「天皇てんのう制せい反対はんたい！」「経済けいざい成長せいちょうなど不要ふよう、皆みなで助たすけ合あえばよい！」あの男おとこが吠ほえる

　9月19日にち、参議院さんぎいん本ほん会議かいぎにおいて安全あんぜん保障ほしょう関連かんれん法案ほうあんが可決かけつされた。この時とき、民主みんしゅ、維新いしん、共産きょうさん、社民しゃみん、生活せいかつの野党やとう5党とうは協力きょうりょくして参議院さんぎいんに内閣ないかく問責もんせき決議けつぎ案あん、衆議院しゅうぎいんに内閣ないかく不信任ふしんにん決議けつぎ案あんを提出ていしゅつするなど激はげしい抵抗ていこうを見みせたが、自民じみん・公明こうめいをはじめとする多数たすう派はに簡単かんたんに寄より切きられた。

　労働ろうどう組合くみあい・東京とうきょう管理かんり職しょくユニオンのアドバイザーの設楽したら清嗣きよつぐ氏しは、左翼さよくリベラルが、自公じこう政権せいけんに対抗たいこうできる勢力せいりょくをつくることを唱となえる。最近さいきんは、経済けいざい界かいのなかにも新あたらしい動うごきがあり、「反はん自公じこう・反はん新しん自由じゆう主義しゅぎ」の一大いちだい勢力せいりょくとなる可能かのう性せいがあると指摘してきする。

共産党きょうさんとうは、勝かち抜ぬく政治せいじが相変あいかわらずできない

　労働ろうどう組合くみあいユニオンのパイオニアとして、リーダーとして、設楽したら氏しは一貫いっかんして自民党じみんとうや大だい企業きぎょうに対立たいりつしてきた。その運動うんどうが、大おおきな曲まがり角かどにあると指摘してきする。

「今いまの政権せいけんに委ゆだね、新しん自由じゆう主義しゅぎまっしぐらでいいのか。それで社会しゃかいや経済けいざいが、国くにが10～20年ねん後ご、成なり立たつか。民主党みんしゅとうも共産党きょうさんとうも、自党じとうのことを最さい優先ゆうせんする考かんがえを捨すててほしい。新しん自由じゆう主義しゅぎへの対抗たいこう軸じくをつくるべきだ。共産党きょうさんとうが民主党みんしゅとうや社民党しゃみんとうなどに歩あゆみ寄よると、ひとつの軸じくとなり、保守ほしゅと左翼さよくリベラルの間あいだに亀裂きれつができる。これを仕掛しかけることが大切たいせつだ」（設楽したら氏し、以下いか同どう）

　昨年さくねんの東京とうきょう都知事とちじ選せんで、元もと首相しゅしょうの細川ほそかわ護煕もりひろ氏しが脱だつ原発げんぱつを掲かかげて立候補りっこうほした。共産党きょうさんとうは、弁護士べんごしの宇都宮うつのみや健児けんじ氏しを擁立ようりつした。それを問題もんだい視しする。

「結局けっきょく、自公じこう政権せいけんが推おす舛添ますぞえ要一よういち氏しを当選とうせんさせ、今いまの原発げんぱつ容認ようにん路線ろせんになった。共産党きょうさんとうは、勝かち抜ぬく政治せいじが相変あいかわらずできない。自分じぶんたちの正ただしさのほうに振ふり子こが行おこなってしまう。敵てきのまちがいを正ただすために、自分じぶんたちとは違ちがう考かんがえを持もつ者ものと共闘きょうとうしていくしたたかさがない。この広ひろい視野しやがないと、これからは闘たたかえない。この50年ねん、共産党きょうさんとうをはじめとした日本にっぽんの左翼さよくには柔軟じゅうなんさがない。もし左翼さよくが広ひろくて柔軟じゅうなんな考かんがえを持もち、保守ほしゅ政権せいけんの対抗たいこう軸じくになれれば、日本にっぽんの社会しゃかいをじりじりと変かえることができる」

　さらに設楽したら氏しは、「対抗たいこう軸じくのひとつの思想しそうは、経済けいざい成長せいちょう至上しじょう主義しゅぎであってはならない」と力ちからを込こめる。

「経済けいざい成長せいちょうをしなくとも、皆みなでいかに支ささえ合あい、助たすけ合あうか。民主党みんしゅとう・社民党しゃみんとうの政権せいけんが敗北はいぼくに終おわった大おおきな理由りゆうは、その方向ほうこうに舵かじを切きることができなかったからだ。政権せいけんの座ざに就ついていた時とき、民主党みんしゅとうや政権せいけんの中枢ちゅうすうは経済けいざい成長せいちょう論ろん者しゃが主流しゅりゅうだった。共産党きょうさんとうも、実じつはケインズ的てきな福祉ふくし国家こっか論ろんに傾かたむいている。一定いっていの経済けいざい成長せいちょうを前提ぜんていとし、その利益りえきを国くにでいかに再さい分配ぶんぱいするかという点てんがほかの政党せいとうとは違ちがうが、成長せいちょうを重視じゅうししていることに変かわりはない。それでは、この国くにはもう成なりたない。そもそも今後こんご、大おおきな成長せいちょうはできないはずだからだ」