尼崎市とは、兵庫県の南東部に位置する中核市である。1916年市制。
市民のみならず京阪神で広く、「尼」という略称で呼ばれる。
概要
兵庫県の東の端っこに位置している。
古くは弥生時代から人が住みついていたことがわかっており、市の北部には遺跡がある。平安時代以降は港町として栄え、江戸時代には尼崎藩5万石の城下町、明治以降は阪神工業地帯の中心地となった。
人口46万人を誇る中核市である。かつては兵庫県第二の人口を誇っていたが、70年代以降ゆるやかに減少を続け、現在は姫路市・西宮市に抜かれて4位となっている。最近は再開発の成功、プラズマテレビの大工場完成、阪神なんば線開通など追い風が多く、人口は上昇に転じた。
市外局番は大阪市と同じ06。昔大阪までしか通っていなかった電話を尼崎まで伸ばして欲しいということで、企業が自費で尼崎まで電話を伸ばした結果06になったとかどうとか。大阪MAなので、大阪市平野区まで市内料金で、大阪方面への発信は割安な一方、それよりも近い芦屋市へ発信すると隣接地域ですら無いので距離から考えればかなり高い通話料金になる。また、隣接地域である西宮0798は尼崎06との間に和歌山・奈良・滋賀・京都・石川・富山・福井を挟み、更に兵庫県内でも後半の番号と、番号上は相当な距離がある。
市内にはJR西日本の駅4つと阪急電鉄の駅3つ、阪神電鉄の駅6つがあり、JR尼崎駅は東海道本線（JR神戸線）、福知山線、東西線の3路線が通る交通の要衝である。大阪、甲子園、神戸のどれにも気軽に行く事ができ、最近は奈良までも乗り換えなしで行けるようになった。一方で、南北方向には大変不便であり、阪神沿線・JR沿線・阪急沿線それぞれの間を行き来するには、バスもしくは自家用車を利用するか、梅田（大阪/北新地）で折り返す必要がある（福知山線・阪急伊丹線間の行き来も不便であり、各路線間の接続は全く考えられていないといっていい）。ちなみに、戦前には、阪神電鉄尼宝線が計画されていて用地買収まで終えていたが、様々な事情から断念することになり用地は道路として利用されることとなった。鉄道路線を断念した代替路線として、宝塚までバスが通っている。阪神沿線から大きく離れた路線を走っているのは、尼宝線が本来阪神電鉄の路線だからである。現在でも尼宝線沿いのバス停には当時の駅舎予定地の名残があり、屋根付きのベンチと駅名票が設置されていたりする。阪急電鉄を横断する陸橋は鉄道用に設計されていたため通常の陸橋よりも長くなだらかな傾斜である。
尼崎市内には、公営バス(伊丹市バス)と私鉄系バス2事業者（阪急バス・阪神バス）が走っている。伊丹市バスは阪急塚口駅より南側には行かないため、尼崎市内の走行距離は僅かである。
かつては尼崎市も市バス事業を行っていた(尼崎市交通局)が、2016年に全て阪神バスに移管された。
また、大阪府下と間違えられる事も多いが、尼崎市は立派な兵庫県下の市である。ただ、とあるテレビ番組で「尼崎は大阪ですか、神戸ですか？」という質問を市民10人に行ったところ、「大阪」７名、「神戸」２名、「大阪は大阪、神戸は神戸、尼は尼」１名、という結果が出ており、大阪に帰属意識を持つ住民は多い。
熱狂的阪神ファンが多い町として知られ、市内の商店街がシーズンが始まる前から「マジック144」を掲げるのは風物詩となっている。2025年シーズンからは阪神二軍の本拠地が鳴尾浜球場（西宮市）から尼崎の小田南公園に移転することが決まっている。村山実、江夏豊、伊良部秀輝ら阪神の選手も多く輩出している（実は金刃憲人・野間口貴彦など巨人の選手、宮西尚生など巨人でも阪神でもないチームの選手もいるが）。野球以外のスポーツではレーサーの小林可夢偉が尼崎出身で、出屋敷の寿司屋さんが実家である。また、元ボクシング世界チャンピオンの西岡利晃は加古川市出身だが、現在は尼崎在住。
そして、桂米朝は出身こそ満州、日本では姫路市だが、若い頃から尼崎市武庫之荘に自宅を構え、亡くなるまで地元を愛し、ずっと住み続けた。その影響もあって桂吉朝などが生前居を構え、今も米團治、吉弥など桂米朝門下の多くが尼崎市在住であるなど噺家の聖地となっている。将棋の豊島将之竜王名人も現在は尼崎在住である。
しかし尼崎出身の有名人として第一に挙げるべきはダウンタウンの2人であろう（前述の小林可夢偉も、ダウンタウンに憧れていて子供の頃の夢は「お笑い芸人になること」だった）。後に松本人志は尼崎にも邸宅を構えている。他には小説家の中島らも、『NANA』の作者矢沢あい、「大阪名物パチパチパンチ」で有名な吉本新喜劇の島木譲二、声優の西明日香などがいる。また、「忍たま乱太郎」の原作者である尼子騒兵衛も尼崎出身で、ペンネームは「騒がしい尼っ子」のもじりになっている。
歴史的な有名人として、元禄文化を花開いた浄瑠璃の第一人者、近松門左衛門の出身地であり、その影響もあって今も芝居小屋などが多い。落語家や漫才家などを多く輩出、在住しているのも、こういう土台あってこそである。
水曜日のダウンタウンが頻繁にネタにしたことなどもあり、ネット上では「治安が悪い」「西のマッドシティ（東は松戸市とも川崎市とも）」というイメージがあるがこれは地域によりピンキリともいえる。北の方に行けば普通に治安が良く（前述の桂米朝が暮らしていた武庫之荘などは高級住宅地）、ダウンタウンの生まれ育ったJR尼崎駅近くは彼らの幼少期はまだしも現在は再開発が進みまともになっている。しかし、阪神尼崎駅付近や大阪湾沿岸部には未だにアレな地域があり、発砲事件が度々起きていたりする。
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