部首(ぶしゅ)とは、漢字を構成する部分である。専門的な言葉でいえば意符(意味を示す部分。対義語は音を表す声符)が多い。漢和辞典ではこの部首ごとに漢字を分類している。
概要
部首とは日本では『康熙字典』に基づいた分類がよく知られ、そこから全部で212※にわけられ、一般に市販されている漢和辞典や漢字辞典の類はこの分類に基づいて列挙されている。
狭義では、部首のうち、偏旁、偏旁冠脚(へんぼうかんきゃく)と呼ばれる7種類の部首がよく知られ、初等の国語科学習でも履修要領となっている。そして、これらの部首を知っておくと、漢字を効率よく覚えるのには非常に役立つ。
- 偏(へん)…漢字の構成部分の左側
(海、村、体、指、話、絵、銀、階、快、場、腕、奴、私、味、徳、研、狙、晴、配、福、販、路、珍、軽、焼、糊、飼、袖、駅、眼、強、船、凍、峠、残、牡、帳、虹、短、鯖、聴、齢、髄、朧、靴、牌、靖、貌、躾、的、黙、触、耕、孫…)
- 旁(つくり)…漢字の構成部分の右側
(別、顔、攻、部、功、鶏、殴、雑、形、観、斜、叙、戦、印、新、期、獣…)
- 冠(かんむり)…漢字の構成部分の上側
(花、家、算、雷、今、空、罪、写…)
- 脚(あし)…漢字の構成部分の下側
(悲、買、照、盆、兄、弄、製…)
- 垂(たれ)…漢字の構成部分の上側+左側
(広、層、病、戻、原)
- 繞(にょう)…漢字の構成部分の左側+下側で、意符が声符を取り巻いているもの。
(通、起、建、凶、魅、麺…)
- 構(かまえ)…垂と饒を除き、2箇所以上の構成部分で形成されるもの
(国、開、街、区、包、円、戒、式、気…)
しかし、これらに当てはまらないものも多数存在する。したがって、偏旁冠脚の分類は慣例、慣習的なものが多いほか、編纂や監修にあたった人物の意図を反映することが多く、読みの表記揺れが多かったりする。そのため、あまり漢和辞典などでも重視されず、日常でもこんなものにこだわるのは酔狂な漢字マニアぐらいである。
※康熙字典は214だが、日本では分類が困難な匚部と匸部、また夂部と夊部は統合されていることが多いため。また、ツ部など、独自の部首を追加する字典もある。
『康熙字典』の部首
関連項目
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