原田はらだ豊吉とよきち

原田はらだ豊吉とよきち
生誕せいたん	1861年ねん1月がつ1日にち 日本にっぽん 江戸えど
死没しぼつ	(1894-12-02) 1894年ねん12月2日にち（33歳さい没ぼつ）

原田はらだ 豊吉とよきち（はらだ とよきち、万延まんえん元年がんねん11月21日にち（1861年ねん1月がつ1日にち） - 明治めいじ27年ねん（1894年ねん）12月2日にち）は、日本にっぽんの地質ちしつ学がく者もの。兵学へいがく者しゃ原田はらだ一道いちどうの長男ちょうなんとして江戸えどに生うまれる。洋画ようが家か原田はらだ直次郎なおじろうは弟おとうと。

人物じんぶつ・生涯しょうがい

東京とうきょう外国がいこく語ご学校がっこうでフランス語ふらんすごを学まなび、軍人ぐんじんであり欧州おうしゅう経験けいけんの豊富ほうふな父親ちちおやとその知しり合あいであるドイツ人じん武器ぶき商人しょうにんマイケル・ベアの勧すすめで、14歳さいにして1874年ねん（明治めいじ7年ねん）ドイツへ留学りゅうがく。ハンブルク近郊きんこうシュターデの中高なかだか一貫いっかん教育きょういく校こう（ギムナジウム）で3年ねん学まなんだのち、フライベルク鉱山こうざん学校がっこうを卒業そつぎょう。ハイデルベルク大学だいがくで地質ちしつ学がく、ミュンヘン大学だいがくで古こ生物せいぶつ学がくを学まなび、ベルリン大学だいがくから博士はかせ号ごうを取得しゅとくし、ウィーン地質調査所ちしつちょうさしょに勤務きんむした。

1883年ねん（明治めいじ16年ねん）帰国きこくし、農のう商務省しょうむしょう御用ごよう掛かけ権けん少しょう書記官しょきかんとして地質調査所ちしつちょうさしょに奉職ほうしょくした。1884年ねん（明治めいじ17年ねん）東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく理科りか大学だいがくの地質ちしつ学がく教授きょうじゅを兼任けんにんし、初はつの日本人にっぽんじん地質ちしつ学がく教授きょうじゅとなった。ハインリッヒ・エドムント・ナウマンが帰国きこくした1885年ねん（明治めいじ18年ねん）以降いこうは局きょくに昇格しょうかくした地質ちしつ局きょくの中心ちゅうしんとなり、1886年ねん（明治めいじ19年ねん）地質ちしつ局きょく次長じちょうとなる。1888年ねん（明治めいじ21年ねん）に『日本にっぽん地質ちしつ構造こうぞう論ろん』を発表はっぴょうしナウマンの、フォッサマグナによる日本にっぽん分断ぶんだん説せつに反対はんたい、原田はらだ・ナウマン論争ろんそうを引ひき起おこした。原田はらだの主張しゅちょうでは、日本にっぽん列島れっとうは日本にっぽん北きた弧こ（樺太からふと山系さんけい）と日本にっぽん南みなみ弧こ（支ささえ那な山系さんけい）の二ふたつからなり，両りょう弧こが衝突しょうとつした接合せつごう部ぶは関東かんとう付近ふきんにありフォッサマグナのような大だい地溝ちこう帯たいは存在そんざいしないとした。現代げんだいの知見ちけんではナウマンの主張しゅちょうが正ただしかったと考かんがえられている。

肺結核はいけっかくのため1889年ねん（明治めいじ22年ねん）大学だいがくを辞職じしょくし、翌年よくねん地質ちしつ局きょくも休職きゅうしょく。1891年ねん（明治めいじ24年ねん）肺結核はいけっかく治療ちりょうのために、ツベルクリン研究けんきゅうで赴おもむく親友しんゆうの佐々木ささき政吉まさきちと共ともにドイツに渡わたりロベルト・コッホの治療ちりょうを受うけるが、帰国きこく後ご1894年ねん（明治めいじ27年ねん）に33歳さいで死去しきょした。

14歳さいから留学りゅうがくしたため帰国きこくしたときに日本語にほんごを忘わすれ通訳つうやくが必要ひつようであったというエピソードがある。

栄典えいてん

• 1883年ねん（明治めいじ16年ねん）12月25日にち - 正せい七なな位い
• 1894年ねん（明治めいじ27年ねん）4月がつ16日にち - 正せい六ろく位い

家族かぞく

• 妻つまに照子てるこ（1870-?)。ユダヤ系けいドイツ人じんの武器ぶき商人しょうにんミヒャエル・ベア(Martin Michael Behr、1841-1904)と荒井あらいろくの娘むすめだが、高田商たかだしょう会かいの高田たかだ慎まこと蔵ぞうの養女ようじょとして結婚けっこん。
• 息子むすこの原はら田熊たぐま雄つよしは西園寺さいおんじ公望きんもちの秘書ひしょを務つとめた。豊吉とよきちが若死わかじにしたため、祖父そふ・一道いちどうの男爵だんしゃくを継承けいしょう、日本にっぽんで初はじめての混血こんけつの華族かぞくと目めされている）。
• 娘むすめの信子のぶこは有島ありしま生馬いくまの妻つま。

参考さんこう文献ぶんけん

• 今井いまい功いさお 「地質ちしつ調査ちょうさ事業じぎょうの先覚せんかく者しゃたち（3） 最初さいしょの若わかき指導しどう者しゃ - 原田はらだ豊吉とよきち -」『地質ちしつニュース』109号ごう、30-34頁ぺーじ、1963年ねん9月がつ。
• 小出こいで仁ひとし, 「地学ちがく雑誌ざっし 第だい一いち集しゅう第だい一いち巻かん「日本にっぽん地質ちしつ構造こうぞう論ろん」原田はらだ豊吉とよきち：夭折ようせつした先駆せんく者しゃ」『地学ちがく雑誌ざっし』116巻かん、2号ごう、294-296頁ぺーじ、2007年ねん。doi:10.5026/jgeography.116.2_294

外部がいぶリンク

• 朝ちょう日にち日本にっぽん歴史れきし人物じんぶつ事典じてん『原田はらだ豊吉とよきち』 - コトバンク
• 「原田はらだ豊吉とよきち」横断おうだん検索けんさく - ジャパンサーチ(BETA)