都心としん一いち等地とうちの無料むりょうショールームがヤバすぎる！来場らいじょう者しゃ殺到さっとう！大日本印刷だいにほんいんさつの“壮大そうだいな”狙ねらい

「『コミュニケーションプラザ ドットDNP』公式こうしきサイト」より

「現象げんしょうの裏うらにある本質ほんしつを描えがく」をモットーに、「企業きぎょう経営けいえい」「ビジネス現場げんばとヒト」をテーマにした企画きかくや著作ちょさくも多数たすうあるジャーナリスト・経営けいえいコンサルタントの高井たかい尚之なおゆき氏しが、経営けいえい側がわだけでなく、商品しょうひんの製作せいさく現場げんばレベルの視点してんを織おり交まぜて人気にんき商品しょうひんの裏側うらがわを解説かいせつする。

　2013年ねん、かつて食品しょくひんスーパーがあった東京とうきょう・市ヶ谷いちがやの外堀そとぼり通どおり沿ぞいに1つの施設しせつが誕生たんじょうした。「コミュニケーションプラザ ドットDNP」という体験たいけん型がたショールームだ。

　入場にゅうじょう無料むりょうのこの施設しせつを運営うんえいするのは大日本印刷だいにほんいんさつ（DNP）。近ちかくに本社ほんしゃや多おおくの関連かんれん施設しせつを構かまえる世界せかい最大さいだい級きゅうの総合そうごう印刷いんさつ会社かいしゃである。ビジネス現場げんばのIT化かが進すすみ、新聞しんぶんや雑誌ざっし・書籍しょせきの発行はっこう部数ぶすうも厳きびしい状況じょうきょうが続つづくが、同社どうしゃの連結れんけつ売上うりあげ高だか1兆ちょう4621億おく1800万まん円えん（15年ねん3月がつ期き）のうち、約やく96％が印刷いんさつ事業じぎょうだ。

　そんな業界ぎょうかい最大手さいおおての「印刷いんさつ屋やさん」が、体験たいけん型がたショールームを運営うんえいする狙ねらいはどこにあるのか。これを分析ぶんせきするために、まずは施設しせつの中身なかみを紹介しょうかいしつつ考かんがえてみたい。

暮くらしを支ささえる事業じぎょうの「見みせる化か」

　ドットDNPは「本ほんと写真しゃしんの未来みらいを体験たいけんしよう。」がコンセプトで、DNP市谷田いちがやた町まちビルの1～2階かいと地下ちか1階かいフロアで展開てんかいする。

　地下ちかは、幼おさない子連こづれ客きゃくを意識いしきした構成こうせいで、授乳じゅにゅう室しつやベビーカー置おき場ば、ロッカーも備そなわっている。例たとえば「Enjoy! フォトパーク」と呼よぶコーナーでは、写真しゃしんについて訴求そきゅうしており、「撮とる、作つくる、飾かざる、思おもい出でを残のこす」がコンセプトだ。体験たいけん型がた撮影さつえい機きはプリクラに似にており、シールではないが画面がめんデザインを選えらび撮影さつえいしたものが1枚まいの写真しゃしんとなって出でてくる。

「デジタルえほんミュージアム」では、国内外こくないがいのデジタル絵本えほんを揃そろえて、子こどもが操作そうさしながら、画面がめんの音おとや動うごきを楽たのしむことができる。平日へいじつ午後ごごの筆者ひっしゃの取材しゅざい時じも、就学しゅうがく前まえの幼児ようじが遊あそんでいた。作家さっかやクリエイターの企画きかく展てんも開催かいさいしており、子こども目線めせんで伝つたえている。

　1階かいには同社どうしゃ“広報こうほう担当たんとう”の「DNPenguin（ディーエヌペンギン）」というキャラクターが案内あんないする「DNPenguinハウス」を設置せっち。このペンギンがDNPを毎日まいにち勉強べんきょうしているという設定せっていで、勉強べんきょうの成果せいかとして同社どうしゃの事業じぎょうを紹介しょうかいする。今いまや生活せいかつ必需ひつじゅ品ひんとなったICカードは1983年ねんに同社どうしゃが開発かいはつしたそうだ。ペンギンは動画どうが共有きょうゆうサイト「YouTube」でも発信はっしんしており、そこでは日本にっぽんで作つくられているペットボトルの約やく3分ぶんの1は、同社どうしゃが開発かいはつした無菌むきん充填じゅうてんシステムで作つくられるといった情報じょうほうが得えられる。

「hontoカフェ」もある。ランチも提供ていきょうしており、来館らいかん者しゃは通常つうじょうのカフェのように利用りようできる。テーブルには端はし末まつが置おいてあり、同社どうしゃが運営うんえいする電子でんし書籍しょせきストア「honto」の電子でんし書籍しょせきも試ためせるようになっている。

　そして2階かいはイベントゾーンとして、未来みらいをつくるイベントや展示てんじ会かい、ワークショップなどの体験たいけん型がたコンテンツを提供ていきょうしている。これはよく見みかけるセミナールームの機能きのうだ。