福岡空港ふくおかくうこう、民営みんえい化かの入札にゅうさつで最強さいきょう連合れんごう落選らくせん…呆あきれた政治せいじ的てき事情じじょう優先ゆうせん、民営みんえい化かの大義たいぎ無視むし

福岡空港ふくおかくうこう・国内線こくないせんターミナルビル（「Wikipedia」より）

　福岡空港ふくおかくうこうの民営みんえい化かに関かんして国土こくど交通省こうつうしょうは9月15日にち、運営うんえい事業じぎょう者しゃ選定せんていで3つの企業きぎょう連合れんごうが1次じ審査しんさを通過つうかしたと発表はっぴょうした。

（1）九州電力きゅうしゅうでんりょくや西日本にしにほん鉄道てつどうなど地場じば連合れんごうが設立せつりつした福岡ふくおかエアポートホールディングスが三菱商事みつびししょうじやシンガポールの空港くうこう運営うんえい会社かいしゃと組くんだ企業きぎょう連合れんごう
（2）伊藤忠商事いとうちゅうしょうじと大和だいわハウス工業こうぎょう、豪ごう空港くうこう運営うんえい会社かいしゃの企業きぎょう連合れんごう
（3）東京建物とうきょうたてものと英えい空港くうこう運営うんえい会社かいしゃの企業きぎょう連合れんごう

　以上いじょう、3つのグループが2次じ審査しんさに進すすむことになった。このほかにもオリックスと東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつと三菱地所みつびしじしょの企業きぎょう連合れんごう、住友商事すみともしょうじと三井不動産みついふどうさんのグループが手てを挙あげたが、いずれも2次じ審査しんさに進すすめなかった。

　国交こっこう省しょうは2018年ねん5月がつに3つの企業きぎょう連合れんごうの中なかから運営うんえい事業じぎょう者しゃとなる優先ゆうせん交渉こうしょう権けん者しゃを決きめ、19年ねん4月がつに福岡空港ふくおかくうこうを民営みんえい化かする。

　福岡空港ふくおかくうこうの運営うんえい期間きかんは30年間ねんかんで最低さいてい入札にゅうさつ価格かかくは1610億おく円えん。空港くうこうターミナルビル運営うんえい会社かいしゃの全ぜん株式かぶしきを450億おく円えんで取得しゅとくすることが入札にゅうさつの条件じょうけんになっており、総そう事業じぎょう費ひ2000億おく円えんのビッグプロジェクトになる。

　1次じ審査しんさ前まえにはオリックス・東急とうきゅう・三菱地所みつびしじしょの連合れんごうが“最強さいきょう”と取とり沙汰ざたされていたが、落選らくせんした。その舞台裏ぶたいうらを関係かんけい者しゃは、こう解説かいせつする。

「オリックスは関空かんくう・伊丹いたみプラス神戸こうべ空港くうこうを手中しゅちゅうにした。東急とうきゅうは仙台せんだい、三菱地所みつびしじしょは高松たかまつで競せり勝かった。3社しゃとも既得きとく権けんを得えている」

　高松たかまつ空港くうこうでは、四国しこくのマンション分譲ぶんじょうで首位しゅいの穴吹あなぶき興産こうさんを中心ちゅうしんとした地場じば連合れんごうが負まけた。別べつの関係かんけい者しゃは「国くにがバランスを取とったのですよ。地方ちほう空港くうこうで地元じもとの企業きぎょうが負まけ続つづけては政治せいじ的てきに問題もんだいになりかねない」と分析ぶんせきする。

　そういうわけで福岡空港ふくおかくうこうでは、九州電力きゅうしゅうでんりょくや西日本にしにほん鉄道てつどうが三菱商事みつびししょうじ、シンガポール空港くうこう運営うんえい会社かいしゃと組くんだことで優位ゆういに立たっている。「福岡ふくおかは九きゅう電でん・西鉄にしてつグループで決きまりだ」（地元じもと経済けいざい人じん）との見立みたてが早はやくも定着ていちゃくした。

　空港くうこう民営みんえい化かは、一番いちばん高たかく買かってくれるところに売うるという経済けいざい優位ゆうい性せいよりも「特定とくていのグループに勝かたせない」という、平等びょうどう・公正こうせいをはき違ちがえた論理ろんりがまかり通とおりそうなのだ。これでは、民営みんえい化かして競争きょうそう原理げんりを導入どうにゅうするという国くにの大だい方針ほうしんが、どこかに吹ふき飛とんでしまう。
（文ぶん＝編集へんしゅう部ぶ）