コンビニやネット通販つうはんで「実質じっしつ値引ねびき」になる超ちょうおトクな買かい物もの術じゅつ！Tポイント、楽天らくてん、西友せいゆう…

Tカード（「Wikipedia」より／Banku）

　6月1日にち、安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうが消費しょうひ税ぜい増税ぞうぜいを2年ねん半はん延期えんきすることを表明ひょうめいした。筆者ひっしゃの周囲しゅういでは、以前いぜんから「来年らいねん4月がつの増税ぞうぜいは、ほぼできないだろう」との見方みかたが多おおく、「やっと延期えんきを判断はんだんしたか」という声こえが多おおかった。

　むろん、社会しゃかい保障ほしょうの財源ざいげん確保かくほや、政府せいふが掲かかげた2020年ねんまでにプライマリーバランス（基礎きそ的てき財政ざいせい収支しゅうし）を黒字くろじ化かするという目標もくひょうへの影響えいきょうなどを思おもえば、手放てばなしで喜よろこんではいられない。

　とはいえ、アベノミクスの恩恵おんけいを実感じっかんできない我々われわれ庶民しょみんにとっては、まずは一息ひといきつく猶予ゆうよができたといえる。

　しかし、我々われわれの生活せいかつ費ひの一ひとつひとつを考かんがえた時とき、実じつは消費しょうひ税ぜいがかからない費目ひもくが多おおくあることをご存ぞんじだろうか。国税庁こくぜいちょうのホームページに開示かいじされている「（消費しょうひ税ぜいが）非課税ひかぜいになる取引とりひき」をベースに見みていこう。

家賃やちんや住宅じゅうたくローン、生命せいめい保険ほけん料りょうは非課税ひかぜい

　まず、毎月まいつきの生活せいかつ費ひで大おおきなボリュームを占しめるのが住居じゅうきょ費ひだが、これは非課税ひかぜいとなる。家賃やちんや管理かんり費ひ、マンションの修繕しゅうぜん積立つみたて金きんに消費しょうひ税ぜいはかからないし、住宅じゅうたくローンも同様どうようだ。

　もっといえば、土地とち取引とりひきは非課税ひかぜいなので、分譲ぶんじょうマンションや土地とち付つき一戸建いっこだてを購入こうにゅうする際さい、消費しょうひ税ぜいがかかるのは建物たてもの部分ぶぶんのみになる。

　家賃やちんは非課税ひかぜいだが、駐車ちゅうしゃ場じょうの料金りょうきんはやや異ことなる。マンションなどで住人じゅうにん用ように割わり当あてられている場合ばあいや、家賃やちんにその使用しよう料りょうが含ふくまれている場合ばあいは非課税ひかぜいだが、それとは別べつに整備せいびされた駐車ちゅうしゃ場じょうを借かりているケースは課税かぜい対象たいしょうになってしまう。

　次つぎに、生命せいめい保険ほけんなどの保険ほけん料りょうや掛かけ金きんも非課税ひかぜいだ。さらに、健康けんこう保険ほけんの対象たいしょうとなる医療いりょう費ひや出産しゅっさん費用ひようも非課税ひかぜいだが、差額さがくベッド代だいや市販しはんの医薬品いやくひんには課税かぜいされる。

　子供こどもがいる家庭かていの教育きょういく費ひはどうか。非課税ひかぜいとなるのは、「学校がっこう教育きょういく法ほうに規定きていする学校がっこう、専修せんしゅう学校がっこう、修業しゅうぎょう年限ねんげんが1年ねん以上いじょうなどの一定いっていの要件ようけんを満みたす各種かくしゅ学校がっこう等とうの授業じゅぎょう料りょう、入学にゅうがく検定けんてい料りょう、入学にゅうがく金きん、施設しせつ設備せつび費ひ、在学ざいがく証明しょうめい手数料てすうりょうなど」および「（検定けんてい済ずみ教科書きょうかしょなどの）教科きょうか用よう図書としょの譲渡じょうと」となっている。

　学校がっこう教育きょういく法ほうを見みると、「学校がっこうとは、幼稚園ようちえん、小学校しょうがっこう、中学校ちゅうがっこう、義務ぎむ教育きょういく学校がっこう、高等こうとう学校がっこう、中等ちゅうとう教育きょういく学校がっこう、特別とくべつ支援しえん学校がっこう、大学だいがく及および高等こうとう専門せんもん学校がっこうとする」とあるので、ほぼすべての学校がっこうを含ふくむと考かんがえていいだろう。

　ただし、教材きょうざい代だいや教具きょうぐ代だいなどは課税かぜい対象たいしょうになり、学習がくしゅう塾じゅくやカルチャースクールなどの入学にゅうがく金きんや授業じゅぎょう料りょうにも課税かぜいされる。なお、認可にんか保育ほいく施設しせつや一定いっていの条件じょうけんを満みたした認可にんか外がい保育ほいく施設しせつの保育ほいく料りょうも非課税ひかぜいとなる。

　つまり、家庭かていの支出ししゅつのうち、住居じゅうきょ費ひ、医療いりょう費ひ、学校がっこう教育きょういく費ひ、保育ほいく費ひ、保険ほけん料りょうには原則げんそくとして消費しょうひ税ぜいがかからない。さらに、酒類しゅるいと外食がいしょくを除のぞいた飲食料品いんしょくりょうひんや新聞しんぶんは軽減けいげん税率ぜいりつの対象たいしょうとなり、増税ぞうぜい後ごも税率ぜいりつは8％に据すえ置おかれる予定よていだ。

　そう考かんがえると、増税ぞうぜい後ごに10％の税率ぜいりつが適用てきようされる家庭かていの支出ししゅつは、厳密げんみつには多おおくない。とはいえ、モノやサービスの価格かかく自体じたいが底上そこあげされる可能かのう性せいはおおいにある。

買かい物ものが毎日まいにち3％オフになるカードも

　非課税ひかぜい項目こうもくが意外いがいに多おおいとはいえ、当然とうぜん、そうでないものも多おおい。

　酒類しゅるいや外食がいしょく費ひ、洋服ようふくや日にち用品ようひん、公共こうきょう料金りょうきんや通信つうしん費ひなどは、19年ねん10月がつからは税率ぜいりつ10％となる予定よていだ。そこで、2％のアップ分ぶんを少すこしでも取とり戻もどす方法ほうほうはないか、考かんがえてみた。

　日にち用品ようひんなどを買かう場合ばあい、流通りゅうつう系けいのクレジットカードの割引わりびきデーを狙ねらえば5％オフで買かい物ものができるケースが多おおいが、近所きんじょに西友せいゆうがある場合ばあいは、ウォルマートカード セゾン・アメリカン・エキスプレス・カードを利用りようしたい。西友せいゆう、リヴィン、サニー、SEIYUドットコムで、毎日まいにち3％オフで買かい物ものができる。ただし、酒類しゅるいは対象たいしょう外がいだ。

　なお、このカードで電気でんき・ガス・水道すいどう料金りょうきんを支払しはらった場合ばあい、1％オフになるサービスを実施じっしする予定よていもある（16年ねん9月がつ5日にち～17年ねん8月がつ4日にち引ひき落おとし分ぶんが対象たいしょう。対象たいしょうになる加盟かめい店てんは要よう確認かくにん）。

　増税ぞうぜい前まえに住宅じゅうたく購入こうにゅうを考かんがえていて、候補こうほ地ち周辺しゅうへんにイオン系けいスーパーがあるなら、イオン銀行ぎんこうの住宅じゅうたくローンも検討けんとうしてはどうだろうか。なぜなら、契約けいやく者しゃ限定げんていの特典とくてんがあり、イオングループでの買かい物ものが5年間ねんかん5％割引わりびきになるからだ。（たばこや金券きんけんなど、割引わりびき対象たいしょう外がい商品しょうひんあり）。

　イオン銀行ぎんこうは住宅じゅうたくローンの金利きんり自体じたいが低ひくいので、借かり入いれ先さきの候補こうほとしても悪わるくないだろう。そうすれば、日にち用品ようひんや衣料いりょう品ひんの増税ぞうぜい分ぶんは、なんとか取とり戻もどすことができそうだ。

酒類しゅるいと外食がいしょくは共通きょうつうポイントで“自己流じこりゅう軽減けいげん税率ぜいりつ”

　酒類しゅるいの税率ぜいりつアップを少すこしでも取とり戻もどすなら、コンビニエンスストアで酒類しゅるいを購入こうにゅうするのも一案いちあんだ。

　コンビニで使つかえる共通きょうつうポイントのうち、Ponta（ローソン）、dポイント（同どう）、楽天らくてんスーパーポイント（サークルK、サンクスなど）は100円えんにつき1ポイントが付与ふよされるので、1％還元かんげんとなる。

　Tポイント（ファミリーマート、スリーエフなど）は200円えんにつき1ポイントなので、還元かんげん率りつは0.5％に落おちてしまう（ランクなどによって異ことなる）が、共通きょうつうポイントは割引わりびきではないものの、コンビニで現金げんきん代かわりに使つかえるので使つかい勝手がってがいい。

「コンビニでちまちま酒しゅを買かうなんて、とても足たりない」という酒豪しゅごうなら、大手おおて通販つうはんサイトでまとめ買がいするとしよう。

　Yahoo！ショッピングと楽天らくてん市場いちばで買かい物ものをする場合ばあいは、公式こうしきクレジットカードを使つかって決済けっさいすることが肝心かんじんだ。まずYahoo！ショッピングでの買かい物ものをYahoo！JAPANカードで決済けっさいすれば、Tポイントが3％分ぶんつく。楽天らくてん市場いちばでは、楽天らくてんカードの決済けっさいで楽天らくてんスーパーポイントが2％分ぶんつく。どちらも、増税ぞうぜいの2％分ぶんを賄まかなえる計算けいさんだ。

　さらに、この2つのポイントは、前述ぜんじゅつのように共通きょうつうポイントであることに意味いみがある。Tポイントは、ガストやバーミヤンなど、すかいらーく系けいのファミリーレストランの一部いちぶで、楽天らくてんスーパーポイントは、ミスタードーナツやペッパーランチなどで使つかうことができる。つまり、外食がいしょくの際さいにも利用りよう可能かのうなのだ。

　増税ぞうぜい後ご、税率ぜいりつ10％が適用てきようされるものはネット通販つうはんで買かい、取とり戻もどした分ぶんを、やはり増税ぞうぜいになる外食がいしょく費ひに回まわす――。誠まことにちまちました話はなしで恐縮きょうしゅくだが、庶民しょみんができるせめてもの自主じしゅ防衛ぼうえいとして、増税ぞうぜいまでの2年ねん半はんの間あいだに対抗たいこう措置そちを考かんがえていきたいものだ。
（文ぶん＝松崎まつざきのり子こ／消費しょうひ経済けいざいジャーナリスト）