サラリーマンは絶対ぜったいに副業ふくぎょうをやったほうがいい、これだけの理由りゆう…定年ていねん後ごの人生じんせいが輝かがやく

「Gettyimages」より

　最近さいきん、会社かいしゃ員いんの副業ふくぎょう・兼業けんぎょうが話題わだいになることが多おおくなりました。わが国くにでは長ながい間あいだ、副業ふくぎょうというのは一般いっぱん的てきに認みとめられることがなく、多おおくの企業きぎょうでは「副業ふくぎょう禁止きんし・兼業けんぎょう禁止きんし」というのが普通ふつうでした。「そんな余裕よゆうがあるのなら会社かいしゃの業務ぎょうむにもっと精せいを出しゅっせ」とか「情報じょうほう漏洩ろうえいのリスクがある」といった理由りゆうから、なかなか副業ふくぎょうが認みとめられませんでした。

　一方いっぽう、会社かいしゃ側がわからだけではなく、社員しゃいんの側がわにも壁かべがありました。従来じゅうらいから一部いちぶの企業きぎょうでは副業ふくぎょうを認みとめているところはあるものの、「そんなことをしたら業務ぎょうむに熱心ねっしんではないと思おもわれ、自分じぶんの評価ひょうかが上あがらないのではないか」と不安ふあん視しする社員しゃいんも少すくなくなかったからです。

『お金かねの常識じょうしきを知しらないまま社会しゃかい人じんになってしまった人ひとへ』（大江おおえ英樹ひでき／PHP研究所けんきゅうじょ）

　一方いっぽうでは今年ことし1月がつ31日にち、厚生こうせい労働省ろうどうしょうによって「モデル就業しゅうぎょう規則きそく」の改訂かいていが実施じっしされました。それまでは「原則げんそく禁止きんし」であった副業ふくぎょうが、事前じぜんに会社かいしゃに対たいして届とどけ出でを行おこなうことで可能かのうとなります。この方向ほうこう転換てんかんは、明あきらかに働はたらき方かた改革かいかくの趣旨しゅしに合あわせて副業ふくぎょう容認ようにんへ舵かじを切きったと考かんがえるべきでしょう。もちろん、これによって副業ふくぎょうを認みとめる会社かいしゃが一気いっきに増ふえるかどうかはわかりません。事実じじつ、現在げんざいにおいても副業ふくぎょうを容認ようにんしている企業きぎょうは約やく2割わりだといわれています（リクルートキャリア「兼業けんぎょう・副業ふくぎょうに対たいする企業きぎょうの意識いしき調査ちょうさ」）。

　しかしながら、少すくなくとも従来じゅうらいよりは積極せっきょく的てきに副業ふくぎょう容認ようにんに向むけて取とり組くむところが出でてきそうです。なかには積極せっきょく的てきに副業ふくぎょうを推奨すいしょうするサイボウズやオイシックス・ラ・大地だいちといった企業きぎょうもあります。私わたしは企業きぎょうの50代だい社員しゃいん向むけの研修けんしゅうをやることが多おおいのですが、そんなとき、人事じんじ部ぶの人ひとたちと話はなしをしても、これからの社員しゃいんのキャリアや自立じりつの支援しえんということを考かんがえると「副業ふくぎょう・兼業けんぎょう」というのは今後こんご、考かんがえていくべきテーマであるという話はなしをよく聞ききます。

　いろいろ制約せいやくはあるものの、勤つとめ先さきの会社かいしゃが副業ふくぎょうを認みとめているのであれば、私わたしは積極せっきょく的てきに副業ふくぎょうに取とり組くんだほうが良よいと思おもいます。その理由りゆうは3つあります。

（1）自分じぶんの好すきなことができる
　
　まずひとつ目めは、自分じぶんの好すきなことができるということです。会社かいしゃの仕事しごとは組織そしきの一員いちいんとしての業務ぎょうむですから、好このむと好このまざるとにかかわらず、指示しじされたことはやらなければなりません。そこには当然とうぜん義務ぎむ感かんが伴ともないます。でも副業ふくぎょうまで義務ぎむ感かんでやる必要ひつようはありません。たとえば、私わたしの知しっている人ひとのなかにも自分じぶんの趣味しゅみを生いかして仕事しごとにしている人ひとも実際じっさいにいます。

　もちろん、そんなに簡単かんたんにできる人ひとばかりとは限かぎりませんが、そういうことができないかどうかを考かんがえてみるだけでも楽たのしいと思おもいます。私わたしも現在げんざいの本業ほんぎょうは「経済けいざいコラムニスト」ですから、主おもに経済けいざいをテーマとした執筆しっぴつや講演こうえん活動かつどうをしていますが、趣味しゅみの京都きょうと研究けんきゅうを生いかして各地かくちで「おとなの京都きょうと講座こうざ」というセミナーも開催かいさいしています。