マチカネフクキタル単語たんご

マチカネフクキタル

3.4千せん文字もじの記事きじ

新あたらしい君きみよ

カレンダーをめくるたび
君きみの歩幅ほはばは大おおきくなっていく
いつか気付きづくだろう
見みえる景けい色いろが変化へんかしたことに

けれど変かわったのは
周囲しゅういではなく君きみ自身じしんなのだ

移うつろう季き節ぶしの中なかで
手てにした新あたらしい力ちからとともに
勝利しょうりという至福しふくへ向むけて
いま駆かけのぼっていけ

―名馬めいばの肖像しょうぞう　マチカネフクキタル

マチカネフクキタル(Mat ikanefukuk it aru)とは1994年ねん生うまれの日本にっぽんの競走きょうそう馬ば。栗毛くりげの牡おす馬うま。

夏なつの競馬けいば開催かいさいを経へて急きゅう激げきに力ちからを付つけて秋あきのGI戦線せんせんを賑にぎわせる「夏なつの上あがり馬うま」の代名詞だいめいし。

名前なまえは冠かんむり名めいの「マチカネ」に「笑わらう門もんには福来ふきたる」の後半こうはん部分ぶぶんを付つけたもの。
ちなみに「マチカネワラウカド」もいる。マチカネニハは知しらん

主あるじな勝かち鞍くら
 1997年ねん:菊花賞きっかしょう(GI)、神戸こうべ新聞しんぶん杯はい(GII)、京都きょうと新聞しんぶん杯はい(GII)

※年齢ねんれい表記ひょうきは現げん表記ひょうきに統一とういつ

この記事きじでは実在じつざいの競走きょうそう馬ばについて記述きじゅつしています。
この馬うまを元もとにした『ウマ娘むすめプリティーダービー』に登場とうじょうするウマ娘むすめについては
「マチカネフクキタル(ウマ娘むすめ)」を参照さんしょうして下ください。

生おい立たち

父ちちクリスタルグリッターズ、母ははアテナトウショウ、母はは父ちちトウショウボーイという血統けっとう。

父親ちちおやは米国べいこく生うまれの仏ふつ国こく馬うまでGI2勝しょう。1988年ねんに日本にっぽんに種たね牡馬ぼばとして輸入ゆにゅうされ、「南関東みなみかんとうの哲学てつがく者もの」ことダート王おうアブクマポーロをはじめ、芝しばダートを問とわず活躍かつやく馬うまを出だした。母はは父ちちは「天馬てんま」と称しょうされた名な馬うまにして内うち国くに産さん種たね牡馬ぼばの雄ゆう。
母ははは13戦せん2勝しょうだがクイーンカップ3着ちゃくがある。

牝めす系けいは日本にっぽんの名門めいもん牝めす系けいたるシラオキ系けいで、トウショウの名前なまえの通とおり、トウショウ牧場ぼくじょうが1960年ねん代だいから育そだててきた牝めす系けいの出身しゅっしんである。あ、出生しゅっしょうはトウショウ牧場ぼくじょうじゃなくて浦うら河かわの信成のぶなり牧場ぼくじょうです。

「マチカネ」の冠かんむり名めいで有名ゆうめいな細川ほそかわ益男ますお(粉こな体たい処理しょり機械きかい最大手さいおおて、ホソカワミクロンの代表だいひょう)に購買こうばいされ、栗ぐり東ひがしの二に分ふん久男ひさお厩舎きゅうしゃに管理かんりされ、競走きょうそう馬ばへのデビューが着々ちゃくちゃくと進すすめられた。

夏なつを経へて、待まちかねし福ぶく、淀よどみに来くる

デビューは2歳さい11月末すえの新しん馬うま戦せんだがここを3着ちゃくに敗やぶれ、折おり返かえしの新しん馬うま戦せんも4着ちゃくに敗やぶれた。
新しん馬うま戦せん2つ使つかってる？　実じつは2002年ねんまで同どう一いち開催かいさいなら何なん回かいでも新しん馬うま戦せんが使つかえたのである。

3歳さいになって勝かち上あがり、1戦せん挟はさんで500万まん条件じょうけんを勝利しょうり。この時とき皐月さつき賞しょうは既すでに終おわっており、ダービー出走しゅっそう権けんをかけてプリンシパルSに挑いどみサイレンススズカの2着ちゃくを確保かくほ。ダービー出走しゅっそう権けんを獲得かくとくしたが、肝心かんじんのダービーではサニーブライアンの二に冠かん達成たっせいを後うしろで7着ちゃくに敗やぶれる。ただ、7着ちゃくではあったが着き差さは3馬うま身み以内いないに収おさまっており、内容ないようとして決けっして悪わるいものでは無むかった。

ダービーから1ヶ月つき後のちに900万まん条件じょうけんを快勝かいしょう。
秋あきの中央ちゅうおう開催かいさいが始はじまると、まず手始てはじめに神戸こうべ新聞しんぶん杯はいへ挑いどむ。このレースは圧巻あっかんで、逃にげ込こみを図はかっていたあのサイレンススズカを、直線ちょくせん入口いりくち最後さいご方かたにいたはずなのにとんでもない勢いきおいで上あがり、逆ぎゃくに1馬うま身み突つき放はなして快勝かいしょうするというヤバい競馬けいば。これ、ゴオオオオと音おとが聞きこえてきそうな程ほど凄すごい勢いきおいである。
次つぎにトライアル2戦せん目めの京都きょうと新聞しんぶん杯はいを選択せんたく。当時とうじはトライアルを2つ使つかうことは一般いっぱん的てきである(神戸こうべ新聞しんぶん杯はいから菊花賞きっかしょうの間隔かんかくが結構けっこう空そらく為ため)。レースでは馬場ばば中央ちゅうおうから一気いっきに抜ぬけ出だし、大だい外そとから追おい込こんできたメジロブライトの追撃ついげきを振ふり切きり勝利しょうり。トライアル連勝れんしょうを果はたした。

本番ほんばんに迎むかえた菊花賞きっかしょうは3番ばん人気にんき。　3番ばん人気にんき？　トライアル連勝れんしょうしてんのに？
その理由りゆうは、第だい一いちに父ちちクリスタルグリッターズ、母はは父ちちトウショウボーイという血統けっとうが「中なか距離きょり馬うま」という印しるし象ぞうを与あたえた事こと。トウショウボーイが長なが距離きょりで好成績こうせいせきを残のこしていないのはご存知ぞんじの通とおり(菊花賞きっかしょう3着ちゃく、天皇てんのう賞しょう7着ちゃく)。父ちちクリスタルグリッターズも戦績せんせきは2000m以下いかに偏かたよっていた。
第だい二ににシルクジャスティス(1番ばん人気にんき)が古ふる馬うま相手あいてに京都大きょうとだい賞しょう典てんを制せいして出走しゅっそうしてきた事こと。当時とうじは関西かんさいの菊花賞きっかしょうトライアルである神戸こうべ新聞しんぶん杯はいと京都きょうと新聞しんぶん杯はいがどちらも芝しば2000mと短みじかく、菊花賞きっかしょうが天皇てんのう賞しょう(秋あき)後ごの開催かいさいで間隔かんかくにも余裕よゆうがあったので、有ゆう力ちから馬うまには時々ときどきこのローテを使つかう馬うまがいた。翌年よくねんのセイウンスカイなどがその好例こうれいである。
第だい三さんにメジロブライト(2番ばん人気にんき)の血統けっとうが菊きく向むきと思おもわれた事こと。こちらは父ちちがクラシックディスタンスで活躍かつやくしたメジロライアン、母はは父ちちが産さん駒こまに菊花賞きっかしょう馬うまが2頭とういるマルゼンスキーと、明あきらかに距離きょりが伸のびた方ほうがいい血統けっとうだったのである。

そんなこんなで出走しゅっそうした菊花賞きっかしょう。道みち中なかは中団ちゅうだんにつけて進すすみ、4コーナーでは比ひ較的馬うま群ぐんが詰つまったような体勢たいせい。外そとからメジロブライトがロングスパートを仕掛しかけて前まえに立たとうとしている中なか、マチカネフクキタルは豪ごう快こころよに馬うま群ぐんをこじ開あけ、鞍くら上うえの南井みない克巳かつみの鞭むち連打れんだに応こたえるように抜群ばつぐんのキレ脚あしで一気いっきに先頭せんとうに躍おどり出でる。そのまま後続こうぞくの追撃ついげきを許ゆるさず、1馬うま身み突つき放はなしてゴールラインへと飛とび込こむ。

「またまた福ぶくが来きた！　神戸こうべ、そして京都きょうとについで菊きくの舞台ぶたいでも福ぶくが来きた～！」
と杉本すぎもとアナは実況じっきょうし、4連勝れんしょうで菊花賞きっかしょうを制せいしたマチカネフクキタルは夏なつの上あがり馬うまとしての評価ひょうかを得えた。

福ぶくの後のち

しかし、マチカネフクキタルはこれ以降いこう輝てるきを失うしなってしまった。
というのも裂きれ蹄など蹄の故障こしょうに悩なやまされて満足まんぞくにレースを使つかえず、かつて彼かれが見みせた抜群ばつぐんのキレ脚あしと轟とどろき音おとが聞きこえてきそうな程ほどのストライドは鳴なりを潜ひそめてしまった。丁度ちょうどこの時期じきにかつての相棒あいぼう、南井みない克巳かつみが引退いんたいしたのも影かげ響ひびきした。

それでも5歳さい時ときに京都きょうと記念きねんと産経さんけい大阪おおさか杯はいで2着ちゃくに入はいったのは菊花賞きっかしょう馬うまの意地いじと言いうべきか。
6歳さいの宝塚たからづか記念きねん8着ちゃく後ご、調教ちょうきょう中なかに屈こごめ腱けん炎えんを発症はっしょうし引退いんたい。

通算つうさん成績せいせきは22戦せん6勝しょう、6勝しょうは全すべて3歳さい時じに挙あげたものであり、結局けっきょく菊花賞きっかしょう後こうは1つも勝かてなかった。

その後ごのマチカネフクキタルは、クリスタルグリッターズの後継こうけい種たね牡馬ぼばとしてスタッドインしたが、人気にんきはあまりなく、代表だいひょう産さん駒こまは中山なかやまグランドジャンプで2着ちゃくに入はいったリワードプレザンに留とどまった。

2010年ねんに種たね牡馬ぼばを引退いんたいし、同どう馬主ばしゅで5歳さい年上としうえのマチカネタンホイザと共ともに山梨やまなしの小須田こすだ牧場ぼくじょうに功労こうろう馬うまとして繋つなぎ養ようされ、今いまでもたまに、引退いんたい馬ばの繋つなぎ養やしなえ事業じぎょうに関かんするイベントで姿すがたを見みせていた。

2020年ねん 7月がつ31日にち、静養せいよう先さきにて「牧まき草くさ地ちで眠ねむるように息いきを引ひき取とった」ことがわかった。享年きょうねん26歳さい

余談よだん

調教ちょうきょう師しの森もり秀行ひでゆきは、20世紀せいきの最強さいきょう馬うまとしてこの馬うまを挙あげている。曰く、「奇きをてらうわけではなく、夏なつから菊花賞きっかしょうまでの勝かちっぷりは圧倒的あっとうてき」とのこと。
本ほん馬うまとワンセット命名めいめいの「マチカネワラウカド」だが、当時とうじ統一とういつGIIだった東海とうかい菊花賞きっかしょうを制せいしており、2頭とうとも「菊花賞きっかしょう馬うま」である。こちらはダート戦線せんせんで息いきの長ながい活躍かつやくを見みせ、ダート重じゅう賞しょう3勝しょうを挙あげている。ちなみに血統けっとう的てきには祖そ父ちち～曾祖そうそ父ちちにナスルーラという共通きょうつうの先祖せんぞがいるくらいでかろうじてアウトブリードでない他人たにんレベル。
競走きょうそう馬ばを擬人ぎじん化かしたメディアミックス「ウマ娘むすめプリティーダービー」にて、本ほん馬うまをモチーフとするウマ娘むすめが登場とうじょうする。凄すごい属性ぞくせい過多かた(褒ほめ言葉ことば)。「フクキタル」らしく占うらないキャラになっているが本ほん馬うまが優勝ゆうしょうした6戦せんの中なかに「大安たいあん」の日ひはなかった。「シラオキ様さま」なるお方かたからお告つげを度々たびたび貰もらっているが、同どうコンテンツの主あるじ役やく格かくのスペシャルウィークも母はは系けいにシラオキがいる。

血統けっとう表ひょう

*クリスタルグリッターズ Crystal Glitters 1980 鹿毛かげ	Blushing Groom 1974 栗毛くりげ	Red God	Nasrullah
			Spring Run
		Runa way Bride	Wild Risk
			Aimee
	Tales to Tell 1967 鹿毛かげ	Donut King	Determine
			St raved
		Fleeting Doll	Fleet Nasrullah
			Chinese Doll
アテナトウショウ 1981 栗毛くりげ FNo.3-l	トウショウボーイ 1973 鹿毛かげ	*テスコボーイ	Princely Gift
			Suncourt
		*ソシアルバターフライ	Your Host
			Wisteria
	グレイトウショウ 1974 芦あし毛げ	*シルバーシャーク	Bui sson Ar dent
			Pal saka
		ローズトウショウ	*テューダーペリオッド
			ワカシラオキ
競走きょうそう馬ばの4代だい血統けっとう表ひょう