「PayPayより楽天らくてんペイのほうが断然だんぜんおトク」説せつを検証けんしょう…楽天らくてんカードアプリ併用へいよう

　国内こくないではQRコード決済けっさいサービスの普及ふきゅうが進すすみ、着実ちゃくじつに利用りよう者しゃが増ふえている。たとえば、国内こくないトップシェアを誇ほこる「PayPay」は、4月がつ時点じてんの利用りよう可能かのう箇所かしょが235万まんカ所かしょ、登録とうろくユーザー数すうが5700万まんを突破とっぱ。2月にMMD研究所けんきゅうじょが発表はっぴょうした「2023年ねん1月がつスマートフォン決済けっさい利用りよう動向どうこう調査ちょうさ 第だい1弾だん」によれば、最もっとも利用りようしているスマホ決済けっさいサービスのトップはPayPayの41.2％となっている。一方いっぽう、楽天らくてんが提供ていきょうする「楽天らくてんペイ」も負まけていない。利用りよう可能かのう箇所かしょは約やく500万まんカ所かしょとPayPayより多おおく、同どう調査ちょうさにおいても楽天らくてんペイは19.4％で2位いにつけているのだ。

　また楽天らくてんペイは決済けっさい手段しゅだんの多おおさも特徴とくちょうであり、クレジットカード、楽天らくてんデビットカード、楽天らくてんウォレット、Suica、楽天らくてんEdy、楽天らくてんキャッシュ、楽天らくてんポイントカードがラインナップ。クレジットカードに関かんしては、2025年ねん以降いこうPayPayカード、PayPayカード ゴールドしか登録とうろくできないPayPayとは異ことなり、他社たしゃのカードも紐ひもづけできるので使つかいやすいのである。

　シェアでいえばPayPayのほうが優位ゆういだが、使つかい方かたによっては楽天らくてんペイのほうがおトクになることもある。そこで消費しょうひ生活せいかつジャーナリストの岩田いわた昭男あきお氏しに、楽天らくてんペイのおトクな使つかい方かたについて解説かいせつしてもらった。

PayPayよりもポイント還元かんげん率りつが高たかい楽天らくてんペイ

　岩田いわた氏しは「結論けつろんからいうと、楽天らくてん経済けいざい圏けんにいる人ひとは楽天らくてんペイを使つかったほうがおトク」だという。まず、楽天らくてんペイのほうがPayPayよりも基本きほん的てきなポイント還元かんげん率りつが高たかいとのこと。

「楽天らくてんペイは基本きほん的てきなポイント還元かんげん率りつが1.0％ですが、楽天らくてんカードからチャージすれば、一部いちぶ店舗てんぽを除のぞきいつでも1.5％となります。一方いっぽうのPayPayは、基本きほん還元かんげん率りつが0.5％と低ひくめで、楽天らくてんペイに1.0％も差さを付つけられているのです。したがって、楽天らくてんポイントを貯ためることができる店舗てんぽ、つまり楽天らくてん経済けいざい圏けんに入はいっている店舗てんぽではPayPayよりも楽天らくてんペイを使つかったほうがおトク。しかも、楽天らくてんの加盟かめい店てんはPayPayよりも多おおいので、楽天らくてんペイユーザーであれば、高こう還元かんげん率りつでポイントを貯ためられるケースがほとんどです」（岩田いわた氏し）

　たしかに、楽天らくてん経済けいざい圏けんで生活せいかつしているユーザーは、積極せっきょく的てきに楽天らくてんペイを使用しようしたほうがおトクになりそうだ。

「ただし、楽天らくてんペイが使用しようできず、PayPayだけしか使つかえない店舗てんぽも当然とうぜんあります。たとえば楽天らくてん経済けいざい圏けんに囲かこい込ごめていない中小ちゅうしょうの店みせや零細れいさいの店みせなどです。PayPayはサービス開始かいし当初とうしょ、店舗てんぽ側がわの手数料てすうりょうを無料むりょうにして契約けいやくを結むすびまくってシェアを伸のばしたので、楽天らくてんペイが使つかえずにPayPayは使つかえるという中小ちゅうしょうの店みせや零細れいさいの店みせも少すくなくありません」（同どう）

　とはいえ、楽天らくてんペイの利用りよう可能かのう箇所かしょはPayPayを上回うわまわる約やく500万まんカ所かしょ。これだけ多おおくの店みせで楽天らくてんペイが使つかえる理由りゆうも気きになるところだ。

「楽天らくてんカードの普及ふきゅうがかなり進すすんでいたことが要因よういんでしょう。楽天らくてんカードは、発行はっこう開始かいしした2005年ねんから数かぞえて今年ことしで18年ねんの歴史れきしを持もつカードでして、その長ながい年月としつきの間あいだに着々ちゃくちゃくと加盟かめい店てんを増ふやすことができました。そんな楽天らくてんカードの導入どうにゅう店舗てんぽでは、ほかの楽天らくてんサービスも利用りよう可能かのうなことが大半たいはんなんです。楽天らくてんカードが長年ながねんかけて開拓かいたくしてきた膨大ぼうだいな店舗てんぽ数すうの恩恵おんけいを受うけて、使用しようできるのが楽天らくてんペイの強つよみといえますね。2018年ねんスタートのPayPayの躍進やくしんもすさまじいですが、加盟かめい店てん数すうでいえば楽天らくてんの後のちを追おう形かたちとなっているというわけです」（同どう）

実じつは「楽天らくてんポイントカード」との併用へいようも可能かのう

　楽天らくてん加盟かめい店てんで楽天らくてんペイを使用しようすることで効率こうりつ的てきに楽天らくてんポイントを貯ためられるが、岩田いわた氏しによれば、ひと工夫くふうするとさらにおトクにポイントを獲得かくとくできるそうだ。

「代表だいひょう的てきな例れいが『楽天らくてんポイントカードアプリ』との併用へいようです。実じつは楽天らくてんペイと楽天らくてんポイントカードアプリを同時どうじに見みせることで、ポイントの二重取にじゅうどりができます。楽天らくてんカードでのチャージ前提ぜんていの楽天らくてんペイが1.5％、楽天らくてんポイントカードアプリが0.5～1.0％（対象たいしょう店舗てんぽによって増減ぞうげん）となっているので最大さいだい2.5％還元かんげんとなるのです。

　加くわえて、楽天らくてんでは定期ていき的てきにポイント還元かんげんキャンペーンを開催かいさいしており、さらなる高こう還元かんげん率りつを目指めざすこともできます。たとえば、毎月まいつき5と0のつく日ひには、楽天らくてんペイ内ないのキャッシュではなく、貯たまっている楽天らくてんポイントで支払しはらうことによって1.0％上乗うわのせされて還元かんげんされます。ポイントが貯たまっている場合ばあいにはおすすめですね。また『楽天らくてん市場いちば』での買かい物もので楽天らくてんカードを使用しようし、計けい2万まん円えん以上いじょう購入こうにゅうすれば、実じつ店舗てんぽで楽天らくてんペイを使用しようする際さいにさらに1.0％が還元かんげんされます。これらのキャンペーンは、毎月まいつきエントリーする必要ひつようがあり、手間てまもかかりますが、条件じょうけんを満みたせば最大さいだい4.5％還元かんげんも可能かのうになるのです。

　そのほかにも、楽天らくてんペイでは数すう多おおくの期間きかん限定げんていキャンペーンを開催かいさいしており、なかには自治体じちたい限定げんていのものもあるので、熱心ねっしんな楽天らくてんユーザーであればエントリーしておきたいところ。しかし、エントリーしないとキャンペーンに参加さんかできなかったり、対象たいしょう店舗てんぽが限かぎられていたり、キャンペーンでもらえるポイント自体じたいが期限きげん付つきだったりするなど注意ちゅうい点てんも多おおく、エントリー前まえには公式こうしきサイト上じょうの説明せつめいを一いち通とおり読よんでおくことを推奨すいしょうします」（同どう）

Suicaへチャージできるようになったのも便利べんり

　楽天らくてんペイの期間きかん限定げんていキャンペーンの種類しゅるいは多おおいため、すべてのキャンペーンを網羅もうらして活用かつようするのはなかなか難むずかしいだろうが、例れいとして現在げんざい開催かいさい中ちゅうである2つのキャンペーンを見みてみよう。

　1つは9月1日にちまで開催かいさいされている「2人ふたりに1人ひとり当あたる！　楽天らくてんペイ超ちょうトクトク祭まつり」。期間きかん中ちゅうにエントリーし、「対象たいしょう店舗てんぽで楽天らくてんポイントカードを提示ていじし、楽天らくてんポイントを獲得かくとく」「対象たいしょう店舗てんぽで楽天らくてんペイ（コード/QR/セルフ払ばらい）で支払しはらいする」という2つの条件じょうけんを満みたすことで、抽選ちゅうせんに参加さんかできる。抽選ちゅうせんでは2人ふたりに1人ひとり、1等とうか2等とうが当選とうせんする。1等とうには100人にん限定げんていで1500％分ぶん（上限じょうげん10万まんポイント）の楽天らくてんポイントが付与ふよされ、2等とうには200ポイントが付与ふよされる。仮かりにエントリー期間きかん中ちゅうに1万まん円えん分ぶんの買かい物ものをした場合ばあい、最大さいだいで10万まん250ポイントももらえる、太ふとっ腹ぱらなキャンペーンとなっているのだ。

　もう1つは10月2日にちまで開催かいさいされている「第だい2弾だん 楽天らくてんカードもしくは楽天らくてんキャッシュでのコード・QR払ばらいで最大さいだい20％還元かんげん！」。エントリーし、楽天らくてんカード、もしくは楽天らくてんキャッシュを支払しはらい元もとにした楽天らくてんペイアプリでコード・QR払はらいすることにより、最大さいだい20％分ぶん（最大さいだい501ポイント）の楽天らくてんポイントが還元かんげんされる。楽天らくてんペイで初はじめて、もしくは久ひさしぶりに支払しはらうユーザーは全員ぜんいんが還元かんげん対象たいしょう、いつも支払しはらっているユーザーは抽選ちゅうせんで1万まん名めいに最大さいだい20％分ぶんが還元かんげんされるキャンペーンになっている。

　そのほかにも楽天らくてんペイでは、おトクにポイントを貯ためられる仕組しくみが整ととのっている。なかでもSuicaへのチャージができるようになったのは大おおきいと岩田いわた氏しは評価ひょうかする。

「20年ねん5月がつからAndroid端末たんまつで、23年ねん6月がつからiPhoneで、楽天らくてんペイアプリからSuicaにチャージすることが可能かのうとなりました。ポイント還元かんげん率りつは0.5％と低ひくめではあるものの、1楽天らくてんポイント（期間きかん限定げんていポイントは除のぞく）＝1円えん単位たんいでチャージできるので、カード数すうを増ふやしたくないユーザー、余あまっているポイントを活用かつようしたい方ほうにとってはおすすめできます。ちなみに交通こうつう系けいのICカードはPayPayが参入さんにゅうできなかった市場いちばでして、楽天らくてんがリードしているといえるので、楽天らくてんユーザーで通勤つうきん、通学つうがくする方ほうは、PayPayから乗のり換かえてもよいかもしれません」（同どう）

　しかし岩田いわた氏しいわく、楽天らくてんペイは本来ほんらい持もつ力ちからを発揮はっきできていないという。

「現状げんじょうの楽天らくてんの戦略せんりゃくを見みると、楽天らくてんペイよりも楽天らくてんカード、楽天らくてんEdyといった他ほかの楽天らくてんのサービスを売うり込こもうとする動うごきがまだまだ強つよい。販売はんばい単価たんかがよいこと、市場いちば認知にんち度どが高たかいなどの理由りゆうにより他たの楽天らくてんサービスのほうが成功せいこう事例じれいとなっているので、社内しゃない事情じじょうにより戦略せんりゃく的てきな優先ゆうせん度どを下さげられ、楽天らくてんペイを全面ぜんめん的てきに押おし出だせていないと感かんじます。いわばグループ内ないで顧客こきゃくを取とり合あっている状況じょうきょうに近ちかい。

　PayPayが爆発ばくはつ的てきに市場いちばを広ひろげることができたのは、グループ内ないにライバルとなるサービスが存在そんざいしなかったからです。楽天らくてんペイは利便りべん性せい、ポテンシャルが高たかいサービスなので、各かく楽天らくてんサービス部門ぶもんとの連携れんけいを深ふかめ、さらなるサービスの認知にんち度ど向上こうじょうに努つとめていくほうが、楽天らくてんユーザーにとって利りのある結果けっかをもたらすことになるでしょう」（同どう）

　楽天らくてん経済けいざい圏けんで生活せいかつする方ほうであれば、PayPayよりもおトクになることが非常ひじょうに多おおく、ぜひとも有効ゆうこう活用かつようしたい楽天らくてんペイ。とりあえず日常にちじょう生活せいかつで使用しようするならば、ポイントカードとの併用へいようは徹底てっていし、可能かのうであれば各種かくしゅキャンペーンにエントリーしておくのが吉きちだろう。

（取材しゅざい・文ぶん＝文月ふづき／A4studio、協力きょうりょく＝岩田いわた昭男あきお／消費しょうひ生活せいかつジャーナリスト）