セブンらコンビニが、むしろこれまで成人せいじん誌しの販売はんばいを“やめられなかった”複雑ふくざつな事情じじょう

「Getty Images」より

　コンビニエンスストアが岐路きろに立たたされている。日本にっぽんフランチャイズチェーンが発表はっぴょうした2018年ねんの既存きそん店てん売上うりあげ高だかは2年ねんぶりに前年ぜんねんを上回うわまわったが、客数きゃくすうは前年ぜんねん比ひ1.3％減げんと落おち込こみ、3年ねん連続れんぞくで前年ぜんねんを下回したまわった。コンビニ成長せいちょう神話しんわが崩壊ほうかいしかけている。

　最大手さいおおてのセブン-イレブン・ジャパンといえども、客きゃく離ばなれの例外れいがいではない。17年ねん2月がつ期きまでは既存きそん店てん売上うりあげ高だかと客数きゃくすうともに毎年まいとしプラスを達成たっせいしていたが、18年ねん2月がつ期きは売上うりあげ高だかこそプラスだったものの、客数きゃくすうは0.9％減げんとマイナスに転てんじた。今期こんきも厳きびしい状況じょうきょうが続つづき、18年ねん3～11月がつ期きの客数きゃくすうは前年ぜんねん同期どうき比ひ0.6％減げんとなっている。

　ファミリーマートは既存きそん店てん売上うりあげ高だかが17年ねん2月がつ期きまではプラスが続つづいていたが、18年ねん2月がつ期きは0.3％減げんと前年ぜんねんを下回したまわった。既存きそん店てん平均へいきん日商にっしょう（1店舗てんぽの1日にち当あたり売上うりあげ高だか）における平均へいきん客数きゃくすうは18年ねん2月がつ期きまで、ここ数すう年ねんマイナスが続つづいている。18年ねん3～11月がつ期きも前年ぜんねん同期どうき比ひ2.2％減げんと苦戦くせんし、客きゃく離ばなれが続つづいている。

　ローソンは既存きそん店てん売上うりあげ高だかと客数きゃくすうともに18年ねん2月がつ期きまで2年ねん連続れんぞくでマイナスだ。18年ねん3～11月がつ期きも、どちらも前年ぜんねん割われとなっている。客きゃく単価たんかは上昇じょうしょうしているものの客数きゃくすう減げんをカバーするには至いたっていない。

　コンビニを取とり巻まく環境かんきょうは厳きびしさを増ましている。大手おおて3社しゃの店舗てんぽ数すうの伸のびは鈍化どんかしており、飽和ほうわ感かんが漂ただよう。オーバーストア（店舗てんぽ過剰かじょう）との声こえも少すくなくない。一方いっぽう、競争きょうそう相手あいての筆頭ひっとう格かく、ドラッグストアは出店しゅってん攻勢こうせいを強つよめている。例たとえば、業界ぎょうかい最大手さいおおてのウエルシアホールディングスは出店しゅってんやM＆A（合併がっぺい・買収ばいしゅう）を積極せっきょく的てきに行おこない、店舗てんぽ数すうを大おおきく増ふやしている。18年ねん2月がつ期きの1年間ねんかんで、国内こくないでは全体ぜんたいの約やく1割わりに当あたる155店てん増ふえている（期末きまつ国内こくない店舗てんぽ数すうは1687店てん）。両者りょうしゃの競合きょうごう度どは高たかまっており、コンビニがドラッグストアに侵食しんしょくされている。

　ドラッグストアはコンビニのお株かぶを奪うばってもいる。コンビニの代名詞だいめいしともいえる「24時じ間あいだ営業えいぎょう」の店みせを増ふやしているほか、同おなじく代名詞だいめいしの「弁当べんとう・総菜そうざい」を扱あつかう店舗てんぽを増ふやしたり、公共こうきょう料金りょうきんなどの支払しはらいを受うけ付つける「収納しゅうのう代行だいこうサービス」を提供ていきょうする店みせを増ふやすなど、コンビニ化かしたドラッグストアが増ふえている。

深刻しんこくな顧客こきゃくの高齢こうれい化か

　コンビニ業界ぎょうかいは、ドラッグストアに押おされるなど業界ぎょうかい外部がいぶにおいて問題もんだいを抱かかえているが、一方いっぽうでコンビニ業界ぎょうかい内部ないぶに潜ひそんでいる問題もんだいも抱かかえている。「顧客こきゃくの高齢こうれい化か」がそのひとつだ。

　コンビニでは顧客こきゃくの高齢こうれい化かが進行しんこうし、成長せいちょうの足あしかせとなっている。一いち例れいとして、セブンの年齢ねんれい別べつ客数きゃくすう構成こうせい比ひが09年ねん2月がつ期きから18年ねん2月がつ期きにかけてどれだけ変化へんかしたかを示しめしてみたい。同社どうしゃ公表こうひょうの資料しりょうによると、20歳さい未満みまんが9％（09年ねん2月がつ期き）→4％（18年ねん2月がつ期き）、20代だいが25％→16％、30代だいが24％→19％、40代だいが17％→24％、50歳さい以上いじょうが26％→37％となっている。この10年ねんで、20歳さい未満みまん、20代だい、30代だいの構成こうせい比ひが小ちいさくなった一方いっぽう、40代だいと50歳さい以上いじょうは大おおきくなっていることがわかる。このことから若者わかもののコンビニ離ばなれが見みてとれ、それが客数きゃくすう減げんというかたちで表あらわれていると考かんがえられる。