「あおり運転」狙われやすい人、ウインカーが原因かも…守るべき“たった1つのルール”とは？Photo:PIXTA

クルマの「ウインカー」は、車線しゃせん変更へんこうなどを周囲しゅういに伝つたえる重要じゅうような機器ききです。ですが、その使つかい方かたがずさんになっているドライバーが多おおくいます。ウインカーの使つかい方かたが後続こうぞく車しゃに不快ふかいな印象いんしょうを与あたえたせいで「あおり運転うんてん」の被害ひがいに遭あう場合ばあいもあります。もちろん「あおり運転うんてん」は許ゆるされない行為こういですが、周囲しゅういに配慮はいりょしてお互たがいに気持きもちよく運転うんてんするためには、ウインカーの活用かつよう法ほうを見直みなおすことも重要じゅうようです。（モータージャーナリスト　諸星もろぼし陽一よういち）

重要じゅうようだけれど軽視けいしされがちな
「ウインカー」の使つかい方かた

　クルマを運転うんてんする際さいに、ウインカーはとても重要じゅうような役割やくわりを担になっています。にもかかわらず、きちんとした使つかわれ方かたをされていないのもまた事実じじつです。

　そもそも、ウインカーの役割やくわりは何なにでしょうか？　クルマは他たの交通こうつうに対たいして、方向ほうこう転換てんかんなどの意思いしを速すみやかに伝つたえるのが難むずかしい乗のり物ものです。そこでドライバーは、ウインカーを使つかって「私わたしは左ひだりに車線しゃせん変更へんこうしますよ」「私わたしは右みぎに曲まがりますよ」といった意思いし表示ひょうじをする必要ひつようがあるのです。

　事故じこを防ふせぐには、その意思いし表示ひょうじが相手あいてに正確せいかくに伝つたわることが大切たいせつです。そのための条件じょうけんとして、法規ほうきでは「車線しゃせん変更へんこうする3秒びょう前まえ」「右みぎ左折させつする30m手前てまえ」でのウインカー作動さどうが義務付ぎむづけられています。

　ところが、このウインカーがきちんと使つかわれていない光景こうけいをよく見みかけます。クルマで走はしっているときに、皆みなさんも確認かくにんしてみてください。前方ぜんぽうを走はしるクルマが法規ほうきを守まもり、ウインカーを点滅てんめつさせてから3秒びょう後ごに車線しゃせん変更へんこうするケースは意外いがいとまれです。車線しゃせん変更へんこうの直前ちょくぜんに一瞬いっしゅんだけ点滅てんめつさせ、すぐに消けしてしまうドライバーが多数たすう派はになっています。

　それどころか、「クルマが動うごき始はじめた後のち」にウインカーを作動さどうさせる人ひともしばしば見みかけます。後続こうぞく車しゃのドライバーからすると、急きゅうな車線しゃせん変更へんこうに驚おどろかされないためには、よく観察かんさつして「前まえの車くるまが動うごきそうだな…」と予測よそくしなければなりません。

　こうした事態じたいを防ふせぐには、ドライバーが余裕よゆうを持もってウインカーを作動さどうさせれば済すむ話はなしのように思おもえますが、ここで気きになることがあります。「ウインカーを作動さどうさせてから、すぐに車線しゃせん変更へんこうをしないとジャマされる」という悩なやみを、筆者ひっしゃは時々ときどき耳みみにするのです。