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キジ

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記事きじ編集へんしゅう

キジ（雉子、雉とも）とは、キジ目めキジ科かキジ属ぞくに分類ぶんるいされる鳥とりである。代表だいひょう的てきな狩猟しゅりょう鳥とりであると共ともに日本にっぽんの国くに鳥とりでもある。

概要がいよう

Q：日本にっぽんの国くに鳥とりはなんだ？

A：トキじゃないの？　タンチョウヅルだろ！　コウノトリかな？

という風ふうに日本にっぽんの国くに鳥とりなのにパッとしないヤツ。さらに国くに鳥とりなのに狩猟しゅりょう対たい象ぞうとしてハンティングが許可きょかされていたり、害がい獣じゅう扱あつかいされて駆除くじょされる事こともある可哀想かわいそうな奴やつでもある。毎年まいとし、愛あい鳥とり週間しゅうかんや狩猟しゅりょう期間きかん前まえなどの時期じきに大量たいりょうに放ひ鳥とりされるが、殆どはハンターや天敵てんてき動物どうぶつに狩かられて死しぬ。

本当ほんとうの国くに鳥とりなのに前述ぜんじゅつした鳥とりたちに扱あつかいも知名度ちめいども大おおきく抜ぬかれてしまったトホホな鳥とり。しかし、鬼おにを退治たいじした栄さかえ光ひかりの動物どうぶつの一いち角かくという他ほか鳥とりに無むい素晴すばらしい実績じっせきを持もつ。

生態せいたい

北海道ほっかいどう・対馬つしま・屋久島やくしまより南みなみの諸しょ島しまを除のぞく全ぜん国くにに生息せいそくしている(北海道ほっかいどうと対馬つしまには人為じんい的てきに移入いにゅうされたコウライキジという鳥とりが分布ぶんぷしている)。両りょう種たねの交雑種ざっしゅも確認かくにんされている。

山地さんちから平ひらた地ちの林はやし、農耕のうこう地ち、河川敷かせんしきなどの明あかるい草くさ地ちに生息せいそく。里さと山さんや地方ちほう都市としの市し街まち地ちなど広ひろく姿すがたを見みせ、日本人にっぽんじんにとっては古ふるくから一般いっぱん的てきに見掛みかける・甲高かんだかい鳴なき声こえを聞きく、お馴染しみの鳥とりであった。また、狩猟しゅりょう対たい象ぞうで比ひ較的手しゅに入はいりやすい食材しょくざいとしてよく食たべられていた。

全長ぜんちょうはオス：80㎝・メス：60㎝、体重たいじゅうはオス：0.8 ～1.1㎏・メス：00.6㎏～0.9㎏とカラス・ニワトリ大だいの大おおきさ。翼つばさを広ひろげると77㎝ほどになる。オスは赤あか頭部とうぶの赤あか・首しゅ回かいりの青あお・胴どう体からだの緑みどり・翼つばさ部分ぶぶんの茶色ちゃいろと薄すすき緑みどり、とカラフルな見みた目めをしている。メスと幼鳥ようちょうはかなり地味じみで枯草かれくさに紛まぎれる保護ほご色しょく効果こうかを持もった外見がいけんをしている。オス・メス共ともに長ながい尾羽おはを備そなえる。

「ケーン！」という甲高かんだかい鳴なき声こえも特徴とくちょう。この鳴なき声こえは繁殖はんしょく期きの縄張なわばり宣言せんげんのためにオスが出だす声こえ。子この鳴なき声こえの後のちに翼つばさを数すう度ど体たいに打うち付つけ音おんを出だす、「母はは衣ころも打うち」と呼よばれる行為こういを行おこなう。メスは「チョッチョッチョッ」と囀さえずる。

空そらを飛とべるが飛行ひこう能のう力ちからはあまり高たかくない。代かわりに地上ちじょうを徒歩とほで移動いどうする事ことが多おおく、かなりの速度そくどで移動いどう可か能のう。

足あしの裏うらに振動しんどうを察知さっちする感覚かんかく器官きかんを持もっているとされ、そのため地震じしんを予知よちする能のう力ちからを持もっていると言いわれる。瞼まぶたは人間にんげんのように上下じょうげではなく左右さゆうで開閉かいへいする機構きこう。

性格せいかくは警戒心しんが強つよく臆病おくびょうで、物音ものおとや気配けはいに敏感びんかん。異常いじょうがあるとすぐに逃にげ出だすため、通常つうじょうは人前ひとまえに姿すがたを見みせる事ことは無むい。

ただし、繁殖はんしょく期きだと話はなしは別べつ。オスは非常ひじょうに好戦こうせん的てきになり、他たのオスと広大こうだいな縄張なわばり＆メスを巡めぐって盛さかんに争あらそうようになる。繁殖はんしょく期きのオスは頭部とうぶの赤あかい部分ぶぶん(肉にく腫しゅ)が拡大かくだいし、キジのオスはこれをライバルの目め安やすとして認識にんしきする。そのため、繁殖はんしょく期きのオスは郵便ゆうびん局きょくの配達はいたつバイクなど、キジ以外いがいの赤あかいモノにも積極せっきょく的てきに攻撃こうげきしてくる。メスは母はは性せい本ほん能のうが高たかく、タマゴや雛ひなを守まもるべく常つねに近ちかくに寄より添そい、守まもるためなら我わがが身みを危険きけんに晒さらしす事ことも厭いとわないし、そのために危機ききが迫せまってきても逃にげずに事故じこ死しするケースも多おおい。このような母はは鳥とりの我わが子こへの愛あい情じょうの深ふかさは古ふるくから民みん話はなしなどで語かたられてきた。

一夫多妻いっぷたさい制せいで、1羽わの強つよいオスが広ひろい縄張なわばりの中なかに複数ふくすうのメスとその雛ひなを要ようする。オスは基本きほん的てきに子育こそだてに参加さんかしないが、縄張なわばり内うちを巡回じゅんかいしつつ天敵てんてきなどを追おい払はらうべく遂とげ力ちからする。メスは複数ふくすうのオスの縄張なわばりを渡わたり歩あるいて気きに入いったオスと交尾こうびする。

卵たまごは6個こから12個こくらい産うみ落おとし、雌めすが抱だき卵たまごする。大体だいたい20日にち超ちょうで孵化ふかするが、自じ然しか界さかいはヘビ・カラスといった天てん敵てきなど様々さまざまな危険きけんに満みち溢あふれており、か弱よわい雛ひなが生なまき抜ぬけくのは至難しなんの業わざ。雛ひなは大だい人ひとになることも叶かのうわず死しんでしまう事ことの方ほうが多おおく、通常つうじょうならば無む事ことに生いき残のこれるのは2羽わ3羽わ程度ていど。

何故なぜ桃太郎ももたろうのお供ともに選えらばれたのか

キジといったら昔話むかしばなし「桃太郎ももたろう」において、犬いぬ・猿さると一緒いっしょに鬼おに退治たいじで活躍かつやくしたお供とも動物どうぶつの一いち角かくである。鬼おに退治たいじに動物どうぶつを連つれて行いくんだったらクマなどもっと強つよい動物どうぶつがいいんじゃないか？と思おもわれるかもしれない。

鬼おには牛うしの角かくを持もち虎とら柄がらの腰こし巻まきを履はいたイメージで描えがかれる。干支えとにおいて丑うし・寅とらは鬼おに門もんに当あたる。鬼おに門もんである丑うし・寅とらに対抗たいこうするため、ちょうど反対はんたい側がわの方角ほうがくにある申さる(サル)・酉とり(イヌ)・戌いぬ(トリ)が鬼おに退治たいじに選えらばれたという。そして誰だれにとっても分わかり易やすいようにと、当時とうじ一般いっぱん庶民しょみんにも広ひろく知しられた鳥とりであったキジが鳥とり担当たんとうとして選えらばれた。