2016年(平成28年)
2016年の事柄
相次いだ災害、記録づくめの自然現象、露呈する大都市インフラの脆さ・老朽化
2016年は地震、津波、噴火、台風、火災・・・記録に、そして記憶に残る自然現象や災害が多い一年であった。
沖縄に「雪」が降る・・・40年に一度クラスの記録的大寒波が襲来
北陸などで豪雪、奄美で115年ぶりに降雪、九州の平野部でも「真冬日」となる
40年に一度クラスの強烈な寒気が日本列島を覆った。全国の気象観測地点の約9割で最低気温が氷点下となり、また南西に位置する九州の低地部でも約40年ぶりに「真冬日」(最高気温が氷点下)となった地点があった。九州はいつから北海道になったんだ・・・。
比較的暖かい気候の西日本各地では、これほどの寒波を想定したインフラが整っていない地域が多く、特に北部九州の各地などで水道管が破損する被害が相次いだ。
また九州の高速道路はチェーン規制をかけられない(チェーン着脱場が整備されていない)地点が多く、雪が溶けるまで九州のほぼ全域で通行止めとなった。
さらにこの寒波は南西諸島付近にまで張り出していたため、衝撃的な出来事が起こった・・・
1月24日夜、なんと沖縄に雪(霙(みぞれ))が降ったのである・・・
実は沖縄県では過去に雪の観測記録が何度かあり、気象庁でも約40年前の1977年に久米島で雪(霙)を観測している。しかし、気象庁では沖縄本島での雪の観測記録は無く、今回名護市で観測された霙が気象庁観測史上初となる「沖縄本島での雪」の記録となった。
また、沖縄県内の別の地点でも雪や霰(あられ)を目撃したとの情報が相次ぎ、現地から多数の動画がネット上にアップされている。
南西諸島で雪が降ったのは沖縄県だけではなく、鹿児島県の奄美大島でも雪を観測し、実に115年ぶりの降雪記録となった。
余談であるが、気象庁は台湾(台北)にも雪の予報を出しており、見事に的中した(台北の山間部を中心に積雪した)ことから、日本の気象予報の正確さなどが台湾のネット上で話題になっていた。はずれることも稀によくあるけどね・・・
終わらない「熊本地震」・・・中九州地域が断続的な群発地震に見舞われる
東日本大震災以来となる最大震度7を2度観測
4月14日21時26分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする直下型地震(M6.5、深さ11km)が発生。
この地震は熊本地震の前震であり、同県益城町にて東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日発生)の宮城県栗原市以来となる最大震度7を観測した。また、熊本県内の広い範囲で震度6弱を観測したほか、宮崎県の北部山沿いなどでも震度5以上の揺れを観測。
4月16日午前1時25分ごろ、なんと熊本地方でマグニチュード7.3の大地震(本震)が発生。この地震で最大震度7を益城町と西原村で観測したほか、熊本県と大分県の広い範囲で震度6強~6弱を観測。一時は津波注意報も発令された(約1時間後に解除)。益城町では2度目となる最大震度7の観測となった。
その後、熊本県阿蘇地方や大分県などでも震度3~震度6強の群発地震が相次いで発生。山体崩壊によって阿蘇大橋が崩落するなど被害の拡大を招いた。さらに6月に梅雨入りをすると、追い打ちをかけるかのごとく集中豪雨が熊本県を襲った。
一連の地震での犠牲者は157人(2016年12月14日現在で、直接死50人、災害関連死102人、豪雨災害による地震関連死5人)となっている。被害総額は約4.6兆円と推定されており、これは同じく最大震度7を観測した新潟県中越地震の約3.2兆円を上回る額である。
また、全国で唯一稼働している鹿児島県の「川内原子力発電所」は幸いにも異常なしであったほか、佐賀県の「玄海原子力発電所」、愛媛県の「伊方原子力発電所」も異常なしであった。
復興への長い道のりを歩み続けているが、今現在でも強い余震が発生しており余断を許さない状況におかれている。
がんばるばい熊本!がんばろうえ大分!
複雑な動きをした台風10号 観測史上初となる東北地方の太平洋側から上陸
台風10号の元となった低圧部は8月15日にウェーク島の北西の海上で発生。その後は日本の関東地方に直撃するかの如く、日本列島めがけて直進して来ていた。
ところが関東地方の南の海上に来たあたりで進路を西南西へと一変させ、九州の方へ向かい始める。と、ここまでなら「どうせ九州のあたりから北上して日本海に抜けてくるか、中国大陸の方に向かうのだろう」と予測した人もいたかもしれない。
しかしこの台風は違った・・・。なんと、宮崎県の南東の海上から突然南下を始めたのである。その後は大東島地方の東の海上を回り込むように南下していき、沖大東島の南側に到達したあたりで今度は北東方向に進路変更。小笠原諸島の北側を通過し、さらにそこから進路を北北西に変えて、東北地方の太平洋岸に接近してきた。
そして、8月30日18時前に岩手県大船渡市付近に上陸。1951年の観測開始以来初めて東北地方の太平洋側から上陸した台風となった。
台風が直撃した岩手県では岩泉町を中心に甚大な被害が出ており、岩手県内で20人が犠牲となり、3人の行方不明者を出した。また岩手県や北海道で河川の氾濫などが相次いだ。
さらに、北海道では8月の1か月間で3つもの台風が上陸しており、これも観測史上初めての記録となった。北海道はいつから九州になったんだ・・・。道内では大雨による土砂災害、河川の氾濫が各所で発生。夏の水害が非常に多い年となった。
都内大規模停電、博多駅前陥没…大都市インフラ整備における課題が浮き彫りに
大都市で珍しい事故が相次いだ。
10月12日午後3半ごろ、東京都内で58万6千戸や霞ヶ関の一部の中央省庁などを含む大規模な停電が発生。原因は埼玉県新座市の地下電力ケーブルが漏電し、火災が起きたのが原因であった。送電ルートを迂回することで、1時間程度で復旧したが、鉄道などの交通機関や道路交通など各所に影響が出た。
また11月8日午前5時15分頃には、福岡市博多区の博多駅前の道路で大規模な陥没が発生。陥没は、深さ約15m、幅約27m、長さ約30mにも及んだ。福岡市地下鉄七隈線の延伸工事が原因であったが、わずか1週間で埋め戻すことで通行を再開することができた。
いずれの事故も、大都市インフラ機能の脆さを露呈する結果となった。特に電力ケーブル火災の問題は、インフラの老朽化に直面する我が国においては大きな課題となっているともいえる。
年の瀬に起きた悲劇・・・ 新潟県糸魚川市で大規模火災 「糸魚川大火」
12月22日10時20分頃、新潟県糸魚川市の中華料理店で火災が発生。
強風(フェーン現象)で飛び火して延焼したため150軒を超える家屋が焼失。現場が、雁木が連なる古い木造家屋密集地域であったことや、強風、消防力不足などが災いし、大規模火災に拡大する結果となった。
木造家屋密集地域の解消や広域消防など、火災に対する備えの重要さが課題となった災害である。
第31回オリンピック競技大会(リオデジャネイロオリンピック)
第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」
祝日「山の日」施行
以降、毎年8月11日は「山の日」として祝日となる。
北海道新幹線、新青森駅~新函館北斗駅間が開業
同時に、江差線は第三セクターの道南いさりび鉄道に転換され、海峡線は定期旅客列車が全て廃止されて貨物列車および団体臨時列車のみの運行となった。また、北海道方面への夜行列車「はまなす」「カシオペア」が廃止された。これによって、クルーズトレインや大井川鉄道や黒部峡谷鉄道などを除いて日本国内から機関車が客車を牽引する列車が消滅し、さらに定期夜行列車はサンライズ瀬戸、サンライズ出雲のみとなった。また、JR線の定期列車から列車種別「急行」も同時に消えた(ただし、JR東日本常磐線と東京メトロ千代田線との共用区間である綾瀬~北千住間には「急行」と案内されている列車が一応残っている)。
囲碁・井山裕太棋士、史上初となる「7冠」を達成
4月20日午後5時21分、囲碁の7大タイトルのうち6つのタイトルを保持していた井山裕太棋聖(26)が、東京で行われた伊田篤史十段(22)とのタイトル戦に163手・黒番中押し勝ちで勝利し、「十段」のタイトルを獲得した。これにより、囲碁界では史上初めてとなる7冠を達成した。
なお、この囲碁界において歴史的ともいえる対局はニコニコ生放送でも放送された。
東九州自動車道、北九州JCT~宮崎西IC間(約300km)直結
椎田南IC~豊前IC間(約7.2km)の開通により、東九州道の北九州市~大分市~宮崎市(約300km)に当たる区間がすべて高速道路で結ばれる。開通後の所要時間は、北九州市~大分市が約10分短縮され約1時間45分となり、大分市〜宮崎市は約2時間50分、北九州市~宮崎市は約4時間20分で結ばれる。
全て一般道(国道10号等)を利用した場合、北九州市〜大分市は約3時間20分、大分市〜宮崎市は約5時間25分、北九州市〜宮崎市は約8時間45分かかっていたため、それぞれ所要時間が半分程度にまで短縮された。
法定路線としての全線開業には、大隅半島を経由する清武南IC~鹿屋串良JCT間を残すのみとなる。
開通式典の中止
東九州自動車道で北九州市~宮崎市間が全線開通ということで開通式典が予定されていたが、開通日の10日前に平成28年熊本地震が発生。NEXCO西日本は、被災者への配慮や損壊した九州自動車道と大分自動車道の復旧に全力で取り組む必要がある事などから、開通式典の中止を発表した。(開通のみ予定通り行われる)
東日本大震災によって、九州新幹線・鹿児島ルートや北関東自動車道の全線開業式典が自粛になったのと同じ結果を辿る事となってしまった。
なお、震災の影響で九州自動車道と大分自動車道の一部区間が暫く通行止めとなっていたため、南九州方面へ行く際の迂回路(九州自動車道の代替路)として活躍した。
第19代東京都知事・舛添要一氏、政治資金公私混同問題の引責により辞任
東京都の舛添要一知事(当時)は、自らの政治資金をめぐる公私混同疑惑の責任をとり、2016年6月21日付で東京都知事の職を辞任した。
6月15日未明、与党の自民・公明両党を含む都議会の全会派が不信任決議案を議会に提出。議会最終日となる15日の本会議に上程され、可決される見通しとなっていた。
東京都では2013年12月にも、2020年の五輪招致を成功させた猪瀬直樹知事(当時)が、医療法人「徳洲会」グループから5000万円の資金提供を受けた問題で任期期間内に途中辞任しており、2代続けて「政治とカネ」の不祥事による辞任となった。
後任を決める選挙は2016年7月31日に執行され、小池百合子氏が当選。同年8月2日、女性としては初めてとなる東京都知事(第20代)に小池氏が任命された。
イギリス、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が行われる
2016年6月23日に、「イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票」(英語:United Kingdom European Union membership referendum)が行われた。
投票権はイギリス、およびジブラルタルの有権者に与えられた。開票結果は、残留支持への投票が約48%なのに対し、離脱支持への投票が約52%となり、離脱支持が残留支持を僅差で上回る結果となった。(投票率は約72%)
この投票結果はイギリス国内で賛否が大きく分かれるに留まらず、為替や株価などの経済活動に不規則な影響を及ぼすなど、国際社会へ大きな動揺を与えることとなった。
BSデジタル放送による4K・8Kテレビ試験放送開始
元々4Kや8KのBS試験放送は2016年よりも後に実施される計画であったが、2020年の東京オリンピック開催決定を契機に予定より大幅な前倒しとなった。特に8Kテレビ(スーパーハイビジョン)試験放送は当初2020年開始予定だった。
試験放送の使用物理チャンネルはBS17ch。このチャンネルは元々地デジ難視対策衛星放送として使われていたが、2015年3月31日に放送終了・停波し空きチャンネルとなっていた。
参考資料:4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合(総務省)
プロ野球 セ・リーグ、広島東洋カープが25年ぶり7度目のリーグ優勝
広島東洋カープが1991年以来となる25年ぶりのリーグ優勝を決めた。
シーズン開始時、広島東洋カープはセントラルリーグの中では最も優勝から遠ざかっていた球団であった。今季の広島は6月5日に首位に立つと同14日から32年ぶりとなる11連勝を記録し、独走状態に入った。8月24日にはマジック20が点灯、翌25日から9月10日までの14試合は12勝2敗。一気に頂点へ駆け上がった。
そして、クライマックスシリーズ2ndステージで横浜DeNAベイスターズを破り、32年ぶりの日本一への期待が高まったが、パ・リーグ覇者の北海道日本ハムファイターズに2勝4敗で敗れ、惜しくも日本一とはならなかった。
そして、元メジャーリーガーの黒田博樹投手が今季限りで現役を引退。本拠地・マツダスタジアムで引退セレモニーが行われた。
また今年は、鈴木誠也選手の大活躍を称した「神ってる」という言葉が流行語となる。WBC日本代表(通称:侍ジャパン)強化試合での大活躍などから全国にも知れ渡り、2016年の流行語大賞を受賞した。
声優の肝付兼太、亡くなる
10月20日、テレビ朝日版「ドラえもん」において、2005年まで骨川スネ夫を演じ、その他「キテレツ大百科」や「銀河鉄道999」、「にこにこぷん」などで活躍した肝付兼太が亡くなった。80歳歿。ジャイアン役の盟友たてかべ和也が亡くなって僅か1年半の出来事にファンは衝撃を受けた。弟子の山口勝平、共に長年ドラえもんを支えた戦友の小原乃梨子などが哀悼のコメントを発表した。
113番元素“ニホニウム”
11月30日、2004年に日本の理化学研究所が合成に成功し、以後2005年、2012年の3回にわたって生成実験を成功させていた113番元素について、国際純正・応用化学連合IUPACにて先送りされていた審議がようやく正式に認定され、元素名が「ニホニウム」(英名Nihonium、元素記号Nh)と決定。日本国内、アジア圏において初めて元素周期表にその元素名が載ることとなった。これにより全世界の化学の教科書にNihonの文字が掲載される。
なお、この日には未認定だった115、117、118番も同時に命名されている。
一部では、6月からの6ヶ月間のパブリックレビューで周辺国のクレームがあるのでは?といった不安もあったが、無事認定の運びとなっている。(実際に「元素名は国威発揚の場ではない」などという無知なコメンテーターもいたほど)
当初の名称案は「ジャポニウム」(記号 Jp)が有力かとも言われたが、母国語の日本語にこだわった点や欧米における差別語Japを連想させることなどから、日本(ニホン)に因んだ名称となった。
オスプレイ 沖縄海上に不時着
12月13日午後9時半ごろ、給油訓練中であった在日米軍のMV-22オスプレイが空中給油に失敗し浅瀬に着水。
機体は大破したものの、乗組員5人は全員脱出しており無事。うち2人が軽いけがを負った。
報道機関によっては、オスプレイが「墜落」と表記されていることもあったが、実際には制御不能に陥った機体を民間住宅に被害を出さないように着水させる正しい危機管理が行われていたことが明らかとなっている。
国内の防衛省では「不時着水」と表記している。
これによって、オスプレイ反対派のデモも加速し、10月の機動隊土人発言も含めてより一層沖縄の活動家たちの過激な行動や県内報道機関のオスプレイへの反感記事はエスカレートしていった。
2016年のカラオケランキング
(出典:JOYSOUND平成カラオケ年表)
2016年の出来事
2016年に生まれた著名人
2016年に亡くなった著名人
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