ヴィジュアル系けい単語たんご

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ヴィジュアルケイ

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ヴィジュアル系けいとは、日本にっぽんの音楽おんがくシーンにおける大だい括くくりな類別るいべつのひとつである。通称つうしょう「V系けい」。

概要がいよう

そもそも、この語かたりが特定とくていの音楽おんがくの一いちジャンルを形作かたちづくっているわけではなく、始はじまりは中性ちゅうせい的てき・退廃たいはい的てき・耽美たんび的てきなメイクやルックスで、視覚しかく的てき身体しんたい表現ひょうげん的てき衝撃しょうげきをパフォーマンスの中核ちゅうかくまたは重要じゅうよう要素ようそに位置いちづける（主あるじに男性だんせいの）邦楽ほうがくバンドについて、大だい括くくりに用もちいられるようになった呼称こしょうであり、マーケティング的てき・大衆たいしゅう的てきな響ひびききを含ふくんでいた。しかし現在げんざいは後述こうじゅつのごとく、それは必かならずしも蔑視べっし・軽薄けいはくさなどを意味いみしない。

音楽おんがく史的してきに異端いたんとしてデビューし、ひとつの歴史れきしを樹き立たたしたX JAPANの活躍かつやくとスタイル確立かくりつにも触発しょくはつされ、同どう時代じだいおよびフォロワーとしても多おおくのバンドが輩出はいしゅつされた。自みずからを「ヴィジュアル系けい」にカテゴライズするバンドは、第だい一いち次じブーム結ゆい了りょう期きの90年代ねんだい後半こうはん〜その後ごのネオ・ヴィジュアル世代せだいからと言いえるかもしれない。なお、国くに際きわ的てきロックシーンでは「グラムロック」や「ゴシック」、「エモーショナル・コア（EMO）」などのジャンルに編あみこまれるべき存在そんざいであり、外そと国くにファンも多おおく、この国くにのV系けいバンド活動かつどうに貢献こうけんしてくれていることもこの際さい付言ふげんしたい（海外かいがいのそっち系けいも見みてみてね♡）。

自分じぶんたちを「V系けい」とカテゴライズしたい者しゃ、逆ぎゃくにそれを嫌きらう者ものがともにあるのも、この語かたりの使つかわれ方かたの歴史れきしの必然ひつぜんといえるだろう。また、前ぜん時代じだい的てきに「曲きょくやテクに中味なかみがないからカッコでごまかしてるキワモノ」の意味いみでこの語かたりを使つかう者ものもいるが、そんな奴やつらは「オサーン」と切きって捨すてること推奨すいしょう。

音楽おんがくスタイルはロックを中心ちゅうしんに、ポップ寄より、ヘヴィ寄よりと多様たようなジャンルを包つつんでいる。

先述せんじゅつした、世紀せいきまたぎに再さい興きょうしたブームの中なかで、活動かつどうと変遷へんせんとを続つづけている数々かずかずのバンドを、「ネオヴィジュアル系けい」と呼よぶことがある。

名称めいしょうの由来ゆらい

その発祥はっしょうには諸説しょせつあるが、X JAPANのメジャーデビューアルバム「BLUE BLOOD」のジャケットに記述きじゅつされた「CRIME OF VISUAL SHOCK」というフレーズが語かたり源みなもとというのが通説つうせつと思おもわれる。ちなみにこの言葉ことばはHIDEが考案こうあんしたものである。

ヴィジュアル系けいの細分さいぶん化か　

2000年代ねんだい初はじめごろから、「ヴィジュアル系けい」の十把じっぱひとからげからの細分さいぶん化かが見みられる。以前いぜんから歴史れきし的てきカテゴライズを試こころみる動うごきはあったのだが、多分たぶんに否定ひてい的てき意味いみで視覚しかく的てき特徴とくちょうからバンドを総称そうしょうしていた語かたり法ほうから、ヴィジュアル系けい各かくバンドに歴史れきしが形成けいせいされたこと、および新しんバンド・改あらため編へんバンドの途切とぎれない生成せいせいと消長しょうちょうに理解りかい・整理せいりが欠かかせなくなってきたことにより、語かたりの使つかい方かたも徐々じょじょに変成へんせいし、おのずから細分さいぶん化かも進すすんだものといえるだろう。もちろん、ジャンル・カテゴライズを拒絶きょぜつ・超ちょう越こしようとするバンドもあっていい。

現在げんざい、ひとくちに「ヴィジュアル系けい」の語かたりで「すべて」をい表いあらわすのはただの暴挙ぼうきょに過すぎず、音楽おんがく的てき・表現ひょうげん的てき世界せかいによって、一定いっていの歴史れきし的てきカテゴライズが可か能のうであろう。しかし、日本にっぽんにおいてその細分さいぶんカテゴリーは必かならずしも確固かっことしたものでなく、ファンの嗜好しこうなどからマーケティング的てきに名付なづけられたに過すぎない「何なに々系けい」も含ふくまれているかもしれない。また、「何なに々系けい」は、使つかう者ものによって大おおきく意味いみが違ちがっていることはよくある話はなしだ（日本にっぽんだからねー）。

ヴィジュアル系けいの彼かれら・彼女かのじょらの、誰だれか・どこかを愛いとしてしまった、または知しりたいと思おもうファンは、「曲きょく世界せかい」、「発想はっそうの勝利しょうり」、「視覚しかく的てき特徴とくちょう」、「出身しゅっしん・活動かつどう地域ちいき」、「雰囲気ふんいき」、「所属しょぞくレーベル」等とう、断片だんぺん化かされた特徴とくちょうや属性ぞくせい。および歴史れきし的てき系譜けいふ（もともと何なにがルーツで活動かつどうしているのか）などをたよりにより深ふかく知しり、さらには他ほかにも自分じぶんとして愛あいせる・気きになる存在そんざいを探索たんさくしたり、必要ひつようならカテゴライズ（自分じぶんとしてのタグ付つけ）したりして欲ほしい（でも、広ひろすぎ細こまかすぎなんだけどね）。

以下いかに全容ぜんようをカバーできないながらもバンド名なを挙あげた。

基礎きそを固かためたと思おもわれるバンド

その多おおくは海外かいがいのポジティブ・パンク/ゴシック・ロック、パンク・ロック、ニュー・ウェーヴ、プログレのアーティストたち、およびそれらに影かげ響ひびきを受うけた80年代ねんだいの日本にっぽんのバンドたちである。特とくにヴィジュアル系けい黎はじむ明あかり期きにおいては、ポジパン風ふうもしくはそのままの音楽おんがく性せいを持もったヴィジュアル系けいバンドも多数たすういた。（初期しょきZI:KILL、EX-ANS、Maj estic Isa belle、SHADooW　など。）派は手てな化粧けしょう、逆立さかだてた髪かみの毛け、退廃たいはい的てきな歌詞かし、耽美たんびな世界せかい観かんなどは後ごのヴィジュアル系けいの基盤きばんを作つくったと言いっても過言かごんではない。彼かれらは決けっしてヴィジュアル系けいではないが、後ごのヴィジュアル系けいに影かげ響ひびきを与あたえたとして度々どど名前なまえを挙あげられる。90年代ねんだいのヴィジュアル系けいを聴きいている方ほうは、ルーツを辿たどるという意味いみでも一いち度ど聴きいてみるといろいろ面めん白しろいと思おもう。

海外かいがい：Bauhaus(ゴシック・ロックの祖そと言いわれているバンド。下記かきのAUTO-MODのGENETはBauhausに影かげ響ひびきを受うけ、日本にっぽんでゴシック・ロックを始はじめた。)、Sio ux sie & the Banshees、The Cure、The Sisters of Mercy、Southern Death Cult、Sex Ga ng Children、The Da nse Soc iety、　など

日本にっぽん：AUTO-MOD（日本にっぽんでいうゴシック・ロックの始祖しそ的てき存在そんざいである。トリビュート盤ばんにおいてV系けい黎はじむ明あかり期きの錚々たるメンツがカバーしている。）、GA STUNK、有頂天うちょうてん、THE WILL ARD、ラフィン・ノーズ、YBO2、ASYLUM、Z.O.A、SODOM、PHAIDIA、SADIE SADS、Mad ame Edwar da、G-シュミット、NOVELA　など

おもに1990年ねんをまたいで～90年代ねんだい前まえ・中期ちゅうきに「ヴィジュアル系けい」の前史ぜんし・スタイルの形成けいせいに貢献こうけん・寄与きよした邦楽ほうがくバンド　

AURA　XJAPAN　COLOR　D'ERLANGER　DEADEND　かまいたち　筋肉きんにく少女しょうじょ帯たい　すかんち　 CASCADE　AION　BUCK-TICK　VATHOKIJA LAD IES ROOM　東京とうきょうヤンキース　LUNASEA　 ZI:KILL STEP PEN THE BLUE　MALICE MIZER　SEX MACHINEGUNS　Plastic Tree　LAR EINE　La'cryma Christi　PENICILLIN　SHAZNA　Janne Da Arc（初期しょき） (順不同じゅんふどう)

ソフビ

「ソフトなヴィジュアル系けい」の略りゃく。
ナチュラルメイクで、衣装いしょうは既成きせいのカジュアルなものが多おおい。
曲調きょくちょうはポップ、キャッチーなロックといえるか。
一時期いちじきは関西かんさい出身しゅっしんのソフヴィバンドが人気にんきだったが、最近さいきんは下火したびになってしまっている。

一般いっぱん的てきなV系けいのイメージよりも外見がいけん・曲調きょくちょうが穏おだやか（ソフト）であるため、バンドによっては「あまりV系けいぽくない」と言いわれる事ことも。

例れい：GLAY（初期しょき）、Waive、SOPHIA（Vo.松岡まつおか充たかしは愛あいすべき生なま主あるじ兄あに）、wyse、Vogus Image、D-SHADE、FANATIC◇CRISIS（後述こうじゅつあり）、SIAM SHADE、MASCHERA、Janne Da Arc（後期こうき）、Raphael(後期こうき)など

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コテ系けい

「コテコテのヴィジュアル系けい」の略りゃく。
この系統けいとうはさらに「黒くろ系けい」「白しろ系けい」に分わけられる。

「黒くろ系けい」は派は手てな色いろの髪かみを逆立さかだてたり、派は手てもしくは女性じょせい的てきなメイクをしたり、エナメルやレザーの衣装いしょうを着きていて、曲きょくは攻撃こうげき的てき・退廃たいはい的てき・耽美たんび的てき。初期しょき黒くろ夢ゆめやDes hab illzなどに影かげ響ひびきを受うけたバンドが多おおかった。
一般いっぱん的てきに連想れんそうされる「ヴィジュアル系けい」の姿すがたである。
昔むかしながらのスタイルということもあり、古参こさんのヴィジュアル系けいファンが多おおい。

例れい：Dir en grey（初期しょき）、THE PIA SS(後のちに妃ひ阿おもね甦よみがえに変更へんこう)、D、Versailles、chariots、NAKED SPY、Phantasmagoria　、LOST NAMEなど

それに対たいして「白しろ系けい」はメロディアスで透明とうめい感かんのある曲きょくが多おおいバンド。
衣装いしょうは白しろを基調きちょうとしたものが多おおく、メイクも耽美たんびさ・華はな麗うららさを強調きょうちょうしたものである。

例れい：L'arc~en~Ciel（初期しょき）、Rentrer en Soi（初期しょき～中期ちゅうき）、AURORA、Raphael(初期しょき)、BAISER（後期こうき）など

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名古屋なごや系けい

しばしばコテ系けいとは違ちがうダークさを持もつ名古屋なごや圏けん（ここでは愛知あいち・岐阜ぎふ・三重みえ）出身しゅっしん、おもに名古屋なごやを活動かつどう拠点きょてんにしたバンド。

先駆さきがけはSilver-Roseと言いわれている。泣なく子こも黙だまるような独特どくとくの雰囲気ふんいきがあり、熱狂ねっきょう的てきなファンが多おおい。

愛知あいち（名古屋なごや）はフォーク時代じだいの衰微すいび後ご、現在げんざいに至いたるまで音楽おんがくシーンがほぼハードロックに席巻せっけんされている土壌どじょうがあり、ヴィジュアル系けいバンドもまた、その洗礼せんれいを受うけ、生いき残のこりの試練しれんを与あたえられる（市場いちばレヴェルが高たかい）。そしてその土壌どじょう的てきに、BLANKEY JET CITY（1990-2000）のような特とく濃こヘヴィーなロックを音楽おんがく的てきに継承けいしょうするバンドが少すくなくない。これをもって、名古屋なごや圏けん出身しゅっしんであるから自動的じどうてきに名古屋なごや系けいバンドとは呼よばない（ジャンルにかかわらず、洗礼せんれいを受うけ、生いき残のこった者もの。または特とく濃こハードを継承けいしょうする者もの）と定義ていぎする向むきがある。

同時どうじに、名古屋なごやの音楽おんがくシーン（含ふくむマーケティング）では、他た地方ちほうに比ひべて名古屋なごや圏けんで特異とくい的てきなバカ売うれをした作品さくひん（ジャンル不問ふもん）を「名古屋なごや系けい・名古屋なごやモノ」と呼よび、（名古屋なごや圏けん出身しゅっしん以外いがいでも）この呼称こしょうが使つかわれる場合ばあいがあることを知しっておいてほしい（名古屋なごやは実み力ちからがあれば、音楽おんがくは異こと文化ぶんか移入いにゅうにけっこう寛容かんようです。純じゅん粋いきな地元じもと出では限かぎられているし）。

例れい：Silver-Rose、Laputa、ROUAGE、黒くろ夢ゆめ（初期しょき）、deadman、GULLET、Blast、FANATIC◇CRISIS　など

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密室みっしつ系けい

音楽おんがくレーベル「密室みっしつノイローゼ」に所属しょぞくしている、もしくは過去かこに所属しょぞくしていたバンドのこと。
前者ぜんしゃではcali≠gari、後者こうしゃはムックが有名ゆうめい。

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地下ちか室しつ系けい

元々もともとは、cali≠gari 主あるじ催のイベント「東京とうきょう地下ちか室しつ」に出演しゅつえんしていたバンドのことを指ゆびした。
白しろ塗ぬりメイクにアングラな雰囲気ふんいきが特徴とくちょう。

例れい：犬いぬ神しんサーカス団だん、駄菓子だがし菓子かし、グルグル映うつ畫が館たて、太平洋たいへいようベルト　など

オサレ系けい

2002年ねん頃ころから急きゅう激げきに増ふえた系統けいとうのバンド。
CUTiE、Zip per、KERA系けいの衣装いしょうに身みを包つつみ、ギャルメイクに近ちかい奇抜きばつな化粧けしょうをしている。
曲きょくはポップなものが多おおいが、いわゆる「煽あおり曲きょく」もある。基本きほん的てきに何なんでもあり。
ヴィジュアル系けいの中なかでは、アイドルもしくはうたのおにいさん達いたる的てきな位置付いちづけ。
初心者しょしんしゃにも取とっ付つきやすいことから、若年じゃくねん層そうのファンが多おおい。
初期しょきのバロックが始祖しそとされる。ニコ生せいレギュラー出演しゅつえんするバンドもあり、見みてやってほしい。

例れい：アンティック－珈琲こーひー店てん－、Kra、SuG　など

コテオサ

上記じょうき「コテ系けい」と「オサレ系けい」の両方りょうほうの要素ようそを含ふくむ、もしくはどちらなのか判別はんべつのつきづらいバンド。
コテ系けい寄よりのバンドとオサレ系けい寄よりのバンドが存在そんざいする。
先駆さきがけは蜉蝣かげろうだと思おもわれる。同おなじく、ニコ生せいレギュラーさんもいるのでよろしく。

例れい：ガゼット（初期しょき）、蜉蝣かげろう（初期しょき）、ヴィドール、彩いろどり冷ひえる、メガマソ、ナイトメア、ALICE NINE、妃ひ阿おもね甦よみがえ、愛あい狂くるいます。　など

ラウド系けい

2004年ねん頃ころから増ふえ始はじめた系統けいとう。途中とちゅうで路線ろせん変更へんこうしてここに行いきついたバンドも含ふくまれる。
ハードロック、ニューメタルの要素ようそを取とり入いれている。
ただし技術ぎじゅつ面めんでは今いま一いち歩ほの成熟せいじゅくを待まちたいバンドもみられる。
メイクは耽美たんびさ・女性じょせいっぽさを排除はいじょしたダークな感かんじ、衣装いしょうも黒くろを基調きちょうとしたものが多おおい。
拳こぶし、ヘドバンなど男おとこっぽいノリが好このまれる傾向けいこうにある。

例れい：Dir en grey（中期ちゅうき）、D'espa irs Ray、lynch.、ギルガメッシュ、Sadie、the GazettE（現在げんざい）、DEATHGAZE、RENTRER EN SOI（後期こうき）、met h.、蜉蝣かげろう（後期こうき）　など