極大きょくだい予想よそうの14日にち22時じごろはちょうど月つきの出だしのタイミングにあたります。空そらがすっかり暗くらくなって（天文てんもん薄明はくめいの終了しゅうりょう、東京とうきょうでは18時じごろ）から月つきの出だしまでは、暗くらい空そらの下したで観察かんさつできます。流ながれ星ぼしが飛とぶ中心ちゅうしんとなる放射ほうしゃ点てん（›› 解説かいせつ）の高度こうどは22時じごろに40度どほど（東京とうきょうの場合ばあい）まで上あがっているので、まずまずの条件じょうけんと言いえそうです。

それ以降いこうは15日にちの明あけ方がたまでずっと月明つきあかりの影響えいきょうを受うけることになります。そのため暗くらい流ながれ星ぼしは見みえなくなってしまうので、目めにできる数かずは減へってしまいます。一いち晩ばんを通つうじて、見晴みはらしが良よいところで1時じ間あいだあたり15～20個こ程度ていど（21～22時じごろはやや多おおめで20～25個こ程度ていど）と予想よそうされます。

空そらを広ひろく見渡みわたそう

流星りゅうせい群ぐんの流ながれ星ぼしは放射ほうしゃ点てんを中心ちゅうしんとして四方八方しほうはっぽうに飛とびますが、これは「放射ほうしゃ点てんの方向ほうこうにだけ流ながれ星ぼしが飛とぶ」ということではなく、「流ながれ星ぼしの光ひかり跡あとを反対はんたいに（流ながれ始はじめた方向ほうこうに）たどっていくと放射ほうしゃ点てんに到達とうたつする」ということです。つまり実際じっさいには、流ながれ星ぼしは方角ほうがくや高たかさに関係かんけいなく、空そらのあちこちに流ながれます。

14日にち深夜しんや22時じから15日にち未明みめい4時じまで、空そら全体ぜんたいに流ながれ星ぼしが飛とぶ様子ようす。場所ばしょの設定せっていは東京とうきょう（ステラナビゲータでシミュレーション）。

15分ふんくらいは見み続つづけてみよう

1時じ間あいだに20個この流ながれ星ぼしが見みえるとすると、計算けいさん上じょうは平均へいきんして3分ふんに1個いっこのペースで見みえることになりますが、流ながれ方かたはランダムですので、立たて続つづけに数すう個こ見みえることもあれば10分ふん以上いじょうも見みえないことも珍めずらしくありません。1つも見みえないからと数すう分ふんで諦あきらめるのではなく、15～20分ふんくらいは見上みあげてみましょう（ただし、寒さむいのであまり無理むりはしないようにしましょう）。

14日にち深夜しんや22時じに、南みなみ→西にし→北きた→東ひがし→南みなみの空そらを眺ながめた様子ようす。場所ばしょの設定せっていは東京とうきょう（ステラナビゲータでシミュレーション）。

放射ほうしゃ点てん

流星りゅうせい群ぐんの流ながれ星ぼしは、天球てんきゅう上じょうのある点てんの付近ふきんを中心ちゅうしんとして四方八方しほうはっぽうに放射状ほうしゃじょうに流ながれるように見みえます。この点てんを「放射ほうしゃ点てん」と呼よび、放射ほうしゃ点てんの位置いちする（または放射ほうしゃ点てんの近ちかくの）星座せいざや恒星こうせいの名称めいしょうが流星りゅうせい群ぐんの名前なまえとして付つけられます。ふたご座ざ流星りゅうせい群ぐんの場合ばあいは、ふたご座ざの2等とう星ほしカストルの近ちかくに放射ほうしゃ点てんがあるので、この名前なまえで呼よばれています。

ふたご座ざ流星りゅうせい群ぐんの流ながれ星ぼし。左ひだり（画が角かく外がい）に放射ほうしゃ点てんがある。ゆっくり移動いどうする明あかるい点てんは飛行機ひこうき。2014年ねん12月14日にち 伊豆いず大島おおしまにて（撮影さつえい：大熊おおくま正美まさみ）。

平行へいこうに降ふる、流星りゅうせい群ぐんの流ながれ星ぼし

流ながれ星ぼし（流星りゅうせい）は、宇宙うちゅう空間くうかんに散ちらばっている小ちいさな塵ちり（流星りゅうせい物質ぶっしつ）が地球ちきゅうの大気圏たいきけんに飛とび込こんで大気たいき中ちゅうの原子げんしや分子ぶんしと衝突しょうとつし、上空じょうくう100km前後ぜんこうでプラズマ発光はっこうする現象げんしょうです。

平行へいこうに降ふる流ながれ星ぼし。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい。

地球ちきゅうが塵ちりの集あつまりとぶつかると、流星りゅうせい群ぐんの流ながれ星ぼしは雨あめのように平行へいこうに降おります。平行へいこうに飛とび込こんでくる流ながれ星ぼしが放射ほうしゃ点てんを中心ちゅうしんとして放射状ほうしゃじょうに流ながれるように見みえるのは、一直線いっちょくせんの道路どうろの両りょう端はしが遠方えんぽうの一いち点てんから伸のびてきているように見みえるのと同おなじ理由りゆうです。

塵ちりが宇宙うちゅう空間くうかんを同おなじように移動いどうした場合ばあいの、流ながれ星ぼしの見みかけの動うごきを考かんがえると、放射ほうしゃ点てん付近ふきんでは経路けいろが短みじかくなり、放射ほうしゃ点てんから離はなれるほど経路けいろが長ながく見みえます。とくに放射ほうしゃ点てんでは、流ながれ星ぼしは観察かんさつ者しゃに向むかってくるように見みえます（静止せいし流星りゅうせいと呼よびます）。

※放射ほうしゃ点てん付近ふきんでは必かならず短みじかくなりますが、放射ほうしゃ点てんから離はなれれば必かならず長ながくなるとは限かぎりません（塵ちりの動うごきが小ちいさければ、放射ほうしゃ点てんから離はなれていても経路けいろは短みじかくなります）。

流ながれ星ぼしの実際じっさいの動うごきと見みかけの動うごき。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい。

ふたご座ざ流星りゅうせい群ぐんの起源きげん

塵ちりを放出ほうしゅつして流星りゅうせい群ぐんの原因げんいんとなる天体てんたいを母はは天体てんたいと呼よびます。この母はは天体てんたいの軌道きどうと地球ちきゅうの軌道きどうが交差こうさしていると、毎年まいとし同おなじ時期じきに地球ちきゅうがその交点こうてん付近ふきんを通とおる際さいに、塵ちりの集あつまりと地球ちきゅうがぶつかることになります。したがって、流星りゅうせい群ぐんの流ながれ星ぼしは毎年まいとし同おなじころに同おなじ方向ほうこうから飛とんでくるように見みえるのです。

母はは天体てんたいの軌道きどうの一部いちぶにだけ塵ちりが集あつまっていると、年としによって流星りゅうせい群ぐんの活動かつどうに差さが見みられる（特定とくていの年としだけ活発かっぱつになる）ことになりますが、ふたご座ざ流星りゅうせい群ぐんの場合ばあいは塵ちりが軌道きどう全体ぜんたいに広ひろがって分布ぶんぷしていると考かんがえられます。すると毎年まいとしのように多おおくの塵ちりと地球ちきゅうとがぶつかることになるので、ふたご座ざ流星りゅうせい群ぐんは毎年まいとし安定あんていして多おおくの流ながれ星ぼしが見みられるのです。

流星りゅうせい群ぐんとファエトンの関係かんけい。放射ほうしゃ点てんの方向ほうこうは地球ちきゅうの進行しんこう方向ほうこうではなく、地球ちきゅうの運動うんどうと流星りゅうせい物質ぶっしつの運動うんどうを合あわせた方向ほうこうになる。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい。

兄あにカストルと弟おとうとポルックスの双子ふたごをモデルとしたふたご座ざは、ちょうど冬ふゆが見みごろの星座せいざです。明あかるさが近ちかい白色はくしょくのカストルとオレンジ色しょくのポルックスが仲良なかよく並ならぶ光景こうけいは夜空よぞらでよく目立めだち、2つの星ほしには「銀ぎん星ぼし」「金星きんせい」という和名わみょうもあります。

ムック「スマホで楽たのしむ星座せいざ入門にゅうもん」ではこのような見みどころやギリシア神話しんわなどを、全ぜん天てんの88個この星座せいざすべてについてKAGAYAの美うつくしいイラストとともに解説かいせつ。「星空ほしぞらナビ」と連動れんどうしてスマホですぐに夜空よぞらの星座せいざにもアクセスできるので、どの方向ほうこうに見みえるのかもすぐにわかります。付属ふぞくのDVDには四季しきの星座せいざの番組ばんぐみなどを収録しゅうろくしています。