水虫みずむしの怖こわい話はなし…冬ふゆこそ要注意ようちゅうい、間違まちがった対処たいしょ法ほうで酷ひどい重症じゅうしょう化かの恐おそれも

「Thinkstock」より

　水虫みずむしは夏なつの病気びょうきと思おもいがちですが、冬ふゆこそ要注意ようちゅういです。スポーツジムや温泉おんせん施設しせつなどのスリッパやマットは感染かんせん源げんなどといわれますが、一番いちばん怖こわいのは湿気しっけと垢あかにより白癬はくせん菌きんが生息せいそくしやすい畳たたみの上うえです。汗あせがこびりつきやすいホットヨガや岩盤がんばん浴よくも要注意ようちゅういです。

　水虫みずむしは、足あしの指ゆびの間あいだに白癬はくせん菌きんという真ま菌きん（カビの一種いっしゅ）が繁殖はんしょくしたものです。体からだは菌きんをやっつけようと炎症えんしょうを起おこしリンパ球だまが集あつまってきて、傷きずを治なおそうとリンパ液りんぱえきを分泌ぶんぴつします。この反応はんのう性せいのリンパ液りんぱえきが皮下ひかにたまり水疱すいほうをつくり、それが潰つぶれると水みずが出でるのです。

　水虫みずむしにはいくつかの種類しゅるいがあります。もっとも一般いっぱん的てきなのは、足あし指ゆびの間あいだが白しろくなって切きれていく「趾間性せい水虫みずむし」。皮かわがむけてカサカサしたり、患部かんぶが湿しめって赤あかく切きれたりします。指ゆびと指ゆびが常つねにくっついて蒸むれるため五ご本ほん指ゆびソックスがお勧すすめです。

　さらに進行しんこうし白癬はくせん菌きんが角質かくしつの奥おくまで侵入しんにゅうした結果けっか、かかとにまで病変びょうへんが広ひろがると「かかと水虫みずむし」になります。かかとに水疱すいほうのブツブツができ、角質かくしつのひび割われができます。ここから皮膚ひふの常つね在ざい菌きんによる二に次じ感染かんせんを起おこすと、蜂はち窩織炎えんという重症じゅうしょうの感染かんせん症しょうになることがあります。下肢かしが真まっ赤かに腫はれ上あがり鼠径そけい部ぶのリンパ節ぶしが腫はれ、高熱こうねつが続つづきます。こうなると入院にゅういんして抗生こうせい剤ざいの点滴てんてき治療ちりょうが必要ひつようです。

　一番いちばん厄介やっかいなのは爪つま水虫みずむしです。白癬はくせん菌きんが爪つめの中なかに感染かんせんし、次々つぎつぎと他たの爪つめに感染かんせんし広ひろがっていきます。塗ぬり薬ぐすりを塗ぬっても爪つめの中なかまで届とどかないため、抗こう真ま菌きん薬やくの内服ないふくが必要ひつようです。

　水虫みずむしと似にた症状しょうじょうがたむしで、頭あたまにできると「しらくも」、胸むねや背中せなかにできると「ぜにたむし」、股間こかんにできると「いんきんたむし」と呼よばれます。いずれも白癬はくせん菌きんの感染かんせんが原因げんいんで、水虫みずむしと同おなじ治療ちりょうが必要ひつようとなります。白癬はくせん菌きんの仲間なかまで癬風菌きんが感染かんせんすると黒くろっぽい湿疹しっしんになるため「黒くろなまず」とも呼よばれます。

　昔むかしから「水虫みずむしと風邪かぜの薬くすりを発明はつめいしたらノーベル賞しょう」と言いわれてきました。風邪かぜはいろいろな病気びょうきの初期しょき症状しょうじょうであり、単独たんどくの疾患しっかんではありません。インフルエンザは単独たんどくのウイルスによる感染かんせん症しょうであり、タミフルなどのインフルエンザウイルスに対たいする抗こうウイルス薬やくができました。しかし風邪かぜの咳せき鼻はなのどなどの症状しょうじょうを抑おさえる薬くすりはあっても、アデノ、コロナ、RSウイルスなど何なん百ひゃく種類しゅるいもある風邪かぜのウイルスは抑おさえられません。