新しんＮＩＳＡ、始動しどう＝非課税ひかぜい枠わく拡充かくじゅう、「貯蓄ちょちくから投資とうし」後押あとおし

　株式かぶしきや投資とうし信託しんたくの売却ばいきゃくや配当はいとうなどで得えた利益りえきが一定いっていの範囲はんい内ないで非課税ひかぜいとなる少額しょうがく投資とうし非課税ひかぜい制度せいど（ＮＩＳＡ）が１月がつ１日にち、大幅おおはばに変かわった。非課税ひかぜいの運用うんよう期間きかんが無む期限きげんとなり、投資とうし額がくの上限じょうげんも大おおきく引ひき上あげられ、投資とうしに一段いちだんと有利ゆうりな仕組しくみになる。新しんＮＩＳＡで個人こじん金融きんゆう資産しさんの「貯蓄ちょちくから投資とうしへ」の移行いこうは進すすむのか。岸田きしだ政権せいけんが掲かかげる「資産しさん所得しょとく倍増ばいぞう計画けいかく」の成否せいひも懸かかっている。

　ＮＩＳＡは、専用せんよう口座こうざで取引とりひきすれば利益りえきに通常つうじょう課かされる約やく２０％の税ぜいが免除めんじょされる制度せいどで、２０１４年ねんに始はじまった。新しんＮＩＳＡは、長期ちょうきの資産しさん形成けいせいに向むくとされる投信とうしんを購入こうにゅうできる「つみたて投資とうし枠わく」と、個別こべつ株かぶなども買かえる「成長せいちょう投資とうし枠わく」で構成こうせい。年間ねんかん投資とうし枠わくは従来じゅうらいの２～３倍ばいに広ひろがり、両りょう枠わくの併用へいようもできる。１人ひとりが生涯しょうがい利用りようできる上限じょうげん額がくは１８００万まん円えん（うち成長せいちょう投資とうし枠わく１２００万まん円えん）に上のぼる。

　新しんＮＩＳＡ始動しどうを控ひかえ、ＳＢＩ証券しょうけんや楽天らくてん証券しょうけんでは口座こうざ開設かいせつの動うごきが加速かそくした。ＳＢＩ証しょうの総合そうごう口座こうざ数すうは９月がつ末まつ時点じてんで前年ぜんねん同期どうきに比くらべ２割わり超ちょう多おおい１１０６万まん件けんに達たっした。

　日本にっぽん株かぶへの資金しきん流入りゅうにゅうも見込みこまれ、ＳＭＢＣ日興証券にっこうしょうけんは新しんＮＩＳＡの効果こうかで年とし２兆ちょう円えんが日本にっぽん株かぶに向むかうと試算しさんする。同社どうしゃの伊藤いとう桂一けいいちチーフクオンツアナリストは「来年らいねん以降いこう、日経にっけい平均へいきん株価かぶかの最さい高値たかね更新こうしんなどで個人こじん投資とうし家かの評価ひょうかが高たかまれば、流入りゅうにゅう額がくはさらに膨ふくらむ」との見方みかたを示しめす。

　日本にっぽんではバブル経済けいざい崩壊ほうかい後ご、デフレが長期ちょうき化か。お金かねの価値かちが相対そうたい的てきに上あがるデフレ下かでは現げん預金よきんで資産しさんを保有ほゆうする方ほうが有利ゆうりで、個人こじん金融きんゆう資産しさんの過半かはんを占しめてきた。しかし、２２年ねん以降いこうは物価高ぶっかだかが続つづいており、この基調きちょうが定着ていちゃくすると現げん預金よきんに偏かたよる個人こじん資産しさんは目減めべりする。新しんＮＩＳＡは個人こじんの投資とうし促進そくしんの起爆きばく剤ざいになる可能かのう性せいがある。（了りょう）
（記事きじ提供ていきょう元もと＝時事通信社じじつうしんしゃ）
（2024/01/03-08:07）