相続そうぞくトラブル、どう回避かいひ？少額しょうがく遺産いさん、仲良なかよし家族かぞくでも要注意ようちゅうい　争あらそいが起おこりやすい3パターン

　遺産いさん相続そうぞくというと、一部いちぶの資産しさん家かだけの話はなしで自分じぶんには関係かんけいないと思おもう人ひとが多おおいだろう。しかし、今年ことしから改正かいせいされた相続そうぞく税ぜいの影響えいきょうで、今いままで相続そうぞく税ぜいとは無縁むえんだった家庭かていにも、相続そうぞく税ぜい負担ふたんの可能かのう性せいが出でてくる。相続そうぞく税ぜいが不要ふようなケースでも、相続そうぞくトラブルは起おきる可能かのう性せいはある。「きょうだいの仲なかがよく、親おやに大たいした財産ざいさんもないので心配しんぱいない」と考かんがえていても、思おもわぬ事態じたいから相続そうぞくが“争そう続つづけ”に発展はってんしてしまうこともあるのだ。では一体いったい、どんなケースで相続そうぞくトラブルが起おきやすいのだろうか。

相続そうぞく税ぜいが発生はっせいしないケースで相続そうぞくトラブルが多おおい

　1月がつ1日にちから相続そうぞく税ぜいの基礎きそ控除こうじょ額がくが縮小しゅくしょうされ、相続そうぞく税ぜいを負担ふたんする層そうが広ひろがった。基礎きそ控除こうじょが「5000万まん円えん＋1000万まん円えん×法定ほうてい相続そうぞく人じん」から、「3000万まん円えん＋600万まん円えん×法定ほうてい相続そうぞく人じん」になり、4割わりも縮小しゅくしょうされたのだ。従来じゅうらいは、法定ほうてい相続そうぞく人じんが1名めいの場合ばあい、保有ほゆう資産しさんが6000万まん円えんを超こえる場合ばあいのみ相続そうぞく税ぜいの納税のうぜいが必要ひつようだったが、現在げんざいでは基礎きそ控除こうじょ後ごの相続そうぞく資産しさんが3600万まん円えんあれば、原則げんそくとして納税のうぜいが必要ひつようになる。都心としんに自宅じたくを所有しょゆうし、老後ろうご資金しきんの預貯金よちょきんとして2000万まん円えん～3000万まん円えん程度ていどがあれば、3600万まん円えんは簡単かんたんに超こえるだろう。自分じぶんには関係かんけいないと考かんがえず、親おや、きょうだいと相続そうぞくについてよく話はなし合あっておきたい。

　相続そうぞく税ぜいが発生はっせいするなら、事前じぜんに資金しきんの用意よういなどが必要ひつようになるが、納税のうぜいの有無うむにかかわらず、相続そうぞくトラブルは多おおい。親おやの資産しさんを把握はあくしていなかったり、きょうだいと意見いけんが食くい違ちがったりした結果けっか、骨肉こつにくの争あらそいへ発展はってんすることも少すくなくないのだ。実際じっさい、12年度ねんどの最高さいこう裁判所さいばんしょのデータによると、遺産いさん分割ぶんかつで揉もめている案件あんけんの32％が相続そうぞく財産ざいさん1000万まん円えん以下いか、43％は1000万まん円えん超ちょう5000万まん円えん以下いかなのだ。つまり、全体ぜんたいの75％は、相続そうぞく財産ざいさんが5000万まん円えん以下いかというわけだ。相続そうぞくトラブルは資産しさん家かの遺族いぞくに限かぎられたものではなく、相続そうぞく税ぜいのかからないくらいの遺産いさんでも発生はっせいするのが現実げんじつなのだ。

相続そうぞくトラブルが起おきやすい3つのパターン

　では、実際じっさいにどんなことでトラブルが生しょうじるのか、よくあるパターンを3つ紹介しょうかいしよう。

　最もっとも当あてはまる人ひとが多おおそうなパターンは、「遺産いさんのほとんどが不動産ふどうさんで分割ぶんかつが困難こんなん」という事例じれいだ。まとまった現金げんきんがあれば分わけやすいが、不動産ふどうさんを複数ふくすうの相続そうぞく人じんで相続そうぞくする場合ばあい、売却ばいきゃくして現金げんきん化かする必要ひつようが出でるなど、手続てつづきが煩雑はんざつになりやすい。親おやの家いえに同居どうきょしていたきょうだいがいる場合ばあいなどは、さらに揉もめやすい。同居どうきょしていた家いえに住すみ続つづけたいと主張しゅちょうしても、ほかのきょうだいが遺産いさん分割ぶんかつを迫せまってきた場合ばあい、相当そうとうな現金げんきんがなければ手放てばなさざるを得えなくなる。