「お金かねだけはあるけど他たには何なにもない…」こんな人じんは節約せつやくしすぎで一生いっしょうを棒ぼうに振ふる！

「Thinkstock」より

　お金かねが貯たまる人ひとや貯たまらない人ひとに取材しゅざいを重かさね、マネーコラムを執筆しっぴつしている筆者ひっしゃですが、残念ざんねんなことに、ときどき勘違かんちがいをされてしまうことがあります。それは、「お金かねを貯ためることが人生じんせいの第だい一目いちもく的てきで、お金かねを使つかうことは悪あくだ」という勘違かんちがいです。

　時ときに、雑誌ざっしやウェブの記事きじ、ブログなどでは「いかに安やすくあげるか」「どれだけ我慢がまんをして、いかに貯ためているか」ということがクローズアップされがちです。まるで“我慢がまん大会たいかい”をしているかのように見みえることも……。お金かねを出だすべきところでも出ださず、「いかにお金かねを使つかわないで生いきていくか」を四よん六ろく時じ中ちゅう考かんがえる方向ほうこうに向むかっていくと、豊ゆたかな未来みらいはやってこないのでは、と危惧きぐしています。

　必要ひつようなお金かねを貯ためることは、非常ひじょうに大切たいせつです。その上うえで、時ときには思おもい切きった大おおきな出費しゅっぴも大切たいせつ。「損そんしちゃったな……」と感かんじることも含ふくめて、さまざまな経験けいけんを重かさねることで資産しさんが増ふえていくと同時どうじに、豊ゆたかな暮くらしにつながっていくと思おもうからです。

「お金かねは貯たまったものの、ほかには何なにもない」

　お金かねを貯ためることを最さい優先ゆうせんに考かんがえている人ひとが忘わすれがちな出費しゅっぴのひとつに“学まなび”が挙あげられると思おもいます。今回こんかいは“学まなび”のお金かねについて、フォーカスしたいと思おもいます。

　学まなびには、何なにかとお金かねがかかります。お金かねを貯ためることを第だい一いちに考かんがえていると、「もったいない」と感かんじるかもしれません。しかし、その一時いちじ的てきな出費しゅっぴを惜おしんでいると、長ながい目めで見みた時ときの“資産しさん”は増ふえず、将来しょうらい的てきに後悔こうかいしてしまうかもしれません。

　以前いぜん、取材しゅざいでお会あいしたAさんは、「30歳さいになってお金かねはだいぶ貯たまったけれど、これまでひたすら、出費しゅっぴを我慢がまんすることばかり考かんがえてきてしまった。自分じぶんには何なにも残のこっていない。資格しかくもない。転職てんしょくしたいけれど、特とくにスキルもないのでできない。ほかの人ひとには、こんなふうになってほしくないけれど、みじめなので後輩こうはいにも言いえない」と語かたっていました。

　Aさんは、お金かねを貯ためたい一心いっしんで、会社かいしゃからどこにも寄よらずに毎日まいにち家かに直行ちょっこう。休日きゅうじつは「出でかけたり、人ひとに会あったりするとお金かねがかかるから」と、家いえから出でないでインターネットで節約せつやく情報じょうほうを探さがしていました。ちょっとした出費しゅっぴでも、時間じかんをかけて「数すう十じゅう円えんでも安やすいところを」と調しらべまくっていたのです。

　その結果けっか、お金かねはたくさん貯たまっていきました。しかし、自分じぶんの興味きょうみがあること（日々ひびの節約せつやく、通帳つうちょうの残高ざんだかが増ふえていくこと）の枠わくの外そとにはなんの広ひろがりも持もてていないことに、「30歳さいになって、はたと気付きづいた」のだそうです。「何なにか少すこしずつでも勉強べんきょうするか、新あたらしいことに挑戦ちょうせんしておけばよかった」と悔くやんでいました。