「渋滞解消の切り札」のはずが事故の原因に!昔は全国に普及→今はお払い箱の「残念な仕組み」とは?Photo:PIXTA

ドライバーにとって「百害ひゃくがいあって一利いちりなし」の渋滞じゅうたいらすべく、日本にっぽんではすうじゅうねんにわたって多様たよう対策たいさくこうじられてきました。そのなかには効果こうか発揮はっきした施策しさくもありますが、期待きたいとは裏腹うらはらに「ぎゃく効果こうか」となったものもあります。今回こんかいは、かつて渋滞じゅうたい解消かいしょうふだとして全国ぜんこく普及ふきゅうしたものの、結果けっかてき事故じこ増加ぞうかなどのデメリットをもたらした「残念ざんねん仕組しくみ」について解説かいせつします。(自動車じどうしゃジャーナリスト 吉川よしかわ賢一けんいち

渋滞じゅうたい解消かいしょうふだ」のはずが
事故じこ原因げんいん」になる皮肉ひにく

 いまむかしも、ドライバーをなやませつづける「渋滞じゅうたい」。たんにイライラするだけでなく、目的もくてきへの到着とうちゃくおくれますし、ずっとシートにすわっていると身体しんたい負担ふたんもかかります。トイレにきたくなってもけず、つらおもいをすることもあります。

 とはいえ、昨今さっこんは「ETC」の普及ふきゅうによって高速こうそく道路どうろ料金りょうきんしょ付近ふきんでの渋滞じゅうたい改善かいぜんするなど、渋滞じゅうたい解消かいしょうけたみがすすんでいるのもたしかです。渋滞じゅうたい対策たいさく一環いっかんで、車線しゃせん増設ぞうせつ延伸えんしんされる箇所かしょすこしずつえてきています。一般いっぱんどうでもバイパスの増設ぞうせつなどがすすんでいます。

 一方いっぽうで、じつは1970年代ねんだいから「渋滞じゅうたい解消かいしょうふだ」として期待きたいあつめていたものの、効果こうか発揮はっきできずに「期待きたいはずれ」にわった仕組しくみも存在そんざいします。この仕組しくみは、道路どうろ快適かいてきせい安全あんぜんせいたかめるどころか、ぎゃく事故じこ原因げんいんになるという皮肉ひにく結果けっかまねきました。

 かつて全国ぜんこく普及ふきゅうしたにもかかわらず、いま廃止はいし相次あいついでいる「残念ざんねん仕組しくみ」とはどんなものでしょうか。今回こんかいは、その実態じったい解説かいせつしていきます。