イネとは、米を収穫するために栽培される植物で、世界三大穀物の一つである。
概要
【分類】イネ目イネ科イネ属
【学名】Oryza sativa
(学名の由来)Oryza→アラビア語古名に由来するギリシャ語およびラテン語での古名から/sativa→栽培の
【和名】イネ・アジアイネ
収穫物の米についての詳細は、米の項目を参照。
普通イネというと本種のことをいい、ジャポニカ種(subsp. japonica)(日本での生産のほぼ全てがこれ)とインディカ種(subsp. indica)(世界的にはこちらが多く生産される)に分けられる。さらにジャバニカ種(subsp. javanica)を区別することもある。この他、別種のアフリカイネ(O. grabbelima)が西アフリカの一部で栽培され、本種との交雑種・ネリカ米が普及してきている。
栽培
イネの栽培を稲作という。イネの原産地は熱帯であるが、品種改良により寒冷地での稲作も可能になった。特に昼夜の温度の差が米のおいしさを増すこともあり、日本の稲作は、今は北海道・東北地方がもっともアツい(昔では考えられなかったことである)。かつて日本の弥生時代の開始を稲作の伝来により定義していたが、縄文時代中期には既に稲作は伝わっていたとの説が近年有力である。
イネは短日植物で、7-9月に出穂し、10月頃に収穫する。収穫までの間に日照と降雨が多く必要である。水田で栽培するイネを水稲といい、用水量が少ない土壌で栽培可能なイネを陸稲(りくとう・おかぼ)という。陸稲は水稲に比べ収穫量と味は落ちるが、育成はより簡単である。実は、水稲をそのまま陸で栽培することもできる。水田で行う特殊な農法として「アイガモ農法」があり、これは主にアイガモが害虫を食べる効果を期待したものであるが、デメリットもありなかなか難しいようだ。
イネの最大の天敵は稲熱(いもち)病である。これは子嚢菌のM・グリセアによって起こる、穂が出ないままイネが枯れてしまう病気で、葉に発生するものを葉いもち、穂に発生するものを穂いもちとよぶ。日本では古来から現在に至るまで最も被害の大きいイネの病変で、世界的にも最重要病害である。その他、トビイロウンカやヨコバイ類による虫害も深刻であり、かつては蛾の仲間のニカメイチュウが猛威を振るった。
利用
米を収穫した後の稲藁は副産物として古くから珍重され、畳や俵や藁細工などに加工された。近年ではそのような用途は少なく、鋤きこみ・飼料・堆肥などに主に利用される。
イネは生物学や農学において、植物のモデル生物として用いられている。農業上の重要性から日本ではいち早くゲノム解析が行われ、2004年に完了した。イネはほとんどの植物と同じく、C3光合成経路を持つC3植物だが、遺伝子導入によってC4植物化し、生産性を高めようという研究が進められている。
イネに関連する事項・豆知識
ニコニコ動画におけるイネ
代表的な農作物ということで、IKUZO(吉幾三)に関連付けられることがある。
イネの名を持つ人物
関連動画
関連項目
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