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熱中症対策のスポドリ、飲みすぎてペットボトル症候群に…重症化すると命の危険も | ビジネスジャーナル
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吉澤よしざわ恵理えり薬剤師やくざいし視点してん社会しゃかいる」

熱中ねっちゅうしょう対策たいさくのスポドリ、みすぎてペットボトル症候群しょうこうぐんに…重症じゅうしょうするといのち危険きけん

ぶん吉澤よしざわ恵理えり薬剤師やくざいし医療いりょうジャーナリスト
熱中症対策のスポドリ、飲みすぎてペットボトル症候群に
熱中ねっちゅうしょう対策たいさくのつもりが、糖尿とうにょうびょうなどべつのリスクに…(「Getty Images」より)

 今年ことしなつ猛暑もうしょおおく、熱中ねっちゅうしょう対策たいさくのため経口けいこうすいえきスポーツドリンク頻繁ひんぱんんでいたというひとおおいのではないだろうか。近年きんねん熱中ねっちゅうしょうによる救急きゅうきゅう搬送はんそう死亡しぼうれい増加ぞうか傾向けいこうにあり、厚生こうせい労働省ろうどうしょう医師いしかいのほか、さまざまな機関きかん熱中ねっちゅうしょう対策たいさくびかけている。そのかいあってか、「多量たりょうあせをかいたら経口けいこうすいえき」という認識にんしきひろがっている。

 しかしながら、過大かだい解釈かいしゃくし、あつ水分すいぶん補給ほきゅうとして経口けいこうすいえきみすぎてしまうと、“ペットボトル症候群しょうこうぐん”を発症はっしょうするおそれがある。からだがだるい、のどがかわく、尿にょうりょうえる、つかれやすい、がするなどの症状しょうじょうは、ペットボトル症候群しょうこうぐんかもしれない。ペットボトル症候群しょうこうぐんについて竹内たけうち内科ないか小児科しょうにか医院いいん院長いんちょうふじりょうはた医師いしいた。

清涼飲料水せいりょういんりょうすいケトーシスとは

一般いっぱんにペットボトル症候群しょうこうぐんばれていますが、医学いがくてきには『清涼飲料水せいりょういんりょうすいケトーシス』といいます。糖分とうぶんふく清涼飲料水せいりょういんりょうすいやスポーツドリンクなどを連日れんじつ大量たいりょうつづけると、急激きゅうげき糖尿とうにょうびょうになることがあります。インスリン不足ふそくとインスリン抵抗ていこうせいたかまってこう血糖けっとうとなり、血液けつえきちゅうのケトンたいという物質ぶっしつ過剰かじょうな『ケトーシス』という状態じょうたいになります。すると、倦怠けんたいかん嘔吐おうとなどさまざまな障害しょうがいこります」

 インスリン抵抗ていこうせいとは、インスリンのはたらきが低下ていかする状態じょうたいをいう。ケトーシスがすすむと血液けつえき酸性さんせいかたむくケトアシドーシスとなる。

「ケトアシドーシスが重症じゅうしょうすれば、いのち危険きけんおよぼすこともあります。20~40だい男性だんせい圧倒的あっとうてきおおく、女性じょせい男性だんせいより発症はっしょうりつひく傾向けいこうにあります。また、肥満ひまん傾向けいこうひとはリスクがたかいといえます」

清涼飲料水せいりょういんりょうすいには多量たりょう糖分とうぶんがあることを認識にんしきすべき

 清涼飲料水せいりょういんりょうすいケトーシスの原因げんいんとなるのが、清涼せいりょう飲料いんりょうちゅうふくまれる糖分とうぶんである。

「500mlのスポーツドリンクにふくまれる糖分とうぶんは、やく30gとかなりのりょうです。熱中ねっちゅうしょう予防よぼう目的もくてきとして、スポーツドリンクを多量たりょうむとケトーシスの原因げんいんとなる可能かのうせいがあります」

 炭酸たんさん飲料いんりょうすい場合ばあいでは、さらにおおくのぶんふくまれ、50gをえるものある。あつには、つめたい清涼飲料水せいりょういんりょうすい美味おいしくかんじるが、糖分とうぶん過剰かじょう摂取せっしゅには注意ちゅうい必要ひつようだ。

清涼飲料水せいりょういんりょうすいケトーシスの治療ちりょうほう

清涼飲料水せいりょういんりょうすいケトーシス治療ちりょうは、糖尿とうにょうびょう同様どうようです。インスリンのはたらきが低下ていかしているため、インスリン注射ちゅうしゃによる治療ちりょうおこないます。症状しょうじょう程度ていどによってインスリン投与とうよ方法ほうほうわります。清涼せいりょうすう飲料いんりょうすいケトーシスの特徴とくちょう可逆かぎゃくせい(もともどる)にあり、発症はっしょうした患者かんじゃさんのおおくは、清涼飲料水せいりょういんりょうすい多量たりょう摂取せっしゅをやめることと適切てきせつ治療ちりょうで1カ月かげつ数カ月すうかげつ回復かいふくします。回復かいふくは、糖尿とうにょうびょう予防よぼう意識いしきした食生活しょくせいかつこころがけていただくことで再発さいはつふせぎます」

 なつになると熱中ねっちゅうしょう注意ちゅうい喚起かんきとともに経口けいこうすいえきやスポーツドリンクのCMが目立めだつようになり、水分すいぶん補給ほきゅうれるひとおおいが、あくまでも多量たりょうあせをかく環境かんきょうにある場合ばあい脱水だっすい水分すいぶん補給ほきゅうてきしたものであるという認識にんしき必要ひつようだろう。

経口けいこうすいえきは、脱水だっすいしょうのための食事しょくじ療法りょうほう経口けいこうすい療法りょうほう)として摂取せっしゅするものです。脱水だっすいしょうでないほうが、普段ふだん水分すいぶん補給ほきゅうとしてむものではありません。熱中ねっちゅうしょう脱水だっすいのリスクがない環境かんきょうでは、水分すいぶん補給ほきゅうにはみずやカフェインレスのおちゃなどを、のどかわまえむというのが上手じょうず水分すいぶん補給ほきゅうといえます」

 9月になり朝晩あさばんあきめいたかんがあるが、にちちゅうはまだまだ残暑ざんしょきびしい。清涼飲料水せいりょういんりょうすいケトーシスに留意りゅういし、適切てきせつ水分すいぶん補給ほきゅうおこなってほしい。

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤よしざわ恵理えり薬剤師やくざいし医療いりょうジャーナリスト

1969ねん12月25にち福島ふくしまけんまれ。1992ねん東北薬科大学とうほくやっかだいがく卒業そつぎょう福島県立医科大学ふくしまけんりついかだいがく薬理やくりがく講座こうざ助手じょしゅ福島ふくしまけん公立こうりつ岩瀬いわせ病院びょういん薬剤やくざい医療いりょう法人ほうじん寿ことぶきかい病院びょういん勤務きんむ現在げんざい薬物やくぶつ乱用らんよう防止ぼうし啓蒙けいもう活動かつどうしん問題もんだいなどにもみ、コラム執筆しっぴつのほか、講演こうえん、セミナーなどもおこなっている。

吉澤よしざわ恵理えり公式こうしきブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

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