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和中勝三
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和わ中ちゅう 勝三かつぞう

わなか・かつみ
〜2013/11/13

《難病なんびょうＡＬＳの人生じんせい》
http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303/


・和歌山わかやま市し
・日本にっぽんＡＬＳ協会きょうかい近畿きんきブロック
・http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303/
　（開始かいし：１９９９年ねん４月がつ　　最終さいしゅう更新こうしん日び：２００２年ねん６月がつ…［200207］）


1990　　　自覚じかく症状しょうじょう
199109　　最初さいしょの告知こくち「私わたしには、急激きゅうげきな脊髄せきずいの老化ろうかと説明せつめいを受うけましたが、診断しんだん書しょを見みると運動うんどうニューロン疾患しっかん」（↓）
199210　　「筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう」
19960116　気管きかん切開せっかい
19960425　人工じんこう呼吸こきゅう器き装着そうちゃく

◆2006/11/28　「一いち五ご年間ねんかんで経験けいけんしたこと」，「生いきる力ちから｣編集へんしゅう委員いいん会かい編へん［2006:064-072］＊
＊「生いきる力ちから」編集へんしゅう委員いいん会かい編へん　20061128　『生いきる力ちから――神経しんけい難病なんびょうＡＬＳ患者かんじゃたちからのメッセージ』，岩波書店いわなみしょてん，岩波いわなみブックレットNo.689，144p.　ASIN: 4000093894　840　［amazon］／［kinokuniya］　※,
◆20010801　「呼吸こきゅう器きをつけるということ――患者かんじゃの立場たちばから」
　『難病なんびょうと在宅ざいたくケア』07-05(2001-08):45-49

◆ホームページ目次もくじ

・プロフィール
　http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303/pro/pro.html
・入退院にゅうたいいん
・医療いりょう体制たいせい
・訪問ほうもん看護かんご
・食事しょくじ
・水分すいぶん補給ほきゅう
・胃い瘻
・意思いし伝達でんたつ装置そうち
・告知こくちについて
　http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303/kokuchi/kokuchi.html
・今いまの病状びょうじょうと家族かぞく
　http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303/ima_yosu/ima_yosu.html
・口腔こうくうケア
・介護かいご保険ほけん
・介護かいごマニュアル
・リンク集しゅう

◆「告知こくちについて」
　http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303/kokuchi/kokuchi.html
　「平成へいせい３年ねん９月がつに最初さいしょの告知こくちを受うけました。
　私わたしには、急激きゅうげきな脊髄せきずいの老化ろうかと説明せつめいを受うけましたが、診断しんだん書しょを見みると運動うんどうニューロン疾患しっかんと書かいていました。何なにも知識ちしきが無なかった私わたしは難病なんびょう欄らんを見みて、運動うんどうニューロン疾患しっかんて書かいていないか探さがしましたが、書かいていなかったのでラッキーと喜よろこび、治なおる見込みこみがあると信しんじて、他たの病院びょういんを転々てんてんと診察しんさつに回まわりました。
　何処どこの病院びょういんへ検査けんさに行いっても先生せんせいに質問しつもんしてもはっきりと答こたえてくれずに、困こまったような顔かおをしてうなずくばかりで、かえって迷惑めいわくそうに感かんじました。
　病院びょういんを転々てんてんと回まわっていると、自分じぶんでも治なおらない病気びょうきではないかと感かんじ始はじめてきました。 　平成へいせい４年ねん１０月がつに「筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう」と告知こくちを受うけました。
　難病なんびょうと覚悟かくごはしていましたが、本当ほんとうの事ことを知しるとショックで落おち込こむし、イライラして家族かぞくにあたる時ときもありました。
　３年ねん〜５年ねんの寿命じゅみょうと告知こくちされた時ときが一番いちばん辛つらいし、将来しょうらいの事ことを考かんがえ落おち込こむと思おもいます。一時期いちじきは、悩なやみ苦くるしみますが、ＡＬＳから逃のがれる事ことが出来できないと判わかると、闘たたかうか死しぬかで悩なやんだ末すえに気持きもちが開ひらき直なおります。気持きもちが開ひらき直なおれば前向まえむきに考かんがえるようになり、気持きもちが明あかるくなりました。
　私わたしは、告知こくちを受うけるのは早はやい方ほうが良よいと思おもいます。
　私わたしの場合ばあいは、約やく１年ねんで告知こくち受うけたので、考かんがえる時間じかんが長ながく冷静れいせいに判断はんだんできたと思おもいます。家族かぞくと将来しょうらいの事ことを十分じゅうぶん話はなし合あって、心残こころのこりの無ないように気持きもちの整理せいりがつくように家族かぞく皆みなで隠かくさず話はなし合あうことが一番いちばん大事だいじなことです。そうすれば家族かぞくの結束けっそくがより強つよくなります。」
　告知こくちを受うけるまでの事こと。

　妻つまが、告知こくちを受うけて１年間ねんかん、私わたしに言いう事ことができなくてに辛からかったと言いいます。私わたしは、何処どこの病院びょういんへ診察しんさつに行いっても納得なっとくできない答こたえばかり返かえって来きた時ときは、先生せんせいに不信ふしん感かんを持もちましたし、自分じぶんの心しんの中なかで先生せんせいが信用しんようできなくなりました。
　告知こくちされる先生せんせいも、患者かんじゃと同おなじように辛つらいと思おもいますが、告知こくちを希望きぼうする患者かんじゃさんには早はやく告知こくちをされる方ほうがいいと思おもいます。
　告知こくちの時ときに、患者かんじゃさんに今後こんごのケアの事ことや情報じょうほうの入手にゅうしゅ方法ほうほうをサポートしてほしいと思おもいます。
　私わたしの願ねがい、ＡＬＳと告知こくちされて、あと３年ねん〜５年ねんの命いのちと言いわれても決けっして諦あきらめないで延命えんめい処置しょちを受うけて欲ほしいと願ねがっています。
　呼吸こきゅう器き装着そうちゃくしても、苦くるしい日ひよりも、楽たのしい日ひの方ほうが遥はるかに多おおいですから、生いきていればかならず笑わらう日ひがくる事ことを信しんじて…………。
★　告知こくちされる先生せんせい方かたに、絶望ぜつぼう的てきな説明せつめいをしないで、生いきる希望きぼうを持もてるような告知こくちをお願ねがいしたいです。」

◆「今いまの病状びょうじょうと家族かぞく」
　http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303/ima_yosu/ima_yosu.html

　「子供こども達たちにも後ご５年ねんしか生いきられないと告白こくはくすると、悲かなしそうな顔かおをしていたのが記憶きおくに残のこっています。」
　「呼吸こきゅうが苦くるしくなってくると、一時いちじは格好かっこうよく死しにたいと思おもった事ことがありましたが、だんだんと息苦いきぐるしさが増ましてくると、死しぬのが恐こわくなり、生いきたいとの思おもいが強つよくなりました。」
　「気管きかん切開せっかいする時ときは、本当ほんとうに情なさけなく思おもい涙なみだが出でました。呼吸こきゅう器き装着そうちゃくすると、今いままで、苦くるしかったのがウソのようになり、もっと早はやく呼吸こきゅう器き装着そうちゃくすればよかったと後悔こうかいしました。」
　「在宅ざいたく呼吸こきゅう器き療養りょうように慣なれて落おち着つくまでは、１年ねん掛かかりました。
　病院びょういんでいる時ときよりも、在宅ざいたくの方ほうが時間じかん自由じゆうになりゆっくりくつろげますし、家族かぞくの顔かおを見みて会話かいわができるのが何なにより励はげみになりました。
　もっと、惨みじめな在宅ざいたく療養りょうよう生活せいかつになると想像そうぞうしていましたが、想像そうぞう以上いじょうに明あかるく過すごせていますので、呼吸こきゅう器き装着そうちゃくして本当ほんとうに良よかったと喜よろこんでます。」

　
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◆2007/11/14　「動うごけなくても生いきる　日本にっぽんＡＬＳ協会きょうかい近畿きんきブロック会長かいちょう・和わ中勝なかがち三さん（わなか　かつみ）さん（５８）」
　『読売新聞よみうりしんぶん』2007/11/14朝刊ちょうかん
　＊ＡＬＳ・2007にも掲載けいさい

　「全身ぜんしんの筋肉きんにくがだんだん動うごかなくなり、ついには自力じりきで息いきもできなくなる。筋すじ委縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう（ＡＬＳ）は、そういう病気びょうきだ。日本にっぽんＡＬＳ協会きょうかい近畿きんきブロック会長かいちょうの和わ中ちゅう勝三かつぞうさん（５８）は、病気びょうきが進行しんこうして呼吸こきゅう困難こんなんに陥おちいり、人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃくして１０年ねん近ちかくなる。声こえを失うしない、体からだもほとんど動うごかない。それでも、ほおのわずかな動うごきでパソコンを操作そうさし、「精せいいっぱい生いきたい」とほほえむ。

パソコン使づかい友ともらと対話たいわ
　左ひだりほおの動うごきで意思いしを伝つたえる和わ中ちゅう勝三かつぞうさん。一ひとつの文字もじをパソコンに表示ひょうじするのに数すう秒びょうから十じゅう数すう秒びょうかかる（和歌山わかやま市し和歌浦南わかうらみなみの自宅じたくで）　和歌山わかやま市内しないの自宅じたくを１１月がつ初はじめに訪問ほうもんした。和わ中ちゅうさんが横よこたわるベッドの上うえに取とり付つけられたパソコン画面がめんに、「ようこそいらっしゃいました」と、歓迎かんげいの言葉ことばが打うち出だされていた。
　左ひだりのほおにつけたタッチセンサーで、５０音おとのひらがなの表ひょうなどが示しめされた画面がめんを見みながら、マーカーを走はしらせたり止とめたりして文字もじを選択せんたくする。以前いぜんは左手ひだりての親指おやゆびで操作そうさしていたが、今年ことし４月がつから動うごきにくくなり、ほおに変かえたという。記者きしゃが質問しつもんすると、一ひとつの問といに数すう分ふんかけて返事へんじを入力にゅうりょくしてくれた。
　今いまでは、一いち日にち中ちゅうパソコンを使つかっても疲つかれません。苦くるしい時ときや痛いたい時ときは、思おもうがままに自分じぶんの意思いしを打うち続つづけ、伝つたえるだけで苦くるしみや痛いたみが半減はんげんします。意思いしが自由じゆうに伝つたえられることで、人間にんげんらしく生いきられるのです。
　右手みぎての握力あくりょくが下さがり、体からだがだるくなるなど、異変いへんを感かんじたのは１９９０年ねん。脱だつサラして始はじめた鮮魚せんぎょ商しょうの商売しょうばいが面白おもしろくなったころだった。検査けんさ入院にゅういんした和歌山わかやま市内しないの病院びょういんでは、急激きゅうげきな脊髄せきずい（せきずい）の老化ろうかと説明せつめいを受うけた。治なおるはずと信しんじて、いくつもの病院びょういんを転々てんてんとし、ＡＬＳという病名びょうめいを告つげられたのは２年ねん後ごだった。
　うすうすおかしいと感かんじていたが、真実しんじつを知しると、生いきる希望きぼうを失うしなって落おち込こみ、いらいらして家族かぞくにあたることもありました。小中学生しょうちゅうがくせいだった３人にんの子こどもにも「お父とうさんはあと３年ねんで死しぬから、お母かあさんの言いうことを聞きいて、助たすけるのやで」と伝つたえました。
　国内こくないのＡＬＳ患者かんじゃは約やく７０００人にん（２００４年度ねんど末まつ）。意識いしきや感覚かんかくはしっかりしているが、筋肉きんにくを動うごかす運動うんどう神経しんけいが徐々じょじょに破壊はかいされ、３〜５年ねんで症状しょうじょうが全身ぜんしんに及およぶ。原因げんいんは不明ふめいで、進行しんこうを止とめる治療ちりょう法ほうも、まだない。
　妻つまの育美いくみさんとは、パソコンを使つかってケンカすることもあるという　でも、告知こくちを受うけるのは早はやいほうが良よいと思おもいます。一時期いちじきは悩なやみ、苦くるしみますが、ＡＬＳから逃のがれることができないと分わかると、闘たたかうか、死しぬかで悩なやんだ末すえに開ひらき直なおり、前向まえむきに考かんがえるようになります。
　かつては呼吸こきゅう筋すじがまひすると終おわりだったが、人工じんこう呼吸こきゅう器きの補助ほじょや医療いりょうケア技術ぎじゅつの向上こうじょうで、長期ちょうき療養りょうようが可能かのうになった。
　告知こくち当初とうしょ、呼吸こきゅう器きを着つけている自分じぶんの姿すがたを見みられるくらいなら早はやく死しぬほうがましだと思おもい、拒否きょひしました。しかし気管支炎きかんしえんになって呼吸こきゅう困難こんなんの苦くるしさを体験たいけんし、最後さいごはのたうち回まわって苦くるしんで死しぬのかと思おもうと、怖こわくなってきました。家族かぞくからも「生いきていてほしい」と懇願こんがんされ、着つける決心けっしんをしたのです。
　人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃくせずに亡なくなる患者かんじゃも、まだ少すくなくない。
　呼吸こきゅう器きを着つける、着つけないという判断はんだんは少すこしのことで変かわります。ＡＬＳの告知こくちを受うけた段階だんかいでは、精神せいしん的てきに不安定ふあんていなので、医師いしは、呼吸こきゅう器きを着つけるかどうかということを聞きくべきではありません。私わたしは死しにそうになって初はじめて、生いきることだけを考かんがえるようになりました。
　告知こくちから約やく１５年ねん。妻つまの育美いくみさん（５６）やホームヘルパーらの介護かいごを受うけながら在宅ざいたく療養りょうようを続つづける。食事しょくじは胃いに直接ちょくせつつないだチューブから入いれている。意思いし伝達でんたつ装置そうちは、難病なんびょう患者かんじゃ向むけの給付きゅうふ事業じぎょうを利用りようできた。
　この１５年間ねんかんで、福祉ふくしサービスが向上こうじょうしたと感かんじます。一方いっぽう、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうが昨年さくねん施行しこうされてから、自己じこ負担ふたんが増ふえました。見直みなおしてほしい。
　携帯けいたい用ようの会話かいわ補助ほじょ装置そうちもある。月つきに数すう回かいは外出がいしゅつし、ＡＬＳ関係かんけいの会合かいごうに出席しゅっせきしたり、看護かんご学校がっこうの講演こうえん会かいに呼よばれたり。電子でんしメールもやりとりして、積極せっきょく的てきに友人ゆうじんや社会しゃかいともかかわっている。
　患者かんじゃ仲間なかまの笑顔えがおを見みた時ときや、家族かぞくと一緒いっしょにいる時ときが一番いちばん幸しあわせ。呼吸こきゅう器きを装着そうちゃくしても、苦くるしい日ひより、楽たのしい日ひの方ほうがはるかに多おおい。ＡＬＳと告知こくちされても、決けっしてあきらめないでほしい。積極せっきょく的てきに行動こうどうすれば、療養りょうよう環境かんきょうが良よくなるのだから。

　１９４８年ねん、和歌山わかやま市し生うまれ。化学かがくメーカーに勤つとめた後のち、８１年ねんから鮮魚せんぎょ商しょうを営いとなむ。９２年ねん１０月がつにＡＬＳと告知こくちされた。９６年ねんの１月がつに気管きかん切開せっかい、４月がつに人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃく。８月はちがつから在宅ざいたく療養りょうようを始はじめる。現在げんざいは週しゅう６回かいのホームヘルパー派遣はけん、週しゅう３回かいの訪問ほうもん看護かんご、週しゅう１回かいの主治医しゅじいの往診おうしんなどを受うけている。２００４年ねんから日本にっぽんＡＬＳ協会きょうかい近畿きんきブロック会長かいちょう。個人こじんのホームページ（http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303）もある。」

　
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■立岩たていわ真しん也『ＡＬＳ――不動ふどうの身体しんたいと息いきする機械きかい』（2004，医学書院いがくしょいん)における引用いんよう・言及げんきゅう

　［16］一いち九きゅう九きゅう二に年ねん・「三さん年ねん〜五ご年ねんの寿命じゅみょうと告知こくち」（本人ほんにんに、和わ中ちゅう［1999-］）

　［51］一いち九きゅう九きゅう〇年ねんに症状しょうじょうを自覚じかく、九きゅう一いち年ねん九きゅう月がつに「急激きゅうげきな脊髄せきずいの老化ろうか」と説明せつめいされ、診断しんだん書しょに「運動うんどうニューロン疾患しっかん」とあったのを見みた和わ中勝なかがち三さん（和歌山わかやま県けん）は、九きゅう二に年ねん十じゅう月がつにＡＬＳと告知こくちされ、三さん〜五ご年ねんの寿命じゅみょうと知しる［16］。九きゅう十じゅう六ろく年ねん、気管きかん切開せっかい、人工じんこう呼吸こきゅう器き装着そうちゃく（和わ中ちゅう［2001］）、在宅ざいたくでの生活せいかつを続つづけている（和わ中ちゅう［1999-］）。

　［83］和わ中勝なかがち三さん（和歌山わかやま県けん）［16］［51］は一いち九きゅう九きゅう一いち年ねん「九きゅう月がつに最初さいしょの告知こくちを受うけました。／私わたしには、急激きゅうげきな脊髄せきずいの老化ろうかと説明せつめいを受うけましたが、診断しんだん書しょを見みると運動うんどうニューロン疾患しっかんと書かいていました。何なにも知識ちしきが無なかった私わたしは難病なんびょう欄らんを見みて、運動うんどうニューロン疾患しっかんて書かいていないか探さがしましたが、書かいていなかったのでラッキーと喜よろこび、治なおる見込みこみがあると信しんじて、他たの病院びょういんを転々てんてんと診察しんさつに回まわりました。／何処どこの病院びょういんへ検査けんさに行いっても先生せんせいに質問しつもんしてもはっきりと答こたえてくれずに、困こまったような顔かおをしてうなずくばかりで、かえって迷惑めいわくそうに感かんじました。／病院びょういんを転々てんてんと回まわっていると、自分じぶんでも治なおらない病気びょうきではないかと感かんじ始はじめてきました。／平成へいせい四よん年ねん十じゅう月がつに「筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう」と告知こくちを受うけました。」（和わ中ちゅう［1999?］）

　［155］和わ中勝なかがち三さん［51］［83］は、一いち九きゅう九きゅう二に年ねん十じゅう月がつ「に「筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう」と告知こくちを受うけました。／難病なんびょうと覚悟かくごはしていましたが、本当ほんとうの事ことを知しるとショックで落おち込こむし、イライラして家族かぞくにあたる時ときもありました。／三さん年ねん〜五ご年ねんの寿命じゅみょうと告知こくちされた時ときが一番いちばん辛つらいし、将来しょうらいの事ことを考かんがえ落おち込こむと思おもいます。一時期いちじきは、悩なやみ苦くるしみますが、ＡＬＳから逃のがれる事ことが出来できないと判わかると、闘たたかうか死しぬかで悩なやんだ末すえに気持きもちが開ひらき直なおります。気持きもちが開ひらき直なおれば前向まえむきに考かんがえるようになり、気持きもちが明あかるくなりました。／私わたしは、告知こくちを受うけるのは早はやい方ほうが良よいと思おもいます。／私わたしの場合ばあいは、約やく一いち年ねんで告知こくち受うけたので、考かんがえる時間じかんが長ながく冷静れいせいに判断はんだんできたと思おもいます。家族かぞくと将来しょうらいの事ことを十分じゅうぶん話はなし合あって、心残こころのこりの無ないように気持きもちの整理せいりがつくように家族かぞく皆みなで隠かくさず話はなし合あうことが一番いちばん大事だいじなことです。そうすれば家族かぞくの結束けっそくがより強つよくなります。／［…］妻つまが、告知こくちを受うけて一いち年間ねんかん、私わたしに言いう事ことができなくて辛からかったと言いいます。私わたしは、何処どこの病院びょういんへ診察しんさつに行いっても納得なっとくできない答こたえばかり返かえって来きた時ときは、先生せんせいに不信ふしん感かんを持もちましたし、自分じぶんの心しんの中なかで先生せんせいが信用しんようできなくなりました。／告知こくちされる先生せんせいも、患者かんじゃと同おなじように辛つらいと思おもいますが、告知こくちを希望きぼうする患者かんじゃさんには早はやく告知こくちをされる方ほうがいいと思おもいます。」（和わ中ちゅう［1999?］）

　［163］「告知こくちの時ときに、患者かんじゃさんに今後こんごのケアの事ことや情報じょうほうの入手にゅうしゅ方法ほうほうをサポートしてほしいと思おもいます。／［…］告知こくちされる先生せんせい方かたに、絶望ぜつぼう的てきな説明せつめいをしないで、生いきる希望きぼうを持もてるような告知こくちをお願ねがいしたいです。」（和わ中ちゅう［1999?］、［155］の続つづき）

　［184］和わ中勝なかがち三さん［155］［163］は、一いち九きゅう九きゅう二に年ねん十じゅう月がつに天理てんりよろづ相談所そうだんしょを「退院たいいんする時ときに主治医しゅじいの先生せんせいから、日本にっぽんＡＬＳ協会きょうかい近畿きんきブロックの存在そんざいと、近畿きんきブロック会報かいほうを教おしえて頂いただきました。／退院たいいん後ごすぐに協会きょうかいにはがきを出だして会報かいほうを送おくってもらいましたが、少すこし開ひらいて見みて写真しゃしんを見みると、皆みなさん呼吸こきゅう器きを着つけている姿すがたばかりで、私わたしも呼吸こきゅう器きを着つけるのかと思おもうと、早はやく死しぬ方ほうがましだと思おもい呼吸こきゅう器きを着つけるのは嫌いやだと拒否きょひしました。」（和わ中ちゅう［1999?］）
　ＡＬＳという状況じょうきょうを共有きょうゆうする人ひとたちの集あつまりのもつ積極せっきょく的てきな意味いみをこれから何なん度ども見みることになるが、同時どうじに、その深刻しんこくさが受うけ止とめられ、近ちかい将来しょうらいの自分じぶんが予想よそうされ、気持きもちを萎なえさせることもある。病やまいの人ひとたちの組織そしきの可能かのう性せいと困難こんなんを考かんがえるとき、このことを想起そうきすることになるだろう。
　九きゅう四よん年ねん「十二月じゅうにがつに気管支炎きかんしえんになり［…］診察しんさつを受うけました。［…］私わたしは、この時ときに初はじめて呼吸こきゅうの苦くるしさを体験たいけんしました。この時ときから、呼吸こきゅうに危機きき感かんを感かんじるようになり呼吸こきゅう器きを着つけるか、着つけないかで悩なやみ苦くるしみました。私わたしは、まだ呼吸こきゅう器きを着つける自信じしんがなくて拒否きょひしていました。自分じぶんでも病気びょうきの進行しんこうが手てに取とるように分わかり、自分じぶんの最後さいごの時ときが見みえてきたような気きがして、最後さいごは、呼吸こきゅう困難こんなんに襲おそわれ、のたうちまわって苦くるしんで死しぬのかと思おもうと、死しぬのが怖こわくなってきました。／［…］／肺活量はいかつりょう二に五ご〇〇mlに低下ていか、常つねに息苦いきぐるしさを感かんじるようになってきました。／妻つまと子供こども達たちに介護かいごのお願ねがいをして呼吸こきゅう器きを付つける決心けっしんする。」（和わ中ちゅう［1999?］）
　「呼吸こきゅうが苦くるしくなってくると、一時いちじは格好かっこうよく死しにたいと思おもった事ことがありましたが、だんだんと息苦いきぐるしさが増ましてくると、死しぬのが恐こわくなり、生いきたいとの思おもいが強つよくなりました。」「気管きかん切開せっかいする時ときは、本当ほんとうに情なさけなく思おもい涙なみだが出でました。呼吸こきゅう器き装着そうちゃくすると、今いままで、苦くるしかったのがウソのようになり、もっと早はやく呼吸こきゅう器き装着そうちゃくすればよかったと後悔こうかいしました。」（和わ中ちゅう［1999?］）

　［340］「絶望ぜつぼう的てきな説明せつめいをしないで、生いきる希望きぼうを持もてるような告知こくちをお願ねがいしたいです」［163］と書かいた和わ中勝なかがち三さん［184］の同おなじ文章ぶんしょうから。「ＡＬＳと告知こくちされて、あと三さん年ねん〜五ご年ねんの命いのちと言いわれても決けっして諦あきらめないで延命えんめい処置しょちを受うけて欲ほしいと願ねがっています。／呼吸こきゅう器き装着そうちゃくしても、苦くるしい日ひよりも、楽たのしい日ひの方ほうが遥はるかに多おおいですから、生いきていればかならず笑わらう日ひがくる事ことを信しんじて」（和わ中ちゅう［1999?］）

旧きゅうＨＰ：http://www.nnc.or.jp/~wanaka-k/


※おことわり
・このページは、公開こうかいされている情報じょうほうに基もとづいて作成さくせいされた、人ひと・組織そしき「について」のページです。その人ひとや組織そしき「が」作成さくせいしているページではありません。
・このページは、文部もんぶ科学かがく省しょう科学かがく研究けんきゅう費ひ補助ほじょ金きんを受うけている研究けんきゅう（基盤きばん(C)・課題かだい番号ばんごう12610172　〜2004.3／基盤きばん(B)・課題かだい番号ばんごう16330111　2004.4〜2008.3）／グローバルＣＯＥ「生存せいぞん学がく」創成そうせい拠点きょてん 2007.7〜2011.3／の研究けんきゅう活動かつどうの一環いっかんとして作成さくせいされています。
・作成さくせい：立岩たていわ 真しん也
・作成さくせい：20011125　更新こうしん：20020711,0911,1004,1015,20030124,0912　20061203　20071114, 20131114
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