元もとGoogle人事じんじ部長ぶちょうが語かたる「若手わかてが人脈じんみゃくを築きずく方法ほうほう」

　新卒しんそつで名なの知しれた大だい企業きぎょうに就職しゅうしょくできれば一生いっしょう安泰あんたいという時代じだいは終おわり、転職てんしょく、独立どくりつ、副業ふくぎょうも珍めずらしくなくなった。働はたらき方かたを見みても、リモートワークを活用かつようする企業きぎょうが増ふえ、ようやくといった感かんこそあれ、日本人にっぽんじんの職業しょくぎょう人生じんせいも変かわりつつある。

会社かいしゃに頼たよりっきりになるのではなく（だいいち頼たよれない）、組織そしきで働はたらきながらでも、自分じぶんで何なにをすべきか考かんがえ、キャリアを積つんでいかなければならない時代じだいになった、といっていいだろう。

元もとGoogle人事じんじ部長ぶちょうが語かたる「若手わかてが人脈じんみゃくを築きずく方法ほうほう」

　ただ、まだまだ課題かだいはたくさんある。

 「日本にっぽんと海外かいがいでは、キャリアや若わかい時期じきにすべき仕事しごとに対たいする考かんがえ方かたが大おおきく異ことなる」「このままでは、日本にっぽんは世界せかいから大おおきく取とり残のこされてしまうかもしれません」と、現在げんざいの日本にっぽんの会社かいしゃでの働はたらき方かたに警鐘けいしょうを鳴ならすのは、グーグルなどの海外かいがい企業きぎょう、日系にっけい企業きぎょうやスタートアップで仕事しごとをし、アドバイザーとしても日本にっぽんの大手おおて企業きぎょう、中小ちゅうしょう企業きぎょう、行政ぎょうせい機関きかんなど、さまざまな組織そしきの働はたらき方かたを見みてきたピョートル・フェリクス・グジバチ氏しだ。

 『CREATE WORK 自分じぶんだけのキャリアをつくれる人ひとが入社にゅうしゃ1年ねん目めから大切たいせつにしていること』（ピョートル・フェリクス・グジバチ著ちょ、SBクリエイティブ刊かん）では、元もとグーグル人事じんじ部長ぶちょうのピョートル氏しが、「新あたらしいキャリア」のつくり方かたと、会社かいしゃとの付つき合あい方かたを紹介しょうかいする。

　ピョードル氏しは、ビジネスパーソンが成功せいこうするために必要ひつような要素ようそは、「リソース」と「コネクション」である、と述のべる。リソースとは、生うまれつきの性質せいしつ、IQ、身体しんたい、スキル、財産ざいさんなど。「コネクション」はいうまでもなく人脈じんみゃくである。

　人脈じんみゃくを作つくりたい場合ばあい、交流こうりゅう会かいやイベントに参加さんかするというアイデアがまず浮うかぶ。ただ、若わかいうちは、必要ひつような要素ようその一ひとつであるリソースがない。相手あいてに提供ていきょうできるものがないうちに交流こうりゅう会かいやイベントに出でてもコネクションはつくれないのではないか、と尻込しりごみしてしまうかもしれないが、若手わかて社員しゃいんはその代かわりに「元気げんき」と「時間じかん」がある。

　多忙たぼうなビジネスパーソンに自分じぶんの時間じかんを提供ていきょうすることで、サポートすることができるからだ。その過程かていで何なにかのビジネススキルを身みにつければ、ギブ・アンド・テイクの好こう循環じゅんかんをつくることもできるという。

　また、ハイレベルな会話かいわをすることで、コネクションをつくる方法ほうほうもある。話はなしを聞きいて「すごいですね」と褒ほめるのではなく、「いただいたお話はなしに関かんしてこんなことがあります」と言いったほうが相手あいての印象いんしょうに残のこる。そのためには、事前じぜんに興味きょうみのある分野ぶんやの「サイクル」「トレンド」「パターン」を意識いしき的てきに学まなんでおくことが大切たいせつ。

　若手わかてがその道みちのプロと同おなじ目線めせんで会話かいわをすることは難むずかしいが、それでもきちんと勉強べんきょうしていれば、相手あいても学まなぶ姿勢しせいを見抜みぬき、一目いちもく置おいてくれるはず。レベルの高たかい会話かいわに参加さんかすることで、その学まなびを他たの場所ばしょで活いかしたり、新あらたな人脈じんみゃくにもつながることもある。そして、学まなんだことは独ひとり占じめするのではなく、必かならずシェアすること。そうすると、「彼かれに会あえば、何なにか学まなべるかもしれない」という期待きたいも持もってもらえ次つぎにつながっていくのだ。

　自分じぶん主体しゅたいでキャリアを築きづける人ひとになるために、20代だいのうちにやるべきことを教おしえてくれる本書ほんしょ。ビジネスパーソンとして、これからの時代じだいに活躍かつやくできるようになるためにも、自分じぶん自身じしんでキャリアを積つむスキルは必須ひっすとなるだろう。
（T.N／新刊しんかんJP編集へんしゅう部ぶ）
※本ほん記事きじは、「新刊しんかんJP」より提供ていきょうされたものです。