韓国かんこく人じん、フィリピン女性じょせいを妊娠にんしんさせ自国じこくへ逃亡とうぼうが社会しゃかい問題もんだい化か…ベトナム人じんを慰安いあん婦ふの過去かこも

在ざい韓かん日本国にっぽんこく大使館たいしかん（現在げんざいは移転いてん中ちゅう、「Wikipedia」より、Sakaori）

　昨年さくねん末まつに日にち韓かんで慰安いあん婦ふ問題もんだいに関かんする政府せいふ合意ごういがなされたが、これに反発はんぱつしているのが韓国かんこく・挺身ていしん隊たい問題もんだい対策たいさく協議きょうぎ会かいである。連日れんじつ、在ざい韓かん日本にっぽん大使館たいしかん前まえで「ハルモニ（おばあさん）たちに相談そうだんがなかった」「合意ごういは無効むこう」と声こえを上あげてデモを繰くり広ひろげた。大使館たいしかん前まえには日にち韓かん合意ごういに基もとづき撤去てっきょ予定よていである慰安いあん婦ふ像ぞうが置おかれているが、その前まえでは挺身ていしん隊たい対策たいさく協きょうのみならず大学生だいがくせいを中心ちゅうしんとした団体だんたい「平和へいわナビネットワーク」も座すわり込こみによるデモを行おこなっていた。

　そんなデモ隊たいの前まえにオンマ部隊ぶたい奉仕ほうし団だんという年配ねんぱいの女性じょせいたちを中心ちゅうしんとした団体だんたいが現あらわれ、「合意ごういを受うけ入いれるべき」との発言はつげんを繰くり返かえし衝突しょうとつ。さらに、合意ごうい賛成さんせい派はの父母ちちはは連合れんごうとの一触即発いっしょくそくはつが韓国かんこくのメディアを賑にぎわせた。こうして慰安いあん婦ふ問題もんだいをきっかけとして、日本にっぽん大使館たいしかん前まえは自己じこアピールの場ばと化かした。

　しかし、ベトナム戦争せんそう時じに韓国かんこく軍ぐんが現地げんちベトナム人じん女性じょせいを慰安いあん婦ふとして扱あつかった歴史れきしがあることは、あまり報ほうじられていない。韓国かんこく軍ぐんが残のこした「ライダイハン」（強姦ごうかんなどにより生うまれた子供こども）の存在そんざいは、ベトナム国内こくないで大おおきな問題もんだいとなっている。

　さらに、「コピーノ」の問題もんだいもある。コピーノとは韓国かんこく人じん男性だんせいとフィリピン人じん女性じょせいの間あいだにもうけられた子供こどもを指さす言葉ことばで、現在げんざい、韓国かんこくではコピーノ問題もんだいが政府せいふに重おもくのしかかろうとしている。

　数すう年ねん前まえ、筆者ひっしゃはフィリピン・セブを訪おとずれた際さい、浅黒あさぐろい顔かおにもかかわらずほりは浅あさく、日本人にっぽんじんと似にた面持おももちの子供こどもに出会であった。

「彼かれらの父親ちちおやは韓国かんこく人じんです。数すう年ねん前まえに韓国かんこくに帰かえったままセブに戻もどってくることはありませんでした」

　セブに住すむ知人ちじんはそう筆者ひっしゃに説明せつめいした。フィリピンでは現在げんざい、父親ちちおやである韓国かんこく人じんに捨すてられるフィリピン人じんの女性じょせい、そして、その子供こどもたちであるコピーノが後こうを絶たたないという。現在げんざい、その数かずは3万まん人にんを超こえるといわれている。

「コピーノの父親ちちおやに当あたる韓国かんこく人じん男性だんせいには、フィリピンを拠点きょてんにする実業じつぎょう家かや駐在ちゅうざい員いんが多おおいですが、語学ごがく学校がっこうに通かよう学生がくせいも多おおいのです。昨今さっこん、共通きょうつう語ごとして英語えいごを利用りようするフィリピンには、英語えいごの語学ごがく学校がっこうが増加ぞうかし韓国かんこく人じんをはじめ中国人ちゅうごくじんや日本人にっぽんじんなどが数多かずおおく留学りゅうがくしています」（韓国かんこく一般いっぱん紙し記者きしゃ）

　実じつは日本人にっぽんじん男性だんせいと現地げんちフィリピン人じん女性じょせいの間あいだに生うまれた「ジャピーノ」の問題もんだいも存在そんざいするが、日本にっぽんでは法ほう改正かいせいを行おこない彼かれらの国籍こくせき取得しゅとくの簡略かんりゃく化かに努つとめている。

　一方いっぽう、韓国かんこくではいまだ政府せいふが動うごき出だしておらず、フィリピンからも韓国かんこくからも保護ほごされていない女性じょせいや子供こどもたちが多おおく存在そんざいしているのだ。

コピーノビジネス

　そのようななか、「KOPINOFATHER」というサイトが公開こうかいされ、韓国かんこく社会しゃかいに激震げきしんが走はしっている。蒸発じょうはつしたコピーノの父親ちちおやを捜さがすサイトなのだが、そこには本人ほんにんの写真しゃしんから名前なまえ、交際こうさい期間きかんなどが詳細しょうさいに記載きさいされているのだ。このサイトが公開こうかいされたのは昨年さくねん8月がつ、43名めいのコピーノのプロフィールが掲載けいさいされていたのが、すでに23名めいの父親ちちおやが発見はっけんされたという。

「このサイトに掲載けいさいされている父親ちちおやは、大半たいはんが留学生りゅうがくせいです。留学りゅうがく期間きかんを終おえると韓国かんこくに帰国きこくする男性だんせいが多おおく、妊娠にんしん証明しょうめい書しょも偽装ぎそうする場合ばあいが多おおく、連絡れんらくは困難こんなんとみられていたのです。またフィリピンはカトリック教徒きょうとが多おおく、堕胎だたいが認みとめられていないのも大おおきな要因よういんとして考かんがえられています」（同どう）

　現在げんざい、韓国かんこくではコピーノ訴訟そしょうも繰くり広ひろげられており、一部いちぶでは実子じっしとして認みとめられ、コピーノが養育よういく費ひを支払しはらわれたり、国籍こくせきを取得しゅとくできるケースも出でてきている。しかし、新あらたな問題もんだいも出でてきている。

「コピーノビジネスが蔓延まんえんしています。コピーノ救済きゅうさいを目的もくてきとしたNPOなどが乱立らんりつし、訴訟そしょうを望のぞむコピーノの母親ははおやたちから、弁護士べんごしの紹介しょうかい料りょうや手数料てすうりょうを取とり、支払しはらわれた慰謝いしゃ料りょうの半分はんぶん以上いじょうを成功せいこう報酬ほうしゅうとして搾取さくしゅする現象げんしょうが起おこっています」（同どう）

　韓国かんこく政府せいふが無む関心かんしんを装よそおうコピーノ問題もんだいもあり、フィリピン人じんの間あいだで嫌いや韓かん意識いしきも広ひろがりつつあるという。
（文ぶん＝松まつ庭にわ直ただし／フリーフォトライター）