がんや脳腫瘍のうしゅようも～インスタント食品しょくひんは危険きけん？

　カップ麺めんにカップスープ……お湯ゆを入いれれば手軽てがるに食たべられることから、手てが伸のびてしまうインスタント食品しょくひん。しかし、「身体しんたいに悪わるい」という声こえがあるのも事実じじつ。確たしかに、食材しょくざい（かやく）は野菜やさい・海藻かいそうがわずかばかりで、ビタミン・ミネラル・食物しょくもつ繊維せんいなどの必要ひつような栄養素えいようそはまったく足たりない。さらに、スープを飲のみ干ほせばナトリウム（塩分えんぶん）は過剰かじょう摂取せっしゅで、偏かたよった食事しょくじになることは間違まちがいない。

　しかし、それどころではない。『買かってはいけないインスタント食品しょくひん　買かってもいいインスタント食品しょくひん』（渡辺わたなべ雄二ゆうじ／だいわ文庫ぶんこ）によれば、下痢げりなどの体調たいちょう不良ふりょうはおろか、がんまで起おこしかねない危あぶないインスタント食品しょくひんがあるという。
　
　例たとえば、油あぶらで揚あげたフライ麺めんには注意ちゅういが必要ひつようだ。油あぶらが酸化さんかしてしまうことで、毒性どくせい物質ぶっしつである過か酸化さんか脂質ししつができている恐おそれがある。過か酸化さんか脂質ししつはふたを開あけた時ときの鼻はなを突つくプーンとした油あぶらのにおいの中なかにも含ふくまれているものだ。

　「過か酸化さんか脂質ししつは有害ゆうがいで、ネズミやウサギに食たべさせると成長せいちょうが悪わるくなり、一定いってい量りょうを超こえると死しんでしまいます。過か酸化さんか脂質ししつは高温こうおんでできやすいため、揚あげ油あぶらにはたくさん発生はっせいしていて、揚あげた麺めんに多おおく含ふくまれてしまう」（同書どうしょ）のだ。

　ポテトチップスや天てんぷら、フライなどを食たべたときに、腹痛はらいたを催もよおしたり下痢げりの症状しょうじょうに見舞みまわれる症状しょうじょうは「油あぶらあたり」と呼よばれるが、これは過か酸化さんか脂質ししつが原因げんいんなのだ。

　似にたような症状しょうじょうとして胃いが張はる、もたれる、鈍痛どんつうに見舞みまわれるなどの胃い部ぶ不快ふかい感かんを引ひき起おこすのが、食品しょくひん添加てんか物ぶつだ。特とくに調味ちょうみ料りょうに使つかわれるL-グルタミン酸ぐるたみんさんNa（ナトリウム）は「腸ちょうから吸収きゅうしゅうされて顔かおや腕うでに灼熱しゃくねつ感かんを覚おぼえたりすること」があるという。

　実じつは過か酸化さんか脂質ししつや、L-グルタミン酸ぐるたみんさんNaなどの身体しんたいに危あぶない成分せいぶんが含ふくまれている食品しょくひんが身近みぢかにある。日清食品にっしんしょくひんの「カップヌードル」だ。「カップヌードル」は、ナトリウムも多おおく、添加てんか物ぶつも15種類しゅるい入はいっており、危あぶないインスタント食品しょくひんの代表だいひょう格かくなのだ。

　さらに姉妹しまい品ひんの「シーフードヌードル」には、添加てんか物ぶつとしてカラメル色素しきそも含ふくまれている。「カラメル色素しきそは全部ぜんぶで4種類しゅるいあり、そのうちの2種類しゅるいには発はつがん性せいのある4-メチルイミダゾールが含ふくまれているのです。ただし『カラメル色素しきそ』としか表示ひょうじされないため、消費しょうひ者しゃにはどれが使つかわれているのかわからないという問題もんだいがあります」（同書どうしょ）

　また、体調たいちょうや食たべた物ものによっては「胃いや腸ちょうなどの粘膜ねんまくが荒あれて、そこに発はつがん性せいのある添加てんか物ぶつが作用さようすれば、細胞さいぼうががん化かすることも考かんがえられ」（同書どうしょ）るだけに注意ちゅういが必要ひつようだ。

　フライ麺めんではないカップ麺めんでも油断ゆだんはできない。例たとえば、同おなじ日清食品にっしんしょくひんの「日にち清しんラ王らおう　背せ油ゆコク醤油じょうゆ」の売うり文句もんくは「まるで、生なま麺めん。」だが、麺めんに植物しょくぶつ油ゆが練ねり込こまれているため、フライ麺めんほどではないにしろ、過か酸化さんか脂質ししつの恐おそれがある。さらに、ラ王らおうの容器ようきは発泡はっぽうスチロールでできている。

　「これまでの研究けんきゅうで、発泡はっぽうスチロールの容器ようきに熱あついお湯ゆを入いれると、発はつがん性せいのあるスチレンがppbレベル（ppbは10億おく分ぶんの1を表あらわす濃度のうどの単位たんい）で溶とけだすことがわかっています。微量びりょうとはいえますが、一般いっぱんに発はつがん性せい物質ぶっしつは閾（しきい）値ち（この値ね以下いかであれば無害むがいであるといえる基準きじゅん）がないので、できるだけ摂取せっしゅしないに越こしたことはない」（同書どうしょ）

　なお、日清食品にっしんしょくひんのカップヌードルは、2008年ねんに容器ようきは紙かみ容器ようきに変更へんこうされている。カップ麺めんを食たべる際さいには、できる限かぎり容器ようきを移うつし替かえることが賢明けんめいだろう。

合成ごうせい甘味あまみ料りょうで下痢げり

　さらに気きをつけたいのが、インスタント飲料いんりょうだ。カフェオレ・カフェモカなどは、休憩きゅうけい時間じかんの“ほっと一息ひといきドリンク”の定番ていばんだろう。

　最近さいきんでは、「カロリーが気きになる」という声こえに応こたえる形かたちで、砂糖さとうを減へらしたり無なくして、代かわりに低ていカロリーの合成ごうせい甘味あまみ料りょうを使つかうことが多おおい。この合成ごうせい甘味あまみ料りょうが危あぶないという。

　例たとえば、難なん消化しょうか性せいデキストリン。食物しょくもつ繊維せんいの一種いっしゅで、糖とうの吸収きゅうしゅうを抑おさえて血糖けっとう値ちが上昇じょうしょうしにくくする働はたらきがあるのだが、腸ちょうで吸収きゅうしゅうされにくいために人ひとによっては下痢げりを起おこすことがあるという。注意ちゅうい書がきとして「飲のみすぎあるいは体質たいしつ・体調たいちょうにより、お腹なかがゆるくなることがあります」とあるのは、このためだ。難なん消化しょうか性せいデキストリンは、メッツコーラなど「トクホ」といわれる特定とくてい保健ほけん用よう食品しょくひんにも含ふくまれている成分せいぶんで、インスタント飲料いんりょうでは、味あじの素ゼネラルフもとぜねらるふーヅづの「ブレンディ　スティック　カフェオレ　カロリーハーフ」に含ふくまれている。

　また下痢げりよりも深刻しんこくな症状しょうじょうを招まねく恐おそれのある合成ごうせい甘味あまみ料りょうが、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合かごう物ぶつとアセスルファムK（カリウム）だ。

　砂糖さとうの180〜220倍ばいの甘味あまみがあるアスパルテーム・L-フェニルアラニン化合かごう物ぶつは、体内たいないで劇げき物ぶつのメチルアルコールを生成せいせいし、頭痛ずつうやめまい、不眠ふみん、視力しりょく・味覚みかく障害しょうがいなどを引ひき起おこす。1990年代ねんだいに、アスパルテームは脳腫瘍のうしゅようや白血病はっけつびょう、リンパ腫りんぱしゅなどを引ひき起おこす可能かのう性せいがあることが研究けんきゅう者しゃによって指摘してきされている。

　また、砂糖さとうの約やく200倍ばいの甘味あまみがあるアセスルファムKは、体内たいないで分解ぶんかいされないため異物いぶつとなってグルグルめぐり、肝臓かんぞうや免疫めんえきの機能きのうを低下ていかさせる恐おそれがあるという。

　「妊娠にんしんしたネズミを使つかった実験じっけんでは胎児たいじに移行いこうすることがわかっています。体内たいないで分解ぶんかいされないため、へその緒おを通とおって胎児たいじに移行いこうするのです。動物どうぶつ実験じっけんでは、催奇形がた性せいは認みとめられなかったという判断はんだんになっていますが、人間にんげんが摂取せっしゅした際さいに同おなじ結果けっかになるのか、不安ふあんを感かんじざるを得えません」（同書どうしょ）

3大だい危険きけん成分せいぶんが入はいったブレンディスティック

　アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合かごう物ぶつは、味あじの素ゼネラルフもとぜねらるふーヅづの「マキシム　スティックメニュー　カフェモカ」に、アセスルファムKはネスレ日本ねすれにほんの「ネスカフェ　ゴールドブレンド　スティックコーヒー」などに含ふくまれている。

　なお、「ネスカフェ　ゴールドブレンド　スティックコーヒー」には、アセスルファムKだけでなく、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合かごう物ぶつも含ふくまれている。また、先さきほど難なん消化しょうか性せいデキストリンが含ふくまれているとした「ブレンディスティック　カフェオレ　カロリーハーフ」には、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合かごう物ぶつ、アセスルファムKも含ふくまれている。事実じじつ上じょう、3大だい危険きけん成分せいぶんが入はいった三冠王さんかんおう状態じょうたいになっているのだ。

　「そんなことをい出いだすと、食たべられるものがなくなる」との声こえもあるだろうが、真実しんじつを知しらされずに危険きけんにさらされている状況じょうきょうは改善かいぜんしたいもの。こうしたリスクを踏ふまえて、我々われわれはインスタント食品しょくひんと付つき合あわなければいけない。
（文ぶん＝編集へんしゅう部ぶ）