまだいさん。
 脳性のうせい小児しょうにマヒで小学校しょうがっこうそつ独学どくがくえいふつどくなど7かこく以上いじょう外国がいこく習得しゅうとくし、歴史れきしサスペンス「ロマノフ金塊きんかい」など100さつ以上いじょう翻訳ほんやくした。」

著書ちょしょ(たんちょ)

◆19791110 『私的してき障害しょうがいしゃ運動うんどう』,たつまつしゃ,たいまつ新書しんしょ61,191p. 680 [絶版ぜっぱん]※ b d **
◆19820620 逆光ぎゃっこうなか障害しょうがいしゃたち――古代こだいから現代げんだい文学ぶんがくまで』せん書房しょぼう,270p. \1480 ※ ds
貝原かいばら ひろし 19951125 『障害しょうがいしゃ』,現代書館げんだいしょかん,FOR BIGINNERS,174p. 1200+えん ※ b d **

■そのほかの著述ちょじゅつぶつ

◆19820601 「障害しょうがいしゃ差別さべつ歴史れきし障害しょうがいしゃせい
 全国ぜんこく障害しょうがいしゃ解放かいほう運動うんどう連絡れんらく会議かいぎへん[1982:9-28](『障害しょうがいしゃ解放かいほう運動うんどう現在げんざい』)
◆19860120 「身体しんたい障害しょうがいしゃ歴史れきし
 磯村いそむらへん[1986:17-51]
……
◆200003 「「障害しょうがいしゃであるがゆえに」
 『障害しょうがいしゃ欠格けっかく条項じょうこうをなくすかいニュースレター』5
 http://www.dpi-japan.org/friend/restrict/essay/essay04.html
◆20010501 「やれるときに、やれるだけのことを」
 全国ぜんこく自立じりつ生活せいかつセンター協議きょうぎかいへん[2001:177-187]*
全国ぜんこく自立じりつ生活せいかつセンター協議きょうぎかい へん 20010501 自立じりつ生活せいかつ運動うんどう障害しょうがい文化ぶんか――当事とうじしゃからの福祉ふくしろん全国ぜんこく自立じりつ生活せいかつセンター協議きょうぎかい発売はつばい現代書館げんだいしょかん,480p. ISBN:4-7684-3426-6 3675 [amazon][kinokuniya] ※ d00h

雑誌ざっし掲載けいさいされた文章ぶんしょう

◆19790625 「戦後せんご障害しょうがいしゃ運動うんどうへのこころみ――障害しょうがいれん中心ちゅうしんとして」
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう03:021-033 ※COPY
◆19810925 「障害しょうがいしゃてき部分ぶぶんへの共感きょうかん――わたしからたブリキの太鼓たいこ」(季節風きせつふう・SCREEN)
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう12:089 ※
◆19830325 「書評しょひょう千田せんだ好夫よしお『ヒロオのゆめ』」
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう18:113 ※
◆19840925 「ポスト・国際こくさい障害しょうがいしゃねん運動うんどうじょうきょうは」
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう24:075-094 ※
◆19861225 「ふゆ終着駅しゅうちゃくえきで」
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう33:048-055 ※
◆19870216 「いちきゅうはちいちねん現在げんざい,そして,これから」
 『あくしょん』2:10-15
◆19871225 「中間なかまねん状況じょうきょう主体しゅたい
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう37:034-044 ※
◆19880925 「情勢じょうせい狭間はざまでの自己じこ主張しゅちょう告発こくはつ
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう40:149-154 ※
◆19881225 「いちきゅうはちはちねんきゅうがつ日間にちかん
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう41:118-126 ※

後藤ごとう 安彦やすひこ 19831225 「優生ゆうせい思想しそうとの出合であい」
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう21:008-014 ※
後藤ごとう 安彦やすひこ 19831225 「なぜこの学校がっこうけないの?――全国ぜんこく経験けいけんちより,長崎ながさき訴訟そしょう支援しえんするつどい」
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう21:101-103 ※
後藤ごとう 安彦やすひこ 19840325
 「書評しょひょうようくらだいさん『ひびきあうこどもたち――教育きょういくげん姿すがたもとめて』」
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう22:084-085 ※
後藤ごとう 安彦やすひこ 19850625 「いわゆる<おや教育きょういくけん>について」
 (古川ふるかわ清治きよじの「対話たいわ討論とうろん」にこたえて)
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう27:104-108 ※
後藤ごとう 安彦やすひこ 19860325 「横田よこたひろしちょ詩集ししゅう うみ』」(書評しょひょう
 季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう30:099 ※

 ※は生存せいぞんがく資料しりょうしつにあり

引用いんよう言及げんきゅう

向井むかい うけたまわ 19930930 老親ろうしんとともにきる』晶文社しょうぶんしゃ,285p. ISBN-10:4794961375 ISBN-13: 978-4794961372 1835 [amazon][kinokuniya] ※ b a02 a06
 以下いかから引用いんよう
◇19861225 「ふゆ終着駅しゅうちゃくえきで」,季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう33:048-055 ※

 「「のたれ自由じゆうを」というタイトルをでもた。尊敬そんけいするにちやす後藤ごとう安彦やすひこ)さんだ。「ふゆ終着駅しゅうちゃくえきで」とだいされたエッセイが『季刊きかん福祉ふくし労働ろうどう掲載けいさいされたのはいちきゅうはちろくねんだった。エッセイをかれた直後ちょくご最愛さいあいのパートナーだった仁木にき悦子えつこさんをうしなわれた。しんしんとせまいとえがくエッセイのなかでも、そのかなしみといきどおりがふかせま異様いよう小品しょうひんとして、時代じだい記録きろくされるべきものとおもう。幾度いくどかえした二日ふつかさんの文章ぶんしょうをここにすこ引用いんようさせていただきたい。
 「もともと脳性のうせい麻痺まひ自由じゆうのきかないわたしの四肢ししのなかで、比較的ひかくてき自由じゆううごいていたのが右腕うわんだった」、というにちさんの右腕うわん機能きのう低下ていかはじめる。「心理しんりてきなものだよ」とわれることを期待きたいして医師いし相談そうだんする。が、「診察しんさつ結果けっかとしてこたえは、わたしの予想よそう楽観らっかんてき希望きぼうとはちがったものだった。ようするに、もともとの障害しょうがい老年ろうねん加味かみされてべつ障害しょうがい発生はっせいしたというのだ」と宣言せんげんされたところからにちさんは「いという終着駅しゅうちゃくえきについてかんがえざるをない状況じょうきょうたされ」た。

 (以下いか二日ふつか文章ぶんしょう引用いんよう下記かきの「(中略ちゅうりゃく)」は筆者ひっしゃによるもの/引用いんようしゃ補足ほそく
 体力たいりょくおとろえも機能きのう減退げんたいかんじなかったわか時期じき、わたしは自分じぶんなりの意味合いみあいで「のたれ」をかんがえたことがあった。(中略ちゅうりゃく)わたしは場所ばしょにはこだわらない。それが施設しせつ<56<以外の場所なら、それで立派な「のたれ死」だと思う。誰からの拘束も受けずに仕事や運動や遊びを好きなだけやり、持っている限りの体力を使い果たしたら、そこで死んでいく。気がついたら死んでいた――他人にとっても自分にとってもそんなふうに感じられるような死に方をしたいと思い、また簡単にそうできると思っていた。
 だが、いまとなっては、ただそれだけのことが容易ようい実現じつげんできないゆめであるのをおもるしかない。
 いまよりもっとい、肉体にくたいてきにもっとおとろえたなんねんのわたしに、たしてどれだけの選択せんたく自由じゆうのこされているだろうか。まごもなく、現在げんざいんでいるいえ以外いがいはまとまった資産しさんとてたない障害しょうがいしゃろう夫婦ふうふのわたしたちに、くにはどこまで「のたれ自由じゆう」をみとめてくれるだろうか。
 つまとわたしのどちらがさきぬかはわからない。だが、どちらがんでものこったほうはひとりできつづけるだろう。しばらくのあいだは……。しかし、のこったひとりがもしわたしのほうだったとして、なんねんのち気力きりょく体力たいりょくきて、それでもまだきつづけるとしたら、どういう現実げんじつっているだろうか。そのときは首尾しゅびよくのたれできるだろうか。

 だが、「施設しせつという関門かんもん」が登場とうじょうしてくる。「障害しょうがいしゃもしくはそれにちか状態じょうたいになった高齢こうれいしゃ<57<専用の特設予備改札口」である。「“措置”して、寝せ、食べさせ、排泄させ、そしてまた寝せるための場所としての施設」とは「思想もなく、男女交際もなく、飲酒もなく、あるのはただ仕事としての介護だけ」という「場所」、それを二日市さんは「拒否の対象」として視る。

以下いか同様どうよう二日ふつか文章ぶんしょう引用いんよう下記かきの「(中略ちゅうりゃく)」は筆者ひっしゃによるもの/引用いんようしゃ補足ほそく
 障害しょうがいしゃ施設しせつにしろ老人ろうじんホームにしろ、そこにはたらひとたちの善意ぜんいうたがうのは、たぶん非礼ひれいなことであり、間違まちがったことなのだろう。ほかの仕事しごとえらぶこともできたのに、素朴そぼく善意ぜんいから施設しせつ職員しょくいんみちあゆむことをえらんだというひとたちに、わたしはむしろ脱帽だつぼうすべきかもしれない。
 だが、あえていわせてもらうなら、そのひとたちは「えらんだ」が、障害しょうがいしゃ高齢こうれいしゃおおくはえらぶことすらできず、施設しせつに「措置そち」されるのだ。そして、“いた障害しょうがいしゃ”としてのわたしにも、やがてえら権利けんりうしな危機ききせまってくるのである。無用むようしゃ排除はいじょ原理げんりとやらにしたがって、そのときは、わたしもおとなしくえら権利けんり放棄ほうきして、「措置そち」されるべきなのだろうか。
 いやだ。もう一度いちどいうが、冗談じょうだんじゃない! わたしは「のたれ」をこそえらぶのだ。「のたれ」をえら方法ほうほうつけすのだ。
 (中略ちゅうりゃく
いちきゅうさんねんんだアメリカの詩人しじんディラン・トマスに「あのこころよよるにおとなしくはいっ<58<てはいけない」という詩がある。死に近い老いた自分の父親をみつめながらつくった作品で、「あの快い夜」とは死をさす。おとなしく死んではいけない、老人は病と格闘しながら、死の影を拒否して最後のぎりぎりまで荒れ怒りながら生きるべきだ――という激しい呼びかけの詩句がつづく。
 そのものと最後さいごまで格闘かくとうしとおす自信じしんはわたしにはない。だが、前哨ぜんしょうせんとしてのあの高齢こうれい障害しょうがいしゃ専用せんよう予備よび改札かいさつこうとおることだけは、あくまで拒否きょひしとおすつもりだ。
 主体性しゅたいせい放棄ほうきして施設しせつ生活せいかつをゆだねるのは、わたしにとって以上いじょうだ。」


REV:..20080221...20110122, 20150224
障害しょうがいしゃ生活せいかつ保障ほしょう要求ようきゅうする連絡れんらく会議かいぎ障害しょうがいれん  ◇脳性のうせい麻痺まひ (Cerebral Palsy)  ◇障害しょうがいしゃ(の運動うんどうのための資料しりょうにん  ◇病者びょうしゃ障害しょうがいしゃ運動うんどう研究けんきゅう  ◇仁木にき 悦子えつこ  ◇WHO 
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