広島ひろしま・大瀬おおせ良りょう大地だいちを「球界きゅうかい随一ずいいちの人格じんかく者しゃ」に育そだて上あげた自衛じえい官かんの父ちちの教おしえ

　広島ひろしまの大瀬おおせ良りょう大地だいち投手とうしゅがセ・パ交流こうりゅう戦せん（対たいロッテ＝マツダ）でプロ野球やきゅう史上しじょう90人にん目めとなる自身じしん初はつのノーヒットノーランを達成たっせいしたのは6月がつ7日にち。広島ひろしまの投手とうしゅでは前田まえだ健太けんた（デトロイト・タイガース）が2012年ねん4月がつ6日にち（対たいDeNA）に達成たっせいして以来いらい、12年ねんぶりのことで、球団きゅうだんでは6月がつ8日にち、早はやくも記念きねんグッズ販売はんばいを発表はっぴょうするなど大だい盛もり上あがりだ。

　ところで、「ノーノー」を達成たっせいしたこの日ひの投球とうきゅうでも特徴とくちょう的てきだったのが、奪だつ三振さんしんがわずか「2」ということだ。

「大瀬おおせ良りょうは小学生しょうがくせいの頃ころから右みぎ肘ひじ痛つうに悩なやまされ続つづけ、昨さくオフには中学ちゅうがく時代じだい、プロ入いりを含ふくめ3度目どめとなる右みぎ肘ひじ手術しゅじゅつをしている。150キロを超こえる速球そっきゅうを軸じくにしていたかつてのピッチングではありませんが、彼かれにとっては奪だつ三振さんしん2つでノーノー、ということに大おおきな意味いみがあるんです」（夕刊ゆうかん紙し記者きしゃ）

　そんな大瀬おおせ良りょうは、日本にっぽん球界きゅうかいナンバー1の“人格じんかく者しゃ”と言いわれる。

「ファンへのサインを断ことわった場面ばめんはまず見みたことがありません。一人ひとり一いち人にんにきちんと言葉ことばをかけてお礼れいまで言いうプロ野球やきゅう選手せんしゅなんて大瀬おおせ良りょうしかいないと思おもいますよ」（広島ひろしま担当たんとう記者きしゃ）

　2021年ねん、国内こくないFA権けんを取得しゅとくした際さいには「（広島ひろしまカープとの）ご縁えんに背せを向むけることはできない」とコメントして残留ざんりゅう。多おおくのカープファンが涙なみだした。

「大瀬おおせ良りょうの性格せいかくは自衛じえい官かんである父親ちちおやの影響えいきょうを強つよく受うけ、彼かれ自身じしん『とにかく厳きびしく育そだてられました。挨拶あいさつができない、礼儀れいぎに反はんすることをしたらとにかく怒おこられた』としています。その父親ちちおやは大瀬おおせ良りょうが幼少ようしょう期きから災害さいがいが起おきると全国ぜんこくの救助きゅうじょ活動かつどうに出向でむき、1991年ねんに起おきた雲仙うんぜん・普賢岳ふげんだけ（長崎ながさき県けん）の大だい噴火ふんかでは、かなり危険きけんな現場げんばで救助きゅうじょ活動かつどうを行おこなったという。そうした父親ちちおやを見みて育そだった大瀬おおせ良りょうも、プロ入いりしてから起おきた災害さいがいで地道じみちな支援しえん活動かつどうを続つづけています。緒方おがた孝たかし市し監督かんとく時代じだいには『プロの世界せかいは“いい人じん”だけでは勝かてない』と何なん度ども忠告ちゅうこくされ、大瀬おおせ良りょうはこれを黙だまって頷うなずいて聞きいていましたが、人ひととしての芯しんの強つよさも感かんじます」（前出ぜんしゅつ・広島ひろしま担当たんとう記者きしゃ）

　それまでの他た投手とうしゅのノーヒットノーランとはひと味あじもふた味あじも違ちがう、大瀬おおせ良りょうの大だい記録きろくだった。

（小田おだ龍司りゅうじ）