東京とうきょうモーターショーはあまりにも論外ろんがいな点てんだらけだ…ワールドプレミア乏とぼしく開催かいさい意義いぎ消滅しょうめつ

東京とうきょうモーターショー（つのだよしお/アフロ）

　10月28日にちから開催かいさいされた「第だい45回かい東京とうきょうモーターショー2017」が11月5日にち、閉幕へいまくした。モーターショーは2年ねんに一いち度ど開催かいさいされているクルマの祭典さいてんだが、26日にち午後ごごの特別とくべつ招待しょうたい日び、27日にちのプレビューデーを合計ごうけいした入場にゅうじょう者しゃ数すうは77万まん1200人にんと、前回ぜんかいを下回したまわる結果けっかとなった。

　入場にゅうじょう者しゃ数すうの減少げんしょうがさまざまなメディアでも報ほうじられているが、今回こんかいは前回ぜんかいと比くらべて会期かいきが1日にち短みじかかったこと、開幕かいまく直後ちょくごの週末しゅうまつに直撃ちょくげきした季節きせつはずれの台風たいふうの影響えいきょうもあっただろう。しかし、会期かいき後半こうはんの11月3日にちは11万まん2000人にん、4日にちは10万まん2200人にんと10万まん人にんを超こえる入場にゅうじょう者しゃ数すうがあったことを考かんがえると、ポテンシャルはまだ高たかいと考かんがえられる。

　入場にゅうじょう者しゃ数すうが2009年ねん以来いらいの80万まん人にん割われという状況じょうきょうから、「若者わかもののクルマ離ばなれが進すすんでいる」「展示てんじ内容ないようがショボイ」という意見いけんも散見さんけんされるが、客観きゃっかん的てきに分析ぶんせきしたい。

　まず77万まん1200人にんという入場にゅうじょう者しゃ数すうだが、過去かこの東京とうきょうモーターショーと比較ひかくすれば、減へっているのは間違まちがいない事実じじつだ。しかし、年始ねんしに開催かいさいされているデトロイトモーターショーの2017年ねんの入場にゅうじょう者しゃ数すうが約やく81万まん人にん、東京とうきょうモーターショーの直前ちょくぜんに開催かいさいされたフランクフルトモーターショーの入場にゅうじょう者しゃ数すうが約やく81万まん人にんで、いずれもその差さはわずか4万まん人にんしかない。

　今回こんかいの東京とうきょうモーターショーも、最終さいしゅう日びの11月5日にちは6万まん8900人にんと息切いきぎれしたが、仮かりに前日ぜんじつ程度ていど入はいっていれば、デトロイトやフランクフルトと変かわらない入場にゅうじょう者しゃ数すうになっていた。こうして見みると、東京とうきょうモーターショーだけ入場にゅうじょう者しゃ数すうが落おち込こんでいるわけではなく、世界せかい的てきにモーターショーを見みに行いく人ひとが減へっていることが見みえてくる。

東京とうきょうモーターショーの問題もんだい点てん

　一方いっぽうで、今回こんかいの東京とうきょうモーターショーは問題もんだい点てんと思おもえることがいくつもあった。

　ひとつは、ワールドプレミア（世界せかい初はつ公開こうかい）の少すくなさだ。日産自動車にっさんじどうしゃや本田技研工業ほんだぎけんこうぎょう（ホンダ）などは電気でんき自動車じどうしゃ（EV）、マツダは次期じきアテンザのデザインスタディモデルのワールドプレミアを行おこなっているが、市販しはん車しゃのワールドプレミアがほとんどなかった。07年ねんの第だい40回かい東京とうきょうモーターショーで日産にっさんGT-Rの量産りょうさんモデルがワールドプレミアされたときは、世界中せかいじゅうのプレスが朝あさから日産にっさんブースに集あつまり場所ばしょ取とりをしていたぐらい熱気ねっきを帯おびていた。

　発売はつばい間近まぢかの市販しはん車しゃのワールドプレミアは、自動車じどうしゃメーカーがその開催かいさい国こくのマーケットをどれだけ重視じゅうししているのかという指標しひょうにもなる。今回こんかいの東京とうきょうモーターショーでワールドプレミアが少すくないという現状げんじょうは、実じつに寂さびしい限かぎりだ。

　加くわえて、伊い・ランボルギーニ、伊い・フェラーリ、英えい・アストンマーティン、伊い・マセラティといった高級こうきゅう車しゃブランドが日本にっぽん市場いちばにおいて販売はんばい台数だいすうを伸のばしている現状げんじょうにもかかわらず、これらのブランドが東京とうきょうモーターショーにまったく出展しゅってんされていないのは異常いじょうとしか言いいようがない。付つけ加くわえれば、米べい・ゼネラルモーターズ、独どく・ミニ、伊い・アルファロメオ、ジープ（米べい・クライスラー）、英えい・ジャガー、英えい・ランドローバー、伊い・フィアットといった輸入ゆにゅう車しゃブランドの出展しゅってんもなかった。